真夏のティーパーティー!その2
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【4.スタンプラリー】
ドボンドボンとプールに落ちて行ったりんご。
スライダー下のプールにはたくさんのりんごがぷかぷかと浮いていて、なんていうかちょっと可愛かった。
そうのんびりと思っていたとき、りんごを転がした張本人のエースが声を上げた。
「あ、ユリウス~!」
手を振るエースの視線の先を見ると、ユリウスがいた。
彼は名前を呼ばれたことに深いため息をついたかと思うと、そのまま知らんぷりをして歩き出そうとする。
「え、無視!? ちょっと待ってくれよ!今そっちに行くから」
慌てて階段を降りようとするエースに、ゴーランドが「ここを滑っていきゃいーだろ?」とにやにや笑っているのが見える。
「えぇ?でも濡れるし、そうめんまみれになりそうじゃないか」「いーじゃねーか!夏だし!」とわーわー押し合いをしているエースとゴーランド。
あの2人、意外と仲良いのねぇなんて思ってしまう。
「なにをやっているんだか」
ユリウスがそれを見て呆れた声を出した。
「ユリウス! 遊園地にいるなんてどうしたの!?」
「仕事に決まっているだろう」
「わー偉い! お疲れ様です!っていうかユリウスがここにいるなんて、流しそうめんに匹敵するくらいの衝撃だよ、私にとっては!」
「流しそうめん?」
「そう。ここで流しそうめんしてたの」
スライダーを指さすと、彼はすべてを理解したらしい。
「こんな所で流しそうめんとは、イカレてるな。……この暑さで頭がやられたんじゃないか? 正気の沙汰じゃない」
「え、でもけっこう楽しいよ? ユリウスも食べていけば?」
「冗談じゃない。私は帰るんだ」
ユリウスがそう言った時、スライダーの上から階段で降りてきたゴーランドとエースが、わいわい言いながらやってきた。
「おい、時計屋!帰るならこいつも連れて帰ってくれ。営業妨害だ!」
「えー、なんでだよ。流しりんごも楽しかっただろ?」
「流しりんごっていうか完全に転がしりんごだったよね、雪崩のようだったよ」
「ははは!音がすごかったよなぁ。大量のりんごも結構迫力があって……」
「エース」
悪びれる様子もないエースをユリウスがたしなめた。
「お前、私の仕事の手伝いに来る予定だっただろう? 約束から8時間帯は過ぎているぞ」
「え、そうだった? まだ3時間帯くらいしか過ぎてないと思ってたぜ」
「はぁ……。もういいから行くぞ」
ユリウスの言葉にエースは私を振り返った。
「名無しさんも一緒に来れば?」
「え?」
「ここ暑いし、冬で涼んでいきなよ」
「涼むどころか凍えるんじゃないか?」
にこにこ笑うエースにユリウスが冷静なツッコミを入れる。
するとゴーランドが口を出した。
「おいおい、名無しさんは夏を満喫してるんだぜ。なぁ、名無しさん」
「う、うん。実は私スタンプラリーの途中なの」
ゴーランドの言葉にうなずきながら、台紙を取り出す私。
「お、あと2つか。その2つは結構難しい所にあるぜ? 頑張って全部探してくれよ」
台紙を覗き込んだゴーランドがにこにこ言うと、同じく覗き込んできたエースが言った。
「……スタンプラリーって、俺そう言えばここに来る途中で見たなぁ。なんか行き止まりになってる所にオレンジ色のスタンプが置いてあってさ、思わずほら、押してみたんだ」
そう言ってエースは懐からしわしわになった紙きれを取り出した。
確かにそこにはオレンジ色のスタンプが押してある。(ちなみにスタンプの絵はゴーランドデザインのぶさかわキャラだ)
「それ私がまだ押してないやつだ! どこにあったの!?」
「えー? だから、行き止まりになってて、なんかたくさん木が生えてる所」
だからそれはどこなんだ、と突っ込もうと思った時だった。
「そういえば、私も青いスタンプを見たぞ。入り口の脇にあったな」
「それもまだ押してない!」
その言葉に私は思わずびしぃっとユリウスを指さした。
「2人ともちょっとその場所教えて」
「いいけど、どこにあったかよくわからないんだよなぁ。適当に歩いてたらたどり着いたからさ」
「私は仕事があるから帰る。入り口の近くにあったから、あとは自分で探せ」
頭をかきながら思い出そうとするエース。
ユリウスはというとしれっとした表情。
「なんだよユリウス。ノリが悪いなぁ。せっかくだし一緒に探そうぜ」
「そうだよ。一緒に夏を楽しもう!」
「おー、そうだそうだ。たまには遊んでけ。時計屋」
エースと私とゴーランドでそう言うと、しばらく考え込んでいたユリウスも最後には深いため息をついてこう言った。
「はぁ、仕方ない。2つ押したら帰るぞ」
「わーい! ありがとうユリウス!」
喜ぶ私にエースもゴーランドも楽しそうに笑う。
ユリウスはそっぽを向いてしまったけれど、まぁいつものことなので気にしない。
「よし! じゃあさっそく探しに行こう!」
「あ、でもその前に俺も腹減ったから流しそうめん食べていっていい?」
「おー、食ってけ食ってけ! 時計屋も食ってけよ」
「そうだよ、ユリウス。楽しいしおいしいよ!」
