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エロあるよ笑
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「オラッ! 孕め! ギャハハ!」
パンパンパン!
「あーん♡ ニンシンしちゃ~う!」
ガタッ。今のはわたしが膝から地面に崩れ落ちた音だ。
「ねえ、これってどういう遊びなのかな? ナマエが学校に行ってた時の動画だよね? ……すごいなぁ。女の子しかいないのに、こういう下品な遊びって流行るんだ」
わたしは今、人生最悪の危機に瀕している。彼氏のエルネストが手に持っているのは彼の携帯電話で、画面にはわたしが女子校に通っていた時にクラスメイトとやっていた最悪の遊び――「交尾ごっこ」の様子が映っている。そのごっこ遊びというのは――口にすると中々にクるものがある――セックスのものまねで背後からピストンする時の動きを真似て卑猥な言葉を叫ぶという、本当にくだらない遊びだった。
おバカなティーンがノリで始めたこの愚かな行為は、性に対して興味津々なバカガキの……女しかいない空間においてくだらないヤツが一番偉くて面白いという馬鹿な価値観の元で伝染病の如く流行ってしまった。
わたしは当時本当に愚かで、友達の中で一目置かれたくて、こんな馬鹿丸出しのごっこ遊びをノリノリでやっていた。しかもカメラで撮影してご丁寧に記録まで残してある。
エルネストが開いていたのは、映像や写真を友達同士で共有できるよくあるSNSのアプリだった。今再生されている動画の投稿者はわたしではない。わたしの友人の、もう使っていないアカウントだった。
――こいつ、友達限定で上げるって言ったのに全体公開にしてたのか。
わたしは唇をぎっと噛みしめて、目の前でループ再生されるかつてのわたしの姿を見る。
まさか今になって「これ」が見つかるとは思っていなかった。立派なデジタルタトゥーだ。
「たまたま見てたら、ナマエの学校の友達のアカウントを見つけちゃって。ロドスに来る前にどんな感じだったか気になって、色々見ちゃったんだ。そしたらこれだよ。本当にすごいね」
「すごい……かなぁ」
すごいね、で片付けられるようなことじゃないだろ。画面の中のわたしのニヤけ面を見ていると今すぐ殺したくなる。
この状況をどうしたらいいんだろう。エルネストはいつものように人の良さそうな笑みを浮かべるだけで、ずっとこちらの出方を窺っているみたいだ。
「あの……これ、誰にも言わないで」
「分かってるよ。恥ずかしいでしょ?」
「恥ずかしいって理解してくれてるなら今すぐ消してくれないかなあ! も、もうこれ、こんなのすごい黒歴史だからっ!」
まさかネットの海の中で「これ」が漂っているなんて……。今すぐ死にたい。首でもつろうかな。わたしが叫んでもエルネストは動画の再生を止めることはなかった。寧ろさっきよりも食い入るような視線で「これ」を見つめている。なんで……。
「……なんか、意外かも」
「そうかなぁ……」
「俺もしたいな、コレ」
「…………えっ?」
耳の飛び込んできた言葉に自分の聴力を疑った。いつの間にか彼はわたしのすぐ横までやってきて、そのせいでわたしは一歩後ずさる。
「恥ずかしいけど……一回こういうのも、アリかもね」
「嫌だよ。何言ってるの」
「してくれたらさ、俺ならこれ、ネットから消せるよ?」
どうやって他人のアカウントから投稿された動画を消せるというんだろう。不幸中の幸いで、わたしの黒歴史動画は大して拡散もされず、身内とエルネストだけが再生したであろうと推察されるショボい再生回数がカウントされていた。
――なんとなく、エルネストならどうにかしてくれそうな気がする。
彼の経歴から考えて、本当にどうにか消してくれそうな気がするのが恐ろしいところだ。
「手が滑って……ロドスのサーバーにコレ、上げちゃうかもね」
耳元で独り言のようにささやかれた言葉で、わたしは背筋に悪寒が走った。
「……や、一回だけだからね」
「うん」
どうして毎回エルネストの思うように転がされてしまうんだろう。
「わ、わたしがこっちなの?」
「前もそうだったでしょ?」
「そうだけど……」
エルネストは壁に手をついてわたしに背中を晒している。腰をわたしの方に突き出して、完全にバックで突かれる時の体勢をとっていた。
――困る!
彼はわたしよりも背が高いから、屈んでいても腰の位置が高かった。あの時――女子同士だったからあまり遠慮せずにガッと行けてた(?)けど、エルネストのそれを無遠慮に掴んでどうこうするのはちょっと気が引ける。
「普段背中とか引っ掻くのに、こういう時だけ大人しいんだ」
「いっ、言うな~ッ! ……い、言わないで……ごめんなさい……」
エルネストがごめんね、なんて笑いながら言うから不覚にも少しドキっとしてしまった。顔が見えないし、お尻がこっちに向いているし、この状況はめちゃくちゃだ。わたしはそっと彼の腰に手を添えて、腰をゆるく動かした。
「お、あ、ぇっと……は、孕め……っ~。こ、これでいい? もうやったんだけど!」
「え、もっとちゃんとしてよ」
「あ゛~ッ!」
「ちゃんと動いて。もっと大きい声で……俺のことめちゃくちゃにするぞーってやらないとダメだろ?」
「……」
この人は本気だ。どうあがいてもわたしにこんな恥ずかしいことをさせて、笑って楽しんでるんだ……。もう恥をかくなら一気に済ませてしまった方がいい。
わたしはぐっと腰を掴む手に力を込めた。
「わ、すごい……」
「……クソッ! オラッ! 孕めッ! イけッ!」
我武者羅に腰を打ちつけた。彼氏のお尻に、本気で。ここまでヤケクソになったのはロドスが介入した先の戦場で死にかけた時以来かもしれない。
顔に体温が集まって真っ赤になる。もう全身の毛穴から汗は噴き出るし、他の人が見たらドン引きされるとか考えちゃうと今すぐ消えたくなるけど、それでもわたしは早く終わりたくて必死だった。
壁に向かっていてエルネストの顔は見えないけど、今どんな表情でわたしのことを考えているのか、この状況をどう思っているのか。本当にどうなっているのか見えていたらわたしは今すぐこの場から逃げていただろう。
「……んっ♡ 結構力強いんだ……」
「前衛オペレーターの人に褒められちゃった……。ねえ、もう辞めていい?」
「ダメ」
「じゃ、じゃあそっちもちゃんと女役しなよ! わたしばっかり恥ずかしいんだけど……!」
「そうだね。……あ~っ♡ すごいっ♡ ナマエのでイっちゃうよ~♡」
思ったよりも迫真の演技だった。普段絶対に、こんな媚びた下品な言葉は言わないし、罰ゲームでも自分が恥さらしになるような展開には持って行かないエルネストが、女のマネをして、馬鹿みたいな台詞を叫んでいる。
「……ッ、は~っ。イけ、イけイけイけ♡ 俺の精子で孕め……!」
