財前光
「ひーか。」
右耳のイヤホンが外れ俺の鼓膜をくすぐる低めの、でも女性って分かる優しい声。この声を聞くと俺は落ち着くし、心臓がドキドキする。
「先輩。」
俺が名前を呼ぶと嬉しそうに笑い頭を撫でてくれる。先輩。柔らかくて優しい手つきが好きで俺は彼女が満足するまで何も言わない。
「そーやで、君の先輩さんやで、光。」
「どうかしたんすか?」
「部活、始まるで。白石に財前がおらへんねんけどどこおるか知らんかって聞かれてな、やっぱここやった。」
そう言われてスマホを見るとあと5分で練習が始まる時間。今日は土曜日、練習は午後からだが委員の仕事があり朝から学校に来ていた。仕事も終わりお昼を一緒に食べないかと頬を染めながら話しかけてきた女子生徒をてきとーに交わして1人でご飯を食べてから、中庭で音楽を聞きつつ本を読んでいた。先輩はうちの部活のマネではない、が、俺がどこにいるかわかってくれていつも見つけてくれるのだ。嬉しくなる気持ちはあるが先輩の手を煩わせてしまった。
「すんません、もうそんな時間やったんですね。すぐ行きます。」
「ん、行ってきぃ、今日は勉強しとるから図書室おるで。」
「分かりました。終わったら連絡しますわ。ま、いつも通り5時半に終わる思うんですけど。」
「もう日が落ちるん早いでなぁ。6時まではキツいか。」
「そうッスね。...あの、先輩。」
名前を呼ぶとちゃんと目を合わせて笑ってくれるこの仕草が俺は大好きで、こんな個性ばっかのうるさいとこでもちゃんと俺を見ていると安心できる。
「...明日の練習、先輩らと試合するんです。よかったら来てくれませんか?」
練習を見に来て欲しいなんて初めて言ったから先輩は少し驚いた顔をした、でもすぐに優しく笑う。この人の笑顔ほど愛しいと思ったことは無い。
「うん、行くわ、絶対行くわ、楽しみやなぁ。」
嬉しそうに両手で口を抑えて笑っているその仕草が可愛らしくて好きだなぁと実感する。暫くすると小指を出す。
「絶対行くから絶対勝ってや、ほい、指切りげんまん。」
今度は俺が驚いてから笑う番。ほんとに見た目にそぐわない幼さをもつ先輩やで。しゃーないな、なんて顔をして先輩の指に俺の指を絡める。
「あの先輩らに絶対勝ってとか、ほんま無茶言いますわ、...まぁ、負けませんけど、指切りは一応しときます。先輩が寝坊してこれなくなったとか嫌なんで。」
「えー!私朝強いで!!」
「楽しみで眠れなかったとかありそうじゃないっすか。」
俺が笑うと怒った表情をする先輩。それさえも可愛いと思う俺は末期だな、なんて思うけど幸せやからええかなってなってしまう。
「ほらほらセンパイ、指切りしましょ。」
「ん、指切りげんまん、嘘ついたら今度のデートでクレープおーごる!指切った!」
「なんすかそれ。」
「だって針千本とか痛いやん。」
「指切りげんまんのげんまんってゲンコツて100万回殴るって知ってました?」
「えっ!?嘘やろ?こっわ。」
「やから、せやな、指切り絶対とかはどうですか?絶対守るって意味で。」
「ええやん!それにしよ!もっかい!ほら!」
2人でまた小指を絡める。今度は俺も歌うことにした
「「指切り絶対、嘘ついたら今度のデートでクレープおーごる、指切った!」」
約束をすると満足そうに笑い、頑張ってなー!と言い残して先輩は図書室に向かった。俺もすぐに部室行って着替えてから部活して、放課後先輩と帰った。
ちなみに日曜は先輩来てくれたし、俺もそこそこ勝てたってことでデートのクレープは個人で出すってことになった、ま、そのクレープを美味しそうに食べてる可愛いとこ写真撮らせて貰ったんで俺は勝ったみたいなもんなんやけど。
