短編
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【好きなんだ】
仕事の合間。
休憩中に、まさかこんな展開になるとは思ってもみなかった。
繰り返される深い口づけに何がなんだかわからなくなって、ただなんとか呼吸をする。
何度目かのキスの後に、グレイが唇を離してささやいた。
「大丈夫か? 名無しさん」
いつのまにかソファに押し倒されていたけれど、相手がグレイだからだろう。
そこまでの危機感はまるで感じていなかった私。
でも、ここで「うん、平気」なんて言えるわけがないし、そんなこと言ったら軽い女もいいところだ。
「……大丈夫なわけないでしょ」
目の前のグレイにそう言うと、彼は「すまない」といった。
口元に笑みが浮かんでいるので、「すまない」なんて思ってない気がする。
「グレイがこんなことする人だなんて思ってなかった」
「……悪かった。でも、逃げるなら今のうちだと忠告はしたぞ。一応」
「そうかもしれないけど……」
そうかもしれないけど、あんなに距離を詰められて、逃げ道を塞がれたら逃げようがない。
逃げるつもりはなかっただろう、と言われたら否定できないけど。
色々な思いがぐるぐるまわる私に、グレイが言う。
「まぁ、逃がすつもりもなかったんだが」
「!?」
「君に関しては余裕なんてまるでないからな」
そういって私の頭をそっと撫でるグレイ。
普段見ている仕事モードのグレイからは想像できない言動に、びっくりして思わず固まる私。
そんな私を見下ろして、グレイはくすくす笑った。
「名無しさんのそういう素直な所に惹かれるのかもしれない」
好きなんだ。
彼はそう言って、再び私の唇にキスをした。
仕事の合間。
休憩中に、まさかこんな展開になるとは思ってもみなかった。
繰り返される深い口づけに何がなんだかわからなくなって、ただなんとか呼吸をする。
何度目かのキスの後に、グレイが唇を離してささやいた。
「大丈夫か? 名無しさん」
いつのまにかソファに押し倒されていたけれど、相手がグレイだからだろう。
そこまでの危機感はまるで感じていなかった私。
でも、ここで「うん、平気」なんて言えるわけがないし、そんなこと言ったら軽い女もいいところだ。
「……大丈夫なわけないでしょ」
目の前のグレイにそう言うと、彼は「すまない」といった。
口元に笑みが浮かんでいるので、「すまない」なんて思ってない気がする。
「グレイがこんなことする人だなんて思ってなかった」
「……悪かった。でも、逃げるなら今のうちだと忠告はしたぞ。一応」
「そうかもしれないけど……」
そうかもしれないけど、あんなに距離を詰められて、逃げ道を塞がれたら逃げようがない。
逃げるつもりはなかっただろう、と言われたら否定できないけど。
色々な思いがぐるぐるまわる私に、グレイが言う。
「まぁ、逃がすつもりもなかったんだが」
「!?」
「君に関しては余裕なんてまるでないからな」
そういって私の頭をそっと撫でるグレイ。
普段見ている仕事モードのグレイからは想像できない言動に、びっくりして思わず固まる私。
そんな私を見下ろして、グレイはくすくす笑った。
「名無しさんのそういう素直な所に惹かれるのかもしれない」
好きなんだ。
彼はそう言って、再び私の唇にキスをした。