真夏のティーパーティー!
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【なんかちがう】
私と双子の攻防が繰り広げられている食堂。
私より絶対に年下だと思うんだけど、彼らの色っぽさはなんなのか。
「名無しさんのことが大好きだよ」
「僕達だけの名無しさんになって」
それはそれはドキドキするような声でささやいて、耳元やら首筋やらにキスをしてきた。
何ですかこの状況。
食堂の掃除をしていたらやってきた双子。
始めはわいわいと話をしていただけだったのに、気づいたら彼らに追い詰められていた。
頭が真っ白になりそうなのを、なんとか奮い立たせる。
「ちょっと……!!」
私はくっついてくる双子をぎゅうぎゅうと押し返す。
しかし彼らは知らん顔。
ふふん、というような笑みを浮かべてちらりと私を見る。でも知らん顔。
これはもう殴ってでも逃げるしかない!
そう思った時だった。
食堂のドアが突然開いた。
そしてつかつかと入ってきた人物。
「にんじんアイス~! このために仕事を頑張ったようなもんだぜ」
そう独り言を言いながらルンルンでやってきたのは、エリオットだった。
「……」
「……」
「……」
思わず無言でエリオットの様子を見つめる私と双子。
冷蔵庫の前にたどり着いた彼は、そこでやっと私たちの視線に気づいたらしい。
ふっとこちらを見た。
「……ん?」
「…………」
見つめあうエリオットと私たち。
双子に両腕を取られている私は、この状況を見られたことが気まずくて仕方なかったが、彼は首を傾げてこう言った。
「……何してんだ、お前たち。けんか?」
すっとぼけた言葉に思わずがくりと力が抜ける。
そんな私を見て、エリオットは不思議そうな顔をしながら冷蔵庫に向き直り、『にんじんアイス』とやらを取り出す。
そして一言。
「食うか?」
にんじんアイスを加えながら、私たちの分を取り出しひらひらと振って見せる。
すると双子がふかーいため息をついた。
「これだから脳の足りないウサギは嫌だよね」
「ほんとほんと。空気を読むってことができないよね。馬鹿ウサギだから」
ぶつぶつと言っているが、アイスに夢中なのかエリオットには聞こえていないらしい。
「いらねぇならしまっとくぞ」
そう言って彼はアイスをしまう。
「さっさと出て行ってよ、ひよこウサギ」
「僕達いいところだったんだから、邪魔するな」
「いいところじゃないわよ!」
思いっきり否定をしておく。
「エリオット!この子たち、またサボってるの! しかも私の仕事の邪魔までするの!」
私がそう言った瞬間、エリオットの耳がぴくりと動いた。
「……マジで?」
そう言った彼の顔はアイスを食べてご機嫌だった人とは思えないくらい怖かった。
「お前ら仕事をサボったうえに、名無しさんの邪魔までしやがるってどうことだ?」
「サボってないよ! 休憩してるんだ!」
「そうだそうだ。名無しさんと一緒に休憩してたんだよ、馬鹿ウサギ」
あんなの休憩じゃない。
そう言おうと思った時には、すでにエリオットが2人をガシリと捕まえていた。
首根っこを掴まれてわぁわぁと騒ぐ双子たち。
「痛いな! 放せよひよこウサギ!」
「児童虐待だ!」
「うるせぇ、給料泥棒め」
アイスの棒をくわたままエリオットはそう言うと、ちらりと私をみた。
「ごめんな、名無しさん。こいつらが迷惑かけたぜ」
「いやいや、助かりました。本当に」
私がそう言うと、エリオットがさらりと言った。
「あんた、気を付けないとそのうちマジで食われるぞ」
「は?」
言葉を失う私に、エリオットは双子に説教を始めていた。
「大体お前ら馬鹿か。もっと場所ってもん考えろよ。んっとにこれだからガキはダメなんだよ」
「うるさいなー! お前が入って来なければよかったんだよ」
「俺が来なくたって、他の奴らが来るかもしれねーだろ」
「来ないよ。普通は遠慮するもんなんだよ、馬鹿ウサギ。空気を読めよ」
「なんだと!?」
ぎゃーぎゃーいいながら食堂を出て行った彼ら。
なんかちがう。
なんかズレてる。あの人たち。
……なんだかもうこんな変な生活に慣れてきてしまっていいのかしら。
私は深いため息をついた。
私と双子の攻防が繰り広げられている食堂。
私より絶対に年下だと思うんだけど、彼らの色っぽさはなんなのか。
「名無しさんのことが大好きだよ」
「僕達だけの名無しさんになって」
それはそれはドキドキするような声でささやいて、耳元やら首筋やらにキスをしてきた。
何ですかこの状況。
食堂の掃除をしていたらやってきた双子。
始めはわいわいと話をしていただけだったのに、気づいたら彼らに追い詰められていた。
頭が真っ白になりそうなのを、なんとか奮い立たせる。
「ちょっと……!!」
私はくっついてくる双子をぎゅうぎゅうと押し返す。
しかし彼らは知らん顔。
ふふん、というような笑みを浮かべてちらりと私を見る。でも知らん顔。
これはもう殴ってでも逃げるしかない!
