アンケートお礼その2
お名前変換はこちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【4.賄賂】
「名無しさん、このチョコレートを君にあげよう」
ナイトメアがものすごくカッコいい顔でそんなことを言った。
……明らかに怪しい。
彼が無駄にキメ顔をするときは、絶対に何かを企んでいるのだ。
「なにを企んでるの、ナイトメア?」
「ななな!? 企んでるだなんて人聞きの悪いことを言うな。何も企んでないぞ!?」
「ふぅん、じゃあどうして急にチョコレートなんて私にくれるの?」
珍しすぎるにもほどがある。
「この辺りは今バレンタインで盛り上がっているだろう? 私もそれに乗じてみただけだ!」
「……っていうかさ、ナイトメアなら絶対にあげるほうじゃなくて、もらう方でわーわー言ってそうなのに」
「ぎくっ!?」
明らかに動揺してますっていう態度。
この人の場合、心が読めなくても考えていることが丸わかりだ。(こんなんでよく役持ちだなぁ)
私が不審に思っていることに気づいたらしい。
彼は慌ててきりっとした表情を作ると、ものすごくいい声でこう言った。
「名無しさん、別にバレンタインというものは男からプレゼントしてもいいんだぞ? 私は君に日頃の感謝の気持ちを込めてプレゼントしたいんだ」
「うん、ありがとう。で? 何企んでるの?」
すっぱりと流れをきった私に、ナイトメアは一気にいつもの崩れた感じになる。
「おーい名無しさん~、私が何か企んでいること前提で話していないかー?」
「うん、だって企んでるんでしょ? いいから早く言ってごらんよ。内容によっては協力するかもしれないでしょ」
「……内容によっては協力してくれない、ということか?」
「そうだねぇ。たとえば仕事をさぼったり、グレイに迷惑をかけるような内容だったら協力しないかな」
「うっ……!」
私の言葉に、ナイトメアはがくりと肩を落として「ど、どうして私が頼む前から却下するんだ」と言った。
どうやら予想通り、協力しがたい内容を企んでいたらしい。
彼は急にびしぃっと私を指さして言った。
「だがしかーし!! 君はもうチョコレートを受け取ったんだ。私に協力してもらうぞ!?」
「そういうの賄賂っていうんだよ。偉い上司がそんなことしていいんですかー?悪い上司だなぁ」
「くっ!なんとでもいうがいい。うるさい部下に小言を言われるくらいなら、賄賂でもなんでも贈ってやる」
「それ、グレイが聞いたら情けないって泣くと思うよ」
あきれ果ててそう言った時だった。
「いや、ナイトメア様うんぬんではなく、甘やかした俺の責任なんだと反省するよ」
私が振り向くよりも早く、ナイトメアが声を上げた。
「げっ、グレイ……!!」
見ると、いつのまにかグレイが戸口に立っていた。
「化け物でも見たような顔で、俺を見ないでくださいよ」
深いため息をついて言うグレイに、ナイトメアはきっぱりといった。
「似たようなものだ。むしろグレイ、私にとってはお前こそ化け物だ!」
「……殴りますよ?」
低い声で静かにそう言ったグレイに、ナイトメアが「ぼ、暴力反対!」と情けない声で言った。
「とにかく逃げようなどとは思わず、仕事をしてくださいナイトメア様。手を止めれば仕事は溜まっていく一方です。それから名無しさんを巻き込むのもやめてください。迷惑でしょう?」
「うぅ……気分が悪い」
「それなら入院しましょう。完治させてから、溜まった仕事を一気に片付けるべきです」
今日のグレイはなんだか容赦ないなぁ。
胸を押さえるナイトメアを適当にあしらうグレイに、感動すら覚える私。
「……グレイの鬼。悪魔。お前は私にばっかり冷たいぞ?さては私のことが嫌いなんだな?憎いんだな!?」
「なに言ってるんですか。尊敬してます大好きです。というわけで仕事してください」
「……」
「……なんですか、その目は」
「お前に好かれたってちっとも嬉しくない!!」
「はぁ……俺だって、何が悲しくて仕事をしない上司に好きだなんて言わなきゃいけないんですか。とにかく仕事してください」
口を尖らせて子どもっぽいことばかり言うナイトメアに、いい加減グレイも付き合い切れなくなったらしい。
もうどうでもいい、というオーラが漂っていた。
思わず彼の肩をぽんぽんと叩いてあげる私。
「……グレイ。もう頑張らなくていいよ。上司には適当に付き合うべきだと思うな」
「ありがとう、名無しさん」
頷き合う私とグレイ。
「お前達、何分かり合ってるんだ。っていうかどうしてそんな目で私を見るんだ!」
「……」
「な!?答えてすらくれないのか!?ひどい!ひどいぞ!!」
