第七章
結局カフェ近辺と倉庫ぐらいしか手掛かりはなく、
今日もカフェ近辺と倉庫に向かうことに。
「今日だめだったら、
探偵に頼んで男を探してもらうことも考えた方がいいかもしれないね。
あんまりおおっぴらにしたり、
自分たち以外を混ぜるのは良くないと思って
言い出せなかったけど…」
「うん…」
カフェの近辺と言っても、闇雲に探しても見つからないと思ったので、
私たちはパラレル紗奈がバイト先から家に帰る際、
使っていたであろう道などを辿ってみたり、
いろいろと焦点を絞って男を探すことにした。
…しかし男を見つけだすことはできなかった。
次に倉庫に向かう頃には、
辺りはもうかなり暗くなっていた。
「だいぶ暗くなってきちゃったね…」
「りっちゃん、今日はもう帰ろうか…」
「……」
…とそこに倉庫から出てくる人影が…。
「……!」
りっちゃんに引っ張られ、建物の影に身を隠す私とりっちゃん。
「あいつだ…」
「え…?」
「……」
「ほんとだ、
りっちゃん、あいつ、あいつだよ…!」
「やっと見つけた…」
「ど、どうしよう?りっちゃん…」
「……」
考える間もなく、男は車に乗り込み、車は発進してしまった。
「……そ、そんな…やっと、やっと…見つけたのに…」
「……。
ラビ、頼む」
「OK~♪」
「え…?」
そういうとラビはりっちゃんの体に入り込み、私を抱きかかえると
空を飛んだ。
「それじゃ、あいつを追いかけるね♪」
「頼む」
(あ、あわわわ…。
そうだった…こっちには、ラビがいたんだった…)
しばらく空から追跡していると、車は住宅街に止まった。
男が車から出てきたので、私とりっちゃんはその近くの、男に見つからないような場所に着地した。
…男は人通りのない、細く薄暗い道に入っていく。
そして電信柱の影に身を隠すようにして佇んだ。
電灯の当たらない所にいるので
暗くてよくみえないが、何をしているのだろうか…。
(何か…嫌な感じがする…)
そうした感じでしばらく時間が経過した。
と、そこに女性が一人通りかかる。
男は…
なんといきなりその女性に、襲い掛かろうとした。
「…!!」
「やめろ…!!」
りっちゃんが男に体当たりをし、それを止めに入る。
「きゃあ…!」
女性の叫び声。
男はふいにくらった体当たりに、ふらつく。
「ぐぅ…」
「え、あ、あなたは…!?」
その女性は、男の知り合いなのか、ひどく驚いている。
「くそ…」
今度は女の人を守っていた、りっちゃんを刺しにかかる犯人。
「りっちゃん…!!」
しかしりっちゃんは厚めの防刃ベストをきているのか、
ナイフは刺さらなかった。
「な??
…く、くそ…」
男は失敗したと思ったのか、全力で走り去る。
りっちゃんも走って追いかけようとするが
前に受けた傷が痛むようで、男にうまく追いつけない。
私もその後を走って追いかけるが…。
(ど、どうしよう…逃げられちゃう、私、じゃ
男を倒せないだろうし…)
男は慌てて車に乗り込むと、
そのまま逃げだす…と思いきや、
こちらをめがけて急発進してきた。
「…!!」
「紗奈…!!」
…りっちゃんが私を抱きかかえてそれをかわす。
…車にひかれるのは回避したが、私たちはそのまま地面に横倒しになった。
地面にぶつかり衝撃を受け、
体が思うように動かない。
「紗奈!」
りっちゃんが立ち上がり、私の体を起こす。
「きっとまたこっちに向かってくる」
私の手を引き、走りながらりっちゃんはそう言った。
「こわい…」
「大丈夫、紗奈…僕が、守るから…」
今日もカフェ近辺と倉庫に向かうことに。
「今日だめだったら、
探偵に頼んで男を探してもらうことも考えた方がいいかもしれないね。
あんまりおおっぴらにしたり、
自分たち以外を混ぜるのは良くないと思って
言い出せなかったけど…」
「うん…」
カフェの近辺と言っても、闇雲に探しても見つからないと思ったので、
私たちはパラレル紗奈がバイト先から家に帰る際、
使っていたであろう道などを辿ってみたり、
いろいろと焦点を絞って男を探すことにした。
…しかし男を見つけだすことはできなかった。
次に倉庫に向かう頃には、
辺りはもうかなり暗くなっていた。
「だいぶ暗くなってきちゃったね…」
「りっちゃん、今日はもう帰ろうか…」
「……」
…とそこに倉庫から出てくる人影が…。
「……!」
りっちゃんに引っ張られ、建物の影に身を隠す私とりっちゃん。
「あいつだ…」
「え…?」
「……」
「ほんとだ、
りっちゃん、あいつ、あいつだよ…!」
「やっと見つけた…」
「ど、どうしよう?りっちゃん…」
「……」
考える間もなく、男は車に乗り込み、車は発進してしまった。
「……そ、そんな…やっと、やっと…見つけたのに…」
「……。
ラビ、頼む」
「OK~♪」
「え…?」
そういうとラビはりっちゃんの体に入り込み、私を抱きかかえると
空を飛んだ。
「それじゃ、あいつを追いかけるね♪」
「頼む」
(あ、あわわわ…。
そうだった…こっちには、ラビがいたんだった…)
しばらく空から追跡していると、車は住宅街に止まった。
男が車から出てきたので、私とりっちゃんはその近くの、男に見つからないような場所に着地した。
…男は人通りのない、細く薄暗い道に入っていく。
そして電信柱の影に身を隠すようにして佇んだ。
電灯の当たらない所にいるので
暗くてよくみえないが、何をしているのだろうか…。
(何か…嫌な感じがする…)
そうした感じでしばらく時間が経過した。
と、そこに女性が一人通りかかる。
男は…
なんといきなりその女性に、襲い掛かろうとした。
「…!!」
「やめろ…!!」
りっちゃんが男に体当たりをし、それを止めに入る。
「きゃあ…!」
女性の叫び声。
男はふいにくらった体当たりに、ふらつく。
「ぐぅ…」
「え、あ、あなたは…!?」
その女性は、男の知り合いなのか、ひどく驚いている。
「くそ…」
今度は女の人を守っていた、りっちゃんを刺しにかかる犯人。
「りっちゃん…!!」
しかしりっちゃんは厚めの防刃ベストをきているのか、
ナイフは刺さらなかった。
「な??
…く、くそ…」
男は失敗したと思ったのか、全力で走り去る。
りっちゃんも走って追いかけようとするが
前に受けた傷が痛むようで、男にうまく追いつけない。
私もその後を走って追いかけるが…。
(ど、どうしよう…逃げられちゃう、私、じゃ
男を倒せないだろうし…)
男は慌てて車に乗り込むと、
そのまま逃げだす…と思いきや、
こちらをめがけて急発進してきた。
「…!!」
「紗奈…!!」
…りっちゃんが私を抱きかかえてそれをかわす。
…車にひかれるのは回避したが、私たちはそのまま地面に横倒しになった。
地面にぶつかり衝撃を受け、
体が思うように動かない。
「紗奈!」
りっちゃんが立ち上がり、私の体を起こす。
「きっとまたこっちに向かってくる」
私の手を引き、走りながらりっちゃんはそう言った。
「こわい…」
「大丈夫、紗奈…僕が、守るから…」