真夏のティーパーティー!
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【隠しきれない気持ち】
帽子屋屋敷の廊下で双子にばったり出くわした。
彼らは私を見つけるとにこにこと笑って駆け寄ってくる。
長い髪を束ねたディーと、赤いピンで前髪を止めたダム。
「ねぇ名無しさん。僕らこれから遊びに行くんだ。一緒に行かない?」
「今日は街へ行こうと思ってるんだよ」
「行かない」
双子の誘いに、私は首を振った。
「えぇ!? どうして? 僕らと一緒にあそぼうよ」
「僕らのこと、嫌いになっちゃったの??」
彼らはそう言って、すがりつくように私の腕を取る。
「えぇとね、まず大人姿のあなた達だから行きたくないっていうのと、あなた達と街へ行ってもろくなことがないっていうのが理由かな」
そう、そうなのだ。
彼らは今大人の姿になっている。
スーツにネクタイ。声も低いし、背も高い。
そんな彼らが私にすがりつくように腕を掴んでいるのだ。(放してほしい)
「大人の僕らだと遊んでくれないの?」
「どうして? 子どもの方が好きなの?」
「子どもの方が好きなの」
きっぱりと答える私に彼らは動揺しているらしい。
2人は顔を見合わせて、ぶつぶつと相談を始める。
「名無しさんが子どもの方がいいなら別にいいけど、今日は大人で遊びたい気分だったんだよね」
「うん。大人じゃないとできないこととかあるしね」
「そうだよね、それに僕らが大人になれば名無しさんが小さくてかわいくなるもんね」
「ぎゅっと抱きしめると名無しさんってば埋もれちゃうもんね、あれが可愛いよ」
「そうだね、それから名無しさんの方が小さいってことは……」
「あーもう!!ストップストップ!!」
いつのまにか私の話題で盛り上がり始めた2人を慌てて止める。
「あのね、大人のあなた達じゃなくて子どものあなた達と一緒にいたいの!」
そうじゃないと耐えられないのだ。
大人のこの子たちがツボすぎて、一緒にいたらたぶん私はどうにかなってしまう。(でもそんなこと言えるはずもない)
それに、大人のくせにスキンシップの仕方が子どもの時と変わらないというのがとても困る。
大人だと限りなくアウトに近いことも平気でしてくるのだ。
でも、一番困ることはアウトに近いことをされても嫌じゃないという私。
あぁ、もうダメだわ。
完全にこの子たちにやられている。
「どうして? どうしてそんなに大人の僕らが嫌なの?」
ディーが悲しそうに言って私の顔を覗きこんでくる。
青い瞳にぐらりと来た。(あぁ、私って……)
やめてほしい。思わず顔を逸らすがディーは心配そうにまだ私を見ている。
そんな私の様子に、ダムが「あ~、もしかして」と含み笑いをした。
「兄弟、名無しさんは照れているんじゃないかな?」
「!」
「照れている?」
ダムの言葉に私はびくりとし、ディーが首を傾げる。
「名無しさん、こっちを向いてよ」
そう言いながら、ダムは私の顎を取ると、顔を寄せてじぃっと見つめてくる。
この距離で、その目で、私の好きな顔で、そんなに見つめないでほしい。
動揺したらばれてしまう。きっと私の気持ちに気づかれてしまう。
落ち着け私!と思うけれど、こればかりはどうしようもない。
顔中が熱く、ドクドクと心臓の音が聞こえてくる。
そんな私の心のうちを完全に理解したらしい。
意味深な笑みを浮かべて「ふふ、可愛いな」と言うダム。
くっ! こいつめ。どこでそういうやり方を覚えてきたんだろう。
「名無しさんってば顔が真っ赤だよ?」
ディーが横から私を覗き込んでそう言った。
「つまりそういうことだよね。名無しさん?」
ふふふと笑うダムに、ディーもすべてを理解したらしい。
「あぁ、そういうことか。良かった。安心したよ」
「嫌われてないなら安心だよね、兄弟」
彼らはそう言って笑いあうと、すっと私に視線を移した。
あぁ、もうだめだ。
その目に囚われたらもう抜け出せない。
「名無しさん、僕らは名無しさんのことが大好きだよ」
「うん。だから照れる必要なんてないよ。まぁ照れてる名無しさんも可愛いけどね」
ディーとダムは私の頬に触れながらそんなことを言う。
離れてもらわないと、私の心臓がもたない。
「……だから子どもの方がいいのに」
一緒にいて純粋に可愛いなぁと思える子どもの姿の彼らの方がいい。
「わがままはダメだよ、名無しさん」
「今日の僕らは大人なんだからね」
「そうそう、子どもは大人の言うことをちゃんと聞かないとダメだよ」
「……」
やたらと妖艶に言い聞かせられた私は、もう反論することすらできなかった。
この子たちは自分の武器を知っているわ。(そしてまんまとやられる私……)
「ふふ。いい子だね、名無しさん」
「いい子にはご褒美をあげなくちゃね」
いい子にはご褒美を。
大人の常套手段も、彼らが口にするとなんだか身構えてしまうけれど。
「名無しさんのこと好きだから、特別のご褒美をあげるね」
「だからずっと一緒にいてね」
そんなことを言って頬に唇を寄せる彼ら。
子どもの時と同じ優しいキスに、なんだかちょっと安心してしまった。
