ビギナー。
お名前変換はこちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【18.作戦K】
わからない。
まったくわからない。
グレイが一体何を考えているのか、全然わからないのです。
どうやら嫌われてはいないらしい。
むしろ好かれているのではないか、というくらいの意味深な言動。
というかキスしてくるっていうのはもう意味深どころの騒ぎじゃないと思う。
「……まさかね。まさかグレイが私のこと……」
だって、フラれたもん私は。
迷惑をかけないように、なるべく普通にグレイには接していこうと私は思っているのだ。
それなのに、最近のグレイはそんな私に揺さぶりをかけまくってくる。
「はっ!! まさか、私は『都合のいい女』に思われていたりして!?」
いや、そんなばかな!
グレイがそんな悪い人なわけがない!……と思うけど。
「でもなぁ……元やんちゃ青年だし、キープくらいにはされてるのかもしれない……」
それはちょっとやだなぁ。
でも、グレイはそういうことをしなそうだよねぇ。
私は一人で大部屋のソファに座って、ひたすらグレイのことを考えていた。
うー、あー、とうめきながら頭を抱えていたら、ナイトメアがやってきた。
「あぁ、名無しさん。どうした? 具合でも悪いのか?」
彼は私の姿を見ると、首を傾げながらそう言った。
まさかナイトメアに体の心配をされるとは……。
「ううん。元気だよ。ちょっと考え事していただけ……あ、心を読まないでね!?」
私は思わず胸の前で両手をクロスした。
これは自分にとっても、グレイのためにも知られたくない。
すると、ナイトメアが苦笑する。
「名無しさん、そんなポーズをされると、違う意味で私が君に悪いことをする奴みたいで傷つくのだが」
「心を読むのもある意味セクハラです」
「! な、なに!?」
「知られたくないものを無理やり知ろうっていうのは、セクハラと同じでしょう。心か体かの違いだけだもん!」
「くっ……!まさか名無しさんにそんな言い方をされるとは思わなかったぞ! 私は断じてセクハラなどしない!! しないぞ!」
ナイトメアはそう喚いた。
私は「約束だからね?」と言って胸の前の両手を下ろす。
「ところで名無しさん、私の作戦に協力してくれないか?」
「えー? またくだらない作戦につき合わされるなんて嫌だよ。真面目に仕事しなよ」
思い出される作戦の数々。
作戦BやらSやらもうくだらないことはやめて仕事をしてほしい。
「ふふふ。名無しさん。今回の作戦はくだらなくなんかないぞ。これは私と君の2人にとって、とても素晴らしい結果になること間違いなしだ!」
やたらと自信満々なナイトメアは、声高に作戦名を叫んだ。
「今回は作戦Kだ!」
「……」
無言の私に、ナイトメアはちらりと視線を送ってきた。
仕方なく私は口を開く。
「Kって……くだらないのK?」
「ひどい。さっきから君はひどいぞ。くだらないくだらないとそればかり……!!」
そういいながらヒートアップした彼は急にうっ!と口元を抑える。
そのポージングは嫌な予感しかしない。
「わ!? ちょっと落ち着いて!吐血はいやだからね!」
私はまだ吐血に慣れたというわけではないのだ。
彼の背中をさすりながらも冷や冷やする。
「名無しさん、見ての通り私には休みが必要だ。仕事なんて出来る状態ではない。だからこそ今、作戦Kを……!」
「……」
演技派のナイトメアに、彼の背中をさする私の手は思わず止まる。
嘘吐血ならデコピンしてやる、と思った時だった。
私の心を読んだらしい彼はおでこを隠しながらこう言った。
「名無しさん、グレイを連れて買い出しに行ってきてくれ」
「え?」
