旅は道連れ
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【8.嫉妬】
ハートの城を目指しているエースと私。
まだ森から出られずにいるので、いい加減私も不安になって来た。
それにエースとの関係もすごく微妙で、正直に言うと精神的にも疲れている。
彼の方はというと相変わらずのマイペースっぷりを見せ、あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
爽やかに笑っているかと思えば、意地悪くからかってきたりする。
私のことを好きだとエースが言ったあの時から、私はすごく彼を意識してしまっているけれど、
その後は特に何も言ってこないし、何もしてこない。(いや、別に期待してるわけじゃないんだけどね!?)
振り回されっぱなしで疲れている。
「はぁ~……なんかだるいかも」
エースが淹れてくれた珈琲を飲みながらぼんやりと座る。
休憩しよう、珈琲を飲もう、とエースがテキパキと準備をしてくれたけれど、
当の本人はすぐそばを流れる川を見た瞬間に「水浴びしてくる」と行ってしまった。
さすがに迷う距離ではないので、私は留守番。
名無しさんも一緒に水浴びしようよと言い出したけれど、笑顔で無視しておいた。
本当によくわからない人だ。エースは。
川の方を見ると、ほんとに水浴びしている。
うわー、なにあの無駄に爽やかなキラキラ感!
全裸だったらどうしようかと思ったけれど、その辺りは一応わきまえているらしい(よかった)。
ばしゃばしゃやっているのを見ていたら、なんだか笑えてきた。
するとその時だった。
「ちょっとエース。こんな所でなにしてるの?」
そんな声が聞こえた。
見ると川岸に青いエプロンドレスを着たすっごく可愛い女の子がびっくりした表情で立っていた。
っていうか彼女はどう見てもアリスだよね?
「やぁ、アリス!久しぶりだね」
エースは彼女に気づくと爽やかに挨拶をした。
やっぱりアリスだ。
私は思わず木の陰に隠れた。
そうか、この世界に来たということはエース以外の役持ちやアリスにも会う可能性があるということだ。
今さらそんなことに気づいた。
「君も水浴びする?」というセリフを爽やかに言うエースに、「しないわよ」と即答するアリス。(そりゃそうだ)
「まさかこんな所で半裸のあなたに会うとは思わなかったわ」
「はははっ!全裸の方がよかった?」
「半裸の今は不審者。全裸だったら変質者よ。さっさと上がってきなさい」
彼女はバッサリとそう言った。私はうんうんと頷いてしまう。
「はー、さっぱりした」と言いながら、川から上がるエース。
服を着たエースは、アリスとそのまま話を始めた。
私は2人の後ろ姿を木陰から眺める。
はっきりと会話が聞き取れたわけではないけれど、どうやらアリスは滞在地である遊園地に戻るところのようだった。
私の知らない時間をアリスとエースが共有していることや、仲の良さそうな雰囲気が後ろ姿だけでも伝わってくる。
顔を見合わせて楽しそうにうなずいたり、肩を震わせて笑うタイミングが同じなのだ。
あー、そっか。
エースは私だけに笑ってくれているわけじゃないんだなぁ。
そんな当たり前すぎることに気づいた。
心にポカッと穴が開いた気分。でも心臓はバクバクしている。
私はくるりと向きを変え、彼らに背を向けて座りなおした。
淹れてもらった珈琲を一口飲むと、なぜか味を感じなかった。
私はエースのキャンプグッズから勝手にチョコレートを1粒取り出し食べてみる。
味覚が抜け落ちたみたいに、何も感じない。
背後からエースとアリスの笑い声が聞こえ、私は味のない珈琲を一気に飲み干した。
ハートの城を目指しているエースと私。
まだ森から出られずにいるので、いい加減私も不安になって来た。
それにエースとの関係もすごく微妙で、正直に言うと精神的にも疲れている。
彼の方はというと相変わらずのマイペースっぷりを見せ、あっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
爽やかに笑っているかと思えば、意地悪くからかってきたりする。
私のことを好きだとエースが言ったあの時から、私はすごく彼を意識してしまっているけれど、
その後は特に何も言ってこないし、何もしてこない。(いや、別に期待してるわけじゃないんだけどね!?)
振り回されっぱなしで疲れている。
「はぁ~……なんかだるいかも」
エースが淹れてくれた珈琲を飲みながらぼんやりと座る。
休憩しよう、珈琲を飲もう、とエースがテキパキと準備をしてくれたけれど、
当の本人はすぐそばを流れる川を見た瞬間に「水浴びしてくる」と行ってしまった。
さすがに迷う距離ではないので、私は留守番。
名無しさんも一緒に水浴びしようよと言い出したけれど、笑顔で無視しておいた。
本当によくわからない人だ。エースは。
川の方を見ると、ほんとに水浴びしている。
うわー、なにあの無駄に爽やかなキラキラ感!
全裸だったらどうしようかと思ったけれど、その辺りは一応わきまえているらしい(よかった)。
ばしゃばしゃやっているのを見ていたら、なんだか笑えてきた。
するとその時だった。
「ちょっとエース。こんな所でなにしてるの?」
そんな声が聞こえた。
見ると川岸に青いエプロンドレスを着たすっごく可愛い女の子がびっくりした表情で立っていた。
っていうか彼女はどう見てもアリスだよね?
「やぁ、アリス!久しぶりだね」
エースは彼女に気づくと爽やかに挨拶をした。
やっぱりアリスだ。
私は思わず木の陰に隠れた。
そうか、この世界に来たということはエース以外の役持ちやアリスにも会う可能性があるということだ。
今さらそんなことに気づいた。
「君も水浴びする?」というセリフを爽やかに言うエースに、「しないわよ」と即答するアリス。(そりゃそうだ)
「まさかこんな所で半裸のあなたに会うとは思わなかったわ」
「はははっ!全裸の方がよかった?」
「半裸の今は不審者。全裸だったら変質者よ。さっさと上がってきなさい」
彼女はバッサリとそう言った。私はうんうんと頷いてしまう。
「はー、さっぱりした」と言いながら、川から上がるエース。
服を着たエースは、アリスとそのまま話を始めた。
私は2人の後ろ姿を木陰から眺める。
はっきりと会話が聞き取れたわけではないけれど、どうやらアリスは滞在地である遊園地に戻るところのようだった。
私の知らない時間をアリスとエースが共有していることや、仲の良さそうな雰囲気が後ろ姿だけでも伝わってくる。
顔を見合わせて楽しそうにうなずいたり、肩を震わせて笑うタイミングが同じなのだ。
あー、そっか。
エースは私だけに笑ってくれているわけじゃないんだなぁ。
そんな当たり前すぎることに気づいた。
心にポカッと穴が開いた気分。でも心臓はバクバクしている。
私はくるりと向きを変え、彼らに背を向けて座りなおした。
淹れてもらった珈琲を一口飲むと、なぜか味を感じなかった。
私はエースのキャンプグッズから勝手にチョコレートを1粒取り出し食べてみる。
味覚が抜け落ちたみたいに、何も感じない。
背後からエースとアリスの笑い声が聞こえ、私は味のない珈琲を一気に飲み干した。