アンケートお礼その1
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【いいからだ】
ハートの城の庭園を歩いていたら、衝撃の現場に遭遇してしまった。
始めのうちは見間違いかと思ったのだけれど、その現場に近づくにつれ「あぁ、見間違いなんかじゃない」と確信する。
「エース……なにやってんの」
「あぁ、名無しさん。こんにちは」
ハートの騎士である友人は、振り向きざまに爽やかな笑顔でそう言った。
噴水で水浴び、というおかしな行動をしている人には見えない爽やかさ。
跳ね上がる水しぶきがキラキラと光り、水音が心地いいはずだったその場所で、エースは機嫌よく水浴び(?)をしているのだった。
「名無しさんも入る? さっぱりして気持ちがいいよ」
「……入りません。っていうか私、あなたの考えていることがさっぱりわからないや」
唖然とする私をよそにエースは「やっぱり水浴びはいいよなー。リフレッシュするぜ」とかなんとか言っている。(大丈夫か、この人)
これ、場所が場所ならアイドルのPVみたいなことになるんだろう。
顔だけはやたら爽やかだし、彼の体を初めて見たけれど無駄なものなんて一つもないし、水も滴るいい男、という部類に入るとは思う。
でも、お城の噴水だからなぁ……異常・変質者という目でしか見られない。
「んー? なに、名無しさんってばそんなじろじろ見ちゃって。俺の体、そんなにいい?」
「うーん、そうだね。良い体してるね」
にやにやしてくるエースに、私はさらりと返した。
だって、本当にアスリートというかお手本みたいに良い体をしているのだ。
人は、良い体をみると照れる前に感心するものなんだなぁ。
そう思いながらさらにじろじろと彼を見る私も私だけれど、そこで照れもせずにこう続けるのがエースなのだ。
「名無しさん、そんなにいいなら抱いてあげようか?」
「いやぁ、遠慮します」
さすがにそう言われると恥ずかしい。私は彼の体から視線を逸らす。
すると、エースは自分の体を見下ろしておなかをなでた。
「遠慮しなくていいのに。鍛練してるし、そんなに悪い体にはなっていないと思うぜ?」
そう言って笑う彼だけれど、そこまでの体にするには結構ストイックなことしてるんじゃないだろうか?
エースってちゃらんぽらんだけど、芯はしっかり通った人なのかもしれない。
「まぁ、気が変わったらいつでも言ってくれよ。名無しさんをがっかりさせないように、俺も日々鍛錬をしておくからさ」
「ありがとう。でも気が変わることはないから大丈夫。
それよりも、そろそろ噴水から出てきたほうがいいよ。私ビバルディとここでお茶会する約束してるの。見つかったら怒られるよ?」
「げ。そうなの? 前に陛下に見られた時も大騒ぎで大変だったんだよ」
早くでなくちゃ、と言いながらいそいそと噴水から上がってくるエース。
噴水で水浴びを前にもしたということですね……
「あ、名無しさん。そこのタオルを取ってくれよ」
エースに言われて、私はタオルを手渡す。
彼はごしごし頭を拭きながらぶるっと身震いした。
「なんか寒くなってきた気がする」
「そりゃあ噴水だからね。早く服を着た方がいいよ」
あきれ果てる私に頭からタオルをかぶったエースは「そうだね」と頷いた。
私はそろそろビバルディが来るんじゃないかとひやひやしながら辺りを見回す。
半裸のエースを見たら、きっと女王様は怒り狂うだろう。
機嫌の悪い彼女とお茶を一緒に飲むなんて嫌だ。
「エース、早く服着てね。もうすぐビバルディが来そうな……」
気がする、と言おうと思ったのに言葉が続かなかった。
後ろからエースが私を抱きしめたのだ。
「……ってなに!? エース!?」
「あー、やっぱり名無しさんはあったかいや」
そんなことを言う彼の体は確かに冷たかったけれど、この人まだ半裸ですよね!?