無様なくらい腰を動かすスピードが速くなる。エルネストの小さなお尻に必死になってないはずのちんこをぶつけていると、本気でセックスしているみたいな感じになってきて、脳がおかしくなった。向こうも向こうで、喘ぎ声のマネをしているのが少しずつ真剣味を帯びてきて、本当に女の子に全力杭打ちピストンしてる気分になってくる……。
「イくっ♡ ナマエ、俺イっちゃうよ♡」
「エルネ……スト! イけよ、ほらっ♡ 射精する! 出すッ♡ 赤ちゃん汁出すからなッ♡」
なんか、エルネストの細い腰が本当に女の子のそれに見えてきてわたしは頭がおかしくなってしまったかもしれない。それでも触るとゴツゴツしていて、ああ、男の人の身体なんだなって思うから、不思議だ。わたしたちが嘘のセックスごっこを一通り終えると、本当に一発ヤった後みたいな虚脱感が身体を襲う。それと同時に、ごっこ遊びに本気になってしまって馬鹿らしい、なんでこんなにアホな遊びに真剣になったんだろう……とも。
「じゃあ……今度は俺が上だね」
「……はぁ~?」
「これは交尾ごっこだから」
エルネストはわたしが穿いていたスカートを捲り上げると、タイツごと下着を一気に膝まで下ろしてしまった。
「ちょ……っ!」
「ごめんね。なんだかさっきナマエが必死になってるの見てたら、ムラムラしてきちゃって……」
確かに彼の息は全力疾走した後みたいに乱れていた。尻尾の揺れ方からしても、見るからに興奮していますといった様子で、顔なんてまともに見ていられない。
外気に晒されて頼りない下半身に、エルネストはいつもよりも早急な手つきで触れてきた。ぐち、と不快な水音がして、わたしの羞恥心をあおり立ててくる。
「やっぱりナマエも興奮してたんだ……♡ ねぇ、あの時もムラムラしてた?」
「してないよ……。あれはセックスじゃないし。友達相手にそんな」
「じゃあさっきしてたのも交尾ごっこだから、セックスじゃないよ。それなのに感じてるんだ。――俺もだけど♡」
エルネストは耳の側に顔を近づけて、低い声で囁いた。いつも穏やかな彼の声色から余裕な感じが消えていた。もうこれはどうあがいても一発やらないと収まらない。彼と……わたしも。
さっきとは逆に、わたしが壁際まで追い詰められていた。冷たい壁に背中を預けていると、そっと剥がされる。
「んっ……」
いつの間にかわたしの服の中に彼の手が侵入していた。今日は上下が分かれた服だから、普段オペレーターの制服として着用しているそれよりも、侵入は容易だった。
「背中、あったかいね」
「……エルネストの方が、いつも体温高いよね」
「まあ、ベッローだから」
興奮すると体温が上がるなんてよく聞く話だけど、暗にそうだと確認されているみたいだ。昼間から何をしているんだろう。わたしが目線を逸らして天井を見ようとした時、すかさず口に噛みつく勢いでキスされた。
「……はっ、よそ見、しないでね」
「は、はぃ……」
背中から引き寄せられて、エルネストの腕の中に収まる。彼がいつも使っているムスク系の香水の香りが胸いっぱいに広がって、それに彼自身の体臭が混ざっていつもよりも色濃く感じられた。
「っ、ん……♡ ぅ、っ……♡」
普段剣やシェイカー、カードを扱う細い指先が、グチグチと膣の入り口の辺りをゆるく撫でている。既にぐちゃぐちゃに溶けているそこを触られると、じわりと溶けるような水音が出て、わたしだけが恥ずかしい思いをさせられてしまう。
「動物の交尾だと……あんまり慣らしたり、とかしないけど、俺たちはちゃんと……入れられるように準備しないとね」
「そ、そう……っ、かも……♡」
「かもじゃないでしょ。いつもちゃんと、痛くないように俺が慣らしてあげてるだろ?」
あー♡ もう早く欲しい♡ さっきまで交尾なんて言葉を使っていたくせに、準備だけはしっかりしようなんて焦らしてくるところ、本当に意地が悪い。
「ぁ゛っ、……~っ♡ もっ、もう指、中に入れて♡ いいからっ……♡」
「……うん、交尾――ごっこだし、ちょっと普段とは変えてみようかな」
我慢できずにわたしからお強請りしてみると、エルネストはそう言って、いきなりしゃがみ込んだ。
「なっ、何」
「野生の動物って……ほら、舌で愛撫するんだよ」
エルネストのつむじが見えた、と思ったら彼はわたしの股に顔をつっこんだ。
「え゛っ、ちょ、これっ……♡ あ゛っ……~ッ♡ やだやだ、汚いってぇ……」
彼の口が陰部にキスして、もうそれだけで文句を言おうと思って開いていた口から情けない喘ぎ声が出る。
「ん゛っ、お゛……っ、ぁぁッ……♡ そこやだっ……♡ ぁ……♡ う゛ぅっ……♡」
わたしの下半身に腕を回して、無理矢理離れられないようにされながら無言でクンニを続行される。……こ、こういうの知識としては知ってるけど、実際にやられるとは思ってなかった!
べちょべちょになったおまんこを舐められているとここでぐちぐちと音を立てているのが自分の愛液なのかエルネストの唾液なのか、どちらからのものなのか分からなくなる。
最初は焦らすような動きだったのに、徐々に貪り尽くすような舌の動かし方に変わっていって、陰核の辺りに舌が達するとわたしの身体は、エルネストが押さえつける力が強くなるくらいに大げさに跳ねた。
「ぢょっ……は♡ お゛ぁ、そこはマジでダメだ……っ、てぇ♡ う゛ぅ……っ♡ ――ひ、ぁ゛♡ ん゛ん゛っ……♡」
頭が馬鹿になる♡ 思わずエルネストの髪の毛を掴んで耐えていると、意図せず彼の頭を股に押しつける形になった。時々尖った犬歯がクリトリスに当たって、ちょっと刺されているみたいな激しい刺激があってきもちいい……♡ イきそうというか、息継ぎの合間に少し冷静になってイき切れないから、もどかしくてわたしの腰も自然と揺れてしまう。
――この人、クンニとか昔にしたことがあるのかな。
フェラチオする時に立てる音みたいなじゅぽじゅぽした音が、わたしの身体から発生しているのが気持ち悪いくらいに興奮する材料になる。――わたしには絶対にこういうところ舐めたりさせないけど、首とか……べろちゅーするのもエルネストは好きだったな、なんて思い出す。
「ぁっ♡ も、イきたい……♡ イかせてよぉっ♡」
「んっ、……はぁっ♡ 今は、まだ、ダメ♡」
久々に顔を上げたかと思うと、エルネストはとんでもないことを言ってきた。彼の口の周りはわたしのだか彼のだかわからない下品な液体でてらてらと光っていて、それが本当に下品だけどエロかった。
入り口しか触れられていないおまんこがイライラしてきて、奥が触られたい、おちんちん入れてどうにかして欲しいって重くなっていく。ずっと喘ぎっぱなしで頭がぼーっとしてくる……。段々下を見ているのが辛くて天井を見上げていると、見透かされたようにクリに歯が引っかけられた。
「ぉ゛っ……♡」
「……んっ、こら♡ ちゃんと見て♡」
膝がガクガクしてきて、エルネストの力で押さえても上半身が丸まっていく。
前屈みになると余計に舌とおまんこがぐっと押し当てられて、それだけで軽く達してしまう。そうなるとすぐにエルネストにバレるから、ずっとさっきから甘イキしているのがバレて、全部見透かされて、彼が思うとおりに感じているのが丸わかりで恥ずかしい……。
