真夏のティーパーティー!その2
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【おまけ サーカスの森】
「そろそろ来てくれると思っていたよ、名無しさん」
ホワイトさんはそう言って微笑みながら迎えてくれた。
私も笑顔で挨拶をする。
「こんにちは、ホワイトさん。さっそくだけど、私冬に行きたいの。暑くてもう無理」
「おやおや、久しぶりに来てくれたかと思ったら季節を変えてくれって? それはないんじゃない?」
「けけけっ! ジョーカー、お前なんて眼中にねぇんだとよ! 名無しさんみたいな女にすら相手にされないんじゃお前も終わりだよな」
「うるさいよ、ジョーカー。君だって名無しさんが来ない来ないって騒いでたじゃないか」
「はぁ!? いつ俺がそんなこと言ったよ? 名無しさんが来なくてせーせーするって言ってたんだ」
「同じことだよ。全く素直じゃないんだから」
仮面と言い合いをする姿を見るのはなんとも不思議。
思わずじっと見つめていると、仮面のジョーカーが言った。
「なんだよ、名無しさん。ジロジロみるんじゃねぇよ」
「え、あ、ごめん」
謝りつつも、仮面も視線に気づくんだなぁと感心してしまう私。
するとホワイトさんが困ったように笑いながら言った。
「ごめんね、名無しさん。コイツ、君に見られると恥ずかしいみたいなんだ。意外とウブだよね」
「うるせーっていってんだろ!誰がウブだふざけんな!! こんな小娘見たって何とも思わねえんだよ、バーカ!」
「いつにも増して口が悪いね。本音をズバリと当てられて気まずいのは分かるけど、名無しさんに嫌われるよ?」
「だーから!!俺は名無しさんなんて何とも思ってねーよ!!」
「ふぅん、そう? じゃあ俺が遠慮なく彼女と仲良くしてもいいんだよね」
「けっ!勝手にしろよ」
ブラックさんの言葉に、ホワイトさんはくすくすと笑うと私を見た。
「さて、それじゃあゲームを始めようか? ジョーカーは機嫌が悪くなったみたいだから、今日はもう口出ししてこないと思うよ」
「うん、なんだか勝てそうな気がしてきた!」
私がそう言うと、ホワイトさんはカードを取り出しながら言った。
「ははは、楽しみだな。でもせっかく名無しさんが来てくれたんだし、簡単には勝たせてあげないけどね」
さらりと意地悪なことを言うので、思わず笑ってしまった。
「ホワイトさんも意地悪だよねー」
「ホワイトさんもって、それどういう意味?」
「ブラックさんも意地悪で、ホワイトさんも意地悪って意味」
私がそう言うと、ホワイトさんは苦笑いする。
「やめてよ、あいつと一緒にしないでほしいな」
「俺だってコイツと一緒にしてほしくねーよ」
またしゃべりだした仮面のジョーカー。
「ブラックさんはちょっと黙っててね。これから真剣勝負するから」
「名無しさんのくせに生意気な言い方するんじゃねーよ!」
「ジョーカー、君は黙っててよ。これから名無しさんと俺で楽しく遊ぶんだから」
「なんかすっげー腹立つ」
「やだな、嫉妬? みっともないからやめなよ」
「お前にムカついてんだよジョーカー!」
「はいはい、黙ってて。あ、名無しさん。今日はクローバー&ハートでいいよね?」
2人(?)のやりとりを見ているだけで十分に楽しい。
でも、今日は冬に行きたいのだ。
だから早くゲームに勝たなければいけない。
「今日は絶対に勝つ!! 冬に行く!!」
そう宣言すると、ホワイトさんが楽しそうに笑った。
「いいね、そこまで言われると意地でも邪魔したくなっちゃうよ」
「え、それ笑って言うこと?」
「お前ほんと性格悪いよな、ジョーカー」
私とブラックさんの言葉が重なった。
彼のまともなセリフに思わず仮面を見る。
すると、彼はこう言った。
「名無しさん、言っとくけど、意地悪なのは俺じゃなくてコイツの方だぜ。騙されんなよ」
「ひどいなぁ。俺は騙したりなんかしないよ」
「けっ!よく言うぜ」
にこにこ笑うホワイトさんと、悪態をつくブラックさんを見て、私はなんだかおかしくなって笑ってしまった。
「うわーーー!!勝った!!!奇跡!!!すごい!!!」
勝利の瞬間立ち上がって喜ぶ私。
ホワイトさんはびっくりした顔で自分の手元のカードと私の並べたカードを見ている。
「うわ、嘘。ほんとだ……」
びっくりして言葉が出ないらしい。(珍しいなぁ)
「なんだよ、ジョーカー。てめぇ、やる気あんのか!? 余裕ぶっこいてるから負けるんだよ」
「いや、まさか名無しさんがフェイントをかけてくるなんて思わなかったから」
彼はそう言って私を見た。
「ふふふ。すごいでしょう? この間『顔にでやすい』って言われたから、ちょっと演技してみました!」
ついこのあいだのゲームで、ブラックさんに「お前は顔に出過ぎなんだよ!」と言われホワイトさんには「わかりやすいよね」と言われた。
だから、今日はがんばって演技してみたのだ。(すごく大変だった!)
