未設定の場合は「ミョウジ ナマエ」表記になります
エロあるよ笑
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【前回までのあらすじ】
先日彼氏のジョディと初めてのえっちをした「わたし」だったが、あんまりにもおっかなびっくりなセックスに正直言って欲求不満! 向こうは何を気にしているのか分からないけど、こっちだってムラムラが溜まってるんだから! ある日怪しげな「催眠アプリ」の存在を知ったわたしは、ジョディにアプリを使うことで本気のセックスをしようと試み――。
「じ、ジョディ……。あ、あの、えーと」
「大丈夫、ですよ……。ゆっくりで、僕はここにいますから」
わたしとジョディは、ソファ代わりにベッドに並んで座っていた。体格の大きい彼の方に体重が掛かって、ベッドの凹みが大きくなっている。隣り合っているけれど、他人と電車に座った時みたいに少し距離が開いていて、それがなんだか歯がゆくて、ちょっと居心地が悪い。
二人ともロドスでの内勤の終わりで、わたしのルームメイトが夜勤に行く間にこっそり彼を連れ込んだ。大事な話がある、とかなんとか適当な理由をつけて。
でもいざとなると、彼にどうやって切り出したらいいかわからない。催眠って興味ある? とか、普通に考えたら怪しすぎる……! し、でも、だまし討ちみたいな方法でやっても犯罪なんじゃない? って感じだし。
後ろ手でスマホの認証画面のロックを解除して、勘だけでなんとか目当てのページにスライドさせる。……これで、ここまでして「催眠」が嘘だったらわたしは大恥をかくだけ。本当に「そう」だったとしてもどうなるかは分からない。
心臓が破裂しそうなほど、痛い。
自分はなんて馬鹿なことをやっているんだろう。自分勝手な理由で、彼氏を、こんな――!
「あの……体調が悪いなら、医務室に一緒に行きましょうか?」
罪悪感で苦しくなってきた胸を押さえていると、ジョディはわたしの顔色を窺うように覗き込んできた。熱でもあるのかな、と言いながら近寄ってこられると、自分のやましい気持ちが向こうにバレるんじゃないか、後ろめたさで背筋が冷える。
――絶対にこんな怪しさ満点のアプリの名前、見られたくない!
「だっ、だめ! この画面見て!」
「えっ……」
アプリを起動すると謎の光でスマホの画面が眩しく光った。
使い方……はこれで合ってるはず! ストアサイトの怪しげな説明文曰く、催眠をかけたい相手に起動した画面を見せるというのが正しい使用方法だと書いてあったから。
「眩しすぎた? ごめん……」
さすがに眩しすぎた。フラッシュみたいな光を目に浴びせるなんて、絶対に健康によくないし。
「あ、あれ……。頭、が……」
ジョディの目線が虚ろに揺れている。ヤバいかも……。さすがに医務室に連れて行った方がいいかもしれない。閃光弾とまではいかないけれど、結構目がチカチカする感じだったし。会話はできるし意識はあるのがラッキーだった。
催眠とか馬鹿みたいなことを考えていた自分が恥ずかしい。穴があったら入りたい……。
「……あの、僕は大丈夫、なので」
「えっ、本当に? 無理してない?」
「…………ええと、はい。ちょっとフワフワするけど、他に異常は……」
「でも……目の焦点が合ってない、かも」
わたしのことが見えているのか見えていないのか、ジョディの視線の先は定まらない。
「あ、……あんまり、近い、と……緊張します」
「えぇ……、と……?」
さっきとは打って変わってジョディの顔に近寄ったわたしに、彼は顔をそらす。嫌がられた……、とかっだったらどうしよう!
「えっごめん……。パーソナルスペースとか、あるよね! ごめんね……」
「待って、ください……!」
立ち上がって離れようとしたわたしの腕を、ジョディの腕が掴む。
「できれば、その、そばにいて欲しいです」
その力が思いのほか強くて、驚く。
普段は絶対にわたしの体に許可なく触ろうとしてこないジョディが、こんなにもしっかりとした掴み方でわたしに触れている。
「…………いいよ」
再びさっきと同じ位置に腰を下ろそうとして、ぐっと引き寄せられた。スマホが音を立てて床に転がり落ちた。
……あ、と思っている間に、真剣なまなざしでわたしを見つめるジョディと目が合う。普段の優しげで穏やかな目つきとも、照れた時に斜めに逸らすような動きとも違う。こちらを射貫くような眼差しだった。
片手でこちらの腰に手を回されて、空いた方の手でわたしの手を掴まれる。……恋人つなぎ、だ。
見た目よりも硬い感触とがっしりとした手つきに困惑していると、彼は更に隙間を埋めるように近寄ってくる。
「……いつも、ナマエさんに触ったら壊れてしまうんじゃないかって、心配で、怖かったんです。今日、貴方から部屋に誘われて、大事な話があるって言われたから一日中落ち着かなかった。……だから、僕をずっと不安にさせた責任、取ってください」
意外と上背のある彼の顔が、屈むようにして近寄ってくる。いつもより伏せた瞼の隙間から見える瞳の光が、ギラギラと興奮したように光っている。太陽に照らされた海面みたいな光だ。
――呑まれる。
呼吸ごと吸い込むような荒い口付けに、思わず腰が引けた。
「いかないで……ください」
ぎゅっとかかえ込むように抱きしめられる。言葉こそ優しいいつものジョディだが、わたしにノーを言わせない圧のようなものが感じられて、かなりドキドキしてしまう。
お互いの心臓の音が聞こえるくらい密着して、舌を蛇のように絡ませ合っていると普段なら絶対に触れられない位置にまでジョディの舌が回り込んできた。
思わず喉の奥から声が出そうになる。しかし、それすらも口内を抉り取るような荒い口付けに呑まれて、音として外に出てくることはない。
「ん……っ♡ す、しゅご……っ♡」
「……っふ、ぅ♡ すき♡ すきです♡ ずっとこうしてみたかった♡」
ジョディの溶けきった声を聞き、もうあのアプリの効果は本当だったと認めるしかなかった。普段のジョディなら、キスどころか手を繋ぐことすら恥ずかしがって自分からやろうとしてこないから。
「ナマエ……っ♡ んぅ……♡ はーっ♡」
いつもなら絶対にわたしのことを呼び捨てにしないはずなのに♡
ざらざらとして厚ぼったい舌がわたしの口から出ていくと、彼の舌とわたしの口の間に唾液が垂れた。さっきまで夢中になって絡ませ合っていたのに、ふと冷静になって気恥ずかしい。
お、大人のキスだ……!♡
ジョディがこんなに荒っぽいキスの仕方を知っていたなんて、本当にびっくりだ。わたしたちだってもう子供じゃないんだから、性に関するあれそれを知っていてもおかしくはないんだけど、初心で可愛い印象が強いせいで、ギャップ萌えってやつ? をしてしまった……。
「あの、僕の下手じゃなかったですか?」
「う、うん……。すごかった、よ。どこで覚えたの?」
「……えと、内緒、です」
彼の長い耳の先まで真っ赤に染まる。さっきまで我が物顔でわたしの口の中で暴れていたとは思えない態度だ。
「……いい匂いがしますね」
「シャンプーいつものだよ」
わたしを真正面から抱きしめながら、ジョディはわたしの肩に顎を乗せた。
仕事の後すぐにジョディに会いたくてあんまり手の込んだヘアケアはしなかったんだけど、そんなにいい匂いなんだろうか。
「ジョディって匂いフェチとか?」
「……わからないけど、あなたの匂いは好きです」
「……う、わぁ……」
「引かないでください!」
「引いてないよ、びっくりしただけ」
深呼吸するみたいに耳元で呼吸されて、その息の荒さに落ち着かなくなる。
「……はぁっ♡ すごい……♡ 好きなんです♡ なんだか落ち着くっていうか……♡」
「そ、そうなんだ……♡ ちょっと恥ずかしいから、そろそろ……」
「…………」
ドサッ。
「は、え?」
無言のジョディに押し倒されて、まともに身構えていなかったわたしはそのままベッドに沈み込む。いつも自分が使っているマットレスに二人分の体重がかかってミシ、と嫌な音を立てた。
「……分からないふりをしないでください」
「……」
「ぼ、僕だって、ちゃんとその気で、来ましたから」