「イ、いぐっ……♡ イきたいですっ……♡ イかせてよぉっ……♡ う゛、ぉ゛っ……♡ ~……ッ♡」
より一層髪を掴んでいる手に力がこもった。ゾリゾリとした舌からの刺激が響いて、頭と視界がグラグラと揺れる。イった後に肩で息をして全身を震わせていると、たしなめるように一度エルネストがわたしのお尻を叩いた。
「~ッ♡」
「……ッ、はぁ、窒息するかと思ったよ。ナマエって結構力あるんだ」
フラフラと倒れそうなわたしを支えながら、エルネストは言っていることとは裏腹に、心底嬉しそうに笑っていた。
先ほどエルネストがそうしていたみたいに、今度はわたしが壁に手をついて、彼に背を向けた。なにげにバックでやったことはなかったから、相手が見えない状態で何がどうなるか分からないということが、どれだけ不安を煽るのか、始まる前から脳がおかしくなりそうだ。
「っ……!?」
エルネストは自分の下半身をわたしのお尻に押しつけてきた……というか、脱いでいなかった。くるはずだった衝撃に備えていたけれど、わたしが感じたのはいつものそれではなかった。それどころか――彼はズボンすら脱いでいなかった。
「えっ、あ、えっ」
「んっ……♡ ほら、イけ♡ イけ♡」
明らかに彼が興奮して、陰茎が勃起しているのはわかった。けれど、わたしのお尻に向かってそれを服越しに打ちつけるだけで、本番のそれではない。わたしは混乱に陥った。
「ほら、今度は俺がこっちだから……」
わたしのお腹の辺りを押さえて、ぐっとおちんちんを小刻みな動きで押しつけてくる。
「あ゛、っ、え゛っ、んもっ、それ変だって!」
布と股が擦れて気持ちよかった。お腹のあたりがぞわぞわして、本当の本気交尾じゃないのに、馬鹿みたいな遊びでちょっとイきそ……♡
「おらおら♡ イっちゃえ♡」
「イきたくな゛いよぉこんなのでっ♡」
下半身がぶつかってセックスの時みたいな音が上がる。ぱんぱん♡ なんてほんとの交尾じゃないのに本当にやってるみたいなのやめてよっ……♡
「お、なか押さない゛でっ……、う゛っ、う゛お゛、ぐ……♡ ほ……♡」
なんだかんだで奥の気持ちいいところを押されると、条件反射みたいに身体が反応してしまう。エルネストも、いつもなら絶対に使わない乱暴な言葉遣いで、「イけイけ♡ 孕め♡」なんて言ってくるから本当に、耳から馬鹿になる……っ♡
「お゛、っ~~…………♡ イ゛ッ…………♡♡♡ ~ッ♡♡」
「イっちゃったね♡」
子宮上から手で掴まれるみたいに、されて、後ろからおまんこゆさゆさされて、嘘交尾でイっちゃったぁ……♡ こんな本番ですらない行為で本気イきしてしまって、わたしは本当に情けなさ過ぎる。でも、気持ちよかった……♡
あ、頭撫でられるのも、好き……♡
「交尾ごっこ、気持ちよかった?」
子供をよしよしするみたいに、エルネストはわたしを後ろからハグして頭も撫でてくれた。
「……きもちよかった、けど、もうしない」
「イけて偉いよ。才能あるんじゃない? クソ雑魚アクメの♡」
「なんでそんな言葉知ってるの……」
エルネストはわたしの質問には答えず、そのままベルトを外し始めた。カチャカチャと揺れる金属の音と、やけに生々しいジッパーを下ろす音が聞こえてきて、もう何回目になるか分からないけれど、胸が緊張でドキドキしてくる。
「今度は本当の交尾、するからね♡」
エルネストが珍しく舌打ちするところを始めて見た。今か今かと挿入を待ちわびていたけれど、なんだか始まる予兆だけしかなくて。何かと思って後ろを振り返ったら、スキンの袋を開けるのに彼が手間取っている様子だった。
わたしを見ると、明らかに苛ついて険しい表情をしていたのから一転して、いつもの笑顔に変わる。わたしを安心させるみたいに。
「あ~、ごめん。ちょっと待って」
「……ん、いいよ。それ、別にいい」
「……ダメだよ。ちゃんとしないと、ナマエが困るだろ?」
普段いくらでも器用に何でもこなすエルネストが、こんなに分かりやすく苛立ってまごついているのを見るのは……それがわたしのためだと思うと、なんだか嬉しかった。
しまいには手で開けるのを諦めて、口で無理矢理開封していた。……普段のかわいい感じもするような雰囲気と、今みたいなちょっとガサツな仕草のギャップが好きだって言ったら、もっとしてくれるかな……。それとも彼のことだから、わたしがそう思って見ていることも知っているかもしれない。
「……はぁ。できたよ、じゃあ、挿入れるからね……♡」
優しい声色とは裏腹に、おちんちんはズルズルと我が物顔で中に入ってきた。
「ん゛、~……ッ♡ はぁっ、す、ご♡ ぉ、ッ…………♡」
「……っ、はぁ♡ ちゃんと、入った♡」
硬く反ったそれが、中を割って入ってくるとその重さを支える腕がガクガクと震えた。エルネストが腰をガッツリ掴んでいるせいで、余計に快楽を逃しにくい。お尻が固定されて、膝だけが卑しく笑っている。
「本気の交尾も、気持ちいいね♡♡ ナマエ♡」
当たり前でしょ。なんて普通の突っ込みなんて今は通用しない。わたしは黙って馬鹿みたいに頷くしかなかった。
首筋にエルネストの唇が何度も触れた。そのたびに中を分かりやすくぎゅっと締めてしまって、何もかもが筒抜けで、諦めろって言われてるみたいに思えた。
「すごい、いつもより中がふわふわしてる♡ 舐めてあげたからかな♡」
「い、いわないでよっ♡」
エルネストはしばらく動かないでいたけど、わたしの呼吸が落ち着いてくると、ゆっくりと腰を動かし始めた。中のブツブツしたところとエルネストのおちんちんが摩擦を起こして、当たっているところが火傷しているみたいに敏感に感じる。
「あ゛~ッ、いいね、これ♡」
「う゛、ッ、はっ……♡」
おちんちんで中を押し広げられて、ゆっくりと奥まで入ってくると、お腹がぎゅっと重たくなる。動きに合わせて脳みその芯からビリビリ痺れるような、そんな感覚がした。
「ッ、~♡ お゛っ、ぉ゛~…………♡ ~……う、ぁ゛♡」
さっき散々揺さぶられたせいで、ちょっとでも動くとお腹がきゅんきゅん寂しくなる。鈍痛めいた甘い痺れが腰に響いて、エルネストのおちんちんもギチギチ締め上げてしまう。
一番気持ちいいところにじっとりとおちんちんが当たった時、ぢゅ、と音を立てて少しハメ潮を漏らしてしまった。太ももが冷たく湿って、それがエルネストにもガッツリ掛かってしまっていると思うと、お漏らしをしてしまったみたいで情けない。
「う゛、ッ~♡ う゛ぅ~……♡」
「大丈夫♡ いっぱい感じてくれて、かわいいよ♡」
彼はわたしがどうなろうが一定のテンポで、すごくゆったりとした速度でおちんちんを奥まで押し進めていた。太ももが震えて、足がつったみたいになっても、向こうは気づいていないふりをして止まることはない。ゆっくりして、なんて言っても意味がない。今はゆっくりだから頭がおかしくなりそうになっているのだ。
