放課後の部活動で散る生徒の中、心理学の本を求めて図書館に向かう。突き当たりを曲がり階段を降りると例の転校生が登ってすれ違う手前で目が合った。

「あんたは同じクラスの…」

「…村山」

「悪いんだが図書館がどこか教えてくれないか」

「あー、丁度いま図書館に行く所なんだけど、一緒に行く？」

ああ、と一言返事がきて一緒に行くことになった。無言で歩いていると自分らの靴が軋む音や風の音、部活動に勤しんでる生徒の声が聞こえる。

図書館に着き、ここだよ…それじゃ、と言って中に入る。トラファルガーも有難うと言って目的の棚を探しに別れた。

分類：哲学の棚から心理学が置かれている所を探し、睡眠心理学の本を手に取る。軽く目を通して別の本を手に取りを繰り返す。数冊ある中で一番読みやすそうな物を手に取り、1人席の机の席に着く。

まずはレム睡眠と夢という項目から目を通し他に気になる精神生理学の項目も通して項目の最初から読むことにした。

そういえば、学校以外でトラファルガーに会ったことがある気がする。もう一つの生活…夢の中で見かけたような気がする…。シルエットが似る人もゼロではないし、夢の中で会った人物は村の人達の顔しか覚えがはっきりとしていない。

わからないものは考えても仕方ないと思い、読書に専念する事にした。