いつもなら見知った天井を見上げているはずの視線の先に、真剣な眼差しでわたしを見下ろすジョディの顔があった。
彼の透き通るような白い肌が興奮で少し赤みがかかっている。わたしたち二人とも緊張で汗ばんでいる。部屋自体も換気をしていないからちょっとじめっとしているし、じっと見つめられるとドキドキして、はじめてエッチした時よりも、これは、大変かもしれない……。
「ナマエ……」
彼の手の甲がわたしの頬をそっと撫でた。壊れやすいものを扱うような手つきに、大げさなくらい上がってしまった体温が彼に伝わっていくのが恥ずかしい。
「……いいよ。わたしも期待、してたし……」
ジョディの手が、顔から下に這うように滑り落ちていく。シャツのボタンにかかった手が震えていて、ああ、やっぱりジョディは変わらないんだなと安心する自分がいた。
◆
「ふ、ぅ、っ…………~♡ そこ、すきっ♡」
「こうですか? もっと気持ちよくしてあげますね♡」
僕の手つき一つで大げさに跳ねる体が、不謹慎だけど面白いと思った。ナマエの薄い肢体は、少しでも触れれば沈み込むように柔らかく、普段あまり考えないようにしている性差――当たり前なんだけどナマエは女の子なんだということを嫌でも目の当たりにさせられる。
「……は~っ♡ ん、ぅっ……♡」
僅かな曲線を描く胸に触れれば、彼女は押し殺すような喘ぎ声を上げる。
――もっと大きな声を上げさせてやりたい。
自分の中にこんなよこしまな感情があったことに恥じ入る気持ちがわき上がってくるけれど、ナマエの泣き出しそうな瞳を見つめていたら、罪悪感はどこかに飛んで行くようだった。
「胸、小さいから敏感なのかな」
「……ち、ちがっ♡ ジョディ、はっ、そんなこと言わないでしょ……♡」
「すみません♡ なんだか今日は、思ったこと全部出ちゃって……♡ でもナマエの身体、僕は好きですよ♡ ちっちゃくて、守ってあげたくなる……♡」
「う、うぅ……♡」
ついには泣き出してしまった彼女を見て、やりすぎてしまったかと思ったけれど……、泣いている顔もかわいいな♡ 女の子には優しくするべきだと故郷では散々教えられたし、今だって僕のせいでこんな泣き顔を晒している彼女に申し訳ないと反省する気持ちはある。……自分がこんなに意地の悪い性格をしているだなんて、思ってもみなかった。
――このままどうなるかわからない。
「ご、ごめんなさい……♡ でも、その顔も好き、です……♡ もっといっぱい見せて♡」
彼女の頬に伝う涙を拭ってやると、ナマエはすん、と鼻を鳴らした。鼻水まで出してしまったらさすがに可哀想だ。
「ほら、ちーんしてください」
前職で介護士をしていた時の要領で、ベッドサイドからティッシュを差し出すと、ナマエは余計に顔を歪ませた。
「啜ると鼻炎になりますよ」
「う゛っ……♡ も、もうやだっ……♡」
「……ひどいですよ、僕はナマエのことが心配でやってあげてるのに♡」
我慢できなくなって垂れてきたものを優しく拭ってあげる。ナマエは顔を真っ赤にして顔を隠そうとするけれど、僕はなるべく彼女を痛めつけないようにそれを剥がした。
「っ…………~! も、さいあくっ!」
観念したように彼女が思いきり鼻を出したのを確認して、僕はそれを素早くゴミ箱に投げ捨てる。
「よくできました♡」
信じられないものを見るような目で睨みつけられる。普段の彼女なら、絶対にそんな酷い視線を僕に投げかけたりはしない。
「……はぁ♡ かわいいですよ♡ ナマエは何をしていても、かわいい♡ すき♡ 大好きです♡」
完全にドン引きしているその視線すら愛おしいと思う。なんでもやってあげたい♡ なんだか今日は自分では普段意図的に考えないようにしていることも、全部洗いざらい話してしまわないと駄目みたいだ。
……いつもならこんなこと、絶対に考えないし、ましてや口にするなんてそんなこと……。
「今日のジョディ、やっぱおかしい。やりすぎたのかな……」
ブツブツとよくわからないことを呟くナマエを見下ろしながら、中途半端にずり上がったブラジャーの中に再度手を入れる。
「ひゃあっ♡」
「ぼ、僕のこと、だけ、見ててください……♡ おねがいします」
ナマエは存外冷え性だ。僕の手の方が暖かくて、いつも触る度に心配になる。女性は体を冷やしやすいというけれど、やっぱり好きな女の子には健康でいてほしい。
「……ぁ、はっ♡ っ、あ゛っ♡ ん゛っ♡ 触り方、やらしい……っ♡」
「えっちしてるから、それが普通じゃないんですか?」
「そ、だけどぉ……っ♡ あ゛ぅっ……♡ ん゛ん゛っ~…………!♡ う゛っぅ……♡」
もっと泣いてる彼女の顔が見たくて、わざと荒い手つきで彼女の胸に触れる。はじめてセックスした時は、触ったら壊れるんじゃないかと本当に怖かったのに、今日の僕は自分が自分じゃないみたいだ。
「じょ、でぃ……♡ ん、ぁっ……♡ う゛ううっ……♡ も、胸はいいからっあ゛っ……♡」
「……は、はい。でも僕が、好き、なんです……♡ これ、すごいです……♡」
視界の隅で我慢できなくなった彼女が股をそわそわと擦り合わせているのが見えた。やっぱりナマエも興奮しているんだ……♡
口では嫌がっておいて、喘ぎ声も少しづつ本気の色がにじみ出てきて、外気に触れて立った小さな乳首が僕の手のひらの中で震えている。逆立った産毛の感触も、薄い胸ごしに伝わってくる興奮の震えも、ぜんぶ、全部が愛おしい♡
やっぱり僕はナマエが好きだ♡ そしてナマエもこんな僕を好きで、彼女でいてくれている。それ以上にいいことなんてない♡
「う゛ぅ……っ♡ な、なんか、変……っ♡ ジョディ、は、ぁ、っ……♡ く、くるし……♡」
「すごい♡ 二回めなのに胸でイくんですね♡ 嬉しいな♡ イっていいですよ♡」
「きょかせいとか……っ、聞いてないっ♡ ん゛っだけ、ど……っ♡ も゛や゛だ、ぁ♡ 嫌ぁ……♡」
「じゃあ、イってください♡ ナマエの一番感じてる顔、僕だけに、見せて♡」
ちょっとこれだけだと本気でイってくれない気がする。
力任せに乳首をぎゅっと捻ると、ナマエは信じられないと言わんばかりに大きく目を見開いた。
「あ゛ぁ゛っ……♡ い、いぐっ♡ ォ、お゛っ、イ゛~~っっ♡♡♡」
絶頂で彼女の小さな体が跳ねるように大きく震える。本当に「生き物」みたいだ。普段楚々として滅多に大げさな動きをしないナマエが動物の交尾よろしくビクビクと腰を震わせていて、僕だけがその様を知っているだという優越感に浸れる。
「――っはぁっ……。はー♡ はーっ♡」
僕の下で肩を上下させながら、呼吸を整えるように口で息をしているナマエが、必死に吸って吐いてを繰り返していて本当にかわいい♡
前戯の段階でこれなら、本当に膣に挿入してしまったらどうなるんだろう……。
「ナマエ、かわいい♡ イけて偉いです……♡」
「ジョディ……、ほんと、意地悪……」
「なんだか自分でもそう思います。本当に僕が悪いですけど、ちょっと今日だけは止められそうにないかもしれません」
僕の言葉にナマエが目線を挙動不審に逸らした。ぎゅっと体が縮こまって、食べられる直前の草食動物みたいに小刻みに震えている。
それでも僕を見上げる目線は期待したように潤んでいるように見えるのは、興奮しすぎておかしくなっている僕の錯覚だろうか。
「ナマエ、好きです♡ 世界で一番、ナマエだけが好きです……♡」
「……当てながらいうことじゃ、ないよ……♡」
無意識のうちにナマエの太ももに僕のそれが押し当てられている。視線を右往左往させながら口のぎゅっと閉じた彼女を見て、さすがにちょっと理性が働いていないんじゃないかと冷静になる。
彼女にだけは、絶対に嫌われたくない。
今まであれだけナマエに嫌な思いをさせたくなくて、優しくしてあげたくて、それで彼女が笑顔を見せてくれるならそれだけでよかったのに。
僕は自分が好きな人が幸せでいてくれるなら、それだけで他に何も必要はないと思っていた。
思って、いた。
今日だって大事な話があるからと呼ばれて来てみれば妙な画面を見せられて、ナマエも挙動不審だし、僕だって頭がまともに働かない。自分で自分の考えができなくなっているみたいだ。奥底から湧き上がる衝動に突き動かされるままに動いて、まるで獣みたいな自分が嫌になってくる。
