真夏のティーパーティー!
お名前変換はこちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【木陰にて】
ただいまの時間帯は昼。
私はこの時間帯が苦手なブラッドと一緒になぜか屋敷の中庭にいた。
「……だるい」
「……まぶしい」
ブラッドに続いて私も思わずつぶやいてしまった。
一応木陰にいるのだけれど、場所が悪いらしい。
私の顔にちょうど陽射しが入り込んできてとても眩しい。
私は隣のブラッドを見る。
彼は完全に木陰に入っているにも関わらず、不機嫌な顔。
ホントに昼はダメな人だなぁ。
でも、今回の昼は確かにいつもよりも陽射しが強い気がする。
「なんだか今日はブラッドの気持ちがわかる気がする」
「…………なんだ?」
どうやら全てが面倒らしい。(一緒にいるのにちょっとひどくないですか?)
それでも辛抱強く解説をしてあげる私は優しいかもしれない。
「今回の昼はちょっとだるだるしちゃうなぁと思って」
「今回に限らず、昼はだるい」
「……あなたはそうですよねー」
そう言いながら私は彼の帽子をさっと掴むと、そのまま自分の頭に乗せた。
ブラッドは驚いたようだったけれど、ゆっくりとした動作で私を見る。
「ちょっと貸してね」
文句を言いたげな彼の視線を見ないふりする。
「ちょうど陽射しが顔にあたって眩しいの」
「名無しさんはその帽子に散々ケチをつけていたように思うが」
「うん、でも眩しいのよりマシ」
ブラッドのトレードマークである帽子をネタにできるほどには仲が良い私。
さすがにこれをかぶるのは初めてだ。
何も言われない所をみると、それなりに気を許されているらしい。
かぶり心地がいいかというと……よくわからない。
ただこの帽子自体が、ものすごい違和感というか、オーラを放っているような気がする。
壊れ物を扱うようにそっと帽子に触れながら、かぶり方を研究しているとブラッドがくすくす笑い出した。
「なに?」
「いや……うさんくさい手品師のようだな」
「これあなたの帽子なんですけど」
いつもこれをかぶってる人に言われたくない。
そんな思いを感じ取ったらしい。
「かぶる人間を選ぶんだよ」
そう言いながら彼は、私の頭に手を伸ばして帽子を取ると、自分の頭に乗せてしまった。
やたらと勝ち誇ったように私を見る。(なんでだろう。悔しい)
「それが似合うのもどうかと思うけど」
「……」
黙り込んだかと思うと、彼は肘でトンと私を小突いてきた。変な所が子どもっぽいなぁ。
ここで応戦しても負けるだろうから、ぐっとこらえて話題を変える。(私って大人!)
「その帽子を私がかぶってたら、ブラッドと間違われて悪い人に狙われたりするのかなぁ?」
「それはいい。名無しさんが私の身代わりになってくれるのか」
「嫌だよ。陽射しよけに帽子も貸してくれないような、ケチな人の身代わりになんてなりたくない」
すると目の前が急に真っ暗になった。
「!?」
「これでいいか?」
ブラッドの手袋の感触が目を覆う。
でも……これは優しさじゃないよね。嫌がらせだよね。
「いいわけないでしょ」
ブラッドの手を掴んで離すと、彼は面白そうに私を見ていた。
ほんとに変な所が子どもっぽいよ、ボス。
そう言ってやろうと思ったら、引き寄せられた。
突然のことでされるがまま、ぴたりとブラッドに寄りかかるような体勢になる私。
「帽子は貸せないが、私の胸ならいつでも貸してあげるよ、お嬢さん」
日陰にいる彼に引き寄せられたことで、眩しさから逃れた私。
「……よくそんなこと言えるよね」
そう言いつつも、彼から離れようとは思わなかった。
ブラッドはそんな私を見ると小さく笑ってから目を閉じた。
「動くのもだるい。このまましばらく休憩しよう」
「うん」
木陰で休憩。
でも、ドキドキしちゃってリラックスできそうにない。
ただいまの時間帯は昼。
私はこの時間帯が苦手なブラッドと一緒になぜか屋敷の中庭にいた。
「……だるい」
「……まぶしい」
ブラッドに続いて私も思わずつぶやいてしまった。
一応木陰にいるのだけれど、場所が悪いらしい。
私の顔にちょうど陽射しが入り込んできてとても眩しい。
私は隣のブラッドを見る。
彼は完全に木陰に入っているにも関わらず、不機嫌な顔。
ホントに昼はダメな人だなぁ。
でも、今回の昼は確かにいつもよりも陽射しが強い気がする。
「なんだか今日はブラッドの気持ちがわかる気がする」
「…………なんだ?」
どうやら全てが面倒らしい。(一緒にいるのにちょっとひどくないですか?)
