第七章

”キキーィ”

そこに急なブレーキ音。


車は、私たちのかなり近くまできていたが、

私たちの体に触れることなく、急停止した。


「え…?」

「……とま…った…?」



(なに…?

なにが起きたの…?)


男が…車から出てくる。


「……!」


私は男を睨んだまま警戒態勢に入った。



「クスクス。僕だよ僕~


ラビだよ。


律も紗奈ちゃんも危なそうだったから、こいつの体をのっとって

車を止めたよ~。あはは。


僕がいて、よかったね、紗奈ちゃん♪」


目の前の男は急に笑顔になり、そう言った。



「え?ラ…ビ…?」

「うん、そう、ラビ」

「……」



私はほっとしたのか体中の力がぬけ、

その場にへたへたと座り込んだ。



その後、例によって、ラビスの不思議な拘束道具で男を確保。



「…しかし男をつかまえたのはいいが、

向こうの世界と違って、このままじゃ

男は逮捕されても、すぐ釈放になりそうだ…。

紗奈と女の人はずっとおびえて暮らさなきゃならないのか…?」


「じゃあ殺しちゃおうっか♪」


「だ、だめよ…

だ、だめ」


「……」



「まあ僕と契約すれば、紗奈ちゃんが殺されることはないよ。

ふ、ふーん♪」


「う…」



…とりあえず男は警察に任せることになった。

その後のことはまたその時考えよう、ということで。


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