少しの刺激で気持ちいいところが絞め殺されているみたいに、じんわりと気持ちよく擦れる。もうちょっとで本気イきする手前くらいのところで押し止められて、こっちの頭を徹底的に馬鹿にするつもりなんだな、と向こうの意地悪い考えが理解できてしまった。
「ン、……これ、ちゃんと最後まで入ったね♡」
「え゛、そ、そう……なん……ッ♡」
スローなセックスをしている間に、わたしの子宮口はゆっくりと降りてきていたらしい。普段よりも低い位置でグ、と最奥まで達した時の感じがして、頭に電流が走る。
「ん゛、っ、ぉ……♡ お゛ぉ゛ッ……♡」
おちんちんと子宮口が溶け合って、その熱が気持ちよくて、頭が馬鹿になるからわたしは思わず舌を突き出して喘いだ。
わたしの汚い喘ぎ声と似通った下品な音が、お腹の奥がら直接響くように聞こえてくる。
一旦離れてから再度どちゅッ! と音がしそうなほどの杭打ちをされて、子宮口が硬くなったカリに押しつぶされて、わたしは思わず「お゛ぁ゛っ♡」と声を上げる。エルネストは気を良くして、さっきみたいにズ、ズ、と腰を押しつけてきた。小さな動きだけど、気持ちいい弱点だけを突かれて、息が休まる暇がない。
薄い膜一枚で隔たれているのに、まるでそれが溶けてきているみたいに思えた。お腹の奥を突き上げられて、足が震えて余計に腰をエルネストに押しつけてしまう。
「あはは、今日はいっぱいお強請りしてくれるんだ♡」
「ん゛、ぁ、なんか、今日、へんっ……♡ ぉ、っ、……ぉぁ゛っ、は、ぁ~っ……♡」
奥を突かれるたびに、溢れた愛液が太ももを伝って床をぬらしているのがわかる。少し激しくされると尿道に残っていた潮が断続的に出てきて、多分床には小さな水たまりが出来ているんだろう、と考えると恥ずかしくて仕方がなかった。
「交尾ごっこでお腹気持ちよくしたから、いつもより奥、気持ちいいよね?♡」
「う゛、あ゛ッ、……♡」
「こういうの、好きなんじゃないの?♡」
「す、すきっ……♡ すきぃ……っ♡」
「気持ちよくしてあげてる俺のことも好きでしょ?♡」
「う、ん♡ すきっ♡ エルネストすき♡ すきっ♡」
どさくさに紛れて告白までさせられた。
「俺も……ナマエが好きだよ♡ 一番好き。愛してる」
耳元で言われて、おまんこも分かりやすく反応してしまった。エルネストの手でわたしの身体は掴まれているけれど、彼がのし掛かりながらピストンしてくるせいで、身体が重い……。というか、腕で全身を支えているから、肩が震えて明日の筋肉痛が怖くなってきた。
「もうちょっとだけがんばろうな♡」
「うんっ、う゛っ、あ゛、がんばるっ……♡」
やっていることは変な体勢でのセックスなのに、エルネストに言われるとどれだけ無茶なことでも頑張らなきゃって気持ちにさせられてしまう。
ピストンは既に焦れるような速度ではなくなっていた。エルネストの額から流れる汗がわたしの首筋に当たって、全身の汗と愛液とあらゆる液体が、熱が溶け合ってぐちゃぐちゃに混じり合ってきた。このまま二人で混ざってしまったら、どれだけ気持ちいいんだろう……。
我慢汁でダラダラになった先端がグズグズに溶けた子宮口にめり込んで、そこに彼の体重も乗っかってきて、全身から崩れ落ちそうになる。
「フ~……ッ、はぁっ♡」
エルネストが荒い息で呼吸するたびに耳がおかしくなりそうだった。
「あ゛、ッ、くるし……っ♡」
「ん、わかった♡ もうちょっと、あとちょっとだけ、頑張れるだろ?♡」
あらゆるものに押しつぶされそうになりながら、わたしは大げさなくらいに頷いた。
「お゛っ、ぉあ゛っ……、ッ♡ イく♡ エルネストぉ、イきたいよ……ォ゛……ッ♡」
「俺も……♡ 一緒にイこう♡ ぁ、ナマエも……♡」
「ぅ、あ゛♡ ん゛ッ……♡」
一際深く踏み込まれたような、奥にグっとエルネストのが割って入ってきて、口の端から我慢できずに涎が垂れた。エルネストに一際強く抱きしめられると、身体が全部押しつぶされておかしいくらいに気持ちよかった。
「~……ッ♡ は、はいってきて……♡ お゛、っ♡ お゛ぉ゛ッー……♡♡ イ゛ぐッ……♡ ん゛、っ……~♡」
ダメだ、本当に癖になる♡ エルネストのおちんちんとわたしのおまんこがミチミチになって腰を痛いくらい掴まれてるのも気にならないくらい、きもちいい……♡ い、イく……♡ イくイく♡ もうイくことしか考えられない……♡
「~ッ、ぅ……♡」
エルネストが中で射精している間、わたしの身体はずっと痙攣していた。それを押さえ込むように全身の体重がわたしにかかって、腕が耐えきれずに前に倒れ込みかけたけど、エルネストが無理矢理それを支えた。その衝撃で再度奥にずぷり、とおちんちんが沈んだ。やばい♡ これ全部癖になりそう♡ 全部エルネストだけのために身体が作り替えられちゃう……♡
「ぃ゛~…………♡ ん゛ぉ゛……♡♡♡♡」
「ナマエ……ッ♡」
ぁ……~♡ 射精が長い♡ もうぜんぶおかしくなってエルネスト専用のコキ捨てオナホになってもいい♡ とか思っちゃ……あ゛う゛……ッ♡
わたしの首に食い込むように歯を立てられて、熱く迸る精子がお腹に溜まっていくのを感じながら、とうとう頑張って踏ん張っていた足から力が抜けていった。もう立つことも危うくて、わたしはエルネストの腕と壁に預けた身体がずるずると下に崩れていった。
はじめてアレを見た時に、俺は嫉妬や怒り以前にひどく驚いたことを覚えている。ナマエは大げさにはしゃぐタイプではないと思っていたし、彼女が子供だった時を俺は知らないから、あんな風に馬鹿なことをするような人だったんだな、と彼女への認識が大きく変わってしまった。それで嫌いになることはない。人間は誰だって一枚岩ということはないのを、俺が一番よく知っているから。
ナマエにとって相当恥ずかしい過去だったのだろう。……客観的に見て、そうだとしか思えない。あんな下品で、悪ノリの見本のような動画がネットに上がって今の彼氏である俺に見つかっているなんて、本人からしたら今すぐ殺してくれと思う以外の何物でもない。
――ナマエにも、そういう時期があったんだ。
最初は驚いたし、こんな動画を他の誰かが再生していたらと思うと腹が立ったけれど、今こうやって疲れて眠ってしまったナマエを見ていると、恥ずかしい過去も見つけられて、それが元でこれだけいいことができたのだから、俺にとってはラッキーでしかない。……勿論、あの動画は見つけた時に管理会社に連絡して削除させた。画面録画は残してあるけど。
「……俺はそういうところ込みで、好きだよ」
起きてきたナマエをどうやって揶揄ってみようか。それともご機嫌を取るために何かしようか。
将来や一歩間違えば全てが吹き飛びそうな駆け引きのことではなくて、最近ずっとナマエのことをずっと考えていられるのが幸せ。自然と上がった口角がしばらく元に戻りそうにないから、しばらくナマエには気持ちよく眠っていてほしい。俺がそばで見ていてあげるからね。
パンパンパン!