でも、それでも……やっぱり。
「気持ちいい、です。今日みたいな、セックス……」
最初にナマエとセックスをしたとき、お互いに初めてだったから見よう見まねでなんとか入れて出して、それだけだった。僕が不慣れなばかりに彼女に辛い思いをさせてしまったと思う。
あれからしばらくキス以上のことはなくて、ああやっぱり僕は駄目だったのかなと落ち込んで。でも、セックスはなくても僕はナマエと一緒にいられるならそれだけでいい。僕らにはまだ早かっただけで、別に性的に繋がらなくても満足できる。できるんだと、思い込んでいただけかもしれない……。
「ナマエ、僕、全然駄目な男だけど……。あなたのことが好き。愛しています。独りよがりなことをしてごめんなさい。……ナマエと繋がりたい。今度はちゃんとできるように、したいんです」
彼女の目が真っ直ぐ僕を見ている。急に頭が冷静になって、なんて自分勝手なことをしていたのかと自分自身に怒りがわいてきた。
「泣かないでよ、ジョディ」
「す、すみません……」
「……わたしはえっちが下手でも優しくて、わたしのこと気遣ってくれるジョディが好き。でも、さっきみたいにわがままなところも好き、だよ……♡」
ナマエの手が、僕のズボンに伸びてくる。
「えっちしたいなぁ、わたしもえっちしたいんだよ。ジョディ♡」
「あっ……♡ わ……♡」
彼女の指がボタンを外して、ジッパーが下りる音が部屋に響き渡る。
「……すごっ♡ ガチガチだね♡」
僕の硬くなったペニス……下着越しにナマエの手が触れられて、一気に体温がそこに集まってくる。
「さすがに自分でやりますよ……」
下着までおろそうとしてきたナマエを制止して、僕は自分で下着を脱いだ。
「…………♡」
期待と緊張が入り交じった目が僕を見つめている。
「そのままいれても……、いいよ♡」
ナマエは少し腰を浮かせると、横着するように寝転がったまま下着を脱ぎ捨てる。彼女のしなやかな脚をくぐり抜けていく様が異様にいやらしくて、まるでそういう見世物を見せられているかのような気持ちになった。
脚の付け根に広がる光景はグロテスクとも肉感的ともつかないような、捕食者じみた光彩を放っている。これは比喩ではなく、実際にナマエの陰部は興奮して湿っていた。どろどろと蠢く穴から目線が外れない。こんなにも可愛らしい彼女の身体に、狡猾ともいえるほど卑猥な臓器が付いているのが、未だに信じられない。
「……っ……♡ ジョディ、いれて♡」
ナマエの細い指が陰部の入り口を割り開いた。慎ましい小さな穴の奥が、僕を誘うようにうねうねと蠢いている。
「――はぁっ♡ 駄目ですよ、そんな……慣らしもしないで……」
いくらナマエがいいと言ったからといって、前戯もなしにいきなり突っ込むのはリスクがありすぎる。
「……僕のでナマエが傷つくのは、嫌ですから」
「……いつも爪、短いもんね」
それは前からの習慣なんだけど、今は爪切りにすら曖昧な意味が込められてしまう。
僕の指が彼女の中にゆっくりと沈んでいく。吸い込まれるように導かれて、それでも加減を誤れば傷つけてしまいそうな危うさがあった。
「――ぁ、そこすき♡」
浅瀬を揺蕩うように緩く擦っていると、ナマエは控えめな声で喘いだ。彼女だってまだ二回目のはずなのに僕を気遣うような言い方をされて、申し訳なさしか感じない。
「……濡れてる。僕の、で……」
「っ、ぁ……♡」
ぐちゅぐちゅと音を立てて愛液が溢れてくる。それに合わせて指も滑るように奥へ奥へと吸い込まれていって、暖かくて包み込むような柔らかさが肌に伝わってきた。
「……っ♡」
これの中に、僕のを丸ごと入れてしまったらどうなるんだろう。
前回はとにかくナマエを傷つけないことと、失望させないように失敗させないようにと必至だったので、この感触についてあまり考えないようにしていた。
冷静になっているわけじゃないけれど、きちんと考えてみると今僕はとんでもないことをしようとしている。滑った膣の中を見よう見まねで愛撫していると、締め付けるようにきゅっと僕の指に絡みつく。
こんな指一本でここまでキツくなるんだから、この後の行為を考えると期待よりも不安が大きくなる。ふと彼女の顔を見ると、浅い呼吸を繰り返しながら期待を込めた目でこちらをじっと見上げている目があった。
「ちゃんと……」
気持ちいいですか? と聞こうとして、辞めた。わざわざ言わせているみたいで恥ずかしい。
誤魔化すように二本目の指を挿入して、すでに震えている膣の中を、奥に広がるように愛撫した。彼女の首筋や額に汗が流れている。粘着質な愛液がシーツにこぼれ落ちて、膣口からだらだらと零れてシミを作った。
「ん゛っ……♡ あ、っ……ぅ♡」
シーツをギュッと握りしめながら、こらえるような顔をしてナマエは喘いでいた。もっとしてあげたい、と思う。いっぱい気持ちよくしてあげて、僕のことをもっと好きになってほしい。
「……足、閉じないで欲しいです」
僕の手を制するように時折ぎゅっと挟み込もうとする太ももを、ぐっと押さえつけた。
「……っ、やだ……♡ だって、ぅ、ぁ♡」
「ちゃんと気持ちよく、なるためですから……♡ 我慢しないで♡」
「気持ちいい、から、やだって♡」
急にひいひいと喘ぎだしたナマエを見て、これはやっぱり正しかったんだなと思う。
「ぉ゛っ、ぁぁっ……♡ あ゛ぁっ、あ゛~♡」
こつ、と天井に当たったような感触がした。触るとぐにぐにとしていて、少しでも指先が擦るとナマエの口から下品な声が上がるし、膣内もきゅうきゅうと締め付けてくる。
「……これ、気持ちいいですか?♡」
「そこやだぁぁぁっ♡ しゃ、さわうどこじゃな゛ぁ、っ~~♡」
そこ、が何を指しているのか……僕は理解してしまった。
「赤ちゃんが出てくるところ、ですね……♡」
「い、言わな゛っ…………♡♡ う゛っ……♡ っ、ぁ~~♡」
ぐっと指の腹を押しつけながら揺すってあげると、喘ぎ声もボリュームが一段上がった。隣に聞こえてしまうんじゃないかって気にしていたかもしれないけれど、ロドスの防音対策はしっかりしているから大丈夫だと思う。
「かわいい……♡ 女の人の一番弱いところ、僕に触らせてくれるんですね♡ 嬉しいです♡」
他人には絶対明け渡してはいけない場所――弱点とも急所とも呼べるような繊細な部位をわざわざ降ろしてきて、僕の指をしゃぶるように吸い付いている口がとても愛おしい。それほどまでに僕のことが、好きなんだ……♡
ナマエは混乱したような表情で必死に喘いでいるけれど、気持ちよすぎて何がなんだかよくわかっていないのだと思う。
「ん゛ん゛~♡♡ ぁ、ああ゛~♡ い゛ぐっ…………♡♡」
むちむちした子宮口が、僕の指に吸い付くようにきゅうっとしゃぶっているから、少し揺らしただけで彼女は潮を吹いてしまった。といっても派手に吹いたというよりは、お漏らしのようにしょろしょろとシーツに潮が流れてしまっただけだった。控えめな吹き方とは裏腹に、膣はぎゅうぎゅうとうねって僕は自分の指がちぎれるんじゃないかと思ってしまった。
「……はぁ♡ ナマエの子宮が僕のこと離してくれないんです♡」
ずるずると引き抜こうとする指に合わせて彼女の最奥もくっついてくる。
「う゛あ゛っ……♡ っ、も、もうやだっ……♡ ひぎっ……♡ お゛っ~……♡ う、あ゛♡」
可哀想だけど僕は勢いよく指を引き抜いた。僕の指が二本入っていただけなのに、膣の入り口は突っ込んでいた指の大きさに広がってビクビク震えている。空いた隙間からはだらだらと追いすがるように愛液が零れて、ピンク色にテラテラと光っていた。
「っ、ぁ……♡ …………ぁ♡」
放心したように口を開けているナマエを横目に、僕は割れ目に自分の性器を擦りつけた。
「っ~、ぁ…………♡」
僕にこんなにされてもまともに声も出せない彼女が愛おしい。それだけさっきは指で気持ちよかったということだから。
ぬちぬちと音を立てて、柔らかい性器の入り口は僕に絡みついてくる。柔らかいスジに僕の質量を持った重たいペニスが乗っかって、その光景だけでも卑猥で頭が沸騰しそうになる。
「もう、挿入れてもいいですか……♡」
