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捏造屋

都市伝説が実在した事実と、こんな若い胡散臭うさんくさい男が経営者ということに混乱する。
男は、そんな私をよそに「入って」と、扉を開き部屋へ招く。

ドアをくぐると、特に異世界じみたものは無い、真ん中が和室になった普通の部屋が広がっていた。何かしらの違和感を探すと、少し煙臭かった。
部屋に入った私に、男は「ここ座って」といって、私たちはちゃぶ台を挟んで向かい合う。

「最近お客さん来なくてさ、おもてなしできるものが何も無いんだ」

男はそう言って、先程まで持っていた買い物バックから、煎餅せんべいとさっき自販機でみかけた缶ジュースを出してきた。
私は、知り合いの家に遊びに来た気分になり、なんだか拍子抜けしてしまった。
そんな私の気持ちが顔に出ていたのか、男は早速さっそく本題に入ろうとする。

「それで、俺にどうして欲しいの?」

説明もなしに?適当な人だと思った。順序というものを知らないのだろうか。

「場所と名前まで知ってるってことは、ある程度わかった上で来てるんでしょ?」

私は図星になり、小さくため息をつく。

「私の願いは、死んだ母からの愛情を受けることです。」
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