ミルキーウェイ
ミルキーウェイ
2度目の旅が終わり、ファイは黒鋼と共に、ひとまず日本国に行ってみることに決め滞在すること一年ほどが経っただろうか。
自分の生まれた日がが夏至という、日が長くなる日であることもこの国で知った。
黒鋼はもちろんだが、知世姫たちがファイのことを大切にしてくれることがとても伝わってくる。
知らない国の知らない人間であるオレをこんなに大事にしてくれる…。
ファイはとても感謝していた。
この国はまるで黒鋼みたいだなとほっとしていた。
この国で余生を過ごすのもいいかもしれない。
そんなふうに感じてきていた。
もちろんまだ気恥ずかしさもあり、黒鋼には口にできていないけれど。
今日は外が賑やかだ。
子どもたちがわらわらと駆け足で走り回っていた。
「そんなに走って大丈夫〜?こけないようにね。」
ファイは微笑みながら子どもたちに声をかけた。
「ファイさんだー!ねえねえ!笹の葉だよ!一緒に飾ろーよ!!」
子どもたちに囲まれた。
「?なにそれ?楽しそうだね!やる!」
ファイは即決した。
「わーい!!ファイさんはこの折り紙飾ってー!」
キラキラの折り紙や、笹にかける短冊が置いてあり、子どもたちに言われる通りに飾っていった。
「…あのさ、今更聞くのもなんだけど。これって何かの祭りなの?」
ファイは少し気恥ずかしさもないまぜになりながら、子どもたちに聞いた。
「今日は七夕なんだよ!だって7月7日じゃん!」
と子どもたちの年長のこが告げた。
「たなばた。。?7月7日?ふーんそうなんだ。」
ファイはわかったような、わかってないような曖昧な返事をしてしまった。
子どもたちは気にせずに捲し立てる。
「今日は願い事が叶う日なんだよー!この短冊に書いて笹に飾るんだー!黒にいちゃんのも渡してあげて!」
一方的に渡された、短冊。。
ううむ、ひとまず困ったときは知世姫だ!っということで、知世姫に会いに行った。
知世姫は今日も楽しそうに微笑みながら出迎えてくれた。
「ファイさんが来てくださるなんてうれしいですわ。何か黒鋼がやらかしましたか?」
微笑みながらそんなことを言うものだから、ファイは吐き出してしまった。
「彼は相変わらずですけど大丈夫ですよ。実は…」
子どもたちに渡された、2枚の短冊。
これはどういったものなのか、黒鋼に聞くより知世姫が適任だろうと赴いた旨を伝えた。
「そうでしたわね、今日は七夕の日でしたわ。ファイさんは初めてですか?」
「はい。オレが知っている文化ではそのような催しものはなかったです。」
知世姫はあらという顔をして
「七夕は簡単に申しあげますと、短冊に願い事を書いて笹竹に飾り星に願いを込める日本国の年中行事ですわ。子どもたちも楽しみにしておりますわね。」
ファイは納得がいった顔になった。
「子どもたちが楽しみにしてる理由がわかりました。それがですね、オレと、黒様の短冊もらったんですけど。」
知世姫はほほほと口に手をやりながら微笑む。
「黒鋼はそんなのいらないと申しそうですわね。でもファイさんがお渡ししたら違うかもしれませんわ。ふふ。」
ファイは首を傾げたが
「そんなもんですかね。。」
知世姫は続けて語り出した。
「実は七夕には織姫と彦星のお話がありまして…。」
知世姫の話を聞き終わったファイは少し考えていた。
もしオレと黒様が織姫と彦星のように年に一回しか会えなくなったらどうなるんだろうかと。
自分の感情の揺らぎに初めて気づいた。
…オレの中にこんな感情あったんだ。
オレはなんと願い事を書きたいんだろう。。
夜が更けて行った。
黒鋼とファイに与えられた住処、ファイは夕飯を作っていた。
黒鋼が白鷺城の勤めから帰ってきた。
「帰ったぞ。」
「おかえり、黒たん〜」
「おう」
いつもの日常だった。だが黒鋼が珍しく話しかけた。
「おい、今から白鷺城に行くぞ。」
ファイは突然のことに、
「は?え?」
と素の声が出てしまった。
ファイの腕を取り、連れ出した。
白鷺城まで来た。
今日も来たのにと思いながらファイは大きなお城を見上げた。
「わりぃが、屋根に失敬するぞ、知世」
いつもどおりの黒鋼に驚きもせず知世姫は
「ふふ、よかったですわね、ファイさん。」
