真夏のティーパーティー!
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【中日のお客様】
アリスとの女子旅3時間帯目。
前の時間帯にはボリスが突然やってきたが、その後はわりと平和に過ごしていた私とアリス。
それぞれ読書をしたり、お菓子を焼いたり、2人で近くを散歩したりとのんびり過ごしていた。
そして、今アリスは私のすぐ隣のソファでお昼寝をしている。
読書をしていてそのまま眠ってしまったらしい。
「か、可愛い……!」
眠る彼女はそれはもう可愛いお人形さんのようだった。
しばらくじっと観察していたが、はっと我に返る。
いけないいけない!
これじゃあペーターさんと同じストーカーじゃないですか。
私は自分の危険な思考に苦笑して立ち上がる。
ごはんの支度でもしておこうかなぁ、と思った時だった。
コンコンという音がする。
「?」
不思議に思って辺りを見回すと、部屋の窓の1つが小さく揺れていることに気づいた。
「な、なに?」
ドキリとしつつ近づいてみると、もう一度コンコンと言う音と共に窓が揺れた。
そして、窓の外に2つの影。
なんとなく赤と青に見えるような……。
「まさかね……」
おそるおそる窓をあけると、目の前にぱぁっと見知った顔が現れた。
「名無しさん!」
「やっと見つけたよー!!」
きゃっきゃと楽しそうな声と明るい笑顔。
そこにはディーとダムがにこにこと立っていた。
「ディー! ダム!?」
驚きすぎて名前を呼ぶことしかできない私に、彼らは相変わらずの弾丸トークを開始する。
「久しぶりだねー名無しさん! 会えて嬉しいよ!!」
「うんうん、僕ら、すっごく探したんだよ。名無しさんってば行き先を教えてくれないんだもん」
「やっぱり持つべきものは友達だよね、兄弟」
「そうだね、ボリスがいなかったら僕ら途方にくれていたね!」
「え、ボリス!?」
つい先日やってきた彼の名前に反応する私。
すると、双子は口を尖らせた。
「ずるいよ名無しさん。ボリスにはご飯食べさせてあげたんだって?」
「僕らがボリスの話を聞いてどんなに悲しかったかわかる?」
「え、いや、ちょっと待って。ボリスから聞いたの? 私がここにいるって」
一応口止めしておいたんだけど。
「ううん。ボリスは教えてくれなかったよ。ケチだよねぇ」
「でもね、僕らって勘のいい子どもだからなんとなくわかったんだよ。ボリスの話を聞いてたらね、見当がついたんだ」
「……それはすごいね」
「えへへ~。すごいでしょ?」
「ほめてほめて」
にこにこと可愛らしく笑うディーとダムだったけれど。
……あぁ、この子たちに見つかったら平和も一気に崩れるような気がする。
「ところで二人とも仕事は? まさかサボってないでしょうね?」
「やだなー、名無しさん。休憩中なんだよ、僕達」
「そうそう。休憩しないといい仕事ができないんだ」
「……休憩で来れるような距離じゃないと思うんだけど」
帽子屋屋敷からここまで結構あるよ?
