晴れ、ときどき雨。
油断してたら 大雨が降って
傘も持たずに出てきたことを 後悔する
晴れ、ときどき雨
バラバラと音を立てて降り出す雨に、水鏡が布団に包まったまま呟いた。
「泣いてるみたいだな」
完全に閉じられたカーテンを見つめている彼の顔を振り返ると、酷く遠く感じた。
烈火は無意識に手を伸ばしていて、水鏡の緩やかな髪に触れると静かな声は続く。
「お前には、聞こえないか」
それは、地面に打ち付けられる雨音の事か。それとも……。
舗道は雨を吸い込むことなく、跳ね返し流していき。
降り出した時の音とは、違っていく。
ザアザアと響く音を聞きながら、烈火はゆっくり言った。
「でもさ」
髪に触れていた手が、優しく水鏡の頭を撫でる。
「たまには、泣いてもいんじゃねぇ?」
「…」
水鏡の瞼が閉じられた。
「晴ればっかじゃ、空も、俺らも疲れんだろ」
烈火は水鏡の瞳を片手で覆い、言葉を続ける。
「……大丈夫。俺、雨、嫌いじゃないし」
晴れが好きでも、雨だって
その割合は
愛しく、ときどき
END.
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