それでも辛抱強く解説をしてあげる私は優しいかもしれない。
「今回の昼はちょっとだるだるしちゃうなぁと思って」
「今回に限らず、昼はだるい」
「……あなたはそうですよねー」
そう言いながら私は彼の帽子をさっと掴むと、そのまま自分の頭に乗せた。
ブラッドは驚いたようだったけれど、ゆっくりとした動作で私を見る。
「ちょっと貸してね」
文句を言いたげな彼の視線を見ないふりする。
「ちょうど陽射しが顔にあたって眩しいの」
「名無しさんはその帽子に散々ケチをつけていたように思うが」
「うん、でも眩しいのよりマシ」
ブラッドのトレードマークである帽子をネタにできるほどには仲が良い私。
さすがにこれをかぶるのは初めてだ。
何も言われない所をみると、それなりに気を許されているらしい。
かぶり心地がいいかというと……よくわからない。
ただこの帽子自体が、ものすごい違和感というか、オーラを放っているような気がする。
壊れ物を扱うようにそっと帽子に触れながら、かぶり方を研究しているとブラッドがくすくす笑い出した。
「なに?」
「いや……うさんくさい手品師のようだな」
「これあなたの帽子なんですけど」
いつもこれをかぶってる人に言われたくない。
そんな思いを感じ取ったらしい。
「かぶる人間を選ぶんだよ」
そう言いながら彼は、私の頭に手を伸ばして帽子を取ると、自分の頭に乗せてしまった。
やたらと勝ち誇ったように私を見る。(なんでだろう。悔しい)
「それが似合うのもどうかと思うけど」
「……」
黙り込んだかと思うと、彼は肘でトンと私を小突いてきた。変な所が子どもっぽいなぁ。
ここで応戦しても負けるだろうから、ぐっとこらえて話題を変える。(私って大人!)
「その帽子を私がかぶってたら、ブラッドと間違われて悪い人に狙われたりするのかなぁ?」
「それはいい。名無しさんが私の身代わりになってくれるのか」
「嫌だよ。陽射しよけに帽子も貸してくれないような、ケチな人の身代わりになんてなりたくない」
すると目の前が急に真っ暗になった。
「!?」
「これでいいか?」
ブラッドの手袋の感触が目を覆う。
でも……これは優しさじゃないよね。嫌がらせだよね。
「いいわけないでしょ」
ブラッドの手を掴んで離すと、彼は面白そうに私を見ていた。
ほんとに変な所が子どもっぽいよ、ボス。
そう言ってやろうと思ったら、引き寄せられた。
突然のことでされるがまま、ぴたりとブラッドに寄りかかるような体勢になる私。
「帽子は貸せないが、私の胸ならいつでも貸してあげるよ、お嬢さん」
日陰にいる彼に引き寄せられたことで、眩しさから逃れた私。
「……よくそんなこと言えるよね」
そう言いつつも、彼から離れようとは思わなかった。
ブラッドはそんな私を見ると小さく笑ってから目を閉じた。
「動くのもだるい。このまましばらく休憩しよう」
「うん」
木陰で休憩。
でも、ドキドキしちゃってリラックスできそうにない。
1/19ページ