アンケートお礼その2
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【8.麦畑】
「はー、いい天気!」
私はだだっぴろい麦畑の中に寝ころんだ。
「空がすっげー青いなー」
隣りにいたエリオットも、私につられるようにごろんと横になる。
私たちは、麦畑ピクニックをしに来ていた。
お菓子を食べ、お茶を飲みながら他愛もない話をするピクニック。
ここはエリオットの思い出の場所らしい。
彼が教えてくれたこの場所にくるのはもう何度目だろう?
エリオットのことが好きな私は、彼に心を許されたような気がして、嬉しかった。
青い空と風に揺れる金色の麦がすごく綺麗で、初めて来たときは時間を忘れるくらい眺めていた。それくらい圧巻の景色だったのだ。
「良い天気すぎてなんだか眠くなるね」
「寝てもいいぜ、名無しさん。起こしてやるから」
エリオットがそんなことを言うので、私はちらりと彼を見て笑った。
「とか言って一緒になって寝ちゃうパターンじゃないの?」
「……まぁ、否定はしねぇな」
そう言いながら、エリオットも私をちらりと見て笑う。
「私よりも、エリオットが昼寝したら? 久しぶりの休みなんだし疲れてるでしょ?」
「別に疲れてねぇよ。せっかくの休みにあんたといるのに、寝るなんてもったいないしな」
その言葉が嬉しくて、ふふふと笑ってしまう。
私たちは別に恋人でもなんでもないけれど、かなり微妙なラインにいるとは思っている。
お互いに好意を持っているのは分かる。
でも、そこから一歩踏み出す勇気が私にはない。
エリオットの私に対する気持ちは、もしかしたら「友達」という範囲での好意かもしれないと思うと、怖いのだ。
今の関係が崩れてしまう。それを考えると、告白なんてできない。
私達はこの先どうなるんだろう?
どうにもならないかもなぁ。自分から動かないとダメなのかなぁ。
そんなことを考えながら、そっと目を閉じる。
どれくらいそうしていたんだろう。
しばらくして、隣のエリオットが動く気配がしたので、落ちかけていた意識が少しだけ戻った。
「うわ、ほんとに寝てるのかよ名無しさん」
「……ねてないよ。ねてないけど、ねそう」
目を閉じたまま、ぼんやりとした意識でそう答える。
「まぁいいけどよ……」
エリオットがそう言って再び寝転ぶ気配。
2人で並んで寝転んでいる所を、頭の中で思い浮かべていたら、不意にエリオットが私を呼んだ。
「名無しさん」
「んー?」
「……」
「……?」
返事をしたけれど、彼の言葉は返ってこない。
不思議に思って目を開け、隣の彼を見てみる。
すると、エリオットはぱっちりと目を開けて私を見つめていた。
ドキっと跳ねた鼓動が痛い。
「な、なに?どうしたの?」
どぎまぎする私を、エリオットはまっすぐ見つめてこう言った。
「あんた、俺のことどう思ってるんだ?」
「え?」
「一緒に出掛けたり、飯食ったりしてるけどさ、それって嫌われてはいないってことだよな」
「え、う、うん。嫌ったりなんかしてないよ」
嫌ったりなんかしてない、という言い方をあえてしてしまった。
ある意味、絶好の告白チャンスだったのかもしれないのに。
つい視線が泳いでしまう自分に気づいたけれど、どうしようもない。
「そうか。でもそうやって無防備に俺の隣で眠ろうとしたりするのって、何とも思ってないからってことだろ?」
「べ、別にそういう訳じゃ……」
「ふぅん。じゃあ俺を好きってこと?」
「!?」
ストレートすぎる質問に言葉が詰まった。
しかし、エリオットは追及の手を緩めない。
「嫌いじゃないし、何とも思ってないってわけでもない。ってことは好きだってことになるよな?」
なおも食い下がる彼。
獲物を追い詰めるような目でそう言った彼に、私は動けなかった。
するとエリオットは体を起こし、寝転ぶ私を抑え込むように手をついた。
予想外の展開について行けず、ただ彼を見つめることしかできない。
すると、彼は私を見下ろしてきっぱりと言った。
「俺はあんたが好きだぜ、名無しさん」
ぐらりと視界が揺れた気がした。
青い空とエリオットがぐんと近くに迫ってきたように見える。
「だから名無しさんがすぐ隣で笑ってたり、寝てたりされると、すっげー困る」
「こ、困るって言われても……」
「俺、元から我慢できるタチじゃねぇんだよ。気づいたら動いてる」
名無しさんも知ってるだろ?と笑うエリオットに、うまく返事ができない。
「俺がその気になれば、あんた逃げられないんだぜ? 今みたいにな」
エリオットは私を押さえつけたまま静かに言った。
「だから……俺のこと、少しは意識してくれよ。俺だって、ここであんたにこんなことしたくない」
苦しげな表情で言うエリオット。
彼を見ていたら、私まで苦しくなってしまった。
そっとエリオットの頬に手を伸ばすと、彼はびっくりしたように私を見た。
「私もエリオットが好きだよ。ずっと言えなかったけど……」
そう言ってからドキドキし始めたけれど、今を逃したら一生言えない気がした。
「でも……ずっと好きだったよ」
やっと言えた。
そう思った次の瞬間、エリオットは私を起こしてぎゅっと抱きしめた。
痛いくらいに抱きしめられて、声を上げようとした時にエリオットがそっと言った。
「すっげー嬉しい」
その言葉に私もすごく嬉しくなって、彼の背中に手を回した。
「はー、いい天気!」
私はだだっぴろい麦畑の中に寝ころんだ。
「空がすっげー青いなー」
隣りにいたエリオットも、私につられるようにごろんと横になる。
私たちは、麦畑ピクニックをしに来ていた。
お菓子を食べ、お茶を飲みながら他愛もない話をするピクニック。
ここはエリオットの思い出の場所らしい。
彼が教えてくれたこの場所にくるのはもう何度目だろう?