素股の状態でも腰が動きそうになるし、入り口がぷにぷにしていてこれだけでも気持ちいい。僕は興奮して息が荒くなっていて、必死すぎて気持ち悪いと思われないか不安ではあるけれど、今はそれ以上に彼女の中に挿入れて、何もかもぶちまけたいという気持ちの方が勝っていた。
「……はぁっ、も、我慢できない、です……♡ ナマエの返事、はやくっ、ください……♡」
んん、とかう、とか言葉にならないような声が彼女の口から漏れる。絶対に同意のないセックスはしたくないから、挿入するには彼女のお許しがないと駄目だ。そうじゃないと、犯罪になってしまう……。
「おねがいします……♡ は、はやく挿入れたい……♡ 意地悪しないで……♡」
ナマエは再びなんともいえないような声を上げるので、僕は腰をつかんでがっついてしまいたくなった。絶対に、絶対にちゃんとイエスと言って貰わないと駄目だ。ちゃんと同意セックスしないと……♡ 僕はナマエを幸せにしてあげなきゃいけないし、無理矢理して嫌われるのも嫌だ。
「うなずいてもくれないんですか」
今更なにを恥ずかしがっているのか分からないが、ナマエは自分の顔を手で覆った。僕はなるだけ優しくそれを引き剥がして、視線をうろちょろさせている彼女の目をじっと覗き込む。
「あ、う、い、いいよぉ……♡」
「いいんだ……。やった。じゃあ、失礼します……♡」
ナマエの腰を少し持ち上げながら、僕はゆっくりと性器を挿入した。最初こそかなり抵抗感があって処女だった時の彼女の痛がる顔を思い出した。不安になってナマエの顔を見ると、痛いのを我慢している感じはなかった。
「あ゛……っ、っ、ぁ~♡♡♡」
最初の押し出すような抵抗さえ流してしまえば、そのままズブズブと迎え入れるように膣は開いて奥に僕を招き入れた。
竿がゾリゾリ膣襞と擦れて、その上痙攣しながら締め付けてくるので、途中まで挿入れたところで果ててしまうかと思った。
「く、っ~…………♡」
ナマエも僕も必死になって閉じていた物をこじ開けるように、ゆっくりと奥へと進んでいく。
「ぁ、う゛ぅ……♡ ふ、あ゛ぁ、っ……~♡♡♡ 深っ……♡ も、はいんないよ♡♡」
「まだ、ですよ♡ ナマエならできるって僕信じてます……♡」
首を横に振りながら大声で喘ぐ彼女をなだめながら、僕は自分の凶器が彼女の小さな腹を引き裂いてしまうのではないか、という不安に駆られた。すでに下半身のなだらかな丘の部分は、僕の形が少し浮き出てぽっこりと膨れている。これを上へ上へと押し上げていくと、そのうち子宮をぶち破って腹に突き抜けていかないか心配になった。僕のそれはそこまで大きいというわけでもないと思うけれど、僕に対して小柄で華奢な体躯のナマエの身体を見ていると、そんな恐ろしい妄想が脳をよぎるのだ。
「…………はぁっ♡」
それでも、僕の形が彼女の身体にわかりやすく浮き出ている様はとてもかわいいし、何よりもかなり刺激的だと思う。小さな腹の中に、僕のを全部収めてみたい。多分、できるんじゃないかな。
「も、これで……ぜんぶじゃないの」
ナマエはとうとう泣き出した。彼女の瞳からどろどろと涙が溢れてくるからまた泣かないでくださいなんて言おうかと思ったけど、辞めた。今必要なのは、そんな言葉じゃない。
「ナマエ、がんばれ♡♡ 頑張ってください♡」
どろどろに溶けた肉で頑張って僕を包んでくれているナマエに対してこれ以上求めるのは酷な気がする。僕はガツガツと腰を突き上げて、もっと奥に入りたいとナマエのおまんこにアピールする。
「元はといえば、あなたがやりたいって言い出したことなんですからね♡」
「お゛っ、お゛、お゛ぁ~~……♡ っ、ぁ、ぅ゛~…………♡」
先ほど存分に解して降りてきた子宮口が、僕の先端にそっとキスした。すぐに吸い付くようにしゃぶりついてきて、可哀想だけど僕はそれを元の位置に押し戻すように腰を突き出す。
「すごい♡ ほしがってますね♡ ナマエの身体って素直でかわいいな♡」
「――は、っ♡ ひっ、ぉ゛♡ ん゛ぅ……っ♡ お゛、ぉ、お゛~♡♡」
喉の奥から絞り出したような声を上げるナマエを見て、これでよかったんだとほっとした。やっぱり気持ちいいことは全部してあげたいし、必死になって僕でよがっている彼女を見るのはとても楽しい。
一旦ちょっとだけ引き抜いて、再び最奥に押し込むと、彼女の身体は面白いほど反応する。唇の端に押し当てるように何度もキスをすると、それに合わせて膣がぎゅっと締まった。
「キス、好きですか?♡」
「す、きぃ……♡ 好きっ♡ ん゛ぃっ……♡」
体重をかけながらずっ、と奥に進むと再び尿道口から潮が飛び出た。それらが僕のお腹をぬらして生暖かい温度を感じる。
「きゃ、う……♡」
「お漏らししちゃうくらい気持ちよかったんですね……♡」
再び奥をトントンとノックするようにピストンすると、連動するようにぴゅっぴゅっ♡ とハメ潮を噴き出して面白い。されている側からたまったものではないだろうけれど、じょろじょろと潮が飛び散って濡れる面積が広がるというのは、それだけ僕で気持ちよくなっている証拠だから、やっぱり愛おしい。
汗でどろどろになっている彼女の前髪を横によけてやって、涙を流しながら必死になって僕のを咥え込んでいる彼女の顔を見る。泣きすぎて目元が真っ赤に充血しているし、必死な表情はいつもの大人しそうな顔つきからは想像できないくらい乱れている。
「かわいい……♡ 好きですナマエ……っ♡ 好きで、大好きです……っ♡」
ナマエからまた返事が返ってくる前に、僕は彼女の口の中に舌をねじ込んだ。驚いたナマエが抵抗しようとしたけれど、歯茎から口内の上をなぞるように撫でると、腰をガクガクさせて無抵抗になった。
……やっぱり、キスしながらハメるのが一番きもちいいかもしれない♡
搾り取るような動きに思わず持って行かれそうになりながら、僕は子宮口に押し込むように再びゆっくりと体重を掛けていく。華奢な体躯のナマエの身体が折れてしまうんじゃないかと心配する気持ちがないわけじゃないけれど、人間の身体がそこまでやわでないということも、僕は同時に知っていた。
「ん゛っ、ぅ……~♡ ぉ、ぉ゛っ、ん゛ん……っ♡」
散々先走りを擦りつけた子宮口の包み込むような柔らかさと、ぐっと押すと少し跳ね返るようなコリコリとした弾力に刺激されて、先が硬くなってきた。睾丸の奥からせり上がってくるような感覚に、そろそろかもしれない、と少し頭がぼんやりしてきた。
「……はぁっ♡ イ、イきます……♡ 射精します……♡」
絡み合っていた舌を解いて、息継ぎの合間にそういうとナマエは黙って頷いた。
「っ、ぁ゛~~♡ んぉ゛っ…………♡♡」
「…………ぉ、ぁ゛っ♡」
一瞬、頭の中が真っ白になった。頭の奥からジンと震えるような衝撃が走って、その後自分の下半身が煮えたぎるように熱く重くなっているのが分かった。
「――っはぁ♡ す、すごっ……♡」
ナマエの胎内に僕が出したのが広がって、びちゃびちゃになっている。僕は思わずそれを塗りたくるように腰を動かしてしまって、彼女の口から再びかすれたような喘ぎ声が上がった。恥肉が僕を甘やかすみたいにぎゅうぎゅうと竿を締め上げて愛撫してくるので、ずっと溜まっていた分が全部放出されて空になってしまいそうだ。
「えへへ……♡ ナマエのせいで、全部持って行かれそうです……♡」
自分で出した精子とナマエのぐずぐずのお腹が温かくて、気持ちよくて、頭が逆上せたみたいにぼーっとする。
「ぁ……、が、っ……♡」
僕のが入って浮き出た部分を手で優しく撫でてあげると、再びナマエはまな板の上の魚よろしく身体を震わせた。
「ちゃんと最後まで入ったし、僕のも全部飲んでくれて、ありがとうございます……♡」
子供の頭を撫でるみたいにしてよしよししていると、さっき出したばかりなのになんだか、また陰茎に体温が集まる感じがした。ナマエがキツいおまんこで相変わらず絞めてくれているおかげでもあるけど、なんだか自分が性欲が強いみたいで恥ずかしい。
普段自分で処理するときも、何発も出すなんてしないんだけど。でもこれもきっと、僕の下で頑張ってくれている彼女がかわいいせいだ。
「ま、まって。もうむり……」
「すみません……♡ 気持ちよくて、ナマエがかわいいから♡」
――それに誘ってきたのは、そっちが先でしたよね?
