+10了ヒバSS

モノトーンスーツ



 了平が新しく仕立てたモノトーンのスーツを着てあらわれた。雲雀は無言のまま目を細め、口元に笑みを浮かべるや否や了平にくちづけした。
 唇が離れるなり、了平が不満そうな声をあげた。
「やぶからぼうに、なんだ。スーツの感想はいってくれんのか。おまえと揃いで仕立てたやつだぞ」
「……だから、いまのが感想だろ」
「む? あ、……ああ、うむ」
 と了平は口元をゆるめて照れた笑いを見せた。
「おまえの感想は、……極限わかりにくい」
「そう?」
 雲雀は短く答えて、了平の唇にくちづけをした。今度はゆっくりと時間をかけた。
20221205
4/16ページ