「いいからいいから! ねぇ、名無しさん。入ってもいい?」
「僕ら名無しさんを探し回ってきたからちょっと疲れちゃった」
そう言うが早いか、彼らは窓からひょいっと室内へと入ってきた。
そしてすぐそばのソファで眠るアリスに気づく。
「あ、兄弟! お姉さんがいるよ!」
「本当だ。寝てるのかな?」
「いいから静かにして! 起こしたらかわいそうでしょう」
アリスに近寄ろうとする双子を慌てて制し、私はため息をついた。
「お茶を入れるから、飲んだら仕事に戻ってね?」
「はぁい」
彼らはいい子のお返事をすると、テーブルについた。
出した紅茶を飲みながら、しばらくわいわいと会話をしていた双子と私。
しかし彼らが、ふいに真面目な表情になったので私は首を傾げる。
「どうしたの? 二人とも」
「ねぇ、名無しさん。家出したんじゃないよね? すぐに戻ってきてくれるよね?」
突然のディーの言葉に私は目を丸くする。
「ひよこウサギが嫌だとか、ボスの気まぐれに困ってるとか、何かあったら言ってよ?」
ダムも心配そうに私を見る。
どうやら彼らなりに私を心配してくれているらしい。(自分たちを棚に上げている所はどうかと思うけど)
「あのね、私はただアリスと一緒に旅行にきただけで5時間帯で帰るのよ?」
「うん、それは知っているけど……でも心配なんだ、僕。このまま名無しさんが帰って来なかったらどうしようって」
「そうだよ。名無しさんがいないとすごくつまらないよ」
ディーとダムはしょんぼりとした様子でそう言った。
彼らが私の不在を心から寂しがってくれていることが伝わってくる。
嬉しいような、申し訳ないような気持ちになる。
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ。私ちゃんと帰るから」
「本当?」
「うん」
力強くうなずくと、二人がぱあぁっと笑顔になる。
「よかったー。安心したね、兄弟」
「うん。すっごくほっとしたよ」
にこにこ笑う彼らに私まで嬉しくなる。
ここまで私のことを思っていてくれているこの子たちは、私にとって大切な人々のうちの一人だ。
「それじゃあ、僕達そろそろ行かなくちゃ」
「え?」
「これ以上遅くなったら、さすがにボスに怒られちゃう」
彼らはそう言いながらお茶を飲み干すと、「ごちそうさま」と言って立ち上がった。
自分たちから「帰る」という辺り、どうやら本当に怒られるくらい『休憩』をしたらしい。
それだけ私を探してくれたのだと思うと、胸がいっぱいになる。
「じゃあ名無しさん、あと2時間帯後には帰ってきてね」
「待ってるからね」
「うん」
帰りはきちんと玄関から出るという彼らを見送ろうと私も後をついていく。
しかし、ドアの前でディーが不意に声を上げた。
「あ。忘れ物」
「え?」
忘れ物?
何かあったかな?
そう思ってテーブルを見に行こうとする私を、彼らががしりと掴んだ。
突然のことに驚いていると、ディーが私を見て笑っていた。
「名無しさんにさよならのキスしていかないと」
「はい?」
「うんうん。またしばらく会えなくなるから、しっかりしておかないとね」
「ちょっ、ちょっと!?」
ダムもうなずきながら私の腕を掴んでいる。
この子たちのどこにそんな力があるんだろう。全く腕がほどけない。
「あと2時間帯で帰るんだし、そんなもの必要ないよ!?」
「2時間帯がどんなに長いか、名無しさんは知らないの?」
「そうだよ。名無しさんに会えない時間が僕らにとってどれだけ長いか、知らないんだね」
彼らはそう言ってぐいっと腕を引っ張った。
「わぁっ!?」
バランスを崩し、私はその場に座り込む。
視線をあげると、彼ら独特の色っぽい目が私を捉える。
これはまずいでしょう。
私は冷静を装って彼らを叱る。
「ちょっと、ダメだよ。こんな悪ふざけしたら!」
「悪ふざけ? そんなことしてないよ」
「うん、本気だもんね、僕達」
悪びれずに言う彼らは本当に少年なのかというくらい落ち着いている。
動揺しているのは私だけだ。
「あ、あのねぇ! アリスだっているんだし!」
「お姉さんはお昼寝中だから大丈夫」
「むしろ、名無しさんが大騒ぎしたら起きちゃうんじゃない?」
「!?」
ズバリとそう言われて、私は言葉に詰まった。
すると、彼らはふふふと妖艶に笑う。
「そう、それがいいよ名無しさん」
「静かにしてれば誰にもばれない」
大混乱の私はどうしていいのか全く分からなかった。
「2時間帯分、しっかりと名無しさんのこと覚えておかなくちゃ」
「名無しさんもちゃんと僕達のこと覚えておいてね?」
彼らは静かにそう言いながら私に2時間帯分のキスをした。
アリスとの女子旅3時間帯目。
前の時間帯にはボリスが突然やってきたが、その後はわりと平和に過ごしていた私とアリス。
それぞれ読書をしたり、お菓子を焼いたり、2人で近くを散歩したりとのんびり過ごしていた。
そして、今アリスは私のすぐ隣のソファでお昼寝をしている。
読書をしていてそのまま眠ってしまったらしい。
「か、可愛い……!」
眠る彼女はそれはもう可愛いお人形さんのようだった。
しばらくじっと観察していたが、はっと我に返る。
いけないいけない!
