アンケートお礼その1
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【こまらせないで】
私はエリオットの部屋に遊びに来ていた。
彼はマフィアの№2らしいけれど、普段はとっても気さくなお兄さんだ。
大きくて見た目もそこそこカッコいいのに、ウサギ耳だとか中身が可愛いだとか反則だと思う。
かっこよくて可愛いくて単純な人。うん、困る。すごく可愛くて困ってしまう。
今だって「にんじんケーキ」を食べながら、ひたすらその美味しさを語っている。
私はそれを適当に聞き流しながら、彼のことをぼんやりと見つめるのみ。
私はエリオットが好きなのだ。
好きすぎて困っている。
はっ! いかんいかん。
こんなに見つめていたらさすがに怪しまれる。
私は席を立つと、紅茶を入れなおすことにした。
やかんを火にかけて、テーブルに戻ろうとしたらいつの間にかエリオットがすぐそばに立っていた。
「わ! びっくりした! 気配なかったよ、今、さすが№2だねぇ」
笑いながらそう言う私を、エリオットは何も言わずに見つめている。
さっきまで彼はキラキラとした目で、にんじんケーキの美味しさを熱く語っていたはずだ。
それなのに今目の前の彼はどうだろう。
じっと私を見つめたまま何も言わなかった。
何か言いたそうな顔をしている、といった方が正しい。
さすがの私も彼の様子がおかしいことに気づく。
「エリオット? どうしたの? 食べ過ぎた?」
そう尋ねた瞬間。
がばっと抱きしめられる。
声を上げる間もなくキスされた。
突然のことにびっくりして、私は思いっきりエリオットを突き飛ばそうとしたけれど、彼はびくともしなかった。
それどころか私を抱く腕にちからを込める。
息苦しさもあって押され負けした私は、そのまま近くのソファに押し倒された。
唇がはなれ肩で息する私を見下ろして、エリオットは言った。
「好きなんだ、名無しさん」
あまりにも突然の展開に私は衝撃を受けた。
断言するけれど、私はいつものようにただエリオットと話していただけだ。
そう、絶対にただ普通に話していただけだ。
話の内容も「にんじんケーキについて」だったし、こんな襲われ系告白(?)を受けるような態度をとってはいないはずだ。
絶対に私に非はないと思う。
それなのに、なぜこんな状況に陥っているのでしょう?
「エリオット……突然すぎるよ」
「悪い」
私の言葉に一応謝りつつも、エリオットの表情は淡々としていた。
「でも、誰かに取られる前に名無しさんを俺の物にしたかったんだよ」
エリオットは私をじっと見つめたままそう言った。
「……な、なに? なに言ってるの。なにするの?」
動揺しすぎてとりあえずそんな言葉しか出てこない。
そしたら、彼は静かに笑って「なにしてほしい?」なんて言って来た。
思わぬ答えにますます動揺する。
エリオットに押さえつけられたら、力では絶対に敵わないけれど、とりあえずこのままはまずい。
一応抵抗らしきものをしてみたけれど、やっぱりびくともしなかった。
「あきらめな」
彼は苦笑しながらそう言った。
「俺みたいな奴に好かれちまったんだ。だいたい、部屋に二人きりなのも覚悟の上だろ?」
「か、覚悟?」
「なにも警戒せずに来たなら、自業自得だ。何されたって文句は言えないぜ」
「自業自得……」
エリオットの言葉をただ繰り返してしまう。
確かに異性と二人きりに密室でいるというのは、何が起こってもおかしくはない。
おかしくはないけれど、心のどこかでエリオットはそういうことしないと思っていた。
だから今こんな状況になっているらしい。つまり自業自得、というのがエリオットの言い分だ。
でも……。
「私はエリオットと一緒にいたかっただけだよ」
私の言葉に、エリオットの表情が変わった。
「エリオットと一緒にいるためには、覚悟とか警戒とか必要なの?」
私を押さえつけつつも、なんだかしゅんとしたような感じのエリオット。
「一緒にいたいの意味があんたと俺とじゃ違うんだろう?俺は名無しさんに触れたくて仕方なかった。好きなんだ」
「私だって好きだよ。好きじゃなかったら会いに来ないでしょう。何言ってんの」
段々腹が立ってきて、ケンカ口調になってしまった私。
エリオットは驚いた顔をしている。
あー、この人ほんとに鈍いんだなぁ。
「それ、ほんとに本気で言ってんのか?」
「嘘でこんなこと言わないよ」
頷きながらそう言うと、エリオットは一拍おいてからこう言った。
「それじゃ、俺たち今から恋人同士ってことか?」
「……そういうことになるのかな」
なんだか素敵な告白、という感じではなかったけれど。
すると彼は「はー」と深いため息をついた。
「そっか。ごめんな。俺、もっと考えれば良かった。名無しさんに嫌な思いさせちまった」
エリオットはそう言って私の頭をなでる。
「考えろっていっつも言われてるのにな……」
「うん、今回に関してはちょっとねぇ……」
褒められた行為じゃなかったよね、と頷く私。
するとエリオットはがくりと落ち込んだ。
「あー、ほんっと悪かった!次からは気を付ける!なるべく考える!」
そう宣言すると、彼は私をまっすぐに見下ろした。
「次からは気を付けるから、とりあえず今回はこのまま行くってことでいいよな?」
「……は?」
「恋人なら問題ないだろ?」
彼はそう言いながら、私の頬に手を滑らせる。
その瞬間一気に鼓動が早まった。
「え、エリオット……」
冗談だよね、という意味で彼を見るとにやりと笑う顔が見えた。
「名無しさん、あきらめな」
