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テニスの王子様
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わたしと彼氏の月光くんは同級生で、3年生になった今もおつき合いさせていただいています。月光くんは男子テニス部のレギュラーで、中等部のころから大層モテていたのですが、わたしの告白を受けてくれました。そうやって高等部一年生のときにわたしたちはカップル(アベックとも言いますね)になったのです。
放課後、お互いの部活が休みだったので二人で遊びに行くことになりました。
「月光くんはどこにいきたいですか?」
わたしが聞くと、月光くんは前に二人で見た雑誌に載っていたお洒落なカフェの名前を答えました。学校から電車で二駅いったところにある店です。
駅について、電車に乗る時のことです。
「あっ」
わたしとのお喋りに夢中になっていた月光くんが、電車のドアで頭を打ちました。
「大丈夫です!?」
「……」
月光くんは無言で額を抑えています。周りの人の視線が集まり、少し恥ずかしかったです。
「冷やした方がいいですか?」
座ったわたしは、遥か上にある月光くんのおでこに手をあてました。自販機よりもはるかに大きい月光くんとは、目線を合わせるだけでも大変です。
「いや、大丈夫だ」
少し涙目になった月光くんはかわいい。
駅から5分ほど歩いた場所に、カフェはありました。
「月光くん、かわいいですね!」
中に入ると女の子たちで席はいっぱい埋まっていました。内装も料理も可愛くて、写真をたくさん撮りたくなる気持ちもわかります。
そんな中の月光くんはとっても浮いていました。背の高い男の人、しかも制服姿の男女二人。少しじろじろ見られることは仕方ありません。
わたしは運ばれてきたアフタヌーンティーセットの紅茶の美味しさに驚きました。
「……美味しい」
「ですよね!?この店オリジナルのブレンドらしいですよ。お母さんに買って帰ろうかな〜〜」
パシャパシャ写真を撮りながら、わたしは一人ではしゃいでいました。月光くんは黙々とスコーンを食べていました。背を屈めて食べている月光くんはとてもかわいかった。
「今日は楽しかったです」
最寄り駅まで送ってくれた月光くんとは、これでお別れです。時刻は7時をまわっていました。カフェに入ったあと、本屋さんや公園に遊びに行ったせいです。わたしが行きたい!というところに月光くんはついてきてくれます。座ったときにしかあわない目線がかわいくてずぅっとニコニコしてしまいました。
「楽しかったなら、よかった」
「わたしは月光くんとなら、地獄の底でも楽しいと思います!」
ふと、わたしたちの隣をひと組のカップルが通り越して行きました。彼氏よりも頭ひとつ小さいくらいの彼女。そんな人の背中を月光くんはぼぅっと眺めていました。
「俺は大きすぎないか」
「確かに大きいですねぇ」
わたしと月光くんの身長差は、最低でも50cmはあるでしょう。そのせいでわたしの頭は月光くんの胸よりも下にあります。たまに、壁とお話しているのではないかと思う時もあります。でも、
「月光くんは気にしなくていいですよ。だって、わたしは大きいところも含めて月光くんが好きなんです」
背伸びして、というかジャンプして顔に口付けると、珍しく動揺したような表情でわたしを見ました。
「そのままで」
わたしが目を閉じると、そのまま顔が近づいてくる気配を感じました。
そのあとのわたしは、ずっと目を閉じているだけでよかったのでした。
放課後、お互いの部活が休みだったので二人で遊びに行くことになりました。
「月光くんはどこにいきたいですか?」
わたしが聞くと、月光くんは前に二人で見た雑誌に載っていたお洒落なカフェの名前を答えました。学校から電車で二駅いったところにある店です。
駅について、電車に乗る時のことです。
「あっ」
わたしとのお喋りに夢中になっていた月光くんが、電車のドアで頭を打ちました。
「大丈夫です!?」
「……」
月光くんは無言で額を抑えています。周りの人の視線が集まり、少し恥ずかしかったです。
「冷やした方がいいですか?」
座ったわたしは、遥か上にある月光くんのおでこに手をあてました。自販機よりもはるかに大きい月光くんとは、目線を合わせるだけでも大変です。
「いや、大丈夫だ」
少し涙目になった月光くんはかわいい。
駅から5分ほど歩いた場所に、カフェはありました。
「月光くん、かわいいですね!」
中に入ると女の子たちで席はいっぱい埋まっていました。内装も料理も可愛くて、写真をたくさん撮りたくなる気持ちもわかります。
そんな中の月光くんはとっても浮いていました。背の高い男の人、しかも制服姿の男女二人。少しじろじろ見られることは仕方ありません。
わたしは運ばれてきたアフタヌーンティーセットの紅茶の美味しさに驚きました。
「……美味しい」
「ですよね!?この店オリジナルのブレンドらしいですよ。お母さんに買って帰ろうかな〜〜」
パシャパシャ写真を撮りながら、わたしは一人ではしゃいでいました。月光くんは黙々とスコーンを食べていました。背を屈めて食べている月光くんはとてもかわいかった。
「今日は楽しかったです」
最寄り駅まで送ってくれた月光くんとは、これでお別れです。時刻は7時をまわっていました。カフェに入ったあと、本屋さんや公園に遊びに行ったせいです。わたしが行きたい!というところに月光くんはついてきてくれます。座ったときにしかあわない目線がかわいくてずぅっとニコニコしてしまいました。
「楽しかったなら、よかった」
「わたしは月光くんとなら、地獄の底でも楽しいと思います!」
ふと、わたしたちの隣をひと組のカップルが通り越して行きました。彼氏よりも頭ひとつ小さいくらいの彼女。そんな人の背中を月光くんはぼぅっと眺めていました。
「俺は大きすぎないか」
「確かに大きいですねぇ」
わたしと月光くんの身長差は、最低でも50cmはあるでしょう。そのせいでわたしの頭は月光くんの胸よりも下にあります。たまに、壁とお話しているのではないかと思う時もあります。でも、
「月光くんは気にしなくていいですよ。だって、わたしは大きいところも含めて月光くんが好きなんです」
背伸びして、というかジャンプして顔に口付けると、珍しく動揺したような表情でわたしを見ました。
「そのままで」
わたしが目を閉じると、そのまま顔が近づいてくる気配を感じました。
そのあとのわたしは、ずっと目を閉じているだけでよかったのでした。
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