「ったくなんだよ、こいつの下手な演技に騙されてんじゃねーよ、ジョーカー」
「ジョーカーだって気づかなかっただろう」
「俺は直接ゲームしてたわけじゃねぇ。名無しさんがいつもと違うなんてわかるわけないだろ」
やいやいと言い争っている彼ら。
そして、私はというと初めて一発でホワイトさんに勝てたことが嬉しくて舞い上がっていた。
「ホワイトさん、冬にして冬。ビバルディと一緒に雪まつりを見にいくの!」
らんらんと言う私に、負けて呆然としているホワイトさんは「あぁ、そうだね、冬か」と言いながら季節を変えてくれた。
「気をつけていっておいで、名無しさん」
「うん、どうもありがとう!!またね!!」
ジョーカーさんに見送られて、私はルンルンでその場を後にした。
トランプが投げ出された机に向かって、ぼんやりと座る道化師のジョーカー。
「……」
「ジョーカー。てめぇ、あんなにあっさり負けるとか、余裕ぶっこくのもほどがあるぞ」
「いや、なんか勝てなかったんだよね。なんでだろ?」
「はぁ?なんだそりゃ?」
「わかんないよ」
彼はそういうと、はーっとため息をついた。
「はぁ、せっかく名無しさんが久しぶりに来たのになぁ」
「お前がいじめ過ぎてるから、あんまり来ないんじゃねーの?」
「いじめてるのは君の方だろう、ジョーカー。口が悪すぎるよ」
「俺のせいにすんなよ」
「……」
「……」
「まぁ、たぶんすぐに来てくれるよ。冬は長くいる場所じゃないからね。来てくれなければ、実力行使でもいいわけだし」
「……監獄にご案内って? お前、ほんとにいい性格してるよな」
道化師ジョーカーの言葉に、仮面のジョーカーは呆れた声でそう言った。
「そろそろ来てくれると思っていたよ、名無しさん」
ホワイトさんはそう言って微笑みながら迎えてくれた。
私も笑顔で挨拶をする。
「こんにちは、ホワイトさん。さっそくだけど、私冬に行きたいの。暑くてもう無理」
「おやおや、久しぶりに来てくれたかと思ったら季節を変えてくれって? それはないんじゃない?」
「けけけっ! ジョーカー、お前なんて眼中にねぇんだとよ! 名無しさんみたいな女にすら相手にされないんじゃお前も終わりだよな」
「うるさいよ、ジョーカー。君だって名無しさんが来ない来ないって騒いでたじゃないか」
「はぁ!? いつ俺がそんなこと言ったよ? 名無しさんが来なくてせーせーするって言ってたんだ」
「同じことだよ。全く素直じゃないんだから」
仮面と言い合いをする姿を見るのはなんとも不思議。
思わずじっと見つめていると、仮面のジョーカーが言った。
「なんだよ、名無しさん。ジロジロみるんじゃねぇよ」
「え、あ、ごめん」
謝りつつも、仮面も視線に気づくんだなぁと感心してしまう私。
するとホワイトさんが困ったように笑いながら言った。
「ごめんね、名無しさん。コイツ、君に見られると恥ずかしいみたいなんだ。意外とウブだよね」
「うるせーっていってんだろ!誰がウブだふざけんな!! こんな小娘見たって何とも思わねえんだよ、バーカ!」
「いつにも増して口が悪いね。本音をズバリと当てられて気まずいのは分かるけど、名無しさんに嫌われるよ?」
「だーから!!俺は名無しさんなんて何とも思ってねーよ!!」
「ふぅん、そう? じゃあ俺が遠慮なく彼女と仲良くしてもいいんだよね」
「けっ!勝手にしろよ」
ブラックさんの言葉に、ホワイトさんはくすくすと笑うと私を見た。
「さて、それじゃあゲームを始めようか? ジョーカーは機嫌が悪くなったみたいだから、今日はもう口出ししてこないと思うよ」
「うん、なんだか勝てそうな気がしてきた!」
私がそう言うと、ホワイトさんはカードを取り出しながら言った。
「ははは、楽しみだな。でもせっかく名無しさんが来てくれたんだし、簡単には勝たせてあげないけどね」
さらりと意地悪なことを言うので、思わず笑ってしまった。
「ホワイトさんも意地悪だよねー」
「ホワイトさんもって、それどういう意味?」
「ブラックさんも意地悪で、ホワイトさんも意地悪って意味」