さっきと同じセリフを言って、彼は私にキスをする。
困った人だけれど、好きだから仕方ない。
私はエリオットの部屋に遊びに来ていた。
彼はマフィアの№2らしいけれど、普段はとっても気さくなお兄さんだ。
大きくて見た目もそこそこカッコいいのに、ウサギ耳だとか中身が可愛いだとか反則だと思う。
かっこよくて可愛いくて単純な人。うん、困る。すごく可愛くて困ってしまう。
今だって「にんじんケーキ」を食べながら、ひたすらその美味しさを語っている。
私はそれを適当に聞き流しながら、彼のことをぼんやりと見つめるのみ。
私はエリオットが好きなのだ。
好きすぎて困っている。
はっ! いかんいかん。
こんなに見つめていたらさすがに怪しまれる。
私は席を立つと、紅茶を入れなおすことにした。
やかんを火にかけて、テーブルに戻ろうとしたらいつの間にかエリオットがすぐそばに立っていた。
「わ! びっくりした! 気配なかったよ、今、さすが№2だねぇ」
笑いながらそう言う私を、エリオットは何も言わずに見つめている。
さっきまで彼はキラキラとした目で、にんじんケーキの美味しさを熱く語っていたはずだ。
それなのに今目の前の彼はどうだろう。
じっと私を見つめたまま何も言わなかった。
何か言いたそうな顔をしている、といった方が正しい。
さすがの私も彼の様子がおかしいことに気づく。
「エリオット? どうしたの? 食べ過ぎた?」
そう尋ねた瞬間。
がばっと抱きしめられる。
声を上げる間もなくキスされた。
突然のことにびっくりして、私は思いっきりエリオットを突き飛ばそうとしたけれど、彼はびくともしなかった。
それどころか私を抱く腕にちからを込める。
息苦しさもあって押され負けした私は、そのまま近くのソファに押し倒された。
唇がはなれ肩で息する私を見下ろして、エリオットは言った。
「好きなんだ、名無しさん」
あまりにも突然の展開に私は衝撃を受けた。
断言するけれど、私はいつものようにただエリオットと話していただけだ。
そう、絶対にただ普通に話していただけだ。
話の内容も「にんじんケーキについて」だったし、こんな襲われ系告白(?)を受けるような態度をとってはいないはずだ。
絶対に私に非はないと思う。
それなのに、なぜこんな状況に陥っているのでしょう?
「エリオット……突然すぎるよ」
「悪い」
私の言葉に一応謝りつつも、エリオットの表情は淡々としていた。
「でも、誰かに取られる前に名無しさんを俺の物にしたかったんだよ」
エリオットは私をじっと見つめたままそう言った。
「……な、なに? なに言ってるの。なにするの?」
動揺しすぎてとりあえずそんな言葉しか出てこない。
そしたら、彼は静かに笑って「なにしてほしい?」なんて言って来た。
思わぬ答えにますます動揺する。
エリオットに押さえつけられたら、力では絶対に敵わないけれど、とりあえずこのままはまずい。
一応抵抗らしきものをしてみたけれど、やっぱりびくともしなかった。
「あきらめな」
彼は苦笑しながらそう言った。
「俺みたいな奴に好かれちまったんだ。だいたい、部屋に二人きりなのも覚悟の上だろ?」
「か、覚悟?」
「なにも警戒せずに来たなら、自業自得だ。何されたって文句は言えないぜ」
「自業自得……」
エリオットの言葉をただ繰り返してしまう。
確かに異性と二人きりに密室でいるというのは、何が起こってもおかしくはない。
おかしくはないけれど、心のどこかでエリオットはそういうことしないと思っていた。
だから今こんな状況になっているらしい。つまり自業自得、というのがエリオットの言い分だ。
でも……。
「私はエリオットと一緒にいたかっただけだよ」
私の言葉に、エリオットの表情が変わった。
「エリオットと一緒にいるためには、覚悟とか警戒とか必要なの?」
私を押さえつけつつも、なんだかしゅんとしたような感じのエリオット。
「一緒にいたいの意味があんたと俺とじゃ違うんだろう?俺は名無しさんに触れたくて仕方なかった。好きなんだ」
「私だって好きだよ。好きじゃなかったら会いに来ないでしょう。何言ってんの」
段々腹が立ってきて、ケンカ口調になってしまった私。
エリオットは驚いた顔をしている。
あー、この人ほんとに鈍いんだなぁ。
「それ、ほんとに本気で言ってんのか?」
「嘘でこんなこと言わないよ」
頷きながらそう言うと、エリオットは一拍おいてからこう言った。
「それじゃ、俺たち今から恋人同士ってことか?」
「……そういうことになるのかな」
なんだか素敵な告白、という感じではなかったけれど。
すると彼は「はー」と深いため息をついた。
「そっか。ごめんな。俺、もっと考えれば良かった。名無しさんに嫌な思いさせちまった」
エリオットはそう言って私の頭をなでる。
「考えろっていっつも言われてるのにな……」
「うん、今回に関してはちょっとねぇ……」
褒められた行為じゃなかったよね、と頷く私。
するとエリオットはがくりと落ち込んだ。
「あー、ほんっと悪かった!次からは気を付ける!なるべく考える!」
そう宣言すると、彼は私をまっすぐに見下ろした。
「次からは気を付けるから、とりあえず今回はこのまま行くってことでいいよな?」
「……は?」
「恋人なら問題ないだろ?」
彼はそう言いながら、私の頬に手を滑らせる。
その瞬間一気に鼓動が早まった。
「え、エリオット……」
冗談だよね、という意味で彼を見るとにやりと笑う顔が見えた。
「名無しさん、あきらめな」
さっきと同じセリフを言って、彼は私にキスをする。
困った人だけれど、好きだから仕方ない。