これじゃあペーターさんと同じストーカーじゃないですか。
私は自分の危険な思考に苦笑して立ち上がる。
ごはんの支度でもしておこうかなぁ、と思った時だった。
コンコンという音がする。
「?」
不思議に思って辺りを見回すと、部屋の窓の1つが小さく揺れていることに気づいた。
「な、なに?」
ドキリとしつつ近づいてみると、もう一度コンコンと言う音と共に窓が揺れた。
そして、窓の外に2つの影。
なんとなく赤と青に見えるような……。
「まさかね……」
おそるおそる窓をあけると、目の前にぱぁっと見知った顔が現れた。
「名無しさん!」
「やっと見つけたよー!!」
きゃっきゃと楽しそうな声と明るい笑顔。
そこにはディーとダムがにこにこと立っていた。
「ディー! ダム!?」
驚きすぎて名前を呼ぶことしかできない私に、彼らは相変わらずの弾丸トークを開始する。
「久しぶりだねー名無しさん! 会えて嬉しいよ!!」
「うんうん、僕ら、すっごく探したんだよ。名無しさんってば行き先を教えてくれないんだもん」
「やっぱり持つべきものは友達だよね、兄弟」
「そうだね、ボリスがいなかったら僕ら途方にくれていたね!」
「え、ボリス!?」
つい先日やってきた彼の名前に反応する私。
すると、双子は口を尖らせた。
「ずるいよ名無しさん。ボリスにはご飯食べさせてあげたんだって?」
「僕らがボリスの話を聞いてどんなに悲しかったかわかる?」
「え、いや、ちょっと待って。ボリスから聞いたの? 私がここにいるって」
一応口止めしておいたんだけど。
「ううん。ボリスは教えてくれなかったよ。ケチだよねぇ」
「でもね、僕らって勘のいい子どもだからなんとなくわかったんだよ。ボリスの話を聞いてたらね、見当がついたんだ」
「……それはすごいね」
「えへへ~。すごいでしょ?」
「ほめてほめて」
にこにこと可愛らしく笑うディーとダムだったけれど。
……あぁ、この子たちに見つかったら平和も一気に崩れるような気がする。
「ところで二人とも仕事は? まさかサボってないでしょうね?」
「やだなー、名無しさん。休憩中なんだよ、僕達」
「そうそう。休憩しないといい仕事ができないんだ」
「……休憩で来れるような距離じゃないと思うんだけど」
帽子屋屋敷からここまで結構あるよ?