エリオットのことが好きな私は、彼に心を許されたような気がして、嬉しかった。
青い空と風に揺れる金色の麦がすごく綺麗で、初めて来たときは時間を忘れるくらい眺めていた。それくらい圧巻の景色だったのだ。
「良い天気すぎてなんだか眠くなるね」
「寝てもいいぜ、名無しさん。起こしてやるから」
エリオットがそんなことを言うので、私はちらりと彼を見て笑った。
「とか言って一緒になって寝ちゃうパターンじゃないの?」
「……まぁ、否定はしねぇな」
そう言いながら、エリオットも私をちらりと見て笑う。
「私よりも、エリオットが昼寝したら? 久しぶりの休みなんだし疲れてるでしょ?」
「別に疲れてねぇよ。せっかくの休みにあんたといるのに、寝るなんてもったいないしな」
その言葉が嬉しくて、ふふふと笑ってしまう。
私たちは別に恋人でもなんでもないけれど、かなり微妙なラインにいるとは思っている。
お互いに好意を持っているのは分かる。
でも、そこから一歩踏み出す勇気が私にはない。
エリオットの私に対する気持ちは、もしかしたら「友達」という範囲での好意かもしれないと思うと、怖いのだ。
今の関係が崩れてしまう。それを考えると、告白なんてできない。
私達はこの先どうなるんだろう?
どうにもならないかもなぁ。自分から動かないとダメなのかなぁ。
そんなことを考えながら、そっと目を閉じる。
どれくらいそうしていたんだろう。
しばらくして、隣のエリオットが動く気配がしたので、落ちかけていた意識が少しだけ戻った。
「うわ、ほんとに寝てるのかよ名無しさん」
「……ねてないよ。ねてないけど、ねそう」
目を閉じたまま、ぼんやりとした意識でそう答える。
「まぁいいけどよ……」
エリオットがそう言って再び寝転ぶ気配。
2人で並んで寝転んでいる所を、頭の中で思い浮かべていたら、不意にエリオットが私を呼んだ。
「名無しさん」
「んー?」
「……」
「……?」
返事をしたけれど、彼の言葉は返ってこない。
不思議に思って目を開け、隣の彼を見てみる。
すると、エリオットはぱっちりと目を開けて私を見つめていた。
ドキっと跳ねた鼓動が痛い。
「な、なに?どうしたの?」
どぎまぎする私を、エリオットはまっすぐ見つめてこう言った。
「あんた、俺のことどう思ってるんだ?」
「え?」
「一緒に出掛けたり、飯食ったりしてるけどさ、それって嫌われてはいないってことだよな」
「え、う、うん。嫌ったりなんかしてないよ」
嫌ったりなんかしてない、という言い方をあえてしてしまった。
ある意味、絶好の告白チャンスだったのかもしれないのに。
つい視線が泳いでしまう自分に気づいたけれど、どうしようもない。
「そうか。でもそうやって無防備に俺の隣で眠ろうとしたりするのって、何とも思ってないからってことだろ?」
「べ、別にそういう訳じゃ……」
「ふぅん。じゃあ俺を好きってこと?」
「!?」
ストレートすぎる質問に言葉が詰まった。
しかし、エリオットは追及の手を緩めない。
「嫌いじゃないし、何とも思ってないってわけでもない。ってことは好きだってことになるよな?」
なおも食い下がる彼。
獲物を追い詰めるような目でそう言った彼に、私は動けなかった。
するとエリオットは体を起こし、寝転ぶ私を抑え込むように手をついた。
予想外の展開について行けず、ただ彼を見つめることしかできない。
すると、彼は私を見下ろしてきっぱりと言った。
「俺はあんたが好きだぜ、名無しさん」
ぐらりと視界が揺れた気がした。
青い空とエリオットがぐんと近くに迫ってきたように見える。
「だから名無しさんがすぐ隣で笑ってたり、寝てたりされると、すっげー困る」
「こ、困るって言われても……」
「俺、元から我慢できるタチじゃねぇんだよ。気づいたら動いてる」
名無しさんも知ってるだろ?と笑うエリオットに、うまく返事ができない。
「俺がその気になれば、あんた逃げられないんだぜ? 今みたいにな」
エリオットは私を押さえつけたまま静かに言った。
「だから……俺のこと、少しは意識してくれよ。俺だって、ここであんたにこんなことしたくない」
苦しげな表情で言うエリオット。
彼を見ていたら、私まで苦しくなってしまった。
そっとエリオットの頬に手を伸ばすと、彼はびっくりしたように私を見た。
「私もエリオットが好きだよ。ずっと言えなかったけど……」
そう言ってからドキドキし始めたけれど、今を逃したら一生言えない気がした。
「でも……ずっと好きだったよ」
やっと言えた。
そう思った次の瞬間、エリオットは私を起こしてぎゅっと抱きしめた。
痛いくらいに抱きしめられて、声を上げようとした時にエリオットがそっと言った。
「すっげー嬉しい」
その言葉に私もすごく嬉しくなって、彼の背中に手を回した。
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