大人でも子どもでも、やっぱり私は彼らが好きらしい。
帽子屋屋敷の廊下で双子にばったり出くわした。
彼らは私を見つけるとにこにこと笑って駆け寄ってくる。
長い髪を束ねたディーと、赤いピンで前髪を止めたダム。
「ねぇ名無しさん。僕らこれから遊びに行くんだ。一緒に行かない?」
「今日は街へ行こうと思ってるんだよ」
「行かない」
双子の誘いに、私は首を振った。
「えぇ!? どうして? 僕らと一緒にあそぼうよ」
「僕らのこと、嫌いになっちゃったの??」
彼らはそう言って、すがりつくように私の腕を取る。
「えぇとね、まず大人姿のあなた達だから行きたくないっていうのと、あなた達と街へ行ってもろくなことがないっていうのが理由かな」
そう、そうなのだ。
彼らは今大人の姿になっている。
スーツにネクタイ。声も低いし、背も高い。
そんな彼らが私にすがりつくように腕を掴んでいるのだ。(放してほしい)
「大人の僕らだと遊んでくれないの?」
「どうして? 子どもの方が好きなの?」
「子どもの方が好きなの」
きっぱりと答える私に彼らは動揺しているらしい。
2人は顔を見合わせて、ぶつぶつと相談を始める。
「名無しさんが子どもの方がいいなら別にいいけど、今日は大人で遊びたい気分だったんだよね」
「うん。大人じゃないとできないこととかあるしね」
「そうだよね、それに僕らが大人になれば名無しさんが小さくてかわいくなるもんね」
「ぎゅっと抱きしめると名無しさんってば埋もれちゃうもんね、あれが可愛いよ」
「そうだね、それから名無しさんの方が小さいってことは……」
「あーもう!!ストップストップ!!」
いつのまにか私の話題で盛り上がり始めた2人を慌てて止める。
「あのね、大人のあなた達じゃなくて子どものあなた達と一緒にいたいの!」
そうじゃないと耐えられないのだ。
大人のこの子たちがツボすぎて、一緒にいたらたぶん私はどうにかなってしまう。(でもそんなこと言えるはずもない)
それに、大人のくせにスキンシップの仕方が子どもの時と変わらないというのがとても困る。
大人だと限りなくアウトに近いことも平気でしてくるのだ。
でも、一番困ることはアウトに近いことをされても嫌じゃないという私。
あぁ、もうダメだわ。
完全にこの子たちにやられている。
「どうして? どうしてそんなに大人の僕らが嫌なの?」
ディーが悲しそうに言って私の顔を覗きこんでくる。
青い瞳にぐらりと来た。(あぁ、私って……)
やめてほしい。思わず顔を逸らすがディーは心配そうにまだ私を見ている。
そんな私の様子に、ダムが「あ~、もしかして」と含み笑いをした。
「兄弟、名無しさんは照れているんじゃないかな?」
「!」
「照れている?」
ダムの言葉に私はびくりとし、ディーが首を傾げる。
「名無しさん、こっちを向いてよ」
そう言いながら、ダムは私の顎を取ると、顔を寄せてじぃっと見つめてくる。
この距離で、その目で、私の好きな顔で、そんなに見つめないでほしい。
動揺したらばれてしまう。きっと私の気持ちに気づかれてしまう。
落ち着け私!と思うけれど、こればかりはどうしようもない。
顔中が熱く、ドクドクと心臓の音が聞こえてくる。
そんな私の心のうちを完全に理解したらしい。
意味深な笑みを浮かべて「ふふ、可愛いな」と言うダム。
くっ! こいつめ。どこでそういうやり方を覚えてきたんだろう。
「名無しさんってば顔が真っ赤だよ?」
ディーが横から私を覗き込んでそう言った。
「つまりそういうことだよね。名無しさん?」
ふふふと笑うダムに、ディーもすべてを理解したらしい。
「あぁ、そういうことか。良かった。安心したよ」
「嫌われてないなら安心だよね、兄弟」
彼らはそう言って笑いあうと、すっと私に視線を移した。
あぁ、もうだめだ。
その目に囚われたらもう抜け出せない。
「名無しさん、僕らは名無しさんのことが大好きだよ」
「うん。だから照れる必要なんてないよ。まぁ照れてる名無しさんも可愛いけどね」
ディーとダムは私の頬に触れながらそんなことを言う。
離れてもらわないと、私の心臓がもたない。
「……だから子どもの方がいいのに」
一緒にいて純粋に可愛いなぁと思える子どもの姿の彼らの方がいい。
「わがままはダメだよ、名無しさん」
「今日の僕らは大人なんだからね」
「そうそう、子どもは大人の言うことをちゃんと聞かないとダメだよ」
「……」
やたらと妖艶に言い聞かせられた私は、もう反論することすらできなかった。
この子たちは自分の武器を知っているわ。(そしてまんまとやられる私……)
「ふふ。いい子だね、名無しさん」
「いい子にはご褒美をあげなくちゃね」
いい子にはご褒美を。
大人の常套手段も、彼らが口にするとなんだか身構えてしまうけれど。
「名無しさんのこと好きだから、特別のご褒美をあげるね」
「だからずっと一緒にいてね」
そんなことを言って頬に唇を寄せる彼ら。
子どもの時と同じ優しいキスに、なんだかちょっと安心してしまった。
大人でも子どもでも、やっぱり私は彼らが好きらしい。