「あったかいやじゃなくて、服を着ればいいの!! 離れて! ビバルディも来るよ!」
肘でぐいぐい彼を押しかえしたけれど、その分だけぎゅっと抱きしめられる。
「あんなにじろじろ見られたら、結構その気になっちゃうんだよね」
くすりと笑うエースに、私は固まった。
「遠慮しないで、抱かれてみてよ」
耳元に落とされた唇が冷たくてくすぐったくて、びくりとしてしまう私。
ありえない。なんて非常識極まりない男だ、この人。
でも、うっかりときめきかけている私もありえない。自分がなさけなくなる。
気が動転していたのかもしれないけれど私はどうしても動けず、エースの冷たい体温を背中に感じてますますドキドキしてしまった。
エースに落ちることなんてないと思っていたのに、このままだとマズイ。
ビバルディ、早く来てくれないと困るよ。
心の中で彼女にそう言った時だった。
「陛下、まだ来ないね?」
エースが楽しそうに囁いた。
ハートの城の庭園を歩いていたら、衝撃の現場に遭遇してしまった。
始めのうちは見間違いかと思ったのだけれど、その現場に近づくにつれ「あぁ、見間違いなんかじゃない」と確信する。
「エース……なにやってんの」
「あぁ、名無しさん。こんにちは」
ハートの騎士である友人は、振り向きざまに爽やかな笑顔でそう言った。
噴水で水浴び、というおかしな行動をしている人には見えない爽やかさ。
跳ね上がる水しぶきがキラキラと光り、水音が心地いいはずだったその場所で、エースは機嫌よく水浴び(?)をしているのだった。
「名無しさんも入る? さっぱりして気持ちがいいよ」
「……入りません。っていうか私、あなたの考えていることがさっぱりわからないや」
唖然とする私をよそにエースは「やっぱり水浴びはいいよなー。リフレッシュするぜ」とかなんとか言っている。(大丈夫か、この人)
これ、場所が場所ならアイドルのPVみたいなことになるんだろう。
顔だけはやたら爽やかだし、彼の体を初めて見たけれど無駄なものなんて一つもないし、水も滴るいい男、という部類に入るとは思う。
でも、お城の噴水だからなぁ……異常・変質者という目でしか見られない。
「んー? なに、名無しさんってばそんなじろじろ見ちゃって。俺の体、そんなにいい?」
「うーん、そうだね。良い体してるね」
にやにやしてくるエースに、私はさらりと返した。
だって、本当にアスリートというかお手本みたいに良い体をしているのだ。
人は、良い体をみると照れる前に感心するものなんだなぁ。
そう思いながらさらにじろじろと彼を見る私も私だけれど、そこで照れもせずにこう続けるのがエースなのだ。
「名無しさん、そんなにいいなら抱いてあげようか?」
「いやぁ、遠慮します」
さすがにそう言われると恥ずかしい。私は彼の体から視線を逸らす。
すると、エースは自分の体を見下ろしておなかをなでた。
「遠慮しなくていいのに。鍛練してるし、そんなに悪い体にはなっていないと思うぜ?」
そう言って笑う彼だけれど、そこまでの体にするには結構ストイックなことしてるんじゃないだろうか?
エースってちゃらんぽらんだけど、芯はしっかり通った人なのかもしれない。
「まぁ、気が変わったらいつでも言ってくれよ。名無しさんをがっかりさせないように、俺も日々鍛錬をしておくからさ」
「ありがとう。でも気が変わることはないから大丈夫。
それよりも、そろそろ噴水から出てきたほうがいいよ。私ビバルディとここでお茶会する約束してるの。見つかったら怒られるよ?」
「げ。そうなの? 前に陛下に見られた時も大騒ぎで大変だったんだよ」
早くでなくちゃ、と言いながらいそいそと噴水から上がってくるエース。
噴水で水浴びを前にもしたということですね……
「あ、名無しさん。そこのタオルを取ってくれよ」
エースに言われて、私はタオルを手渡す。
彼はごしごし頭を拭きながらぶるっと身震いした。
「なんか寒くなってきた気がする」
「そりゃあ噴水だからね。早く服を着た方がいいよ」
あきれ果てる私に頭からタオルをかぶったエースは「そうだね」と頷いた。
私はそろそろビバルディが来るんじゃないかとひやひやしながら辺りを見回す。
半裸のエースを見たら、きっと女王様は怒り狂うだろう。
機嫌の悪い彼女とお茶を一緒に飲むなんて嫌だ。
「エース、早く服着てね。もうすぐビバルディが来そうな……」
気がする、と言おうと思ったのに言葉が続かなかった。
後ろからエースが私を抱きしめたのだ。
「……ってなに!? エース!?」
「あー、やっぱり名無しさんはあったかいや」
そんなことを言う彼の体は確かに冷たかったけれど、この人まだ半裸ですよね!?
「あったかいやじゃなくて、服を着ればいいの!! 離れて! ビバルディも来るよ!」
肘でぐいぐい彼を押しかえしたけれど、その分だけぎゅっと抱きしめられる。
「あんなにじろじろ見られたら、結構その気になっちゃうんだよね」
くすりと笑うエースに、私は固まった。
「遠慮しないで、抱かれてみてよ」
耳元に落とされた唇が冷たくてくすぐったくて、びくりとしてしまう私。
ありえない。なんて非常識極まりない男だ、この人。
でも、うっかりときめきかけている私もありえない。自分がなさけなくなる。
気が動転していたのかもしれないけれど私はどうしても動けず、エースの冷たい体温を背中に感じてますますドキドキしてしまった。
エースに落ちることなんてないと思っていたのに、このままだとマズイ。
ビバルディ、早く来てくれないと困るよ。
心の中で彼女にそう言った時だった。
「陛下、まだ来ないね?」
エースが楽しそうに囁いた。
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