「あーん♡ ニンシンしちゃ~う!」
ガタッ。今のはわたしが膝から地面に崩れ落ちた音だ。
「ねえ、これってどういう遊びなのかな? ナマエが学校に行ってた時の動画だよね? ……すごいなぁ。女の子しかいないのに、こういう下品な遊びって流行るんだ」
わたしは今、人生最悪の危機に瀕している。彼氏のエルネストが手に持っているのは彼の携帯電話で、画面にはわたしが女子校に通っていた時にクラスメイトとやっていた最悪の遊び――「交尾ごっこ」の様子が映っている。そのごっこ遊びというのは――口にすると中々にクるものがある――セックスのものまねで背後からピストンする時の動きを真似て卑猥な言葉を叫ぶという、本当にくだらない遊びだった。
おバカなティーンがノリで始めたこの愚かな行為は、性に対して興味津々なバカガキの……女しかいない空間においてくだらないヤツが一番偉くて面白いという馬鹿な価値観の元で伝染病の如く流行ってしまった。
わたしは当時本当に愚かで、友達の中で一目置かれたくて、こんな馬鹿丸出しのごっこ遊びをノリノリでやっていた。しかもカメラで撮影してご丁寧に記録まで残してある。
エルネストが開いていたのは、映像や写真を友達同士で共有できるよくあるSNSのアプリだった。今再生されている動画の投稿者はわたしではない。わたしの友人の、もう使っていないアカウントだった。
――こいつ、友達限定で上げるって言ったのに全体公開にしてたのか。
わたしは唇をぎっと噛みしめて、目の前でループ再生されるかつてのわたしの姿を見る。
まさか今になって「これ」が見つかるとは思っていなかった。立派なデジタルタトゥーだ。
「たまたま見てたら、ナマエの学校の友達のアカウントを見つけちゃって。ロドスに来る前にどんな感じだったか気になって、色々見ちゃったんだ。そしたらこれだよ。本当にすごいね」
「すごい……かなぁ」
すごいね、で片付けられるようなことじゃないだろ。画面の中のわたしのニヤけ面を見ていると今すぐ殺したくなる。
この状況をどうしたらいいんだろう。エルネストはいつものように人の良さそうな笑みを浮かべるだけで、ずっとこちらの出方を窺っているみたいだ。
「あの……これ、誰にも言わないで」
「分かってるよ。恥ずかしいでしょ?」
「恥ずかしいって理解してくれてるなら今すぐ消してくれないかなあ! も、もうこれ、こんなのすごい黒歴史だからっ!」
まさかネットの海の中で「これ」が漂っているなんて……。今すぐ死にたい。首でもつろうかな。わたしが叫んでもエルネストは動画の再生を止めることはなかった。寧ろさっきよりも食い入るような視線で「これ」を見つめている。なんで……。
「……なんか、意外かも」
「そうかなぁ……」
「俺もしたいな、コレ」
「…………えっ?」
耳の飛び込んできた言葉に自分の聴力を疑った。いつの間にか彼はわたしのすぐ横までやってきて、そのせいでわたしは一歩後ずさる。
「恥ずかしいけど……一回こういうのも、アリかもね」
「嫌だよ。何言ってるの」
「してくれたらさ、俺ならこれ、ネットから消せるよ?」
どうやって他人のアカウントから投稿された動画を消せるというんだろう。不幸中の幸いで、わたしの黒歴史動画は大して拡散もされず、身内とエルネストだけが再生したであろうと推察されるショボい再生回数がカウントされていた。
――なんとなく、エルネストならどうにかしてくれそうな気がする。
彼の経歴から考えて、本当にどうにか消してくれそうな気がするのが恐ろしいところだ。
「手が滑って……ロドスのサーバーにコレ、上げちゃうかもね」
耳元で独り言のようにささやかれた言葉で、わたしは背筋に悪寒が走った。
「……や、一回だけだからね」
「うん」
どうして毎回エルネストの思うように転がされてしまうんだろう。
「わ、わたしがこっちなの?」
「前もそうだったでしょ?」
「そうだけど……」
エルネストは壁に手をついてわたしに背中を晒している。腰をわたしの方に突き出して、完全にバックで突かれる時の体勢をとっていた。
――困る!
彼はわたしよりも背が高いから、屈んでいても腰の位置が高かった。あの時――女子同士だったからあまり遠慮せずにガッと行けてた(?)けど、エルネストのそれを無遠慮に掴んでどうこうするのはちょっと気が引ける。
「普段背中とか引っ掻くのに、こういう時だけ大人しいんだ」
「いっ、言うな~ッ! ……い、言わないで……ごめんなさい……」
エルネストがごめんね、なんて笑いながら言うから不覚にも少しドキっとしてしまった。顔が見えないし、お尻がこっちに向いているし、この状況はめちゃくちゃだ。わたしはそっと彼の腰に手を添えて、腰をゆるく動かした。
「お、あ、ぇっと……は、孕め……っ~。こ、これでいい? もうやったんだけど!」
「え、もっとちゃんとしてよ」
「あ゛~ッ!」
「ちゃんと動いて。もっと大きい声で……俺のことめちゃくちゃにするぞーってやらないとダメだろ?」
「……」
この人は本気だ。どうあがいてもわたしにこんな恥ずかしいことをさせて、笑って楽しんでるんだ……。もう恥をかくなら一気に済ませてしまった方がいい。
わたしはぐっと腰を掴む手に力を込めた。
「わ、すごい……」
「……クソッ! オラッ! 孕めッ! イけッ!」
我武者羅に腰を打ちつけた。彼氏のお尻に、本気で。ここまでヤケクソになったのはロドスが介入した先の戦場で死にかけた時以来かもしれない。
顔に体温が集まって真っ赤になる。もう全身の毛穴から汗は噴き出るし、他の人が見たらドン引きされるとか考えちゃうと今すぐ消えたくなるけど、それでもわたしは早く終わりたくて必死だった。
壁に向かっていてエルネストの顔は見えないけど、今どんな表情でわたしのことを考えているのか、この状況をどう思っているのか。本当にどうなっているのか見えていたらわたしは今すぐこの場から逃げていただろう。
「……んっ♡ 結構力強いんだ……」
「前衛オペレーターの人に褒められちゃった……。ねえ、もう辞めていい?」
「ダメ」
「じゃ、じゃあそっちもちゃんと女役しなよ! わたしばっかり恥ずかしいんだけど……!」
「そうだね。……あ~っ♡ すごいっ♡ ナマエのでイっちゃうよ~♡」
思ったよりも迫真の演技だった。普段絶対に、こんな媚びた下品な言葉は言わないし、罰ゲームでも自分が恥さらしになるような展開には持って行かないエルネストが、女のマネをして、馬鹿みたいな台詞を叫んでいる。
「……ッ、は~っ。イけ、イけイけイけ♡ 俺の精子で孕め……!」
無様なくらい腰を動かすスピードが速くなる。エルネストの小さなお尻に必死になってないはずのちんこをぶつけていると、本気でセックスしているみたいな感じになってきて、脳がおかしくなった。向こうも向こうで、喘ぎ声のマネをしているのが少しずつ真剣味を帯びてきて、本当に女の子に全力杭打ちピストンしてる気分になってくる……。