「Kは買い出しのKだ。グレイを2時間帯貸す約束をしただろう? それを今こそ実践する時だ。買い出しついでに2人で仲良くお茶でもしてくればいい。その間に私は自分の体調を整え、仕事に備える」
「……いいこと言ってる感じだけど、今一つ信用できないんだよね。特に最後のセリフが」
体調を整え、仕事に備えるって言ったよ? ナイトメアが。
「体調を整えるっていうか、入院して根本から治して来たら?」
「名無しさん。君もだいぶきついことをいうようになったな。グレイに毒されてきているぞ」
君たちは仲良しだからなぁ。
そう言ってにやにや笑いをしながら私を見るナイトメアに、むっと口を尖らせた時だった。
「俺がなんですか、ナイトメア様」
その声に私の鼓動がどきりと跳ねた。
振り返ると、グレイが書類を抱えて立っていた。
「おーグレイ。ちょうどいいところに来たな。今名無しさんと話し合いをしていたんだ」
ナイトメアが楽しそうに笑いながらグレイに声をかける。
グレイは訝しげな顔をしながらも、つかつかと歩いてきた。
あのキス以来のグレイに、私はどうしていいのかわからず、彼から視線を外す。
「ナイトメア様。名無しさんに迷惑をかけているんじゃないでしょうね?」
彼はいつも通りの様子で呆れたように言う。
「かけているわけないだろう? むしろ、私は名無しさんとの約束を果たそうとしているんだ」
「約束?」
ナイトメアの言葉に首を傾げるグレイ。
私は慌てて口を挟む。
「ちょっと待って待って! 別に約束なんて果たしてもらわなくてもいいよ! 第一、あれは遊びのつもりでした約束でしょう!?」
「遠慮するな、名無しさん。2時間帯くらいグレイなら付き合ってくれるさ」
「グレイに迷惑のかかる約束なんて果たす必要がないっていってるの!!」
楽しそうに言うナイトメアと、ぎゃーぎゃー喚く私に、グレイはますます不思議そうな顔をする。
「グレイ。彼女はこう言っているが、この間の会合前に私は名無しさんとある交渉を成立させた。名無しさんが会合に出席する代わりに、2時間帯名無しさんにお前を貸す、とな」
「……あー、はい。してましたね。そんな話」
きらりーんとかっこよさげに言う上司と、あきれ果てた部下の温度差がすごい。
「その約束を今こそ果たそうと思っているのだ」
「……誰がですか?」
「私がだ」
「……」
自信満々に言い切ったナイトメアに、グレイは一瞬言葉を失ったらしい。
しかし、一つ咳払いをしてからこう言った。
「……ややこしい話ですがナイトメア様、あなたが約束を果たすということは、俺が2時間帯仕事から抜ける、ということになりますね」
「あぁ、仕方ないだろう。名無しさんとの約束を守らねばならないからな」
「ではその間に俺の分の仕事まできっちりとしておいてくださるんですね? ご自分の仕事に加えて」
おぉ、さすがグレイ。
冷静な切り返しだわと思っていると、案の定ナイトメアが慌て始めた。
「え、いや、私はちょっと体調がすぐれないから、2時間帯で休養を取り仕事に備えようと……」
「それはいい心がけです、ナイトメア様。せっかくですし根本から治しましょう。いますぐ病院に入院の予約を入れます」
「だーーー! 名無しさんといいお前といい、なぜそっちの方向へと話を持っていくんだ!」
ナイトメアはそう言うと、がくりと肩を落とした。
私とグレイは思わず顔を見合わせる。
彼と視線が合った瞬間、はっと気まずさを思い出したけれど、彼は至って普通だった。
はぁ、と一つため息をついてからグレイはこういった。
「わかりました。それじゃあ俺は今から病院で薬をもらってきます。2時間帯とはいきませんが、1時間帯はかかるでしょう。その間に休んでください」
え、グレイそれって甘くない? (ただサボりたいだけなんだよ、きっとこの人!)
