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蝉が必死で叫ぶ中、エアコンの着いた部屋でパソコンに向き合う。玄関の鍵が開く音に亜麻色の髪が揺れた。

「ただいま〜。あつーい。夕飯買ってきたよ〜」

ドアが開くと涼しいと言いながらスーパー袋を机に置く出久。じっとパソコンに向き合っていた勝己はカタン、とタイプ音を響かせたら画面を閉じて席を立った。

「あ?ビール買ってねーのかよ」
「ビールは買ってないけどサイダーは買ってきたよ!」

それもオールマイトの!とサイダー瓶を嬉しそうに掲げる出久とは対象に、げんなりした顔をしてサイダー瓶を受け取った。

「デク、歯ブラシ買っといた」
「あ、忘れてた!買ってくれたんだ、ありがとう」

忘れ過ぎだろ、と呆れながらスーパーのお惣菜を皿に移してテーブルに並べる。出久は買ってきたものをしまい終わると勝己の反対側の席に座りニコニコしながら瓶を手に取る。

「今日も1日お疲れ!」
「おう。お疲れ」

ガラスの音が響き、いただきますの声がつづく。お互いの共通の情報交換をしながらご飯を食べ進める。

先に風呂に向かった勝己を横目に食器を片付ける。洗濯物を回してスマホを少し弄っていたらホカホカと湯煙を立たせた勝己が上がったと声をかけた。

風呂から上がった出久はハンガーに吊るされた洗濯物を風呂場に干して服も着ずに洗面台に向かう。

「あ、オールマイトのデザインだ…」

黄色の歯ブラシを手に取りオールマイトデザインの歯磨き粉を付けて口に入れる。勝己の歯ブラシを見ると新品の同じデザインの青色の歯ブラシがコップに収まっていた。お揃いの物を買うなんて珍しく、嬉しさありなんだか可笑しい感じありで少し笑った。

寝室に行くと勝己は既に寝ていた。隣に行き穏やかな寝顔を見て微笑み、抱き枕を抱きしめて眠りについた。

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