「いいからいいから! ねぇ、名無しさん。入ってもいい?」
「僕ら名無しさんを探し回ってきたからちょっと疲れちゃった」
そう言うが早いか、彼らは窓からひょいっと室内へと入ってきた。
そしてすぐそばのソファで眠るアリスに気づく。
「あ、兄弟! お姉さんがいるよ!」
「本当だ。寝てるのかな?」
「いいから静かにして! 起こしたらかわいそうでしょう」
アリスに近寄ろうとする双子を慌てて制し、私はため息をついた。
「お茶を入れるから、飲んだら仕事に戻ってね?」
「はぁい」
彼らはいい子のお返事をすると、テーブルについた。
出した紅茶を飲みながら、しばらくわいわいと会話をしていた双子と私。
しかし彼らが、ふいに真面目な表情になったので私は首を傾げる。
「どうしたの? 二人とも」
「ねぇ、名無しさん。家出したんじゃないよね? すぐに戻ってきてくれるよね?」
突然のディーの言葉に私は目を丸くする。
「ひよこウサギが嫌だとか、ボスの気まぐれに困ってるとか、何かあったら言ってよ?」
ダムも心配そうに私を見る。
どうやら彼らなりに私を心配してくれているらしい。(自分たちを棚に上げている所はどうかと思うけど)
「あのね、私はただアリスと一緒に旅行にきただけで5時間帯で帰るのよ?」
「うん、それは知っているけど……でも心配なんだ、僕。このまま名無しさんが帰って来なかったらどうしようって」
「そうだよ。名無しさんがいないとすごくつまらないよ」
ディーとダムはしょんぼりとした様子でそう言った。
彼らが私の不在を心から寂しがってくれていることが伝わってくる。
嬉しいような、申し訳ないような気持ちになる。
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ。私ちゃんと帰るから」
「本当?」
「うん」
力強くうなずくと、二人がぱあぁっと笑顔になる。
「よかったー。安心したね、兄弟」
「うん。すっごくほっとしたよ」
にこにこ笑う彼らに私まで嬉しくなる。
ここまで私のことを思っていてくれているこの子たちは、私にとって大切な人々のうちの一人だ。
「それじゃあ、僕達そろそろ行かなくちゃ」
「え?」
「これ以上遅くなったら、さすがにボスに怒られちゃう」
彼らはそう言いながらお茶を飲み干すと、「ごちそうさま」と言って立ち上がった。
自分たちから「帰る」という辺り、どうやら本当に怒られるくらい『休憩』をしたらしい。
それだけ私を探してくれたのだと思うと、胸がいっぱいになる。
「じゃあ名無しさん、あと2時間帯後には帰ってきてね」
「待ってるからね」
「うん」
帰りはきちんと玄関から出るという彼らを見送ろうと私も後をついていく。
しかし、ドアの前でディーが不意に声を上げた。
「あ。忘れ物」
「え?」
忘れ物?
何かあったかな?
そう思ってテーブルを見に行こうとする私を、彼らががしりと掴んだ。
突然のことに驚いていると、ディーが私を見て笑っていた。
「名無しさんにさよならのキスしていかないと」
「はい?」
「うんうん。またしばらく会えなくなるから、しっかりしておかないとね」
「ちょっ、ちょっと!?」
ダムもうなずきながら私の腕を掴んでいる。
この子たちのどこにそんな力があるんだろう。全く腕がほどけない。
「あと2時間帯で帰るんだし、そんなもの必要ないよ!?」
「2時間帯がどんなに長いか、名無しさんは知らないの?」
「そうだよ。名無しさんに会えない時間が僕らにとってどれだけ長いか、知らないんだね」
彼らはそう言ってぐいっと腕を引っ張った。
「わぁっ!?」
バランスを崩し、私はその場に座り込む。
視線をあげると、彼ら独特の色っぽい目が私を捉える。
これはまずいでしょう。
私は冷静を装って彼らを叱る。
「ちょっと、ダメだよ。こんな悪ふざけしたら!」
「悪ふざけ? そんなことしてないよ」
「うん、本気だもんね、僕達」
悪びれずに言う彼らは本当に少年なのかというくらい落ち着いている。
動揺しているのは私だけだ。
「あ、あのねぇ! アリスだっているんだし!」
「お姉さんはお昼寝中だから大丈夫」
「むしろ、名無しさんが大騒ぎしたら起きちゃうんじゃない?」
「!?」
ズバリとそう言われて、私は言葉に詰まった。
すると、彼らはふふふと妖艶に笑う。
「そう、それがいいよ名無しさん」
「静かにしてれば誰にもばれない」
大混乱の私はどうしていいのか全く分からなかった。
「2時間帯分、しっかりと名無しさんのこと覚えておかなくちゃ」
「名無しさんもちゃんと僕達のこと覚えておいてね?」
彼らは静かにそう言いながら私に2時間帯分のキスをした。