「ひっ……」
「今度は後ろから、とかやってみたいです♡」
僕の言葉で再びきゅっと締まった膣の感触は、肯定ということで処理してもいいよね。
先日彼氏のジョディと初めてのえっちをした「わたし」だったが、あんまりにもおっかなびっくりなセックスに正直言って欲求不満! 向こうは何を気にしているのか分からないけど、こっちだってムラムラが溜まってるんだから! ある日怪しげな「催眠アプリ」の存在を知ったわたしは、ジョディにアプリを使うことで本気のセックスをしようと試み――。
「じ、ジョディ……。あ、あの、えーと」
「大丈夫、ですよ……。ゆっくりで、僕はここにいますから」
わたしとジョディは、ソファ代わりにベッドに並んで座っていた。体格の大きい彼の方に体重が掛かって、ベッドの凹みが大きくなっている。隣り合っているけれど、他人と電車に座った時みたいに少し距離が開いていて、それがなんだか歯がゆくて、ちょっと居心地が悪い。
二人ともロドスでの内勤の終わりで、わたしのルームメイトが夜勤に行く間にこっそり彼を連れ込んだ。大事な話がある、とかなんとか適当な理由をつけて。
でもいざとなると、彼にどうやって切り出したらいいかわからない。催眠って興味ある? とか、普通に考えたら怪しすぎる……! し、でも、だまし討ちみたいな方法でやっても犯罪なんじゃない? って感じだし。
後ろ手でスマホの認証画面のロックを解除して、勘だけでなんとか目当てのページにスライドさせる。……これで、ここまでして「催眠」が嘘だったらわたしは大恥をかくだけ。本当に「そう」だったとしてもどうなるかは分からない。
心臓が破裂しそうなほど、痛い。
自分はなんて馬鹿なことをやっているんだろう。自分勝手な理由で、彼氏を、こんな――!
「あの……体調が悪いなら、医務室に一緒に行きましょうか?」
罪悪感で苦しくなってきた胸を押さえていると、ジョディはわたしの顔色を窺うように覗き込んできた。熱でもあるのかな、と言いながら近寄ってこられると、自分のやましい気持ちが向こうにバレるんじゃないか、後ろめたさで背筋が冷える。
――絶対にこんな怪しさ満点のアプリの名前、見られたくない!
「だっ、だめ! この画面見て!」
「えっ……」
アプリを起動すると謎の光でスマホの画面が眩しく光った。
使い方……はこれで合ってるはず! ストアサイトの怪しげな説明文曰く、催眠をかけたい相手に起動した画面を見せるというのが正しい使用方法だと書いてあったから。
「眩しすぎた? ごめん……」
さすがに眩しすぎた。フラッシュみたいな光を目に浴びせるなんて、絶対に健康によくないし。
「あ、あれ……。頭、が……」
ジョディの目線が虚ろに揺れている。ヤバいかも……。さすがに医務室に連れて行った方がいいかもしれない。閃光弾とまではいかないけれど、結構目がチカチカする感じだったし。会話はできるし意識はあるのがラッキーだった。
催眠とか馬鹿みたいなことを考えていた自分が恥ずかしい。穴があったら入りたい……。
「……あの、僕は大丈夫、なので」
「えっ、本当に? 無理してない?」
「…………ええと、はい。ちょっとフワフワするけど、他に異常は……」
「でも……目の焦点が合ってない、かも」
わたしのことが見えているのか見えていないのか、ジョディの視線の先は定まらない。
「あ、……あんまり、近い、と……緊張します」
「えぇ……、と……?」
さっきとは打って変わってジョディの顔に近寄ったわたしに、彼は顔をそらす。嫌がられた……、とかっだったらどうしよう!
「えっごめん……。パーソナルスペースとか、あるよね! ごめんね……」
「待って、ください……!」
立ち上がって離れようとしたわたしの腕を、ジョディの腕が掴む。
「できれば、その、そばにいて欲しいです」
その力が思いのほか強くて、驚く。
普段は絶対にわたしの体に許可なく触ろうとしてこないジョディが、こんなにもしっかりとした掴み方でわたしに触れている。
「…………いいよ」
再びさっきと同じ位置に腰を下ろそうとして、ぐっと引き寄せられた。スマホが音を立てて床に転がり落ちた。
……あ、と思っている間に、真剣なまなざしでわたしを見つめるジョディと目が合う。普段の優しげで穏やかな目つきとも、照れた時に斜めに逸らすような動きとも違う。こちらを射貫くような眼差しだった。
片手でこちらの腰に手を回されて、空いた方の手でわたしの手を掴まれる。……恋人つなぎ、だ。
見た目よりも硬い感触とがっしりとした手つきに困惑していると、彼は更に隙間を埋めるように近寄ってくる。
「……いつも、ナマエさんに触ったら壊れてしまうんじゃないかって、心配で、怖かったんです。今日、貴方から部屋に誘われて、大事な話があるって言われたから一日中落ち着かなかった。……だから、僕をずっと不安にさせた責任、取ってください」
意外と上背のある彼の顔が、屈むようにして近寄ってくる。いつもより伏せた瞼の隙間から見える瞳の光が、ギラギラと興奮したように光っている。太陽に照らされた海面みたいな光だ。
――呑まれる。
呼吸ごと吸い込むような荒い口付けに、思わず腰が引けた。
「いかないで……ください」
ぎゅっとかかえ込むように抱きしめられる。言葉こそ優しいいつものジョディだが、わたしにノーを言わせない圧のようなものが感じられて、かなりドキドキしてしまう。
お互いの心臓の音が聞こえるくらい密着して、舌を蛇のように絡ませ合っていると普段なら絶対に触れられない位置にまでジョディの舌が回り込んできた。
思わず喉の奥から声が出そうになる。しかし、それすらも口内を抉り取るような荒い口付けに呑まれて、音として外に出てくることはない。
「ん……っ♡ す、しゅご……っ♡」
「……っふ、ぅ♡ すき♡ すきです♡ ずっとこうしてみたかった♡」
ジョディの溶けきった声を聞き、もうあのアプリの効果は本当だったと認めるしかなかった。普段のジョディなら、キスどころか手を繋ぐことすら恥ずかしがって自分からやろうとしてこないから。
「ナマエ……っ♡ んぅ……♡ はーっ♡」
いつもなら絶対にわたしのことを呼び捨てにしないはずなのに♡
ざらざらとして厚ぼったい舌がわたしの口から出ていくと、彼の舌とわたしの口の間に唾液が垂れた。さっきまで夢中になって絡ませ合っていたのに、ふと冷静になって気恥ずかしい。
お、大人のキスだ……!♡
ジョディがこんなに荒っぽいキスの仕方を知っていたなんて、本当にびっくりだ。わたしたちだってもう子供じゃないんだから、性に関するあれそれを知っていてもおかしくはないんだけど、初心で可愛い印象が強いせいで、ギャップ萌えってやつ? をしてしまった……。
「あの、僕の下手じゃなかったですか?」
「う、うん……。すごかった、よ。どこで覚えたの?」
「……えと、内緒、です」
彼の長い耳の先まで真っ赤に染まる。さっきまで我が物顔でわたしの口の中で暴れていたとは思えない態度だ。
「……いい匂いがしますね」
「シャンプーいつものだよ」
わたしを真正面から抱きしめながら、ジョディはわたしの肩に顎を乗せた。
仕事の後すぐにジョディに会いたくてあんまり手の込んだヘアケアはしなかったんだけど、そんなにいい匂いなんだろうか。
「ジョディって匂いフェチとか?」
「……わからないけど、あなたの匂いは好きです」
「……う、わぁ……」
「引かないでください!」
「引いてないよ、びっくりしただけ」
深呼吸するみたいに耳元で呼吸されて、その息の荒さに落ち着かなくなる。
「……はぁっ♡ すごい……♡ 好きなんです♡ なんだか落ち着くっていうか……♡」
「そ、そうなんだ……♡ ちょっと恥ずかしいから、そろそろ……」
「…………」
ドサッ。
「は、え?」
無言のジョディに押し倒されて、まともに身構えていなかったわたしはそのままベッドに沈み込む。いつも自分が使っているマットレスに二人分の体重がかかってミシ、と嫌な音を立てた。
「……分からないふりをしないでください」
「……」
「ぼ、僕だって、ちゃんとその気で、来ましたから」
いつもなら見知った天井を見上げているはずの視線の先に、真剣な眼差しでわたしを見下ろすジョディの顔があった。