右耳のイヤホンが外れ俺の鼓膜をくすぐる低めの、でも女性って分かる優しい声。この声を聞くと俺は落ち着くし、心臓がドキドキする。
「先輩。」
俺が名前を呼ぶと嬉しそうに笑い頭を撫でてくれる。先輩。柔らかくて優しい手つきが好きで俺は彼女が満足するまで何も言わない。
「そーやで、君の先輩さんやで、光。」
「どうかしたんすか?」
「部活、始まるで。白石に財前がおらへんねんけどどこおるか知らんかって聞かれてな、やっぱここやった。」
そう言われてスマホを見るとあと5分で練習が始まる時間。今日は土曜日、練習は午後からだが委員の仕事があり朝から学校に来ていた。仕事も終わりお昼を一緒に食べないかと頬を染めながら話しかけてきた女子生徒をてきとーに交わして1人でご飯を食べてから、中庭で音楽を聞きつつ本を読んでいた。先輩はうちの部活のマネではない、が、俺がどこにいるかわかってくれていつも見つけてくれるのだ。嬉しくなる気持ちはあるが先輩の手を煩わせてしまった。
「すんません、もうそんな時間やったんですね。すぐ行きます。」
「ん、行ってきぃ、今日は勉強しとるから図書室おるで。」
「分かりました。終わったら連絡しますわ。ま、いつも通り5時半に終わる思うんですけど。」
「もう日が落ちるん早いでなぁ。6時まではキツいか。」
「そうッスね。...あの、先輩。」
名前を呼ぶとちゃんと目を合わせて笑ってくれるこの仕草が俺は大好きで、こんな個性ばっかのうるさいとこでもちゃんと俺を見ていると安心できる。
「...明日の練習、先輩らと試合するんです。よかったら来てくれませんか?」
練習を見に来て欲しいなんて初めて言ったから先輩は少し驚いた顔をした、でもすぐに優しく笑う。この人の笑顔ほど愛しいと思ったことは無い。
「うん、行くわ、絶対行くわ、楽しみやなぁ。」
嬉しそうに両手で口を抑えて笑っているその仕草が可愛らしくて好きだなぁと実感する。暫くすると小指を出す。
「絶対行くから絶対勝ってや、ほい、指切りげんまん。」
今度は俺が驚いてから笑う番。ほんとに見た目にそぐわない幼さをもつ先輩やで。しゃーないな、なんて顔をして先輩の指に俺の指を絡める。
「あの先輩らに絶対勝ってとか、ほんま無茶言いますわ、...まぁ、負けませんけど、指切りは一応しときます。先輩が寝坊してこれなくなったとか嫌なんで。」
「えー!私朝強いで!!」
「楽しみで眠れなかったとかありそうじゃないっすか。」
俺が笑うと怒った表情をする先輩。それさえも可愛いと思う俺は末期だな、なんて思うけど幸せやからええかなってなってしまう。
「ほらほらセンパイ、指切りしましょ。」
「ん、指切りげんまん、嘘ついたら今度のデートでクレープおーごる!指切った!」
「なんすかそれ。」
「だって針千本とか痛いやん。」
「指切りげんまんのげんまんってゲンコツて100万回殴るって知ってました?」
「えっ!?嘘やろ?こっわ。」
「やから、せやな、指切り絶対とかはどうですか?絶対守るって意味で。」
「ええやん!それにしよ!もっかい!ほら!」
2人でまた小指を絡める。今度は俺も歌うことにした
「「指切り絶対、嘘ついたら今度のデートでクレープおーごる、指切った!」」
約束をすると満足そうに笑い、頑張ってなー!と言い残して先輩は図書室に向かった。俺もすぐに部室行って着替えてから部活して、放課後先輩と帰った。
ちなみに日曜は先輩来てくれたし、俺もそこそこ勝てたってことでデートのクレープは個人で出すってことになった、ま、そのクレープを美味しそうに食べてる可愛いとこ写真撮らせて貰ったんで俺は勝ったみたいなもんなんやけど。
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