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快晴の気持ちが良い日。待ち合わせ場所のキバ湖・西の橋に着くと少女と青年が隣合って立っていた。
「お待たせ〜!」
「おう。待ってたぜ。時間ピッタリだな!」
「ホタルさん、こんにちは!」
「こんにちは〜!今日はどうしたの?」
「巣穴探検しに行くんですけど、キバナさん見かけたのでお話してました!」
ぎゅっとキバナの腕にくっつくユウリが妹のようで可愛らしい。キバナは何故だか複雑そうな顔をしている。昨日まで楽しそうに接していたのに…何があったのだろうか。
「どんな話してたの?」
自分が来るまで何の話をしていたのか気になったのでユウリとキバナに聞いてみると、キバナは黙りを決め、ユウリには内緒と言われた。
「え〜…残念だなぁ」
「そんなことより、キバナさんとホタルさんはどこに出かける予定なんですか?」
ちらりとキバナを見る。目が合うが逸らされてしまった。ここはいつもの事だ。
「ん、そうだな〜。どこに出かけるんだ?」
「…釣り」
「へぇ〜!私も一緒に良いですか?」
「ダメだ」
会ってから動かなかったキバナがユウリを剥がしてホタルと肩を組みユウリを見下ろす。
「今日はホタルとデートなんだ。悪いな。ユウリは巣穴巡りするんだろ?良いポケモンGETして来いよな!」
真剣な眼差しの後に目元を微笑ませるキバナに一瞬たじろぐユウリ。徐々に目が潤むがニコッと笑う。
「デートなら仕方ないですね!…それじゃ、お邪魔しても悪いので行きますね!良い一日を」
良い一日を、と返すと手を振り背を向けて歩き出した。その後ろ姿は哀しげに揺れているように見えた。
「なぁ、何があったんだ?」
「…今は言いたくねぇ」
腕を降ろし数歩離れ、身体ごとそっぽを向かれる。そっか、と呟きじゃあ行こうかと声をかける。
「行くってどこに…」
「釣りだろ?」
「冗談。道具もないのに?」
「ははっ、そうだな。…こんな時間だけどどこか飲みに行くか?」
キャンプやら買い物やらで遊ぶ予定だったんだろうが今のキバナだとそんな気分にはなれないだろう。
ホタルの何でも聞くぞモードに苦笑する。聞いてもらう内容もふわふわとしたまま行く宛もふわふわと考えてしまう。
「…俺ん家でいいか」
「構わないよ」
キバナ宅に着くとぶら下げていたスーパー袋からビールを取り出す。煙草を吸っていいか聞いて葉先に火をつける。
「ふぅー…、…なに?そんなに見つめて」
「いや、その顔で煙草吸うんだなって思ってよ」
「ハハッ、ほんとになんだよ。今に始まった事じゃないだろうに」
「いつも思ってるっつーことだよ」
ビールのタブを折ると缶がカシュッと囁く。ゴクゴクと上下に動く褐色の喉をぼーっと眺めていると一息ついたキバナと目が合う。
「なんだよ」
「ん?いい飲みっぷりだな〜って」
「ふぅ〜ん。…あのさ」
煙草の灰を落としキバナに目線を戻すと何処に視点を置いてるのか机を見ながら呟くキバナに、ん?と相槌を打つ。
「背負ってるもの全てを投げ出して好きな奴に告白してOKされたら、それが一番の幸せだと思うか?」
キバナの口から恋愛話が出てくるとは珍しいと思いつつ、肺に煙を送りながら問われた答えを探す。
先程のユウリのことかな、とぼんやり照らし合わせなんと返すか考える。
「ふーー、、背負ってる物ね…。投げ出したとしてお互いがそれで良いなら幸せに思うんじゃないか?一番かどうかはわからないけど」
「…ホタルは投げ出してでも告白したいとか思うことあるか?」
「告白?俺が?無いなー。まず恋愛とか考えらんねーもん。なんかそういう感情生まれてこの方抱いたことないんだよねー」
最後に煙を吹いて吸殻をしまい、ホタルもビールを手に取り缶の悲鳴を聞いて少しずつ喉に通す。
お互いに静かにビールを飲む音だけが続く。
気がつけば雨が屋根を跳ねる音が耳に入る。何も用意してないが泊まっても良いか尋ねると、キバナは無表情で頷いた。何か気に触ることでも言ってしまったかと少し焦るが、既に口から出たものは取り消せないし何が気に触ったかも検討がつかないのでごめんの言葉も一緒に液体を喉の奥に流し込んだ。
fin.