彼の透き通るような白い肌が興奮で少し赤みがかかっている。わたしたち二人とも緊張で汗ばんでいる。部屋自体も換気をしていないからちょっとじめっとしているし、じっと見つめられるとドキドキして、はじめてエッチした時よりも、これは、大変かもしれない……。
「ナマエ……」
彼の手の甲がわたしの頬をそっと撫でた。壊れやすいものを扱うような手つきに、大げさなくらい上がってしまった体温が彼に伝わっていくのが恥ずかしい。
「……いいよ。わたしも期待、してたし……」
ジョディの手が、顔から下に這うように滑り落ちていく。シャツのボタンにかかった手が震えていて、ああ、やっぱりジョディは変わらないんだなと安心する自分がいた。
◆
「ふ、ぅ、っ…………~♡ そこ、すきっ♡」
「こうですか? もっと気持ちよくしてあげますね♡」
僕の手つき一つで大げさに跳ねる体が、不謹慎だけど面白いと思った。ナマエの薄い肢体は、少しでも触れれば沈み込むように柔らかく、普段あまり考えないようにしている性差――当たり前なんだけどナマエは女の子なんだということを嫌でも目の当たりにさせられる。
「……は~っ♡ ん、ぅっ……♡」
僅かな曲線を描く胸に触れれば、彼女は押し殺すような喘ぎ声を上げる。
――もっと大きな声を上げさせてやりたい。
自分の中にこんなよこしまな感情があったことに恥じ入る気持ちがわき上がってくるけれど、ナマエの泣き出しそうな瞳を見つめていたら、罪悪感はどこかに飛んで行くようだった。
「胸、小さいから敏感なのかな」
「……ち、ちがっ♡ ジョディ、はっ、そんなこと言わないでしょ……♡」
「すみません♡ なんだか今日は、思ったこと全部出ちゃって……♡ でもナマエの身体、僕は好きですよ♡ ちっちゃくて、守ってあげたくなる……♡」
「う、うぅ……♡」
ついには泣き出してしまった彼女を見て、やりすぎてしまったかと思ったけれど……、泣いている顔もかわいいな♡ 女の子には優しくするべきだと故郷では散々教えられたし、今だって僕のせいでこんな泣き顔を晒している彼女に申し訳ないと反省する気持ちはある。……自分がこんなに意地の悪い性格をしているだなんて、思ってもみなかった。
――このままどうなるかわからない。
「ご、ごめんなさい……♡ でも、その顔も好き、です……♡ もっといっぱい見せて♡」
彼女の頬に伝う涙を拭ってやると、ナマエはすん、と鼻を鳴らした。鼻水まで出してしまったらさすがに可哀想だ。
「ほら、ちーんしてください」
前職で介護士をしていた時の要領で、ベッドサイドからティッシュを差し出すと、ナマエは余計に顔を歪ませた。
「啜ると鼻炎になりますよ」
「う゛っ……♡ も、もうやだっ……♡」
「……ひどいですよ、僕はナマエのことが心配でやってあげてるのに♡」
我慢できなくなって垂れてきたものを優しく拭ってあげる。ナマエは顔を真っ赤にして顔を隠そうとするけれど、僕はなるべく彼女を痛めつけないようにそれを剥がした。
「っ…………~! も、さいあくっ!」
観念したように彼女が思いきり鼻を出したのを確認して、僕はそれを素早くゴミ箱に投げ捨てる。
「よくできました♡」
信じられないものを見るような目で睨みつけられる。普段の彼女なら、絶対にそんな酷い視線を僕に投げかけたりはしない。
「……はぁ♡ かわいいですよ♡ ナマエは何をしていても、かわいい♡ すき♡ 大好きです♡」
完全にドン引きしているその視線すら愛おしいと思う。なんでもやってあげたい♡ なんだか今日は自分では普段意図的に考えないようにしていることも、全部洗いざらい話してしまわないと駄目みたいだ。
……いつもならこんなこと、絶対に考えないし、ましてや口にするなんてそんなこと……。
「今日のジョディ、やっぱおかしい。やりすぎたのかな……」
ブツブツとよくわからないことを呟くナマエを見下ろしながら、中途半端にずり上がったブラジャーの中に再度手を入れる。
「ひゃあっ♡」
「ぼ、僕のこと、だけ、見ててください……♡ おねがいします」
ナマエは存外冷え性だ。僕の手の方が暖かくて、いつも触る度に心配になる。女性は体を冷やしやすいというけれど、やっぱり好きな女の子には健康でいてほしい。
「……ぁ、はっ♡ っ、あ゛っ♡ ん゛っ♡ 触り方、やらしい……っ♡」
「えっちしてるから、それが普通じゃないんですか?」
「そ、だけどぉ……っ♡ あ゛ぅっ……♡ ん゛ん゛っ~…………!♡ う゛っぅ……♡」
もっと泣いてる彼女の顔が見たくて、わざと荒い手つきで彼女の胸に触れる。はじめてセックスした時は、触ったら壊れるんじゃないかと本当に怖かったのに、今日の僕は自分が自分じゃないみたいだ。
「じょ、でぃ……♡ ん、ぁっ……♡ う゛ううっ……♡ も、胸はいいからっあ゛っ……♡」
「……は、はい。でも僕が、好き、なんです……♡ これ、すごいです……♡」
視界の隅で我慢できなくなった彼女が股をそわそわと擦り合わせているのが見えた。やっぱりナマエも興奮しているんだ……♡
口では嫌がっておいて、喘ぎ声も少しづつ本気の色がにじみ出てきて、外気に触れて立った小さな乳首が僕の手のひらの中で震えている。逆立った産毛の感触も、薄い胸ごしに伝わってくる興奮の震えも、ぜんぶ、全部が愛おしい♡
やっぱり僕はナマエが好きだ♡ そしてナマエもこんな僕を好きで、彼女でいてくれている。それ以上にいいことなんてない♡
「う゛ぅ……っ♡ な、なんか、変……っ♡ ジョディ、は、ぁ、っ……♡ く、くるし……♡」
「すごい♡ 二回めなのに胸でイくんですね♡ 嬉しいな♡ イっていいですよ♡」
「きょかせいとか……っ、聞いてないっ♡ ん゛っだけ、ど……っ♡ も゛や゛だ、ぁ♡ 嫌ぁ……♡」
「じゃあ、イってください♡ ナマエの一番感じてる顔、僕だけに、見せて♡」
ちょっとこれだけだと本気でイってくれない気がする。
力任せに乳首をぎゅっと捻ると、ナマエは信じられないと言わんばかりに大きく目を見開いた。
「あ゛ぁ゛っ……♡ い、いぐっ♡ ォ、お゛っ、イ゛~~っっ♡♡♡」
絶頂で彼女の小さな体が跳ねるように大きく震える。本当に「生き物」みたいだ。普段楚々として滅多に大げさな動きをしないナマエが動物の交尾よろしくビクビクと腰を震わせていて、僕だけがその様を知っているだという優越感に浸れる。
「――っはぁっ……。はー♡ はーっ♡」
僕の下で肩を上下させながら、呼吸を整えるように口で息をしているナマエが、必死に吸って吐いてを繰り返していて本当にかわいい♡
前戯の段階でこれなら、本当に膣に挿入してしまったらどうなるんだろう……。
「ナマエ、かわいい♡ イけて偉いです……♡」
「ジョディ……、ほんと、意地悪……」
「なんだか自分でもそう思います。本当に僕が悪いですけど、ちょっと今日だけは止められそうにないかもしれません」
僕の言葉にナマエが目線を挙動不審に逸らした。ぎゅっと体が縮こまって、食べられる直前の草食動物みたいに小刻みに震えている。
それでも僕を見上げる目線は期待したように潤んでいるように見えるのは、興奮しすぎておかしくなっている僕の錯覚だろうか。
「ナマエ、好きです♡ 世界で一番、ナマエだけが好きです……♡」
「……当てながらいうことじゃ、ないよ……♡」
無意識のうちにナマエの太ももに僕のそれが押し当てられている。視線を右往左往させながら口のぎゅっと閉じた彼女を見て、さすがにちょっと理性が働いていないんじゃないかと冷静になる。
彼女にだけは、絶対に嫌われたくない。
今まであれだけナマエに嫌な思いをさせたくなくて、優しくしてあげたくて、それで彼女が笑顔を見せてくれるならそれだけでよかったのに。
僕は自分が好きな人が幸せでいてくれるなら、それだけで他に何も必要はないと思っていた。
思って、いた。
今日だって大事な話があるからと呼ばれて来てみれば妙な画面を見せられて、ナマエも挙動不審だし、僕だって頭がまともに働かない。自分で自分の考えができなくなっているみたいだ。奥底から湧き上がる衝動に突き動かされるままに動いて、まるで獣みたいな自分が嫌になってくる。
でも、それでも……やっぱり。
「気持ちいい、です。今日みたいな、セックス……」
