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炎炎

芸術は爆発だ。


活気の良い浅草で焔ビトが出た。今回は助六の家のようだ。

鎮魂の為に第七特殊消防隊が出動。火災から離れた所に住んでいるが念の為、非難具一式持って外へと出る。

焔ビトが暴れているのが遠くからでもわかる。恐ろしいさで体温が下がると同時に炎の美しさに感動を覚える。毎度の事ながら不謹慎な為、間違っても美しいなどと絶対口には出してはいけない。普段使ってる炎と同じとはいえ、発火原因が違うから。

避難先の屋根の上で絵筆を片手に現在の状況を観察する。こんな事をするのも本当は誰かに怒られるんだろうと思いながらも衝動は抑えられず、業火をそのまま描くように筆を動かす。

「助六……。お前さんの作る紙は一等物だ。こんなに墨が綺麗に写るんだ……。助六…ありがとよ…」

焔ビトの姿になった助六を早く楽にしてくれ…。そう願うと、紅丸の掛け声と共に馬簾に着火された纏が空を舞いそして焔ビトの下へと降り注いだ。まるで彼岸花を生ける様な光景に目が奪われる。

燃え盛る家が倒壊され黒煙が白煙へと変わる。鎮魂が終わったようだ…。

「御霊の安らかならんことを…」



再建築で忙しなく行き交う浅草。いつもの賑やかな空気に引っ掛かりを覚えつつ平常心と自分に言い聞かせ絵師の仕事をこなそうとするが中々落ち着かない。

昼頃になっても気持ちが変わらず外に出てみるも哀しみが増した。暫く空を眺め呆けていると誰かの気配を感じそちらに目を向けると、紅丸が佇んでいた。

「紅丸さん…」

「よぉ、だいぶ滅入ってるようだな」

「はは…いつから見てやしたんですか…。助六……良い造り手でした。浅草紙と言えば助六!って自称してやしたけど、俺ァその通りだと思うんですよ…。長年世話になってその凄さをよう知っとるんです。もっと沢山助六の紙で絵を描きたかった……こんな、まだ、若ェのによ……ぅっ…」

思い出すとポロポロと涙が溢れ出す。隣で静かに待っている紅丸に助六を楽にしてくれてありがとうと言うと、おぅ、と陰りのある表情で笑む紅丸。

泣き止むと少し気持ちが軽くなった。

「…お前さんに一つ頼み事をしてェんだが」

「頼み事ですか?何やしょう」

「浅草の絵を描いてくれねェか。自慢の紙でよ」

「!、、へへっお易い御用ですぜ!」

じゃあ頼んだ。そう言って肩を叩き去る紅丸の背中を見送りまた感謝をする。

「さぁ、最高の絵を作るかな!」

背筋をしゃんと伸ばし筆を取りに戻る。
賑やかな声に負けじと気合いを結び足を前へ伸ばした。


fin.
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あとがき

アニメの炎炎見ました。やっぱ最強って良いですね。紅丸の格好良さと可愛さに好きになりました!
漫画の方はまだ読んでいなので浅草や第七の詳細はアニメで見た知識だけで書いてます。あとは江戸時代で検索したりして雰囲気出してみました。

今回はどう紅丸と絡ませようかと浅草と文字を打つ所から思いつくままに書き進め、モブが紅に感謝するところに落ち着きました。
弔いの言葉をラートムにするかしまいか悩み、原国式という設定を考えるとラートムじゃない方が良いかなと思い「御霊の安らかならんことをお祈りします」から取って書きました。
紅丸登場させられたので満足です(´ω` )ムフー

どうでもいいですが寝てる間に、はへはひふさそほらり、という謎の呪文を書いていたのでここに載せときます_φ(..)メモメモ

ここまでお読み頂きありがとうございます!
楽しんで頂けていると幸いです。ラートム!
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