「イくっ♡ ナマエ、俺イっちゃうよ♡」
「エルネ……スト! イけよ、ほらっ♡ 射精する! 出すッ♡ 赤ちゃん汁出すからなッ♡」
なんか、エルネストの細い腰が本当に女の子のそれに見えてきてわたしは頭がおかしくなってしまったかもしれない。それでも触るとゴツゴツしていて、ああ、男の人の身体なんだなって思うから、不思議だ。わたしたちが嘘のセックスごっこを一通り終えると、本当に一発ヤった後みたいな虚脱感が身体を襲う。それと同時に、ごっこ遊びに本気になってしまって馬鹿らしい、なんでこんなにアホな遊びに真剣になったんだろう……とも。
「じゃあ……今度は俺が上だね」
「……はぁ~?」
「これは交尾ごっこだから」
エルネストはわたしが穿いていたスカートを捲り上げると、タイツごと下着を一気に膝まで下ろしてしまった。
「ちょ……っ!」
「ごめんね。なんだかさっきナマエが必死になってるの見てたら、ムラムラしてきちゃって……」
確かに彼の息は全力疾走した後みたいに乱れていた。尻尾の揺れ方からしても、見るからに興奮していますといった様子で、顔なんてまともに見ていられない。
外気に晒されて頼りない下半身に、エルネストはいつもよりも早急な手つきで触れてきた。ぐち、と不快な水音がして、わたしの羞恥心をあおり立ててくる。
「やっぱりナマエも興奮してたんだ……♡ ねぇ、あの時もムラムラしてた?」
「してないよ……。あれはセックスじゃないし。友達相手にそんな」
「じゃあさっきしてたのも交尾ごっこだから、セックスじゃないよ。それなのに感じてるんだ。――俺もだけど♡」
エルネストは耳の側に顔を近づけて、低い声で囁いた。いつも穏やかな彼の声色から余裕な感じが消えていた。もうこれはどうあがいても一発やらないと収まらない。彼と……わたしも。
さっきとは逆に、わたしが壁際まで追い詰められていた。冷たい壁に背中を預けていると、そっと剥がされる。
「んっ……」
いつの間にかわたしの服の中に彼の手が侵入していた。今日は上下が分かれた服だから、普段オペレーターの制服として着用しているそれよりも、侵入は容易だった。
「背中、あったかいね」
「……エルネストの方が、いつも体温高いよね」
「まあ、ベッローだから」
興奮すると体温が上がるなんてよく聞く話だけど、暗にそうだと確認されているみたいだ。昼間から何をしているんだろう。わたしが目線を逸らして天井を見ようとした時、すかさず口に噛みつく勢いでキスされた。
「……はっ、よそ見、しないでね」
「は、はぃ……」
背中から引き寄せられて、エルネストの腕の中に収まる。彼がいつも使っているムスク系の香水の香りが胸いっぱいに広がって、それに彼自身の体臭が混ざっていつもよりも色濃く感じられた。
「っ、ん……♡ ぅ、っ……♡」
普段剣やシェイカー、カードを扱う細い指先が、グチグチと膣の入り口の辺りをゆるく撫でている。既にぐちゃぐちゃに溶けているそこを触られると、じわりと溶けるような水音が出て、わたしだけが恥ずかしい思いをさせられてしまう。
「動物の交尾だと……あんまり慣らしたり、とかしないけど、俺たちはちゃんと……入れられるように準備しないとね」
「そ、そう……っ、かも……♡」
「かもじゃないでしょ。いつもちゃんと、痛くないように俺が慣らしてあげてるだろ?」
あー♡ もう早く欲しい♡ さっきまで交尾なんて言葉を使っていたくせに、準備だけはしっかりしようなんて焦らしてくるところ、本当に意地が悪い。
「ぁ゛っ、……~っ♡ もっ、もう指、中に入れて♡ いいからっ……♡」
「……うん、交尾――ごっこだし、ちょっと普段とは変えてみようかな」
我慢できずにわたしからお強請りしてみると、エルネストはそう言って、いきなりしゃがみ込んだ。
「なっ、何」
「野生の動物って……ほら、舌で愛撫するんだよ」
エルネストのつむじが見えた、と思ったら彼はわたしの股に顔をつっこんだ。
「え゛っ、ちょ、これっ……♡ あ゛っ……~ッ♡ やだやだ、汚いってぇ……」
彼の口が陰部にキスして、もうそれだけで文句を言おうと思って開いていた口から情けない喘ぎ声が出る。
「ん゛っ、お゛……っ、ぁぁッ……♡ そこやだっ……♡ ぁ……♡ う゛ぅっ……♡」
わたしの下半身に腕を回して、無理矢理離れられないようにされながら無言でクンニを続行される。……こ、こういうの知識としては知ってるけど、実際にやられるとは思ってなかった!
べちょべちょになったおまんこを舐められているとここでぐちぐちと音を立てているのが自分の愛液なのかエルネストの唾液なのか、どちらからのものなのか分からなくなる。
最初は焦らすような動きだったのに、徐々に貪り尽くすような舌の動かし方に変わっていって、陰核の辺りに舌が達するとわたしの身体は、エルネストが押さえつける力が強くなるくらいに大げさに跳ねた。
「ぢょっ……は♡ お゛ぁ、そこはマジでダメだ……っ、てぇ♡ う゛ぅ……っ♡ ――ひ、ぁ゛♡ ん゛ん゛っ……♡」
頭が馬鹿になる♡ 思わずエルネストの髪の毛を掴んで耐えていると、意図せず彼の頭を股に押しつける形になった。時々尖った犬歯がクリトリスに当たって、ちょっと刺されているみたいな激しい刺激があってきもちいい……♡ イきそうというか、息継ぎの合間に少し冷静になってイき切れないから、もどかしくてわたしの腰も自然と揺れてしまう。
――この人、クンニとか昔にしたことがあるのかな。
フェラチオする時に立てる音みたいなじゅぽじゅぽした音が、わたしの身体から発生しているのが気持ち悪いくらいに興奮する材料になる。――わたしには絶対にこういうところ舐めたりさせないけど、首とか……べろちゅーするのもエルネストは好きだったな、なんて思い出す。
「ぁっ♡ も、イきたい……♡ イかせてよぉっ♡」
「んっ、……はぁっ♡ 今は、まだ、ダメ♡」
久々に顔を上げたかと思うと、エルネストはとんでもないことを言ってきた。彼の口の周りはわたしのだか彼のだかわからない下品な液体でてらてらと光っていて、それが本当に下品だけどエロかった。
入り口しか触れられていないおまんこがイライラしてきて、奥が触られたい、おちんちん入れてどうにかして欲しいって重くなっていく。ずっと喘ぎっぱなしで頭がぼーっとしてくる……。段々下を見ているのが辛くて天井を見上げていると、見透かされたようにクリに歯が引っかけられた。
「ぉ゛っ……♡」
「……んっ、こら♡ ちゃんと見て♡」
膝がガクガクしてきて、エルネストの力で押さえても上半身が丸まっていく。
前屈みになると余計に舌とおまんこがぐっと押し当てられて、それだけで軽く達してしまう。そうなるとすぐにエルネストにバレるから、ずっとさっきから甘イキしているのがバレて、全部見透かされて、彼が思うとおりに感じているのが丸わかりで恥ずかしい……。