───────
あとがき
何となく見せたい描写を書いていたら長文になりました。無駄に三角にしたせいでしょう。擬音を使わない上手い表現ができるように言葉を覚えたいです。
ここから話の説明を少し書きます。
私のイメージを書きます。
本編だけで読むのを終わらせて、そこから更に想像を膨らますのが一番良いかなと思うのでここからは読まなくていいと思っています。
では私が何となく書きたかったことを書きます。
ユウリはキバナさんが好きでキバナに告白するがキバナはホタルが好きなのでデートと言って断ります。缶が囁くとか悲鳴を上げるとか変な表現かなとも思ったんですがキバナの感情表現に聞こえてたら良いなと思います。
告白したら〜のところはホタルは勘違いしてますがキバナはホタルを想って言ってます。その後ホタルは恋に興味が無い(無性愛者でも良いかな)から誰とも付き合う気がないと言うのでキバナは失恋のような気持ちになるんですけどそれが見えないようにポーカーフェイスを頑張った結果が無表情だった。みたいな、こんな感じで簡単に言うと誰の恋も叶わないんだなって想像しながら書いてました。恋が叶わないのに気づいた時に悲しむキバナさん可愛い。つら。
最後まで読んで頂きありがとうございます。楽しんで頂けていれば幸いです。
「お待たせ〜!」
「おう。待ってたぜ。時間ピッタリだな!」
「ホタルさん、こんにちは!」
「こんにちは〜!今日はどうしたの?」
「巣穴探検しに行くんですけど、キバナさん見かけたのでお話してました!」
ぎゅっとキバナの腕にくっつくユウリが妹のようで可愛らしい。キバナは何故だか複雑そうな顔をしている。昨日まで楽しそうに接していたのに…何があったのだろうか。
「どんな話してたの?」
自分が来るまで何の話をしていたのか気になったのでユウリとキバナに聞いてみると、キバナは黙りを決め、ユウリには内緒と言われた。
「え〜…残念だなぁ」
「そんなことより、キバナさんとホタルさんはどこに出かける予定なんですか?」
ちらりとキバナを見る。目が合うが逸らされてしまった。ここはいつもの事だ。
「ん、そうだな〜。どこに出かけるんだ?」
「…釣り」
「へぇ〜!私も一緒に良いですか?」
「ダメだ」
会ってから動かなかったキバナがユウリを剥がしてホタルと肩を組みユウリを見下ろす。
「今日はホタルとデートなんだ。悪いな。ユウリは巣穴巡りするんだろ?良いポケモンGETして来いよな!」
真剣な眼差しの後に目元を微笑ませるキバナに一瞬たじろぐユウリ。徐々に目が潤むがニコッと笑う。
「デートなら仕方ないですね!…それじゃ、お邪魔しても悪いので行きますね!良い一日を」
良い一日を、と返すと手を振り背を向けて歩き出した。その後ろ姿は哀しげに揺れているように見えた。
「なぁ、何があったんだ?」
「…今は言いたくねぇ」
腕を降ろし数歩離れ、身体ごとそっぽを向かれる。そっか、と呟きじゃあ行こうかと声をかける。
「行くってどこに…」
「釣りだろ?」
「冗談。道具もないのに?」
「ははっ、そうだな。…こんな時間だけどどこか飲みに行くか?」
キャンプやら買い物やらで遊ぶ予定だったんだろうが今のキバナだとそんな気分にはなれないだろう。
ホタルの何でも聞くぞモードに苦笑する。聞いてもらう内容もふわふわとしたまま行く宛もふわふわと考えてしまう。
「…俺ん家でいいか」
「構わないよ」
キバナ宅に着くとぶら下げていたスーパー袋からビールを取り出す。煙草を吸っていいか聞いて葉先に火をつける。
「ふぅー…、…なに?そんなに見つめて」
「いや、その顔で煙草吸うんだなって思ってよ」
「ハハッ、ほんとになんだよ。今に始まった事じゃないだろうに」
「いつも思ってるっつーことだよ」
ビールのタブを折ると缶がカシュッと囁く。ゴクゴクと上下に動く褐色の喉をぼーっと眺めていると一息ついたキバナと目が合う。
「なんだよ」
「ん?いい飲みっぷりだな〜って」
「ふぅ〜ん。…あのさ」
煙草の灰を落としキバナに目線を戻すと何処に視点を置いてるのか机を見ながら呟くキバナに、ん?と相槌を打つ。
「背負ってるもの全てを投げ出して好きな奴に告白してOKされたら、それが一番の幸せだと思うか?」
キバナの口から恋愛話が出てくるとは珍しいと思いつつ、肺に煙を送りながら問われた答えを探す。
先程のユウリのことかな、とぼんやり照らし合わせなんと返すか考える。
「ふーー、、背負ってる物ね…。投げ出したとしてお互いがそれで良いなら幸せに思うんじゃないか?一番かどうかはわからないけど」
「…ホタルは投げ出してでも告白したいとか思うことあるか?」
「告白?俺が?無いなー。まず恋愛とか考えらんねーもん。なんかそういう感情生まれてこの方抱いたことないんだよねー」
最後に煙を吹いて吸殻をしまい、ホタルもビールを手に取り缶の悲鳴を聞いて少しずつ喉に通す。
お互いに静かにビールを飲む音だけが続く。
気がつけば雨が屋根を跳ねる音が耳に入る。何も用意してないが泊まっても良いか尋ねると、キバナは無表情で頷いた。何か気に触ることでも言ってしまったかと少し焦るが、既に口から出たものは取り消せないし何が気に触ったかも検討がつかないのでごめんの言葉も一緒に液体を喉の奥に流し込んだ。
fin.
───────
あとがき
何となく見せたい描写を書いていたら長文になりました。無駄に三角にしたせいでしょう。擬音を使わない上手い表現ができるように言葉を覚えたいです。
ここから話の説明を少し書きます。
私のイメージを書きます。
本編だけで読むのを終わらせて、そこから更に想像を膨らますのが一番良いかなと思うのでここからは読まなくていいと思っています。
では私が何となく書きたかったことを書きます。
ユウリはキバナさんが好きでキバナに告白するがキバナはホタルが好きなのでデートと言って断ります。缶が囁くとか悲鳴を上げるとか変な表現かなとも思ったんですがキバナの感情表現に聞こえてたら良いなと思います。
告白したら〜のところはホタルは勘違いしてますがキバナはホタルを想って言ってます。その後ホタルは恋に興味が無い(無性愛者でも良いかな)から誰とも付き合う気がないと言うのでキバナは失恋のような気持ちになるんですけどそれが見えないようにポーカーフェイスを頑張った結果が無表情だった。みたいな、こんな感じで簡単に言うと誰の恋も叶わないんだなって想像しながら書いてました。恋が叶わないのに気づいた時に悲しむキバナさん可愛い。つら。
最後まで読んで頂きありがとうございます。楽しんで頂けていれば幸いです。