アンケートお礼その1
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【のんびり】
「今日はのんびり遊ぼうぜ」
とボリスが言い張った。
のんびり遊ぶというのはどういうことかなぁと思ったら、彼は私を釣りへと連れ出した。
穴場だというその湖は、森に囲まれていて静かでとても綺麗。
辺りを見回している私をよそに、彼は慣れた手つきで魚釣りの準備を始める。
「魚ってうまいよなー。ネズミもいいけどやっぱり魚がいいよなー」
「……猫だね、ボリス」
「うん。猫だよ?」
何を今さら、という顔でうなずかれてしまった。
そうか、私の恋人は猫でした。
うっかり猫と恋愛関係になっているなんて、元の世界の人には絶対に言えない。
この世界だから普通に受け止められることだよねぇ。
「名無しさん? どうしたの?」
「え、いやうん。なんでもない」
私の様子に首を傾げていたボリスは、不意に声を上げる。
「あ、そうそう。大丈夫だと思うけど、たまに騎士さんが迷い込んでくるから気を付けてね。あの人俺の穴場で良く遭遇するんだ」
「そうなんだ?」
「うん。すごいよね。普通の人はまずこない場所のはずなんだけど」
確かにエースは、期せずして秘境やら穴場やらにたどり着いていそうだわ。
「でも、噂をするとほんとにエースが来そうだよね」
「うわ、それ最悪。絶対、邪魔されたくないな」
せっかく名無しさんと2人でいるんだもんねとボリスは普通に言うけれど、私はなんだか照れてしまった。
ボリスに教えてもらいながら、なんとか釣り糸を垂らすところまで完了した。
すると、ボリスはそのままパタッと寝転んでしまった。
「さて。それじゃあ魚がかかるまで昼寝しよう」
「え、釣りってそういう感じなの?」
「そういう感じだよ。魚を待ってのんびりするんだ」
「それじゃあいつものボリスとあまり変わらないじゃない」
遊ぶか昼寝かどちらかの立派な猫だ。
「じゃあなぞなぞしながら昼寝して魚を待とう。ほらすごい。一度にたくさんことができるぜ?」
「わー、すごく活動的だわー」
「名無しさんってば感情こもってない」
お互いの言葉に思わず笑いあう。
それから適当になぞなぞをしたり、最近の出来事を話したりしていた私達。
しかし、魚は一向にかからなかった。
「釣れないねぇ」
「うん。今日はダメみたいだ」
「穴場でもそういうことってあるんだ?」
「たまーにね。まぁ仕方ないよ。のんびりできたし、いいんじゃない?」
そう言ってボリスが笑う。
私は素直にうなずいた。
魚が釣れても釣れなくても、ボリスがいるだけで十分だ。
「そろそろ帰ろうか、名無しさん」
「うん」
「あ、でも待って」
「?」
なにかと思って動きを止めると、ボリスは私の腕をきゅっと掴んだ。
「せっかく2人きりだから、これくらいしとかないとね」
そう言って彼は唇を私のそれに押し当てた。
挨拶みたいな短いキスを2,3回繰り返す。
「のんびりした後は、ちょっと刺激があってもいいんじゃない?」
「いや、今日はこのままのんびりコースがいいと思うな!」
いたずらっぽく笑うボリスにドキリとして、私はきっぱりと言った。
しかし、彼は私を見て笑うだけ。
じっと見つめてくるその妖艶な目にどぎまぎしてしまう。
ボリスはそのまま私に顔を近づけると、3センチの距離でこう言った。
「名無しさんの言う通りのんびりコースでもいいよ、俺」
濃密って意味だよね?と笑って彼はキスをした。
違うよ、と言いたいけれど今さら否定は聞き入れてもらえなそうだ。
「今日はのんびり遊ぼうぜ」
とボリスが言い張った。
のんびり遊ぶというのはどういうことかなぁと思ったら、彼は私を釣りへと連れ出した。
穴場だというその湖は、森に囲まれていて静かでとても綺麗。
辺りを見回している私をよそに、彼は慣れた手つきで魚釣りの準備を始める。
「魚ってうまいよなー。ネズミもいいけどやっぱり魚がいいよなー」
「……猫だね、ボリス」
「うん。猫だよ?」
何を今さら、という顔でうなずかれてしまった。
そうか、私の恋人は猫でした。
うっかり猫と恋愛関係になっているなんて、元の世界の人には絶対に言えない。
この世界だから普通に受け止められることだよねぇ。
「名無しさん? どうしたの?」
「え、いやうん。なんでもない」
私の様子に首を傾げていたボリスは、不意に声を上げる。
「あ、そうそう。大丈夫だと思うけど、たまに騎士さんが迷い込んでくるから気を付けてね。あの人俺の穴場で良く遭遇するんだ」
「そうなんだ?」
「うん。すごいよね。普通の人はまずこない場所のはずなんだけど」
確かにエースは、期せずして秘境やら穴場やらにたどり着いていそうだわ。
「でも、噂をするとほんとにエースが来そうだよね」
「うわ、それ最悪。絶対、邪魔されたくないな」
せっかく名無しさんと2人でいるんだもんねとボリスは普通に言うけれど、私はなんだか照れてしまった。
ボリスに教えてもらいながら、なんとか釣り糸を垂らすところまで完了した。
すると、ボリスはそのままパタッと寝転んでしまった。
「さて。それじゃあ魚がかかるまで昼寝しよう」
「え、釣りってそういう感じなの?」
「そういう感じだよ。魚を待ってのんびりするんだ」
「それじゃあいつものボリスとあまり変わらないじゃない」
遊ぶか昼寝かどちらかの立派な猫だ。
「じゃあなぞなぞしながら昼寝して魚を待とう。ほらすごい。一度にたくさんことができるぜ?」
「わー、すごく活動的だわー」
「名無しさんってば感情こもってない」
お互いの言葉に思わず笑いあう。
それから適当になぞなぞをしたり、最近の出来事を話したりしていた私達。
しかし、魚は一向にかからなかった。
「釣れないねぇ」
「うん。今日はダメみたいだ」
「穴場でもそういうことってあるんだ?」
「たまーにね。まぁ仕方ないよ。のんびりできたし、いいんじゃない?」
そう言ってボリスが笑う。
私は素直にうなずいた。
魚が釣れても釣れなくても、ボリスがいるだけで十分だ。
「そろそろ帰ろうか、名無しさん」
「うん」
「あ、でも待って」
「?」
なにかと思って動きを止めると、ボリスは私の腕をきゅっと掴んだ。
「せっかく2人きりだから、これくらいしとかないとね」
そう言って彼は唇を私のそれに押し当てた。
挨拶みたいな短いキスを2,3回繰り返す。
「のんびりした後は、ちょっと刺激があってもいいんじゃない?」
「いや、今日はこのままのんびりコースがいいと思うな!」
いたずらっぽく笑うボリスにドキリとして、私はきっぱりと言った。
しかし、彼は私を見て笑うだけ。
じっと見つめてくるその妖艶な目にどぎまぎしてしまう。
ボリスはそのまま私に顔を近づけると、3センチの距離でこう言った。
「名無しさんの言う通りのんびりコースでもいいよ、俺」
濃密って意味だよね?と笑って彼はキスをした。
違うよ、と言いたいけれど今さら否定は聞き入れてもらえなそうだ。