私が驚いてグレイを見ると、彼は私にこういった。
「名無しさん、ナイトメア様を頼む。夢に逃げ込まないように見張っておいてくれ」
「え、えぇと……」
夢に逃げ込む人をどうやって見張ればいいのか知らないのですが。
そう言おうと思ったら、ナイトメアが口を尖らせた。
「待てグレイ。お前が一人で出かけたって意味がないだろう。私は名無しさんにお前を貸す約束をしたんだ」
なぁ、名無しさん?
ナイトメアはじっと私を見つめてくる。
……あぁ、気持ちは嬉しいんだけどねナイトメア。
それって今の私にとっては余計なお世話というアレなのよ……!!
今グレイと一緒にいるだけでも苦行なのに、2人で出かけたりなんかできるわけないでしょう!
そんな私の心の叫びは全く届いていないらしい。
ナイトメアは「遠慮するな名無しさん」という目で私に微笑む。
「……名無しさんは俺を借りたいなんて思ってないと思いますけど」
グレイは小さな声でそうつぶやいてうつむいた。
そんな彼の様子に私はどう反応していいのかわからなくなる。
気まずい空気に囚われていると、ナイトメアが私とグレイの肩に手をポンと置いた。
「とにかく! 私が約束を果たす男であるという所を示すためにも、さっさと名無しさんに借りられて来い! 上司命令だ」
ナイトメアはその手でどんと私とグレイを押し出した。
思いのほか力強い彼の手に、私は驚いてナイトメアを振り返る。
ナイトメアは楽しそうに笑って、手を振った。
「……仕方ないな」
隣のグレイがそうつぶやくのが聞こえた。
ふと彼を見上げると、グレイは困った顔で笑う。
「悪いな、上司のわがままにつき合わせてしまって」
その顔を見たら、何も言えなくなってしまった。
私はううん、と首を振ると彼の後をついて部屋を出た。
「お前たちがなんでそう考えすぎるのか、私にはさっぱりわからないよ」
まったく手のかかる2人だ。
1人残った部屋でナイトメアは静かに笑った。
わからない。
まったくわからない。
グレイが一体何を考えているのか、全然わからないのです。
どうやら嫌われてはいないらしい。
むしろ好かれているのではないか、というくらいの意味深な言動。
というかキスしてくるっていうのはもう意味深どころの騒ぎじゃないと思う。
「……まさかね。まさかグレイが私のこと……」
だって、フラれたもん私は。
迷惑をかけないように、なるべく普通にグレイには接していこうと私は思っているのだ。
それなのに、最近のグレイはそんな私に揺さぶりをかけまくってくる。
「はっ!! まさか、私は『都合のいい女』に思われていたりして!?」
いや、そんなばかな!
グレイがそんな悪い人なわけがない!……と思うけど。
「でもなぁ……元やんちゃ青年だし、キープくらいにはされてるのかもしれない……」
それはちょっとやだなぁ。
でも、グレイはそういうことをしなそうだよねぇ。
私は一人で大部屋のソファに座って、ひたすらグレイのことを考えていた。
うー、あー、とうめきながら頭を抱えていたら、ナイトメアがやってきた。
「あぁ、名無しさん。どうした? 具合でも悪いのか?」
彼は私の姿を見ると、首を傾げながらそう言った。
まさかナイトメアに体の心配をされるとは……。
「ううん。元気だよ。ちょっと考え事していただけ……あ、心を読まないでね!?」
私は思わず胸の前で両手をクロスした。
これは自分にとっても、グレイのためにも知られたくない。
すると、ナイトメアが苦笑する。
「名無しさん、そんなポーズをされると、違う意味で私が君に悪いことをする奴みたいで傷つくのだが」
「心を読むのもある意味セクハラです」
「! な、なに!?」
「知られたくないものを無理やり知ろうっていうのは、セクハラと同じでしょう。心か体かの違いだけだもん!」
