真夏のティーパーティー!
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【おまけ2 ナイトメア】
帰る支度をしていたら、またもや予想外のお客様がやってきました。
クローバーの塔で一番偉い(らしい)ナイトメア。
「やぁ、名無しさんにアリス」
ドアを開けると彼はご機嫌で入ってきた。顔色もよく元気そうだ。
「君たちが旅行中だという話を聞いたものだからね、様子を見に来たんだ」
「そうなんだ。でも私達これから帰るんだけど」
「え?」
私の言葉に、笑顔で固まったナイトメア。
「うん。今帰る支度をしてるのよ」
「帰る支度……」
アリスの追い打ちに、彼は崩れ落ちた。
「せっかく私も名無しさん達と一緒に泊まろうと思って来たのに、帰るのか?もう帰るのか!?」
「だって元から5時間帯の予定だったしねぇ?」
「うん。っていうかナイトメアは一緒に泊まるつもりだったのね」
ナイトメアの言葉に私もアリスも苦笑いすることしかできない。
すると彼は悪びれずにこう言った。
「当り前だろう!君たち女性が2人だけで5時間帯も寝泊りするなんて危険じゃないか!私がボディガードとしてだな……」
「……ボディガード……?」
私とアリスは思わず顔を見合わせる。
「な、なんだ? なにか言いたそうだな?」
「だって、ナイトメアがボディガードだなんてねぇ?」
「ちょっと頼りないわよねぇ」
「ひ、ひどい!ひどいぞ!君たちは私の凄さを知らないな!?」
くすくす笑う私達にナイトメアが身を乗り出してきたけれど、女の子の発想というものは常に先へ先へと進んでいく。
「どうせボディガードでくるならグレイのがいいわよね」
「あー!いいねいいね!そうしたらもう毎日ごちそう作っちゃうよね!!」
「でもグレイが来たら緊張してどうしようもないかもしれないわ」
「ボディガードにときめいちゃうとか乙女展開だよねー!」
「憧れるわね~!」
いつのまにかグレイの話題で盛り上がりだした私達に、ナイトメアはがくりと肩を落とした。
「遠路はるばるやってきたというのに、その仕打ち……寂しい。私は寂しいぞ!!」
「別に来てくれなんて頼んでないでしょう。大体あなた仕事はどうしたの?」
いじけるナイトメアにアリスがばっさりと切り込んでいく。そしてそれはかなり痛い所をついたらしい。
「し、仕事よりも君たち2人の安全確認の方が大切だろう……!!」
「つまりサボってきたってわけよね?」
攻撃の手を緩めないアリスに、ナイトメアは言葉を詰まらせる。
「うぅ……なんだか気分が急に悪くなってきた」
「ちょっと! ここで吐血するのはやめてよね!」
「やだやだ! 絶対にやだ! やめてね!? スプラッターはお断り!!」
「ひどい……君たちは心配するとか、いたわるという気持ちがないのか」
ナイトメアの吐血は日常茶飯事だから今さら心配するという感じはない。(本当はかなり心配するべきなんだろうけど)
それはアリスも同じようだった。
「心配してほしいなら、ちゃんと自分を大切にしないとダメでしょう」
アリスの言いたいことはよくわかる。
ナイトメアの場合、まずは病院へ行って治療を受けることが自分を大切にするということなのだ。
「どうせ仕事をサボるなら、まずは病院に行ってきた方がいいと思うけど」
「嫌だ! 私は病院になんて絶対に行かないぞ!! いくら名無しさんに言われたとしても行かない!!」
力強く否定するナイトメアに私は思わずため息をつく。
するとアリスが人差し指を頬に当てながら、考え込むように言う。
「でも病院に行ったという理由なら、仕事をサボったってグレイは怒らないんじゃない? むしろ褒めてくれるかも」
「うわあ、いいなぁ。グレイに褒められたーい」
「グレイに褒められるなら毎日病院にいくわよね~」
完全にグレイファンと化した私達はきゃっきゃと盛り上がる。
その隣で「ま、まいにちびょういん……」と急激に顔色が悪くなるナイトメア。
あぁ、これはふざけている場合じゃない。