「イ、いぐっ……♡ イきたいですっ……♡ イかせてよぉっ……♡ う゛、ぉ゛っ……♡ ~……ッ♡」
より一層髪を掴んでいる手に力がこもった。ゾリゾリとした舌からの刺激が響いて、頭と視界がグラグラと揺れる。イった後に肩で息をして全身を震わせていると、たしなめるように一度エルネストがわたしのお尻を叩いた。
「~ッ♡」
「……ッ、はぁ、窒息するかと思ったよ。ナマエって結構力あるんだ」
フラフラと倒れそうなわたしを支えながら、エルネストは言っていることとは裏腹に、心底嬉しそうに笑っていた。
先ほどエルネストがそうしていたみたいに、今度はわたしが壁に手をついて、彼に背を向けた。なにげにバックでやったことはなかったから、相手が見えない状態で何がどうなるか分からないということが、どれだけ不安を煽るのか、始まる前から脳がおかしくなりそうだ。
「っ……!?」
エルネストは自分の下半身をわたしのお尻に押しつけてきた……というか、脱いでいなかった。くるはずだった衝撃に備えていたけれど、わたしが感じたのはいつものそれではなかった。それどころか――彼はズボンすら脱いでいなかった。
「えっ、あ、えっ」
「んっ……♡ ほら、イけ♡ イけ♡」
明らかに彼が興奮して、陰茎が勃起しているのはわかった。けれど、わたしのお尻に向かってそれを服越しに打ちつけるだけで、本番のそれではない。わたしは混乱に陥った。
「ほら、今度は俺がこっちだから……」
わたしのお腹の辺りを押さえて、ぐっとおちんちんを小刻みな動きで押しつけてくる。
「あ゛、っ、え゛っ、んもっ、それ変だって!」
布と股が擦れて気持ちよかった。お腹のあたりがぞわぞわして、本当の本気交尾じゃないのに、馬鹿みたいな遊びでちょっとイきそ……♡
「おらおら♡ イっちゃえ♡」
「イきたくな゛いよぉこんなのでっ♡」
下半身がぶつかってセックスの時みたいな音が上がる。ぱんぱん♡ なんてほんとの交尾じゃないのに本当にやってるみたいなのやめてよっ……♡
「お、なか押さない゛でっ……、う゛っ、う゛お゛、ぐ……♡ ほ……♡」
なんだかんだで奥の気持ちいいところを押されると、条件反射みたいに身体が反応してしまう。エルネストも、いつもなら絶対に使わない乱暴な言葉遣いで、「イけイけ♡ 孕め♡」なんて言ってくるから本当に、耳から馬鹿になる……っ♡
「お゛、っ~~…………♡ イ゛ッ…………♡♡♡ ~ッ♡♡」
「イっちゃったね♡」
子宮上から手で掴まれるみたいに、されて、後ろからおまんこゆさゆさされて、嘘交尾でイっちゃったぁ……♡ こんな本番ですらない行為で本気イきしてしまって、わたしは本当に情けなさ過ぎる。でも、気持ちよかった……♡
あ、頭撫でられるのも、好き……♡
「交尾ごっこ、気持ちよかった?」
子供をよしよしするみたいに、エルネストはわたしを後ろからハグして頭も撫でてくれた。
「……きもちよかった、けど、もうしない」
「イけて偉いよ。才能あるんじゃない? クソ雑魚アクメの♡」
「なんでそんな言葉知ってるの……」
エルネストはわたしの質問には答えず、そのままベルトを外し始めた。カチャカチャと揺れる金属の音と、やけに生々しいジッパーを下ろす音が聞こえてきて、もう何回目になるか分からないけれど、胸が緊張でドキドキしてくる。
「今度は本当の交尾、するからね♡」
エルネストが珍しく舌打ちするところを始めて見た。今か今かと挿入を待ちわびていたけれど、なんだか始まる予兆だけしかなくて。何かと思って後ろを振り返ったら、スキンの袋を開けるのに彼が手間取っている様子だった。
わたしを見ると、明らかに苛ついて険しい表情をしていたのから一転して、いつもの笑顔に変わる。わたしを安心させるみたいに。
「あ~、ごめん。ちょっと待って」
「……ん、いいよ。それ、別にいい」
「……ダメだよ。ちゃんとしないと、ナマエが困るだろ?」
普段いくらでも器用に何でもこなすエルネストが、こんなに分かりやすく苛立ってまごついているのを見るのは……それがわたしのためだと思うと、なんだか嬉しかった。
しまいには手で開けるのを諦めて、口で無理矢理開封していた。……普段のかわいい感じもするような雰囲気と、今みたいなちょっとガサツな仕草のギャップが好きだって言ったら、もっとしてくれるかな……。それとも彼のことだから、わたしがそう思って見ていることも知っているかもしれない。
「……はぁ。できたよ、じゃあ、挿入れるからね……♡」
優しい声色とは裏腹に、おちんちんはズルズルと我が物顔で中に入ってきた。
「ん゛、~……ッ♡ はぁっ、す、ご♡ ぉ、ッ…………♡」
「……っ、はぁ♡ ちゃんと、入った♡」
硬く反ったそれが、中を割って入ってくるとその重さを支える腕がガクガクと震えた。エルネストが腰をガッツリ掴んでいるせいで、余計に快楽を逃しにくい。お尻が固定されて、膝だけが卑しく笑っている。
「本気の交尾も、気持ちいいね♡♡ ナマエ♡」
当たり前でしょ。なんて普通の突っ込みなんて今は通用しない。わたしは黙って馬鹿みたいに頷くしかなかった。
首筋にエルネストの唇が何度も触れた。そのたびに中を分かりやすくぎゅっと締めてしまって、何もかもが筒抜けで、諦めろって言われてるみたいに思えた。
「すごい、いつもより中がふわふわしてる♡ 舐めてあげたからかな♡」
「い、いわないでよっ♡」
エルネストはしばらく動かないでいたけど、わたしの呼吸が落ち着いてくると、ゆっくりと腰を動かし始めた。中のブツブツしたところとエルネストのおちんちんが摩擦を起こして、当たっているところが火傷しているみたいに敏感に感じる。
「あ゛~ッ、いいね、これ♡」
「う゛、ッ、はっ……♡」
おちんちんで中を押し広げられて、ゆっくりと奥まで入ってくると、お腹がぎゅっと重たくなる。動きに合わせて脳みその芯からビリビリ痺れるような、そんな感覚がした。
「ッ、~♡ お゛っ、ぉ゛~…………♡ ~……う、ぁ゛♡」
さっき散々揺さぶられたせいで、ちょっとでも動くとお腹がきゅんきゅん寂しくなる。鈍痛めいた甘い痺れが腰に響いて、エルネストのおちんちんもギチギチ締め上げてしまう。
一番気持ちいいところにじっとりとおちんちんが当たった時、ぢゅ、と音を立てて少しハメ潮を漏らしてしまった。太ももが冷たく湿って、それがエルネストにもガッツリ掛かってしまっていると思うと、お漏らしをしてしまったみたいで情けない。
「う゛、ッ~♡ う゛ぅ~……♡」
「大丈夫♡ いっぱい感じてくれて、かわいいよ♡」
彼はわたしがどうなろうが一定のテンポで、すごくゆったりとした速度でおちんちんを奥まで押し進めていた。太ももが震えて、足がつったみたいになっても、向こうは気づいていないふりをして止まることはない。ゆっくりして、なんて言っても意味がない。今はゆっくりだから頭がおかしくなりそうになっているのだ。
