旅は道連れ
お名前変換はこちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【6.告白】
「エース。もうちょっとそっちに行ってよ」
「えぇ? でもこれ以上離れると、俺テントの外に出ちゃうぜ?」
「うん。だからもうちょっとそっちに離れて」
「ははは! おもしろいこと言うね、名無しさん」
「結構本気で言ってるんですけど」
爽やかに笑うエースにきっぱりと言い切った。
なんだかんだ私はエースと二人でテントに入っている。
しかし、彼への警戒レベルはMAX。
テントの端っこに座る私に近づいてきたエースを追い払い追い払いしていた結果、
互いにテントの端と端に座るという思いっきり不自然な状況が出来上がっていた。
突然エースにキスされて、どうやって接していいのかわからないのだ。
一体どういうつもりであんなことをしてきたんだろう?
この人の場合、「なんとなく」とか「すぐ近くに顔があったから」とかとんでもないことを爽やかに言いだしそうな気さえする。(最低だ)
私はエースのことをよくわからない人だと思っているけれど、基本的には好きだし、信頼している。
だから、「女の子ならだれでもいい」というような扱いをされたくはない。
「せっかく一緒にいるのに、こんなに離れてたらなんだか寂しくない?」
「寂しくない。普通」
「えー?名無しさんってばほんとにつれないぜ」
彼は口を尖らせると、ずりずりと私に近づいてきた。
そしてテントの中央でぴたりと止まり、テントの隅にいる私を見る。
「名無しさん、こっちに来たら?」
「やだ」
「わ、即答?」
からから笑う彼になんだか恥ずかしくて口を尖らせる。
しかし、彼は全然気にする様子はない。
「俺がそっちに行ってもいいんだけど、そうなると君もう逃げ場がないぜ? いいの?」
「……よくない」
「はははっ!そう言うと思ったぜ」
そう言われてなんと答えていいのかわからない。
ただ黙って座っていると、エースも笑うのをやめた。
テント内がしんと静まり返り、すごく気まずい。
どうしたもんかと思い、じっと自分のひざを見つめていた時だった。
「すっごい警戒されてるなー、俺」
まぁ、そりゃそうかもしれないけどね、とエースは静かに言った。
「でもさいくら俺だって、好きでもない子にキスなんてしないよ」
にこりと微笑んでエースはそう言った。
私はびっくりして、エースを見つめる。
「好きだからついしちゃったんだ」
なんか名無しさんの動きがおもしろくてさ。
くすくす笑いながらエースは言った。
そして少しずつ私に近づいてくる。
「君を傷つけたならごめん。謝るよ。でも……もうしないとは言い切れないな。悪いけど」
そう言うと、彼はぴたりと私の隣に座った。
「現に、今だってしちゃおうかなって思ってるし」
その言葉と共に、肩に置かれた手。
大きくてずしりと重くて、一気に鼓動が早まった。
身を固くする私。
ちらりと見上げると、エースと目が合った。
それから先はあっという間の出来事だった。
2度目のキスはさっきとは全然違った。
苦しくて、熱くて、頭が真っ白になる。
突然すぎてうっかりそれを受け入れてしまいかけた私は、はっと我に返った。
必死に抵抗したけれど、彼は離してくれなかった。
それどころか押し倒されそうになり、なんとか持ちこたえようと後ろ手をつく。
その時、不意に唇が離れた。
「ねぇ、名無しさん。俺は君が好きだよ」
ずるいタイミングでエースがそう言ったので、抵抗する気力が一気に抜ける。
タイミングどころか、言葉も声も表情も全部ずるい。
そんなことをぼんやりと思ったけれど、深い口づけに全部流されてしまった。
「エース。もうちょっとそっちに行ってよ」
「えぇ? でもこれ以上離れると、俺テントの外に出ちゃうぜ?」
「うん。だからもうちょっとそっちに離れて」
「ははは! おもしろいこと言うね、名無しさん」
「結構本気で言ってるんですけど」
爽やかに笑うエースにきっぱりと言い切った。
なんだかんだ私はエースと二人でテントに入っている。
しかし、彼への警戒レベルはMAX。
テントの端っこに座る私に近づいてきたエースを追い払い追い払いしていた結果、
互いにテントの端と端に座るという思いっきり不自然な状況が出来上がっていた。
突然エースにキスされて、どうやって接していいのかわからないのだ。
一体どういうつもりであんなことをしてきたんだろう?
この人の場合、「なんとなく」とか「すぐ近くに顔があったから」とかとんでもないことを爽やかに言いだしそうな気さえする。(最低だ)
私はエースのことをよくわからない人だと思っているけれど、基本的には好きだし、信頼している。
だから、「女の子ならだれでもいい」というような扱いをされたくはない。
「せっかく一緒にいるのに、こんなに離れてたらなんだか寂しくない?」
「寂しくない。普通」
「えー?名無しさんってばほんとにつれないぜ」
彼は口を尖らせると、ずりずりと私に近づいてきた。
そしてテントの中央でぴたりと止まり、テントの隅にいる私を見る。
「名無しさん、こっちに来たら?」
「やだ」
「わ、即答?」
からから笑う彼になんだか恥ずかしくて口を尖らせる。
しかし、彼は全然気にする様子はない。
「俺がそっちに行ってもいいんだけど、そうなると君もう逃げ場がないぜ? いいの?」
「……よくない」
「はははっ!そう言うと思ったぜ」
そう言われてなんと答えていいのかわからない。
ただ黙って座っていると、エースも笑うのをやめた。
テント内がしんと静まり返り、すごく気まずい。
どうしたもんかと思い、じっと自分のひざを見つめていた時だった。
「すっごい警戒されてるなー、俺」
まぁ、そりゃそうかもしれないけどね、とエースは静かに言った。
「でもさいくら俺だって、好きでもない子にキスなんてしないよ」
にこりと微笑んでエースはそう言った。
私はびっくりして、エースを見つめる。
「好きだからついしちゃったんだ」
なんか名無しさんの動きがおもしろくてさ。
くすくす笑いながらエースは言った。
そして少しずつ私に近づいてくる。
「君を傷つけたならごめん。謝るよ。でも……もうしないとは言い切れないな。悪いけど」
そう言うと、彼はぴたりと私の隣に座った。
「現に、今だってしちゃおうかなって思ってるし」
その言葉と共に、肩に置かれた手。
大きくてずしりと重くて、一気に鼓動が早まった。
身を固くする私。
ちらりと見上げると、エースと目が合った。
それから先はあっという間の出来事だった。
2度目のキスはさっきとは全然違った。
苦しくて、熱くて、頭が真っ白になる。
突然すぎてうっかりそれを受け入れてしまいかけた私は、はっと我に返った。
必死に抵抗したけれど、彼は離してくれなかった。
それどころか押し倒されそうになり、なんとか持ちこたえようと後ろ手をつく。
その時、不意に唇が離れた。
「ねぇ、名無しさん。俺は君が好きだよ」
ずるいタイミングでエースがそう言ったので、抵抗する気力が一気に抜ける。
タイミングどころか、言葉も声も表情も全部ずるい。
そんなことをぼんやりと思ったけれど、深い口づけに全部流されてしまった。