最初にナマエとセックスをしたとき、お互いに初めてだったから見よう見まねでなんとか入れて出して、それだけだった。僕が不慣れなばかりに彼女に辛い思いをさせてしまったと思う。
あれからしばらくキス以上のことはなくて、ああやっぱり僕は駄目だったのかなと落ち込んで。でも、セックスはなくても僕はナマエと一緒にいられるならそれだけでいい。僕らにはまだ早かっただけで、別に性的に繋がらなくても満足できる。できるんだと、思い込んでいただけかもしれない……。
「ナマエ、僕、全然駄目な男だけど……。あなたのことが好き。愛しています。独りよがりなことをしてごめんなさい。……ナマエと繋がりたい。今度はちゃんとできるように、したいんです」
彼女の目が真っ直ぐ僕を見ている。急に頭が冷静になって、なんて自分勝手なことをしていたのかと自分自身に怒りがわいてきた。
「泣かないでよ、ジョディ」
「す、すみません……」
「……わたしはえっちが下手でも優しくて、わたしのこと気遣ってくれるジョディが好き。でも、さっきみたいにわがままなところも好き、だよ……♡」
ナマエの手が、僕のズボンに伸びてくる。
「えっちしたいなぁ、わたしもえっちしたいんだよ。ジョディ♡」
「あっ……♡ わ……♡」
彼女の指がボタンを外して、ジッパーが下りる音が部屋に響き渡る。
「……すごっ♡ ガチガチだね♡」
僕の硬くなったペニス……下着越しにナマエの手が触れられて、一気に体温がそこに集まってくる。
「さすがに自分でやりますよ……」
下着までおろそうとしてきたナマエを制止して、僕は自分で下着を脱いだ。
「…………♡」
期待と緊張が入り交じった目が僕を見つめている。
「そのままいれても……、いいよ♡」
ナマエは少し腰を浮かせると、横着するように寝転がったまま下着を脱ぎ捨てる。彼女のしなやかな脚をくぐり抜けていく様が異様にいやらしくて、まるでそういう見世物を見せられているかのような気持ちになった。
脚の付け根に広がる光景はグロテスクとも肉感的ともつかないような、捕食者じみた光彩を放っている。これは比喩ではなく、実際にナマエの陰部は興奮して湿っていた。どろどろと蠢く穴から目線が外れない。こんなにも可愛らしい彼女の身体に、狡猾ともいえるほど卑猥な臓器が付いているのが、未だに信じられない。
「……っ……♡ ジョディ、いれて♡」
ナマエの細い指が陰部の入り口を割り開いた。慎ましい小さな穴の奥が、僕を誘うようにうねうねと蠢いている。
「――はぁっ♡ 駄目ですよ、そんな……慣らしもしないで……」
いくらナマエがいいと言ったからといって、前戯もなしにいきなり突っ込むのはリスクがありすぎる。
「……僕のでナマエが傷つくのは、嫌ですから」
「……いつも爪、短いもんね」
それは前からの習慣なんだけど、今は爪切りにすら曖昧な意味が込められてしまう。
僕の指が彼女の中にゆっくりと沈んでいく。吸い込まれるように導かれて、それでも加減を誤れば傷つけてしまいそうな危うさがあった。
「――ぁ、そこすき♡」
浅瀬を揺蕩うように緩く擦っていると、ナマエは控えめな声で喘いだ。彼女だってまだ二回目のはずなのに僕を気遣うような言い方をされて、申し訳なさしか感じない。
「……濡れてる。僕の、で……」
「っ、ぁ……♡」
ぐちゅぐちゅと音を立てて愛液が溢れてくる。それに合わせて指も滑るように奥へ奥へと吸い込まれていって、暖かくて包み込むような柔らかさが肌に伝わってきた。
「……っ♡」
これの中に、僕のを丸ごと入れてしまったらどうなるんだろう。
前回はとにかくナマエを傷つけないことと、失望させないように失敗させないようにと必至だったので、この感触についてあまり考えないようにしていた。
冷静になっているわけじゃないけれど、きちんと考えてみると今僕はとんでもないことをしようとしている。滑った膣の中を見よう見まねで愛撫していると、締め付けるようにきゅっと僕の指に絡みつく。
こんな指一本でここまでキツくなるんだから、この後の行為を考えると期待よりも不安が大きくなる。ふと彼女の顔を見ると、浅い呼吸を繰り返しながら期待を込めた目でこちらをじっと見上げている目があった。
「ちゃんと……」
気持ちいいですか? と聞こうとして、辞めた。わざわざ言わせているみたいで恥ずかしい。
誤魔化すように二本目の指を挿入して、すでに震えている膣の中を、奥に広がるように愛撫した。彼女の首筋や額に汗が流れている。粘着質な愛液がシーツにこぼれ落ちて、膣口からだらだらと零れてシミを作った。
「ん゛っ……♡ あ、っ……ぅ♡」
シーツをギュッと握りしめながら、こらえるような顔をしてナマエは喘いでいた。もっとしてあげたい、と思う。いっぱい気持ちよくしてあげて、僕のことをもっと好きになってほしい。
「……足、閉じないで欲しいです」
僕の手を制するように時折ぎゅっと挟み込もうとする太ももを、ぐっと押さえつけた。
「……っ、やだ……♡ だって、ぅ、ぁ♡」
「ちゃんと気持ちよく、なるためですから……♡ 我慢しないで♡」
「気持ちいい、から、やだって♡」
急にひいひいと喘ぎだしたナマエを見て、これはやっぱり正しかったんだなと思う。
「ぉ゛っ、ぁぁっ……♡ あ゛ぁっ、あ゛~♡」
こつ、と天井に当たったような感触がした。触るとぐにぐにとしていて、少しでも指先が擦るとナマエの口から下品な声が上がるし、膣内もきゅうきゅうと締め付けてくる。
「……これ、気持ちいいですか?♡」
「そこやだぁぁぁっ♡ しゃ、さわうどこじゃな゛ぁ、っ~~♡」
そこ、が何を指しているのか……僕は理解してしまった。
「赤ちゃんが出てくるところ、ですね……♡」
「い、言わな゛っ…………♡♡ う゛っ……♡ っ、ぁ~~♡」
ぐっと指の腹を押しつけながら揺すってあげると、喘ぎ声もボリュームが一段上がった。隣に聞こえてしまうんじゃないかって気にしていたかもしれないけれど、ロドスの防音対策はしっかりしているから大丈夫だと思う。
「かわいい……♡ 女の人の一番弱いところ、僕に触らせてくれるんですね♡ 嬉しいです♡」
他人には絶対明け渡してはいけない場所――弱点とも急所とも呼べるような繊細な部位をわざわざ降ろしてきて、僕の指をしゃぶるように吸い付いている口がとても愛おしい。それほどまでに僕のことが、好きなんだ……♡
ナマエは混乱したような表情で必死に喘いでいるけれど、気持ちよすぎて何がなんだかよくわかっていないのだと思う。
「ん゛ん゛~♡♡ ぁ、ああ゛~♡ い゛ぐっ…………♡♡」
むちむちした子宮口が、僕の指に吸い付くようにきゅうっとしゃぶっているから、少し揺らしただけで彼女は潮を吹いてしまった。といっても派手に吹いたというよりは、お漏らしのようにしょろしょろとシーツに潮が流れてしまっただけだった。控えめな吹き方とは裏腹に、膣はぎゅうぎゅうとうねって僕は自分の指がちぎれるんじゃないかと思ってしまった。
「……はぁ♡ ナマエの子宮が僕のこと離してくれないんです♡」
ずるずると引き抜こうとする指に合わせて彼女の最奥もくっついてくる。
「う゛あ゛っ……♡ っ、も、もうやだっ……♡ ひぎっ……♡ お゛っ~……♡ う、あ゛♡」
可哀想だけど僕は勢いよく指を引き抜いた。僕の指が二本入っていただけなのに、膣の入り口は突っ込んでいた指の大きさに広がってビクビク震えている。空いた隙間からはだらだらと追いすがるように愛液が零れて、ピンク色にテラテラと光っていた。
「っ、ぁ……♡ …………ぁ♡」
放心したように口を開けているナマエを横目に、僕は割れ目に自分の性器を擦りつけた。
「っ~、ぁ…………♡」
僕にこんなにされてもまともに声も出せない彼女が愛おしい。それだけさっきは指で気持ちよかったということだから。
ぬちぬちと音を立てて、柔らかい性器の入り口は僕に絡みついてくる。柔らかいスジに僕の質量を持った重たいペニスが乗っかって、その光景だけでも卑猥で頭が沸騰しそうになる。
「もう、挿入れてもいいですか……♡」
素股の状態でも腰が動きそうになるし、入り口がぷにぷにしていてこれだけでも気持ちいい。僕は興奮して息が荒くなっていて、必死すぎて気持ち悪いと思われないか不安ではあるけれど、今はそれ以上に彼女の中に挿入れて、何もかもぶちまけたいという気持ちの方が勝っていた。