彼の様子を見たアリスは慌ててビニール袋を彼に持たせ、私はコップに水を入れて持ってくる。
「だいたい、体が弱いのにわざわざここに来るのが間違いなのよ」
ナイトメアの背中をさすりながらアリスが言う。
「私だってたまにはのんびり旅行をしたかったんだ」
「仕事が終わったら行けばいいでしょう?」
「嫌だ。仕事が終わる頃には君たちの旅行も終わってしまうだろう!?」
「それはそうだけど……」
ナイトメアの剣幕にアリスは押され気味(というか呆れ気味)。
ほんとに世話の焼ける人だなぁと、彼らのやりとりを見ながら思う私。
私達はたまにナイトメアに会う程度だからいいけど、これが日常だとかなり大変だ。(グレイはすごいなぁ)
「……ほんと、手がかかるよねぇ」
そう言いながら思わず笑ってしまった。
すると、アリスも笑い出す。
くすくすと笑う私達を訝しげに見るナイトメア。
「な、なんだ?」
口を尖らせる彼に、私とアリスは顔を見合わせると再び笑ってしまった。
なんだかんだナイトメアは憎めない人なのだ。
ついつい面倒を見てあげたくなる。
いじめたくなるけど、その後ちゃんと「よしよし」としたくなる。
「仕事をがんばって終わらせて、体が元気だったら一緒に旅行に行こうよ」
「ほ、本当か!?」
「うん。私はいいよ。ね?アリス」
「そうね。ちゃんと仕事して吐血しなければね」
アリスもにっこりと頷く。
それを見て、ナイトメアが急に元気になった。
「よし、それならばがんばって仕事を終わらせよう。私が本気になればあんな仕事くらいあっという間に終わる」
「うん。期待してるね」
「体調を整えるためにも、今のうちに病院に行っておいた方がいいかもね?」
「う……そ、それも考えておこう」
ご褒美作戦がどうやら彼には効果的らしい。(小さい子どもみたい)
私とアリスは視線を交わしてそっと笑う。
素直と言うか子どもっぽいというか……。でもそこが彼の良い所でもある。
「この人の面倒を見てあげなくちゃ」と思わせることができるのは、心を読むという能力以上に彼の武器なんだろうな。
そんな自分の魅力にたぶん本人は気づいてないけど、そこもまた可愛い……かもしれない。
帰る支度をしていたら、またもや予想外のお客様がやってきました。
クローバーの塔で一番偉い(らしい)ナイトメア。
「やぁ、名無しさんにアリス」
ドアを開けると彼はご機嫌で入ってきた。顔色もよく元気そうだ。
「君たちが旅行中だという話を聞いたものだからね、様子を見に来たんだ」
「そうなんだ。でも私達これから帰るんだけど」
「え?」
私の言葉に、笑顔で固まったナイトメア。
「うん。今帰る支度をしてるのよ」
「帰る支度……」
アリスの追い打ちに、彼は崩れ落ちた。
「せっかく私も名無しさん達と一緒に泊まろうと思って来たのに、帰るのか?もう帰るのか!?」
「だって元から5時間帯の予定だったしねぇ?」
「うん。っていうかナイトメアは一緒に泊まるつもりだったのね」
ナイトメアの言葉に私もアリスも苦笑いすることしかできない。
すると彼は悪びれずにこう言った。
「当り前だろう!君たち女性が2人だけで5時間帯も寝泊りするなんて危険じゃないか!私がボディガードとしてだな……」
「……ボディガード……?」
私とアリスは思わず顔を見合わせる。
「な、なんだ? なにか言いたそうだな?」
「だって、ナイトメアがボディガードだなんてねぇ?」
「ちょっと頼りないわよねぇ」
「ひ、ひどい!ひどいぞ!君たちは私の凄さを知らないな!?」
くすくす笑う私達にナイトメアが身を乗り出してきたけれど、女の子の発想というものは常に先へ先へと進んでいく。
「どうせボディガードでくるならグレイのがいいわよね」
「あー!いいねいいね!そうしたらもう毎日ごちそう作っちゃうよね!!」
「でもグレイが来たら緊張してどうしようもないかもしれないわ」
「ボディガードにときめいちゃうとか乙女展開だよねー!」
「憧れるわね~!」
いつのまにかグレイの話題で盛り上がりだした私達に、ナイトメアはがくりと肩を落とした。
「遠路はるばるやってきたというのに、その仕打ち……寂しい。私は寂しいぞ!!」