「くっ……!まさか名無しさんにそんな言い方をされるとは思わなかったぞ! 私は断じてセクハラなどしない!! しないぞ!」
ナイトメアはそう喚いた。
私は「約束だからね?」と言って胸の前の両手を下ろす。
「ところで名無しさん、私の作戦に協力してくれないか?」
「えー? またくだらない作戦につき合わされるなんて嫌だよ。真面目に仕事しなよ」
思い出される作戦の数々。
作戦BやらSやらもうくだらないことはやめて仕事をしてほしい。
「ふふふ。名無しさん。今回の作戦はくだらなくなんかないぞ。これは私と君の2人にとって、とても素晴らしい結果になること間違いなしだ!」
やたらと自信満々なナイトメアは、声高に作戦名を叫んだ。
「今回は作戦Kだ!」
「……」
無言の私に、ナイトメアはちらりと視線を送ってきた。
仕方なく私は口を開く。
「Kって……くだらないのK?」
「ひどい。さっきから君はひどいぞ。くだらないくだらないとそればかり……!!」
そういいながらヒートアップした彼は急にうっ!と口元を抑える。
そのポージングは嫌な予感しかしない。
「わ!? ちょっと落ち着いて!吐血はいやだからね!」
私はまだ吐血に慣れたというわけではないのだ。
彼の背中をさすりながらも冷や冷やする。
「名無しさん、見ての通り私には休みが必要だ。仕事なんて出来る状態ではない。だからこそ今、作戦Kを……!」
「……」
演技派のナイトメアに、彼の背中をさする私の手は思わず止まる。
嘘吐血ならデコピンしてやる、と思った時だった。
私の心を読んだらしい彼はおでこを隠しながらこう言った。
「名無しさん、グレイを連れて買い出しに行ってきてくれ」
「え?」
「Kは買い出しのKだ。グレイを2時間帯貸す約束をしただろう? それを今こそ実践する時だ。買い出しついでに2人で仲良くお茶でもしてくればいい。その間に私は自分の体調を整え、仕事に備える」
「……いいこと言ってる感じだけど、今一つ信用できないんだよね。特に最後のセリフが」
体調を整え、仕事に備えるって言ったよ? ナイトメアが。
「体調を整えるっていうか、入院して根本から治して来たら?」
「名無しさん。君もだいぶきついことをいうようになったな。グレイに毒されてきているぞ」
君たちは仲良しだからなぁ。
そう言ってにやにや笑いをしながら私を見るナイトメアに、むっと口を尖らせた時だった。
「俺がなんですか、ナイトメア様」
その声に私の鼓動がどきりと跳ねた。
振り返ると、グレイが書類を抱えて立っていた。
「おーグレイ。ちょうどいいところに来たな。今名無しさんと話し合いをしていたんだ」
ナイトメアが楽しそうに笑いながらグレイに声をかける。
グレイは訝しげな顔をしながらも、つかつかと歩いてきた。
あのキス以来のグレイに、私はどうしていいのかわからず、彼から視線を外す。
「ナイトメア様。名無しさんに迷惑をかけているんじゃないでしょうね?」
彼はいつも通りの様子で呆れたように言う。
「かけているわけないだろう? むしろ、私は名無しさんとの約束を果たそうとしているんだ」
「約束?」
ナイトメアの言葉に首を傾げるグレイ。
私は慌てて口を挟む。
「ちょっと待って待って! 別に約束なんて果たしてもらわなくてもいいよ! 第一、あれは遊びのつもりでした約束でしょう!?」
「遠慮するな、名無しさん。2時間帯くらいグレイなら付き合ってくれるさ」
「グレイに迷惑のかかる約束なんて果たす必要がないっていってるの!!」
楽しそうに言うナイトメアと、ぎゃーぎゃー喚く私に、グレイはますます不思議そうな顔をする。
「グレイ。彼女はこう言っているが、この間の会合前に私は名無しさんとある交渉を成立させた。名無しさんが会合に出席する代わりに、2時間帯名無しさんにお前を貸す、とな」