そう思った時だった。
食堂のドアが突然開いた。
そしてつかつかと入ってきた人物。
「にんじんアイス~! このために仕事を頑張ったようなもんだぜ」
そう独り言を言いながらルンルンでやってきたのは、エリオットだった。
「……」
「……」
「……」
思わず無言でエリオットの様子を見つめる私と双子。
冷蔵庫の前にたどり着いた彼は、そこでやっと私たちの視線に気づいたらしい。
ふっとこちらを見た。
「……ん?」
「…………」
見つめあうエリオットと私たち。
双子に両腕を取られている私は、この状況を見られたことが気まずくて仕方なかったが、彼は首を傾げてこう言った。
「……何してんだ、お前たち。けんか?」
すっとぼけた言葉に思わずがくりと力が抜ける。
そんな私を見て、エリオットは不思議そうな顔をしながら冷蔵庫に向き直り、『にんじんアイス』とやらを取り出す。
そして一言。
「食うか?」
にんじんアイスを加えながら、私たちの分を取り出しひらひらと振って見せる。
すると双子がふかーいため息をついた。
「これだから脳の足りないウサギは嫌だよね」
「ほんとほんと。空気を読むってことができないよね。馬鹿ウサギだから」
ぶつぶつと言っているが、アイスに夢中なのかエリオットには聞こえていないらしい。
「いらねぇならしまっとくぞ」
そう言って彼はアイスをしまう。
「さっさと出て行ってよ、ひよこウサギ」
「僕達いいところだったんだから、邪魔するな」
「いいところじゃないわよ!」
思いっきり否定をしておく。
「エリオット!この子たち、またサボってるの! しかも私の仕事の邪魔までするの!」
私がそう言った瞬間、エリオットの耳がぴくりと動いた。
「……マジで?」
そう言った彼の顔はアイスを食べてご機嫌だった人とは思えないくらい怖かった。
「お前ら仕事をサボったうえに、名無しさんの邪魔までしやがるってどうことだ?」
「サボってないよ! 休憩してるんだ!」
「そうだそうだ。名無しさんと一緒に休憩してたんだよ、馬鹿ウサギ」
あんなの休憩じゃない。
そう言おうと思った時には、すでにエリオットが2人をガシリと捕まえていた。
首根っこを掴まれてわぁわぁと騒ぐ双子たち。
「痛いな! 放せよひよこウサギ!」
「児童虐待だ!」
「うるせぇ、給料泥棒め」
アイスの棒をくわたままエリオットはそう言うと、ちらりと私をみた。
「ごめんな、名無しさん。こいつらが迷惑かけたぜ」
「いやいや、助かりました。本当に」
私がそう言うと、エリオットがさらりと言った。
「あんた、気を付けないとそのうちマジで食われるぞ」
「は?」
言葉を失う私に、エリオットは双子に説教を始めていた。
「大体お前ら馬鹿か。もっと場所ってもん考えろよ。んっとにこれだからガキはダメなんだよ」
「うるさいなー! お前が入って来なければよかったんだよ」
「俺が来なくたって、他の奴らが来るかもしれねーだろ」
「来ないよ。普通は遠慮するもんなんだよ、馬鹿ウサギ。空気を読めよ」
「なんだと!?」
ぎゃーぎゃーいいながら食堂を出て行った彼ら。
なんかちがう。
なんかズレてる。あの人たち。
……なんだかもうこんな変な生活に慣れてきてしまっていいのかしら。
私は深いため息をついた。
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