「……はぁ」
わーわー喚くナイトメアに、ため息をつく私とグレイだった。
「名無しさん、このチョコレートを君にあげよう」
ナイトメアがものすごくカッコいい顔でそんなことを言った。
……明らかに怪しい。
彼が無駄にキメ顔をするときは、絶対に何かを企んでいるのだ。
「なにを企んでるの、ナイトメア?」
「ななな!? 企んでるだなんて人聞きの悪いことを言うな。何も企んでないぞ!?」
「ふぅん、じゃあどうして急にチョコレートなんて私にくれるの?」
珍しすぎるにもほどがある。
「この辺りは今バレンタインで盛り上がっているだろう? 私もそれに乗じてみただけだ!」
「……っていうかさ、ナイトメアなら絶対にあげるほうじゃなくて、もらう方でわーわー言ってそうなのに」
「ぎくっ!?」
明らかに動揺してますっていう態度。
この人の場合、心が読めなくても考えていることが丸わかりだ。(こんなんでよく役持ちだなぁ)
私が不審に思っていることに気づいたらしい。
彼は慌ててきりっとした表情を作ると、ものすごくいい声でこう言った。
「名無しさん、別にバレンタインというものは男からプレゼントしてもいいんだぞ? 私は君に日頃の感謝の気持ちを込めてプレゼントしたいんだ」
「うん、ありがとう。で? 何企んでるの?」
すっぱりと流れをきった私に、ナイトメアは一気にいつもの崩れた感じになる。
「おーい名無しさん~、私が何か企んでいること前提で話していないかー?」
「うん、だって企んでるんでしょ? いいから早く言ってごらんよ。内容によっては協力するかもしれないでしょ」
「……内容によっては協力してくれない、ということか?」
「そうだねぇ。たとえば仕事をさぼったり、グレイに迷惑をかけるような内容だったら協力しないかな」
「うっ……!」
私の言葉に、ナイトメアはがくりと肩を落として「ど、どうして私が頼む前から却下するんだ」と言った。
どうやら予想通り、協力しがたい内容を企んでいたらしい。
彼は急にびしぃっと私を指さして言った。
「だがしかーし!! 君はもうチョコレートを受け取ったんだ。私に協力してもらうぞ!?」
「そういうの賄賂っていうんだよ。偉い上司がそんなことしていいんですかー?悪い上司だなぁ」
「くっ!なんとでもいうがいい。うるさい部下に小言を言われるくらいなら、賄賂でもなんでも贈ってやる」
「それ、グレイが聞いたら情けないって泣くと思うよ」
あきれ果ててそう言った時だった。
「いや、ナイトメア様うんぬんではなく、甘やかした俺の責任なんだと反省するよ」
私が振り向くよりも早く、ナイトメアが声を上げた。
「げっ、グレイ……!!」
見ると、いつのまにかグレイが戸口に立っていた。
「化け物でも見たような顔で、俺を見ないでくださいよ」
深いため息をついて言うグレイに、ナイトメアはきっぱりといった。
「似たようなものだ。むしろグレイ、私にとってはお前こそ化け物だ!」
「……殴りますよ?」
低い声で静かにそう言ったグレイに、ナイトメアが「ぼ、暴力反対!」と情けない声で言った。
「とにかく逃げようなどとは思わず、仕事をしてくださいナイトメア様。手を止めれば仕事は溜まっていく一方です。それから名無しさんを巻き込むのもやめてください。迷惑でしょう?」
「うぅ……気分が悪い」
「それなら入院しましょう。完治させてから、溜まった仕事を一気に片付けるべきです」
今日のグレイはなんだか容赦ないなぁ。
胸を押さえるナイトメアを適当にあしらうグレイに、感動すら覚える私。
「……グレイの鬼。悪魔。お前は私にばっかり冷たいぞ?さては私のことが嫌いなんだな?憎いんだな!?」
「なに言ってるんですか。尊敬してます大好きです。というわけで仕事してください」
「……」
「……なんですか、その目は」
「お前に好かれたってちっとも嬉しくない!!」
「はぁ……俺だって、何が悲しくて仕事をしない上司に好きだなんて言わなきゃいけないんですか。とにかく仕事してください」
口を尖らせて子どもっぽいことばかり言うナイトメアに、いい加減グレイも付き合い切れなくなったらしい。
もうどうでもいい、というオーラが漂っていた。
思わず彼の肩をぽんぽんと叩いてあげる私。
「……グレイ。もう頑張らなくていいよ。上司には適当に付き合うべきだと思うな」
「ありがとう、名無しさん」
頷き合う私とグレイ。
「お前達、何分かり合ってるんだ。っていうかどうしてそんな目で私を見るんだ!」
「……」
「な!?答えてすらくれないのか!?ひどい!ひどいぞ!!」
「……はぁ」
わーわー喚くナイトメアに、ため息をつく私とグレイだった。