短編
お名前変換はこちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【愛の差】
細くてさらさらと綺麗な銀髪。
白ウサギというだけあり、ペーターさんの銀髪は遠目に見ると白く輝いているようだった。
私は彼の髪の毛が好きだ。
色が綺麗だから。
本当は触ってみたいけど、お願いしたって無理だろう。
潔癖症のペーターさんが他人に髪の毛を触らせるなんて絶対にありえない。
それでも私はいつものように彼にお願いをしてみた。
「ペーターさん、髪の毛触らせてください」
「お断りします」
「ケチだなぁ」
実を言うと、このやりとりはもはや私とペーターさんの間で挨拶のように頻繁に行われている。
「どうして名無しさんに僕が髪の毛を触らせなければならないんですか」
「えー、だって綺麗だから。さらさらしてそうだし」
「別に普通ですよ」
「そうかなぁ。どう見ても他の人よりよさそうだけど」
「気持ち悪いこと言わないでください」
うわ、ペーターさんに気持ち悪いって言われたよ。(心外だな!)
「じゃあ、たとえばアリスが『髪の毛触らせて』って言ったら、触らせてあげるの?」
「当然です。アリスが望むことはなんでもかなえてあげたい。僕の髪の毛なんかで良ければいくらでも差し出します」
「ひいきだなー」
「愛の差です」
きっぱり言い切るペーターさんに苦笑した。
「ペーターさんてば、アリスとその他の人との対応が違いすぎるよね」
思わずそう言うと、彼は「当然でしょう」と真面目な顔で言った。
「名無しさんにもいつかわかりますよ。愛する人にだけは何もかも許せる、という気持ちが」
そう言って恋する彼はうっとりと愛について語りだした。
「あぁ!アリス!! 愛しています!!」と本人不在にも関わらず愛を叫ぶペーターさんを見て、愛する気持ちを知る彼が羨ましいような、羨ましくないような、微妙な気持ちになってしまった私だった。
細くてさらさらと綺麗な銀髪。
白ウサギというだけあり、ペーターさんの銀髪は遠目に見ると白く輝いているようだった。
私は彼の髪の毛が好きだ。
色が綺麗だから。
本当は触ってみたいけど、お願いしたって無理だろう。
潔癖症のペーターさんが他人に髪の毛を触らせるなんて絶対にありえない。
それでも私はいつものように彼にお願いをしてみた。
「ペーターさん、髪の毛触らせてください」
「お断りします」
「ケチだなぁ」
実を言うと、このやりとりはもはや私とペーターさんの間で挨拶のように頻繁に行われている。
「どうして名無しさんに僕が髪の毛を触らせなければならないんですか」
「えー、だって綺麗だから。さらさらしてそうだし」
「別に普通ですよ」
「そうかなぁ。どう見ても他の人よりよさそうだけど」
「気持ち悪いこと言わないでください」
うわ、ペーターさんに気持ち悪いって言われたよ。(心外だな!)
「じゃあ、たとえばアリスが『髪の毛触らせて』って言ったら、触らせてあげるの?」
「当然です。アリスが望むことはなんでもかなえてあげたい。僕の髪の毛なんかで良ければいくらでも差し出します」
「ひいきだなー」
「愛の差です」
きっぱり言い切るペーターさんに苦笑した。
「ペーターさんてば、アリスとその他の人との対応が違いすぎるよね」
思わずそう言うと、彼は「当然でしょう」と真面目な顔で言った。
「名無しさんにもいつかわかりますよ。愛する人にだけは何もかも許せる、という気持ちが」
そう言って恋する彼はうっとりと愛について語りだした。
「あぁ!アリス!! 愛しています!!」と本人不在にも関わらず愛を叫ぶペーターさんを見て、愛する気持ちを知る彼が羨ましいような、羨ましくないような、微妙な気持ちになってしまった私だった。