少しの刺激で気持ちいいところが絞め殺されているみたいに、じんわりと気持ちよく擦れる。もうちょっとで本気イきする手前くらいのところで押し止められて、こっちの頭を徹底的に馬鹿にするつもりなんだな、と向こうの意地悪い考えが理解できてしまった。
「ン、……これ、ちゃんと最後まで入ったね♡」
「え゛、そ、そう……なん……ッ♡」
スローなセックスをしている間に、わたしの子宮口はゆっくりと降りてきていたらしい。普段よりも低い位置でグ、と最奥まで達した時の感じがして、頭に電流が走る。
「ん゛、っ、ぉ……♡ お゛ぉ゛ッ……♡」
おちんちんと子宮口が溶け合って、その熱が気持ちよくて、頭が馬鹿になるからわたしは思わず舌を突き出して喘いだ。
わたしの汚い喘ぎ声と似通った下品な音が、お腹の奥がら直接響くように聞こえてくる。
一旦離れてから再度どちゅッ! と音がしそうなほどの杭打ちをされて、子宮口が硬くなったカリに押しつぶされて、わたしは思わず「お゛ぁ゛っ♡」と声を上げる。エルネストは気を良くして、さっきみたいにズ、ズ、と腰を押しつけてきた。小さな動きだけど、気持ちいい弱点だけを突かれて、息が休まる暇がない。
薄い膜一枚で隔たれているのに、まるでそれが溶けてきているみたいに思えた。お腹の奥を突き上げられて、足が震えて余計に腰をエルネストに押しつけてしまう。
「あはは、今日はいっぱいお強請りしてくれるんだ♡」
「ん゛、ぁ、なんか、今日、へんっ……♡ ぉ、っ、……ぉぁ゛っ、は、ぁ~っ……♡」
奥を突かれるたびに、溢れた愛液が太ももを伝って床をぬらしているのがわかる。少し激しくされると尿道に残っていた潮が断続的に出てきて、多分床には小さな水たまりが出来ているんだろう、と考えると恥ずかしくて仕方がなかった。
「交尾ごっこでお腹気持ちよくしたから、いつもより奥、気持ちいいよね?♡」
「う゛、あ゛ッ、……♡」
「こういうの、好きなんじゃないの?♡」
「す、すきっ……♡ すきぃ……っ♡」
「気持ちよくしてあげてる俺のことも好きでしょ?♡」
「う、ん♡ すきっ♡ エルネストすき♡ すきっ♡」
どさくさに紛れて告白までさせられた。
「俺も……ナマエが好きだよ♡ 一番好き。愛してる」
耳元で言われて、おまんこも分かりやすく反応してしまった。エルネストの手でわたしの身体は掴まれているけれど、彼がのし掛かりながらピストンしてくるせいで、身体が重い……。というか、腕で全身を支えているから、肩が震えて明日の筋肉痛が怖くなってきた。
「もうちょっとだけがんばろうな♡」
「うんっ、う゛っ、あ゛、がんばるっ……♡」
やっていることは変な体勢でのセックスなのに、エルネストに言われるとどれだけ無茶なことでも頑張らなきゃって気持ちにさせられてしまう。
ピストンは既に焦れるような速度ではなくなっていた。エルネストの額から流れる汗がわたしの首筋に当たって、全身の汗と愛液とあらゆる液体が、熱が溶け合ってぐちゃぐちゃに混じり合ってきた。このまま二人で混ざってしまったら、どれだけ気持ちいいんだろう……。
我慢汁でダラダラになった先端がグズグズに溶けた子宮口にめり込んで、そこに彼の体重も乗っかってきて、全身から崩れ落ちそうになる。
「フ~……ッ、はぁっ♡」
エルネストが荒い息で呼吸するたびに耳がおかしくなりそうだった。
「あ゛、ッ、くるし……っ♡」
「ん、わかった♡ もうちょっと、あとちょっとだけ、頑張れるだろ?♡」
あらゆるものに押しつぶされそうになりながら、わたしは大げさなくらいに頷いた。
「お゛っ、ぉあ゛っ……、ッ♡ イく♡ エルネストぉ、イきたいよ……ォ゛……ッ♡」
「俺も……♡ 一緒にイこう♡ ぁ、ナマエも……♡」
「ぅ、あ゛♡ ん゛ッ……♡」
一際深く踏み込まれたような、奥にグっとエルネストのが割って入ってきて、口の端から我慢できずに涎が垂れた。エルネストに一際強く抱きしめられると、身体が全部押しつぶされておかしいくらいに気持ちよかった。
「~……ッ♡ は、はいってきて……♡ お゛、っ♡ お゛ぉ゛ッー……♡♡ イ゛ぐッ……♡ ん゛、っ……~♡」
ダメだ、本当に癖になる♡ エルネストのおちんちんとわたしのおまんこがミチミチになって腰を痛いくらい掴まれてるのも気にならないくらい、きもちいい……♡ い、イく……♡ イくイく♡ もうイくことしか考えられない……♡
「~ッ、ぅ……♡」
エルネストが中で射精している間、わたしの身体はずっと痙攣していた。それを押さえ込むように全身の体重がわたしにかかって、腕が耐えきれずに前に倒れ込みかけたけど、エルネストが無理矢理それを支えた。その衝撃で再度奥にずぷり、とおちんちんが沈んだ。やばい♡ これ全部癖になりそう♡ 全部エルネストだけのために身体が作り替えられちゃう……♡
「ぃ゛~…………♡ ん゛ぉ゛……♡♡♡♡」
「ナマエ……ッ♡」
ぁ……~♡ 射精が長い♡ もうぜんぶおかしくなってエルネスト専用のコキ捨てオナホになってもいい♡ とか思っちゃ……あ゛う゛……ッ♡
わたしの首に食い込むように歯を立てられて、熱く迸る精子がお腹に溜まっていくのを感じながら、とうとう頑張って踏ん張っていた足から力が抜けていった。もう立つことも危うくて、わたしはエルネストの腕と壁に預けた身体がずるずると下に崩れていった。
はじめてアレを見た時に、俺は嫉妬や怒り以前にひどく驚いたことを覚えている。ナマエは大げさにはしゃぐタイプではないと思っていたし、彼女が子供だった時を俺は知らないから、あんな風に馬鹿なことをするような人だったんだな、と彼女への認識が大きく変わってしまった。それで嫌いになることはない。人間は誰だって一枚岩ということはないのを、俺が一番よく知っているから。
ナマエにとって相当恥ずかしい過去だったのだろう。……客観的に見て、そうだとしか思えない。あんな下品で、悪ノリの見本のような動画がネットに上がって今の彼氏である俺に見つかっているなんて、本人からしたら今すぐ殺してくれと思う以外の何物でもない。
――ナマエにも、そういう時期があったんだ。
最初は驚いたし、こんな動画を他の誰かが再生していたらと思うと腹が立ったけれど、今こうやって疲れて眠ってしまったナマエを見ていると、恥ずかしい過去も見つけられて、それが元でこれだけいいことができたのだから、俺にとってはラッキーでしかない。……勿論、あの動画は見つけた時に管理会社に連絡して削除させた。画面録画は残してあるけど。
「……俺はそういうところ込みで、好きだよ」
起きてきたナマエをどうやって揶揄ってみようか。それともご機嫌を取るために何かしようか。
将来や一歩間違えば全てが吹き飛びそうな駆け引きのことではなくて、最近ずっとナマエのことをずっと考えていられるのが幸せ。自然と上がった口角がしばらく元に戻りそうにないから、しばらくナマエには気持ちよく眠っていてほしい。俺がそばで見ていてあげるからね。