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どこかの村で伝説として語られてそうな話

昔ある港町みなとまちに、流れた涙がサファイアになるという、オルカという名前の人魚の少女がいた。
オルカは、港町のまずしい人々のために涙を流しては、それを与えて、生活の資金にさせていた。

ある時、噂を聞き付けた海賊がオルカを狙って、港町へとやって来た。

「ここに、サファイアの涙を流す人魚がいるらしいな。」

海賊は、町の人々に聞き回っては、金目かねめになりそうなものを奪っていった。
その頃オルカは、少し離れた船小屋ふなごやで、ルースという老父にかくまわれていた。

「どれだけ町の者が可哀想でも、港に戻ってはいけないよ。」

ルースは、町の人々を思いサファイアの涙を流し続けるオルカを、優しく抱きしめてなぐさめる。

ルースの家の床がサファイアでいっぱいになった頃、海賊が港町から出ていった。
オルカは、一目散に港町を目指してルースの船小屋を出ていった。

しかし、その途中で、オルカは待ち伏せていた海賊に捕まってしまった。
そのことを知らない町の者は、海賊はもういないという事をオルカに知らせるため、彼女を探していた。

すると、「どうしたんだ?」と騒ぎを聞いたルースが小屋から出て来た。
町の者たちは、ルースの家の床に散らばるサファイアをみて、オルカはこいつに殺されてしまったのだと思い込んでしまった。

ルースは、最後まで「違う、私じゃない!」と叫んだが、結局彼は殺されてしまった。

その後、港町の真ん中にオルカをした像が立ち、その目には彼女が流したサファイアが埋められている。
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