謎めいたことを言う。
ファイの頭の中は???でいっぱいになっていた。
日本国はとても月が綺麗な国だと思っていた。
今日は不思議と見えない夜だった。
なんとかして、白鷺城の屋根に黒鋼とファイは登った。
黒鋼が空を指差した。
「あれを見てみろ。」
ファイは空を見上げた。
「うわぁ。。」
感嘆の声が漏れた。
幾百幾億もの星々が重なり合い、まるで川のように帯状に空を流れているようだ。
「これが天の川?綺麗。。」
「知ってるのか?」
「いや、知世姫とか、子どもたちが教えてくれたんだ。」
「そうなのか…。」
ファイを喜ばせたい気持ちがあった黒鋼は少し声が沈んでいた。
それを感じたファイが
「オレのために連れてきてくれたんだよね?ありがとう黒様。」
素直に感謝の気持ちを伝えた。
「おう。」
少し照れくさそうな顔でそう答えてくれた。
「昔小狼くんと行った流星群が降り注ぐ国も綺麗だったけど、こんなに星が集まることってあるんだ。。」
2人はいっとき言葉を交わさずに空を見ていた。
ファイが咄嗟に言葉を紡いだ。
「…、織姫と彦星は年に一度しか会えないんだね。オレ…、オレは。もし一年に一回しか黒たんに会えなくなったら。どうなるんだろ。そんなこと考えたらなんか胸が痛いんだ。なんだろこれ。」
そんな言葉を口にするファイの横顔を見つめる。
黒鋼はがし!ぐい!と徐にファイの頭を引き寄せた。
「またそんなこと考えてたんだな。俺はお前と共に生きていくと決めたんだ。誰が決めたかわからない回数なんかくそくらえだ。遮る川なんかあった日にゃ、力づくで泳いで連れ戻してやるからな!」
黒鋼らしい強気な物言い、少し笑いが込み上げながらも心から安堵していたファイだ。
「ありがとう、ありがとうね、黒様。オレもずっと君といたい。」
「絶対離さねえからな。覚悟しとけ。」
「…うん。」
抱き寄せたファイの頭部を優しく撫でていた。
ファイは黒鋼にもたれかかった。
今日ぐらいいいよね?
いつも素直じゃない2人が、素直に向き合えた大切な日になった。
2度目の旅が終わり、ファイは黒鋼と共に、ひとまず日本国に行ってみることに決め滞在すること一年ほどが経っただろうか。
自分の生まれた日がが夏至という、日が長くなる日であることもこの国で知った。
黒鋼はもちろんだが、知世姫たちがファイのことを大切にしてくれることがとても伝わってくる。
知らない国の知らない人間であるオレをこんなに大事にしてくれる…。
ファイはとても感謝していた。
この国はまるで黒鋼みたいだなとほっとしていた。
この国で余生を過ごすのもいいかもしれない。
そんなふうに感じてきていた。
もちろんまだ気恥ずかしさもあり、黒鋼には口にできていないけれど。
今日は外が賑やかだ。
子どもたちがわらわらと駆け足で走り回っていた。
「そんなに走って大丈夫〜?こけないようにね。」
ファイは微笑みながら子どもたちに声をかけた。
「ファイさんだー!ねえねえ!笹の葉だよ!一緒に飾ろーよ!!」
子どもたちに囲まれた。
「?なにそれ?楽しそうだね!やる!」
ファイは即決した。
「わーい!!ファイさんはこの折り紙飾ってー!」
キラキラの折り紙や、笹にかける短冊が置いてあり、子どもたちに言われる通りに飾っていった。
「…あのさ、今更聞くのもなんだけど。これって何かの祭りなの?」
ファイは少し気恥ずかしさもないまぜになりながら、子どもたちに聞いた。
「今日は七夕なんだよ!だって7月7日じゃん!」
と子どもたちの年長のこが告げた。
「たなばた。。?7月7日?ふーんそうなんだ。」
ファイはわかったような、わかってないような曖昧な返事をしてしまった。
子どもたちは気にせずに捲し立てる。
「今日は願い事が叶う日なんだよー!この短冊に書いて笹に飾るんだー!黒にいちゃんのも渡してあげて!」
一方的に渡された、短冊。。
ううむ、ひとまず困ったときは知世姫だ!っということで、知世姫に会いに行った。
知世姫は今日も楽しそうに微笑みながら出迎えてくれた。
「ファイさんが来てくださるなんてうれしいですわ。何か黒鋼がやらかしましたか?」
微笑みながらそんなことを言うものだから、ファイは吐き出してしまった。