テンションだだ上がりの私達に、ユリウスが「……勘弁してくれ」とつぶやいた。
ドボンドボンとプールに落ちて行ったりんご。
スライダー下のプールにはたくさんのりんごがぷかぷかと浮いていて、なんていうかちょっと可愛かった。
そうのんびりと思っていたとき、りんごを転がした張本人のエースが声を上げた。
「あ、ユリウス~!」
手を振るエースの視線の先を見ると、ユリウスがいた。
彼は名前を呼ばれたことに深いため息をついたかと思うと、そのまま知らんぷりをして歩き出そうとする。
「え、無視!? ちょっと待ってくれよ!今そっちに行くから」
慌てて階段を降りようとするエースに、ゴーランドが「ここを滑っていきゃいーだろ?」とにやにや笑っているのが見える。
「えぇ?でも濡れるし、そうめんまみれになりそうじゃないか」「いーじゃねーか!夏だし!」とわーわー押し合いをしているエースとゴーランド。
あの2人、意外と仲良いのねぇなんて思ってしまう。
「なにをやっているんだか」
ユリウスがそれを見て呆れた声を出した。
「ユリウス! 遊園地にいるなんてどうしたの!?」
「仕事に決まっているだろう」
「わー偉い! お疲れ様です!っていうかユリウスがここにいるなんて、流しそうめんに匹敵するくらいの衝撃だよ、私にとっては!」
「流しそうめん?」
「そう。ここで流しそうめんしてたの」
スライダーを指さすと、彼はすべてを理解したらしい。
「こんな所で流しそうめんとは、イカレてるな。……この暑さで頭がやられたんじゃないか? 正気の沙汰じゃない」
「え、でもけっこう楽しいよ? ユリウスも食べていけば?」
「冗談じゃない。私は帰るんだ」
ユリウスがそう言った時、スライダーの上から階段で降りてきたゴーランドとエースが、わいわい言いながらやってきた。
「おい、時計屋!帰るならこいつも連れて帰ってくれ。営業妨害だ!」
「えー、なんでだよ。流しりんごも楽しかっただろ?」
「流しりんごっていうか完全に転がしりんごだったよね、雪崩のようだったよ」
「ははは!音がすごかったよなぁ。大量のりんごも結構迫力があって……」
「エース」
悪びれる様子もないエースをユリウスがたしなめた。
「お前、私の仕事の手伝いに来る予定だっただろう? 約束から8時間帯は過ぎているぞ」
「え、そうだった? まだ3時間帯くらいしか過ぎてないと思ってたぜ」
「はぁ……。もういいから行くぞ」
ユリウスの言葉にエースは私を振り返った。
「名無しさんも一緒に来れば?」
「え?」
「ここ暑いし、冬で涼んでいきなよ」
「涼むどころか凍えるんじゃないか?」
にこにこ笑うエースにユリウスが冷静なツッコミを入れる。
するとゴーランドが口を出した。
「おいおい、名無しさんは夏を満喫してるんだぜ。なぁ、名無しさん」
「う、うん。実は私スタンプラリーの途中なの」
ゴーランドの言葉にうなずきながら、台紙を取り出す私。
「お、あと2つか。その2つは結構難しい所にあるぜ? 頑張って全部探してくれよ」
台紙を覗き込んだゴーランドがにこにこ言うと、同じく覗き込んできたエースが言った。
「……スタンプラリーって、俺そう言えばここに来る途中で見たなぁ。なんか行き止まりになってる所にオレンジ色のスタンプが置いてあってさ、思わずほら、押してみたんだ」
そう言ってエースは懐からしわしわになった紙きれを取り出した。
確かにそこにはオレンジ色のスタンプが押してある。(ちなみにスタンプの絵はゴーランドデザインのぶさかわキャラだ)
「それ私がまだ押してないやつだ! どこにあったの!?」
「えー? だから、行き止まりになってて、なんかたくさん木が生えてる所」
だからそれはどこなんだ、と突っ込もうと思った時だった。
「そういえば、私も青いスタンプを見たぞ。入り口の脇にあったな」
「それもまだ押してない!」
その言葉に私は思わずびしぃっとユリウスを指さした。
「2人ともちょっとその場所教えて」
「いいけど、どこにあったかよくわからないんだよなぁ。適当に歩いてたらたどり着いたからさ」
「私は仕事があるから帰る。入り口の近くにあったから、あとは自分で探せ」
頭をかきながら思い出そうとするエース。
ユリウスはというとしれっとした表情。
「なんだよユリウス。ノリが悪いなぁ。せっかくだし一緒に探そうぜ」
「そうだよ。一緒に夏を楽しもう!」
「おー、そうだそうだ。たまには遊んでけ。時計屋」
エースと私とゴーランドでそう言うと、しばらく考え込んでいたユリウスも最後には深いため息をついてこう言った。
「はぁ、仕方ない。2つ押したら帰るぞ」
「わーい! ありがとうユリウス!」
喜ぶ私にエースもゴーランドも楽しそうに笑う。
ユリウスはそっぽを向いてしまったけれど、まぁいつものことなので気にしない。
「よし! じゃあさっそく探しに行こう!」
「あ、でもその前に俺も腹減ったから流しそうめん食べていっていい?」
「おー、食ってけ食ってけ! 時計屋も食ってけよ」
「そうだよ、ユリウス。楽しいしおいしいよ!」
テンションだだ上がりの私達に、ユリウスが「……勘弁してくれ」とつぶやいた。