「別に来てくれなんて頼んでないでしょう。大体あなた仕事はどうしたの?」
いじけるナイトメアにアリスがばっさりと切り込んでいく。そしてそれはかなり痛い所をついたらしい。
「し、仕事よりも君たち2人の安全確認の方が大切だろう……!!」
「つまりサボってきたってわけよね?」
攻撃の手を緩めないアリスに、ナイトメアは言葉を詰まらせる。
「うぅ……なんだか気分が急に悪くなってきた」
「ちょっと! ここで吐血するのはやめてよね!」
「やだやだ! 絶対にやだ! やめてね!? スプラッターはお断り!!」
「ひどい……君たちは心配するとか、いたわるという気持ちがないのか」
ナイトメアの吐血は日常茶飯事だから今さら心配するという感じはない。(本当はかなり心配するべきなんだろうけど)
それはアリスも同じようだった。
「心配してほしいなら、ちゃんと自分を大切にしないとダメでしょう」
アリスの言いたいことはよくわかる。
ナイトメアの場合、まずは病院へ行って治療を受けることが自分を大切にするということなのだ。
「どうせ仕事をサボるなら、まずは病院に行ってきた方がいいと思うけど」
「嫌だ! 私は病院になんて絶対に行かないぞ!! いくら名無しさんに言われたとしても行かない!!」
力強く否定するナイトメアに私は思わずため息をつく。
するとアリスが人差し指を頬に当てながら、考え込むように言う。
「でも病院に行ったという理由なら、仕事をサボったってグレイは怒らないんじゃない? むしろ褒めてくれるかも」
「うわあ、いいなぁ。グレイに褒められたーい」
「グレイに褒められるなら毎日病院にいくわよね~」
完全にグレイファンと化した私達はきゃっきゃと盛り上がる。
その隣で「ま、まいにちびょういん……」と急激に顔色が悪くなるナイトメア。
あぁ、これはふざけている場合じゃない。
彼の様子を見たアリスは慌ててビニール袋を彼に持たせ、私はコップに水を入れて持ってくる。
「だいたい、体が弱いのにわざわざここに来るのが間違いなのよ」
ナイトメアの背中をさすりながらアリスが言う。
「私だってたまにはのんびり旅行をしたかったんだ」
「仕事が終わったら行けばいいでしょう?」
「嫌だ。仕事が終わる頃には君たちの旅行も終わってしまうだろう!?」
「それはそうだけど……」
ナイトメアの剣幕にアリスは押され気味(というか呆れ気味)。
ほんとに世話の焼ける人だなぁと、彼らのやりとりを見ながら思う私。
私達はたまにナイトメアに会う程度だからいいけど、これが日常だとかなり大変だ。(グレイはすごいなぁ)
「……ほんと、手がかかるよねぇ」
そう言いながら思わず笑ってしまった。
すると、アリスも笑い出す。
くすくすと笑う私達を訝しげに見るナイトメア。
「な、なんだ?」
口を尖らせる彼に、私とアリスは顔を見合わせると再び笑ってしまった。
なんだかんだナイトメアは憎めない人なのだ。
ついつい面倒を見てあげたくなる。
いじめたくなるけど、その後ちゃんと「よしよし」としたくなる。
「仕事をがんばって終わらせて、体が元気だったら一緒に旅行に行こうよ」
「ほ、本当か!?」
「うん。私はいいよ。ね?アリス」
「そうね。ちゃんと仕事して吐血しなければね」
アリスもにっこりと頷く。
それを見て、ナイトメアが急に元気になった。
「よし、それならばがんばって仕事を終わらせよう。私が本気になればあんな仕事くらいあっという間に終わる」
「うん。期待してるね」
「体調を整えるためにも、今のうちに病院に行っておいた方がいいかもね?」
「う……そ、それも考えておこう」
ご褒美作戦がどうやら彼には効果的らしい。(小さい子どもみたい)
私とアリスは視線を交わしてそっと笑う。
素直と言うか子どもっぽいというか……。でもそこが彼の良い所でもある。
「この人の面倒を見てあげなくちゃ」と思わせることができるのは、心を読むという能力以上に彼の武器なんだろうな。
そんな自分の魅力にたぶん本人は気づいてないけど、そこもまた可愛い……かもしれない。