「……はぁっ、も、我慢できない、です……♡ ナマエの返事、はやくっ、ください……♡」
んん、とかう、とか言葉にならないような声が彼女の口から漏れる。絶対に同意のないセックスはしたくないから、挿入するには彼女のお許しがないと駄目だ。そうじゃないと、犯罪になってしまう……。
「おねがいします……♡ は、はやく挿入れたい……♡ 意地悪しないで……♡」
ナマエは再びなんともいえないような声を上げるので、僕は腰をつかんでがっついてしまいたくなった。絶対に、絶対にちゃんとイエスと言って貰わないと駄目だ。ちゃんと同意セックスしないと……♡ 僕はナマエを幸せにしてあげなきゃいけないし、無理矢理して嫌われるのも嫌だ。
「うなずいてもくれないんですか」
今更なにを恥ずかしがっているのか分からないが、ナマエは自分の顔を手で覆った。僕はなるだけ優しくそれを引き剥がして、視線をうろちょろさせている彼女の目をじっと覗き込む。
「あ、う、い、いいよぉ……♡」
「いいんだ……。やった。じゃあ、失礼します……♡」
ナマエの腰を少し持ち上げながら、僕はゆっくりと性器を挿入した。最初こそかなり抵抗感があって処女だった時の彼女の痛がる顔を思い出した。不安になってナマエの顔を見ると、痛いのを我慢している感じはなかった。
「あ゛……っ、っ、ぁ~♡♡♡」
最初の押し出すような抵抗さえ流してしまえば、そのままズブズブと迎え入れるように膣は開いて奥に僕を招き入れた。
竿がゾリゾリ膣襞と擦れて、その上痙攣しながら締め付けてくるので、途中まで挿入れたところで果ててしまうかと思った。
「く、っ~…………♡」
ナマエも僕も必死になって閉じていた物をこじ開けるように、ゆっくりと奥へと進んでいく。
「ぁ、う゛ぅ……♡ ふ、あ゛ぁ、っ……~♡♡♡ 深っ……♡ も、はいんないよ♡♡」
「まだ、ですよ♡ ナマエならできるって僕信じてます……♡」
首を横に振りながら大声で喘ぐ彼女をなだめながら、僕は自分の凶器が彼女の小さな腹を引き裂いてしまうのではないか、という不安に駆られた。すでに下半身のなだらかな丘の部分は、僕の形が少し浮き出てぽっこりと膨れている。これを上へ上へと押し上げていくと、そのうち子宮をぶち破って腹に突き抜けていかないか心配になった。僕のそれはそこまで大きいというわけでもないと思うけれど、僕に対して小柄で華奢な体躯のナマエの身体を見ていると、そんな恐ろしい妄想が脳をよぎるのだ。
「…………はぁっ♡」
それでも、僕の形が彼女の身体にわかりやすく浮き出ている様はとてもかわいいし、何よりもかなり刺激的だと思う。小さな腹の中に、僕のを全部収めてみたい。多分、できるんじゃないかな。
「も、これで……ぜんぶじゃないの」
ナマエはとうとう泣き出した。彼女の瞳からどろどろと涙が溢れてくるからまた泣かないでくださいなんて言おうかと思ったけど、辞めた。今必要なのは、そんな言葉じゃない。
「ナマエ、がんばれ♡♡ 頑張ってください♡」
どろどろに溶けた肉で頑張って僕を包んでくれているナマエに対してこれ以上求めるのは酷な気がする。僕はガツガツと腰を突き上げて、もっと奥に入りたいとナマエのおまんこにアピールする。
「元はといえば、あなたがやりたいって言い出したことなんですからね♡」
「お゛っ、お゛、お゛ぁ~~……♡ っ、ぁ、ぅ゛~…………♡」
先ほど存分に解して降りてきた子宮口が、僕の先端にそっとキスした。すぐに吸い付くようにしゃぶりついてきて、可哀想だけど僕はそれを元の位置に押し戻すように腰を突き出す。
「すごい♡ ほしがってますね♡ ナマエの身体って素直でかわいいな♡」
「――は、っ♡ ひっ、ぉ゛♡ ん゛ぅ……っ♡ お゛、ぉ、お゛~♡♡」
喉の奥から絞り出したような声を上げるナマエを見て、これでよかったんだとほっとした。やっぱり気持ちいいことは全部してあげたいし、必死になって僕でよがっている彼女を見るのはとても楽しい。
一旦ちょっとだけ引き抜いて、再び最奥に押し込むと、彼女の身体は面白いほど反応する。唇の端に押し当てるように何度もキスをすると、それに合わせて膣がぎゅっと締まった。
「キス、好きですか?♡」
「す、きぃ……♡ 好きっ♡ ん゛ぃっ……♡」
体重をかけながらずっ、と奥に進むと再び尿道口から潮が飛び出た。それらが僕のお腹をぬらして生暖かい温度を感じる。
「きゃ、う……♡」
「お漏らししちゃうくらい気持ちよかったんですね……♡」
再び奥をトントンとノックするようにピストンすると、連動するようにぴゅっぴゅっ♡ とハメ潮を噴き出して面白い。されている側からたまったものではないだろうけれど、じょろじょろと潮が飛び散って濡れる面積が広がるというのは、それだけ僕で気持ちよくなっている証拠だから、やっぱり愛おしい。
汗でどろどろになっている彼女の前髪を横によけてやって、涙を流しながら必死になって僕のを咥え込んでいる彼女の顔を見る。泣きすぎて目元が真っ赤に充血しているし、必死な表情はいつもの大人しそうな顔つきからは想像できないくらい乱れている。
「かわいい……♡ 好きですナマエ……っ♡ 好きで、大好きです……っ♡」
ナマエからまた返事が返ってくる前に、僕は彼女の口の中に舌をねじ込んだ。驚いたナマエが抵抗しようとしたけれど、歯茎から口内の上をなぞるように撫でると、腰をガクガクさせて無抵抗になった。
……やっぱり、キスしながらハメるのが一番きもちいいかもしれない♡
搾り取るような動きに思わず持って行かれそうになりながら、僕は子宮口に押し込むように再びゆっくりと体重を掛けていく。華奢な体躯のナマエの身体が折れてしまうんじゃないかと心配する気持ちがないわけじゃないけれど、人間の身体がそこまでやわでないということも、僕は同時に知っていた。
「ん゛っ、ぅ……~♡ ぉ、ぉ゛っ、ん゛ん……っ♡」
散々先走りを擦りつけた子宮口の包み込むような柔らかさと、ぐっと押すと少し跳ね返るようなコリコリとした弾力に刺激されて、先が硬くなってきた。睾丸の奥からせり上がってくるような感覚に、そろそろかもしれない、と少し頭がぼんやりしてきた。
「……はぁっ♡ イ、イきます……♡ 射精します……♡」
絡み合っていた舌を解いて、息継ぎの合間にそういうとナマエは黙って頷いた。
「っ、ぁ゛~~♡ んぉ゛っ…………♡♡」
「…………ぉ、ぁ゛っ♡」
一瞬、頭の中が真っ白になった。頭の奥からジンと震えるような衝撃が走って、その後自分の下半身が煮えたぎるように熱く重くなっているのが分かった。
「――っはぁ♡ す、すごっ……♡」
ナマエの胎内に僕が出したのが広がって、びちゃびちゃになっている。僕は思わずそれを塗りたくるように腰を動かしてしまって、彼女の口から再びかすれたような喘ぎ声が上がった。恥肉が僕を甘やかすみたいにぎゅうぎゅうと竿を締め上げて愛撫してくるので、ずっと溜まっていた分が全部放出されて空になってしまいそうだ。
「えへへ……♡ ナマエのせいで、全部持って行かれそうです……♡」
自分で出した精子とナマエのぐずぐずのお腹が温かくて、気持ちよくて、頭が逆上せたみたいにぼーっとする。
「ぁ……、が、っ……♡」
僕のが入って浮き出た部分を手で優しく撫でてあげると、再びナマエはまな板の上の魚よろしく身体を震わせた。
「ちゃんと最後まで入ったし、僕のも全部飲んでくれて、ありがとうございます……♡」
子供の頭を撫でるみたいにしてよしよししていると、さっき出したばかりなのになんだか、また陰茎に体温が集まる感じがした。ナマエがキツいおまんこで相変わらず絞めてくれているおかげでもあるけど、なんだか自分が性欲が強いみたいで恥ずかしい。
普段自分で処理するときも、何発も出すなんてしないんだけど。でもこれもきっと、僕の下で頑張ってくれている彼女がかわいいせいだ。
「ま、まって。もうむり……」
「すみません……♡ 気持ちよくて、ナマエがかわいいから♡」
――それに誘ってきたのは、そっちが先でしたよね?
「ひっ……」
「今度は後ろから、とかやってみたいです♡」
僕の言葉で再びきゅっと締まった膣の感触は、肯定ということで処理してもいいよね。