「彼は相変わらずですけど大丈夫ですよ。実は…」
子どもたちに渡された、2枚の短冊。
これはどういったものなのか、黒鋼に聞くより知世姫が適任だろうと赴いた旨を伝えた。
「そうでしたわね、今日は七夕の日でしたわ。ファイさんは初めてですか?」
「はい。オレが知っている文化ではそのような催しものはなかったです。」
知世姫はあらという顔をして
「七夕は簡単に申しあげますと、短冊に願い事を書いて笹竹に飾り星に願いを込める日本国の年中行事ですわ。子どもたちも楽しみにしておりますわね。」
ファイは納得がいった顔になった。
「子どもたちが楽しみにしてる理由がわかりました。それがですね、オレと、黒様の短冊もらったんですけど。」
知世姫はほほほと口に手をやりながら微笑む。
「黒鋼はそんなのいらないと申しそうですわね。でもファイさんがお渡ししたら違うかもしれませんわ。ふふ。」
ファイは首を傾げたが
「そんなもんですかね。。」
知世姫は続けて語り出した。
「実は七夕には織姫と彦星のお話がありまして…。」
知世姫の話を聞き終わったファイは少し考えていた。
もしオレと黒様が織姫と彦星のように年に一回しか会えなくなったらどうなるんだろうかと。
自分の感情の揺らぎに初めて気づいた。
…オレの中にこんな感情あったんだ。
オレはなんと願い事を書きたいんだろう。。
夜が更けて行った。
黒鋼とファイに与えられた住処、ファイは夕飯を作っていた。
黒鋼が白鷺城の勤めから帰ってきた。
「帰ったぞ。」
「おかえり、黒たん〜」
「おう」
いつもの日常だった。だが黒鋼が珍しく話しかけた。
「おい、今から白鷺城に行くぞ。」
ファイは突然のことに、
「は?え?」
と素の声が出てしまった。
ファイの腕を取り、連れ出した。
白鷺城まで来た。
今日も来たのにと思いながらファイは大きなお城を見上げた。
「わりぃが、屋根に失敬するぞ、知世」
いつもどおりの黒鋼に驚きもせず知世姫は
「ふふ、よかったですわね、ファイさん。」
謎めいたことを言う。
ファイの頭の中は???でいっぱいになっていた。
日本国はとても月が綺麗な国だと思っていた。
今日は不思議と見えない夜だった。
なんとかして、白鷺城の屋根に黒鋼とファイは登った。
黒鋼が空を指差した。
「あれを見てみろ。」
ファイは空を見上げた。
「うわぁ。。」
感嘆の声が漏れた。
幾百幾億もの星々が重なり合い、まるで川のように帯状に空を流れているようだ。
「これが天の川?綺麗。。」
「知ってるのか?」
「いや、知世姫とか、子どもたちが教えてくれたんだ。」
「そうなのか…。」
ファイを喜ばせたい気持ちがあった黒鋼は少し声が沈んでいた。
それを感じたファイが
「オレのために連れてきてくれたんだよね?ありがとう黒様。」
素直に感謝の気持ちを伝えた。
「おう。」
少し照れくさそうな顔でそう答えてくれた。
「昔小狼くんと行った流星群が降り注ぐ国も綺麗だったけど、こんなに星が集まることってあるんだ。。」
2人はいっとき言葉を交わさずに空を見ていた。
ファイが咄嗟に言葉を紡いだ。
「…、織姫と彦星は年に一度しか会えないんだね。オレ…、オレは。もし一年に一回しか黒たんに会えなくなったら。どうなるんだろ。そんなこと考えたらなんか胸が痛いんだ。なんだろこれ。」
そんな言葉を口にするファイの横顔を見つめる。
黒鋼はがし!ぐい!と徐にファイの頭を引き寄せた。
「またそんなこと考えてたんだな。俺はお前と共に生きていくと決めたんだ。誰が決めたかわからない回数なんかくそくらえだ。遮る川なんかあった日にゃ、力づくで泳いで連れ戻してやるからな!」
黒鋼らしい強気な物言い、少し笑いが込み上げながらも心から安堵していたファイだ。
「ありがとう、ありがとうね、黒様。オレもずっと君といたい。」
「絶対離さねえからな。覚悟しとけ。」
「…うん。」
抱き寄せたファイの頭部を優しく撫でていた。
ファイは黒鋼にもたれかかった。
今日ぐらいいいよね?
いつも素直じゃない2人が、素直に向き合えた大切な日になった。
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