私がそう言うと、ホワイトさんは苦笑いする。
「やめてよ、あいつと一緒にしないでほしいな」
「俺だってコイツと一緒にしてほしくねーよ」
またしゃべりだした仮面のジョーカー。
「ブラックさんはちょっと黙っててね。これから真剣勝負するから」
「名無しさんのくせに生意気な言い方するんじゃねーよ!」
「ジョーカー、君は黙っててよ。これから名無しさんと俺で楽しく遊ぶんだから」
「なんかすっげー腹立つ」
「やだな、嫉妬? みっともないからやめなよ」
「お前にムカついてんだよジョーカー!」
「はいはい、黙ってて。あ、名無しさん。今日はクローバー&ハートでいいよね?」
2人(?)のやりとりを見ているだけで十分に楽しい。
でも、今日は冬に行きたいのだ。
だから早くゲームに勝たなければいけない。
「今日は絶対に勝つ!! 冬に行く!!」
そう宣言すると、ホワイトさんが楽しそうに笑った。
「いいね、そこまで言われると意地でも邪魔したくなっちゃうよ」
「え、それ笑って言うこと?」
「お前ほんと性格悪いよな、ジョーカー」
私とブラックさんの言葉が重なった。
彼のまともなセリフに思わず仮面を見る。
すると、彼はこう言った。
「名無しさん、言っとくけど、意地悪なのは俺じゃなくてコイツの方だぜ。騙されんなよ」
「ひどいなぁ。俺は騙したりなんかしないよ」
「けっ!よく言うぜ」
にこにこ笑うホワイトさんと、悪態をつくブラックさんを見て、私はなんだかおかしくなって笑ってしまった。
「うわーーー!!勝った!!!奇跡!!!すごい!!!」
勝利の瞬間立ち上がって喜ぶ私。
ホワイトさんはびっくりした顔で自分の手元のカードと私の並べたカードを見ている。
「うわ、嘘。ほんとだ……」
びっくりして言葉が出ないらしい。(珍しいなぁ)
「なんだよ、ジョーカー。てめぇ、やる気あんのか!? 余裕ぶっこいてるから負けるんだよ」
「いや、まさか名無しさんがフェイントをかけてくるなんて思わなかったから」
彼はそう言って私を見た。
「ふふふ。すごいでしょう? この間『顔にでやすい』って言われたから、ちょっと演技してみました!」
ついこのあいだのゲームで、ブラックさんに「お前は顔に出過ぎなんだよ!」と言われホワイトさんには「わかりやすいよね」と言われた。
だから、今日はがんばって演技してみたのだ。(すごく大変だった!)
「ったくなんだよ、こいつの下手な演技に騙されてんじゃねーよ、ジョーカー」
「ジョーカーだって気づかなかっただろう」
「俺は直接ゲームしてたわけじゃねぇ。名無しさんがいつもと違うなんてわかるわけないだろ」
やいやいと言い争っている彼ら。
そして、私はというと初めて一発でホワイトさんに勝てたことが嬉しくて舞い上がっていた。
「ホワイトさん、冬にして冬。ビバルディと一緒に雪まつりを見にいくの!」
らんらんと言う私に、負けて呆然としているホワイトさんは「あぁ、そうだね、冬か」と言いながら季節を変えてくれた。
「気をつけていっておいで、名無しさん」
「うん、どうもありがとう!!またね!!」
ジョーカーさんに見送られて、私はルンルンでその場を後にした。
トランプが投げ出された机に向かって、ぼんやりと座る道化師のジョーカー。
「……」
「ジョーカー。てめぇ、あんなにあっさり負けるとか、余裕ぶっこくのもほどがあるぞ」
「いや、なんか勝てなかったんだよね。なんでだろ?」
「はぁ?なんだそりゃ?」
「わかんないよ」
彼はそういうと、はーっとため息をついた。
「はぁ、せっかく名無しさんが久しぶりに来たのになぁ」
「お前がいじめ過ぎてるから、あんまり来ないんじゃねーの?」
「いじめてるのは君の方だろう、ジョーカー。口が悪すぎるよ」
「俺のせいにすんなよ」
「……」
「……」
「まぁ、たぶんすぐに来てくれるよ。冬は長くいる場所じゃないからね。来てくれなければ、実力行使でもいいわけだし」
「……監獄にご案内って? お前、ほんとにいい性格してるよな」
道化師ジョーカーの言葉に、仮面のジョーカーは呆れた声でそう言った。