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どこかの村で伝説として語られてそうな話

あるところに、妖精族のスタリカという少女と、獣人族のゼパルという少年がいた。この地域では、妖精族は獣人族に支配される日々を送っていたが、ゼパルだけは、かつて人間に捕まったところをスタリカに助けてもらったことがあるため、妖精族をしいたげるようなことはしなかった。

ある時、支配される日々に限界を感じた妖精族が獣人族に反乱を起こすという計画が立てられた。
いち早く反乱の計画を知ったスタリカは、そのことをゼパルに伝えようと獣人族の集落を訪れた。
しかし、反乱の噂は既に獣人族にも知れ渡っていた。スタリカは反乱の首謀者とみなされ、広場の中心ではりつけにされてしまった。
そのことを知った妖精族も、ついにやってくれたなと言わんばかりに両者の間にはあっという間に火の手が上がった。
スタリカの意識が途絶えそうになった頃、手枷が外された。ゼパルだった。

「ごめんなさい。反乱を知っていたのに、あなたに伝えるために来たのに、私が時期を早めてしまった。本当にごめんなさい。」

スタリカは、泣きながら謝る。

「スタリカは悪くないよ。伝えに来てくれてありがとう。さぁ一緒に逃げよう。」

ゼパルはそう言って、スタリカの手を引きながら集落のある森を後にした。

森を抜けると、美しい神殿があった。二人は中には入らなかったが、膝をついてお祈りをした。
スタリカは、妖精族と獣人族の争いが終わるように。
ゼパルは、獣人族と妖精族がもう争わないですむように。

それから、誰が二人のお祈りを聞いていたのかは分からないが、獣人族と妖精族はその種自体が途絶えてしまった。二つの種族の集落があった場所には、花畑だけが広がっている。
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