捏造屋
橋の下に着くと、二本の小さい木の間に子供が一人入れるくらいのスペースがあった。今では面影 すらないが、昔はそこにダンボールを敷いて、一人で遊んだものだった。
「お兄ちゃんと喧嘩してここに来た時も、お母さんがすごく必死になって探しに来たっけ。」
ややあって、私はその小さなスペースに体を押し込み、座り込んだ。どれだけ身を縮めても、今の私にはこの場所は小さかった。
目を覚ますと、辺りは既 に暗くなっていた。持っていたスマホで時間を確認すると、時計は午後十九時を指していた。
「嘘でしょ....」
私はいつの間にか、思い出にふけりながら寝てしまっていた。すると、遠くから足音が聞こえてきた。
「お母さん......?」
「祭!!!」
私を迎えに来たのは、お兄ちゃんだった。
「祭....!やっと見つけた...全然家に帰ってこないから、学校に電話したら今日は来てないって言うし、すごく探したんだぞ.....!俺も叔母さんもすごく心配したんだぞ!!」
「ご、ごめんなさい。」
いつも優しいお兄ちゃんが珍しく声を荒らげる。こんなに怒られるなんて、想像もしなかった。
「でも、見つかって本当に良かった。またここで見つけるなんてな。」
お兄ちゃんは何かを懐かしむようにそういい、微笑む。
「また?」
またって、何?
「もう覚えてないか。祭がまだ小さくて、母さんがまだ生きていた時、母さんに何を言われても、学校で何をされても、大丈夫って言ってた祭が、初めて母さんに手を挙げられた時、家出してここにいたのを、俺が見つけたんだよ。」
なにそれ?それは、お兄ちゃんじゃなくて、お母さんだったでしょ?あれ..........本当に、そうだっけ?
「お兄ちゃんと喧嘩してここに来た時も、お母さんがすごく必死になって探しに来たっけ。」
ややあって、私はその小さなスペースに体を押し込み、座り込んだ。どれだけ身を縮めても、今の私にはこの場所は小さかった。
目を覚ますと、辺りは
「嘘でしょ....」
私はいつの間にか、思い出にふけりながら寝てしまっていた。すると、遠くから足音が聞こえてきた。
「お母さん......?」
「祭!!!」
私を迎えに来たのは、お兄ちゃんだった。
「祭....!やっと見つけた...全然家に帰ってこないから、学校に電話したら今日は来てないって言うし、すごく探したんだぞ.....!俺も叔母さんもすごく心配したんだぞ!!」
「ご、ごめんなさい。」
いつも優しいお兄ちゃんが珍しく声を荒らげる。こんなに怒られるなんて、想像もしなかった。
「でも、見つかって本当に良かった。またここで見つけるなんてな。」
お兄ちゃんは何かを懐かしむようにそういい、微笑む。
「また?」
またって、何?
「もう覚えてないか。祭がまだ小さくて、母さんがまだ生きていた時、母さんに何を言われても、学校で何をされても、大丈夫って言ってた祭が、初めて母さんに手を挙げられた時、家出してここにいたのを、俺が見つけたんだよ。」
なにそれ?それは、お兄ちゃんじゃなくて、お母さんだったでしょ?あれ..........本当に、そうだっけ?