第一章
まあその別世界のりっちゃんが言うには、
私が危ないので、守りにきた、とのことなのだが…。
「りっちゃん…そっちの世界の私は死んじゃったって、どうしてなの…?」
「……。
殺されたんだ…。
…そしてまだ犯人は捕まってない」
「こ、殺された…!?」
「…ああ…」
「い、一体誰に!!?」
「それが…まだ分からないんだ。
警察からは…僕は何も教えてもらえない…。
それどころか、僕自身も容疑者扱いなんだ…。
僕が…紗奈を殺すわけないのに…」
悔しそうに唇をかみ、瞳を潤ませる、りっちゃん。
「…そんな時、ラビが現れたんだ。
僕の世界と近い世界だけど、紗奈が生きてる世界があるって。
でも、かなり近い世界だから、助けないと危険だよって…」
(…ラビ…?)
「こっちの世界では、まだ何も起きていない感じ…?」
「う、うん…
怪しい人…も特に思い当たらないかも…」
「そうか…。
…ラビ、どうしたらいいと思う?」
そこにラビがボンっと姿を現す。
「クスクス。紗奈ちゃんこんにちはー」
「ラ、ラビ…。
あなたカナトさんに魔界送りにされたはずじゃ…」
「あっはは、まさか。
一旦自分で戻ったんだよ。面倒そうだったから」
「な…」
「クスクス、残念だったね」
思わずラビをにらむ私。
「りっちゃん、こんなやつ、信用しちゃだめだよっ!」
私の大声に、ちょっとだけ面食らうりっちゃん。
「…そうかもしれないけど…。
…僕の世界で紗奈が死んだことは事実で、
ラビは本当に紗奈が生きている世界に連れてきてくれた。
だから…きっと君が危ないのも、本当だと思う…」
「う、うーん…。
確かにそういわれればそうなんだけど…」
「ところでカナトさんって誰…?
僕の世界の紗奈の近くには、カナトとか言う人物はいなかったと思うんだけど…
…そいつ、やばいやつじゃないよね…?」
「う、うん…カナトさんは…大丈夫だよ。
変な人じゃないよ。
…なんとなくだけど」
「ふぅ…紗奈にかかると割とどんな人でもいい人になっちゃうから、
当てにならないな…」
「う…」
(さすがパラレルワールドとはいえ、りっちゃんはりっちゃんだ…
私のこと、よく分かってる…)
「で、でもカナトさんは、きっと
悪い人じゃないよ…」
「…そう。
…しかし、これからどうしようか…」
りっちゃんがつぶやく。
「紗奈ちゃんに、律の世界にきてもらったら?」
「えっ…」
「ここじゃ、まだ何も起こってないわけだし、手掛かり0でしょ?
この世界で紗奈ちゃんをつきっきりで守るより、
向こうの世界で手掛かり探した方がいいんじゃない?
向こうの世界なら紗奈ちゃんが狙われる危険性はぐっと減るし、いろいろ準備できると思うよ」
「……。
確かに…こっちの世界にいる方が…危ない、のか…?」
りっちゃんがこっちを見る。
「紗奈、どうする…?」
「え、う、うーん…」
(でもりっちゃん達が言ってることが本当なら、
ここにいてビクビク暮らすのは確かに嫌かも…。
犯人さえ分かれば、こっちの世界に戻ってきても、
殺される前になんとか出来るかもしれないし)
「分かった、行くよ。
私、りっちゃんと一緒に…
私が死んでしまった世界に、手掛かりを探しにいく…!」
私が危ないので、守りにきた、とのことなのだが…。
「りっちゃん…そっちの世界の私は死んじゃったって、どうしてなの…?」
「……。
殺されたんだ…。
…そしてまだ犯人は捕まってない」
「こ、殺された…!?」
「…ああ…」
「い、一体誰に!!?」
「それが…まだ分からないんだ。
警察からは…僕は何も教えてもらえない…。
それどころか、僕自身も容疑者扱いなんだ…。
僕が…紗奈を殺すわけないのに…」
悔しそうに唇をかみ、瞳を潤ませる、りっちゃん。
「…そんな時、ラビが現れたんだ。
僕の世界と近い世界だけど、紗奈が生きてる世界があるって。
でも、かなり近い世界だから、助けないと危険だよって…」
(…ラビ…?)
「こっちの世界では、まだ何も起きていない感じ…?」
「う、うん…
怪しい人…も特に思い当たらないかも…」
「そうか…。
…ラビ、どうしたらいいと思う?」
そこにラビがボンっと姿を現す。
「クスクス。紗奈ちゃんこんにちはー」
「ラ、ラビ…。
あなたカナトさんに魔界送りにされたはずじゃ…」
「あっはは、まさか。
一旦自分で戻ったんだよ。面倒そうだったから」
「な…」
「クスクス、残念だったね」
思わずラビをにらむ私。
「りっちゃん、こんなやつ、信用しちゃだめだよっ!」
私の大声に、ちょっとだけ面食らうりっちゃん。
「…そうかもしれないけど…。
…僕の世界で紗奈が死んだことは事実で、
ラビは本当に紗奈が生きている世界に連れてきてくれた。
だから…きっと君が危ないのも、本当だと思う…」
「う、うーん…。
確かにそういわれればそうなんだけど…」
「ところでカナトさんって誰…?
僕の世界の紗奈の近くには、カナトとか言う人物はいなかったと思うんだけど…
…そいつ、やばいやつじゃないよね…?」
「う、うん…カナトさんは…大丈夫だよ。
変な人じゃないよ。
…なんとなくだけど」
「ふぅ…紗奈にかかると割とどんな人でもいい人になっちゃうから、
当てにならないな…」
「う…」
(さすがパラレルワールドとはいえ、りっちゃんはりっちゃんだ…
私のこと、よく分かってる…)
「で、でもカナトさんは、きっと
悪い人じゃないよ…」
「…そう。
…しかし、これからどうしようか…」
りっちゃんがつぶやく。
「紗奈ちゃんに、律の世界にきてもらったら?」
「えっ…」
「ここじゃ、まだ何も起こってないわけだし、手掛かり0でしょ?
この世界で紗奈ちゃんをつきっきりで守るより、
向こうの世界で手掛かり探した方がいいんじゃない?
向こうの世界なら紗奈ちゃんが狙われる危険性はぐっと減るし、いろいろ準備できると思うよ」
「……。
確かに…こっちの世界にいる方が…危ない、のか…?」
りっちゃんがこっちを見る。
「紗奈、どうする…?」
「え、う、うーん…」
(でもりっちゃん達が言ってることが本当なら、
ここにいてビクビク暮らすのは確かに嫌かも…。
犯人さえ分かれば、こっちの世界に戻ってきても、
殺される前になんとか出来るかもしれないし)
「分かった、行くよ。
私、りっちゃんと一緒に…
私が死んでしまった世界に、手掛かりを探しにいく…!」