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第七章

気が付くと私は自分の部屋に

カナトさんと抱きしめ合った状態で立っていた。



見慣れた風景。

(…自分の部屋だ…帰ってきたんだ…)



「あ、もう大丈夫だよ、紗奈ちゃん」

「え、あ、はい…」

(あれ?どうしよう…離れたくない…けど)



「ん?紗奈ちゃん…?

もう大丈夫だよ」


「う、うん」


私はゆっくりカナトさんから離れた。


(うわ…

どうしよう…


ドキドキが、止まらないよ…)


「どう、紗奈ちゃん。

ここ、自分の部屋?」


「えっ!?

…う、うん、そう…多分」


…ちょっと散らかっている私の部屋。

(…あれ…

これ恥ずかしいんじゃないかな?)



「それじゃ、この世界で紗奈ちゃんを、さがすよ」

「う、うん!」


(…って、カナトさんは全然気にしてないや…

そりゃそうか…そんな場合じゃ、ないよね)



「どこか心当たりはある?」

「え…?」

「紗奈ちゃんとパラレル紗奈ちゃんは、

多少は違えど、考え方も行動も似ているはず。

どうして悪魔と契約して、こっちの世界に来たんだと思う?

そして、どういう行動に、出ると思う…?」


(どうしてこっちの世界にきたか…)


「…似てるかどうかは分からないけれど…。

多分りっちゃんだと思う…。

きっと向こうの世界の紗奈は…りっちゃんの為にこの世界にきたんだよ…」



(りっちゃんのところ…)


「えっ!

私たち、また新幹線で京都に戻るの??」


「あ、大丈夫。
もう正体はバレちゃったし、
あまり良くはないんだけど…。


京都までテレポートできるから…」


「テ、テレポート…かあ…」

(も、もう今更驚かないよ…)






そんな感じで再びテレポートとやらで京都に。

当然駅のど真ん中ではなく、人気のない建物の中に到着した。


「よし、それじゃ律くんのところへ急ごう」

「う、うん」







「おばさん、お久しぶりです!」

「あらやだ紗奈ちゃん、昨日会ったじゃないの」

(あ、ああ、そうなんだ…)


「あの、りっちゃんいますか!?」


「あらあらどうしたの?

そんなに急いで…。

…律なら今日は朝早くから出かけて行ったわ

なんでも思い出の海にいくって」

「思い出の海…」


(きっと…あそこだ…)

「分かりました!ありがとうおばさん!」

「いいえー」


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