「……あー、はい。してましたね。そんな話」
きらりーんとかっこよさげに言う上司と、あきれ果てた部下の温度差がすごい。
「その約束を今こそ果たそうと思っているのだ」
「……誰がですか?」
「私がだ」
「……」
自信満々に言い切ったナイトメアに、グレイは一瞬言葉を失ったらしい。
しかし、一つ咳払いをしてからこう言った。
「……ややこしい話ですがナイトメア様、あなたが約束を果たすということは、俺が2時間帯仕事から抜ける、ということになりますね」
「あぁ、仕方ないだろう。名無しさんとの約束を守らねばならないからな」
「ではその間に俺の分の仕事まできっちりとしておいてくださるんですね? ご自分の仕事に加えて」
おぉ、さすがグレイ。
冷静な切り返しだわと思っていると、案の定ナイトメアが慌て始めた。
「え、いや、私はちょっと体調がすぐれないから、2時間帯で休養を取り仕事に備えようと……」
「それはいい心がけです、ナイトメア様。せっかくですし根本から治しましょう。いますぐ病院に入院の予約を入れます」
「だーーー! 名無しさんといいお前といい、なぜそっちの方向へと話を持っていくんだ!」
ナイトメアはそう言うと、がくりと肩を落とした。
私とグレイは思わず顔を見合わせる。
彼と視線が合った瞬間、はっと気まずさを思い出したけれど、彼は至って普通だった。
はぁ、と一つため息をついてからグレイはこういった。
「わかりました。それじゃあ俺は今から病院で薬をもらってきます。2時間帯とはいきませんが、1時間帯はかかるでしょう。その間に休んでください」
え、グレイそれって甘くない? (ただサボりたいだけなんだよ、きっとこの人!)
私が驚いてグレイを見ると、彼は私にこういった。
「名無しさん、ナイトメア様を頼む。夢に逃げ込まないように見張っておいてくれ」
「え、えぇと……」
夢に逃げ込む人をどうやって見張ればいいのか知らないのですが。
そう言おうと思ったら、ナイトメアが口を尖らせた。
「待てグレイ。お前が一人で出かけたって意味がないだろう。私は名無しさんにお前を貸す約束をしたんだ」
なぁ、名無しさん?
ナイトメアはじっと私を見つめてくる。
……あぁ、気持ちは嬉しいんだけどねナイトメア。
それって今の私にとっては余計なお世話というアレなのよ……!!
今グレイと一緒にいるだけでも苦行なのに、2人で出かけたりなんかできるわけないでしょう!
そんな私の心の叫びは全く届いていないらしい。
ナイトメアは「遠慮するな名無しさん」という目で私に微笑む。
「……名無しさんは俺を借りたいなんて思ってないと思いますけど」
グレイは小さな声でそうつぶやいてうつむいた。
そんな彼の様子に私はどう反応していいのかわからなくなる。
気まずい空気に囚われていると、ナイトメアが私とグレイの肩に手をポンと置いた。
「とにかく! 私が約束を果たす男であるという所を示すためにも、さっさと名無しさんに借りられて来い! 上司命令だ」
ナイトメアはその手でどんと私とグレイを押し出した。
思いのほか力強い彼の手に、私は驚いてナイトメアを振り返る。
ナイトメアは楽しそうに笑って、手を振った。
「……仕方ないな」
隣のグレイがそうつぶやくのが聞こえた。
ふと彼を見上げると、グレイは困った顔で笑う。
「悪いな、上司のわがままにつき合わせてしまって」
その顔を見たら、何も言えなくなってしまった。
私はううん、と首を振ると彼の後をついて部屋を出た。
「お前たちがなんでそう考えすぎるのか、私にはさっぱりわからないよ」
まったく手のかかる2人だ。
1人残った部屋でナイトメアは静かに笑った。