第三章

今日はもう帰ろう、と外に出たが、

やっぱりホームセンターに行こう、とりっちゃんが提案してきた。

…どうやら防犯グッズを買おうということらしい。


確かに、いろいろな事態に向けて、備えておくのは大事かもしれない。




「りっちゃん、何を探しているの?」


「防刃ベスト…だけど売ってないみたいだね。


やっぱりこんな小さなホームセンターじゃ難しいかな。


なるべく今日手に入れておきたかったけれど…。


…この時間じゃもう他のお店も閉まり始めるだろうし…」




「…実は僕用の防刃ベストはあるんだけど、

サイズが合わないと、あまりよくないみたいだから。

防刃ベストの仕組みを知ってる人間の場合、ベストの隙間から刺すとか、

出来ちゃうからね…。



まあでも、紗奈用のを手に入れるまでは、1枚

紗奈に渡しておこうかな。

2枚、持ってるから…。

出かけるときは、常に着てるといいかも…」


「…うん」




防刃ベストは結局見つからなかったので、

とりあえず防犯ブザーとか、ボイスレコーダーを買うことに。



「こういうボイスレコーダーは
携帯電話にもついてるけど、いざというときに、
さっと録音できた方が、いいからね」


「そうだね」


「防刃ベストはとりあえず通信販売で注文しておこう。
はやければ明日には届くはず」

「わかった」
2/2ページ
スキ