短編2
お名前変換はこちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【もっと知りたい】
ブラッドの部屋で彼と一緒に紅茶を飲んでいる私。
彼は紅茶について熱く語り、エリオットのにんじん狂に毒づき、私はアリスの可愛らしさについて力説し、双子の教育方針(?)について苦言を述べた。
つまりは、他愛もない話をしていたのだ。
ブラッドとお茶を飲むのはそれなりに楽しい。
会話が一旦終わるとブラッドは紅茶を飲み、私は辺りをぐるりと見回した。
ブラッドはものすごい読書家のようだ。
部屋の本棚がそれを物語っている。
ありとあらゆる種類の本が並んでいるその本棚を見れば、どれだけだるそうにしていてもブラッドの知識量は人並み以上だということがわかる。
まともな職業についていたなら、彼はそれこそものすごーく尊敬される人物になったのかもしれない。
当の本人は全くそんなことを気にしている様子もないが。
「はぁ~。茶が美味い」
ブラッドは紅茶をすすりながらため息をつき、至福のひと時をすごしているようだった。
そういえば紅茶を飲んでいるところはしょっちゅう見るけれど、本を読んでいるところはほとんど見たことがない。
こんな膨大な本をいつ読んでいるんだろう?
じぃっとブラッドを見ていたら、ばちりと目が合った。
「なんだ、名無しさん?さっきから」
ブラッドはティーカップを置いた。
いちいち優雅。
なんでだるそうなのに優雅なんだろう?顔?見た目がいいからなの?
顔をしかめるブラッドから目を離さずに、私は答えた。
「ちょっと考察中。観察中」
「……一応聞くが、その対象はまさか私じゃないだろうね?」
「うん。ブラッドが考察対象」
きっぱりとうなずくと、彼は呆れたようにため息をついた。
「私に興味を持ってくれるのは嬉しいが、考察やら観察やらをされるのは好きじゃない」
「うん、ごめんね。でもあなたって不思議な人だから」
私の言葉に、どういう意味だ、という視線を送ってくるブラッド。
「いつ本を読んでるのかなとか、なんで紅茶ばっかり飲んでるのかなとか、なんでだるそうなのに優雅にみえるのかなとか……」
そこまで言って、彼の表情が明らかに変わっていることに気づいた。
ものすごーく楽しそうな顔をしていたのだ。
「な、なんですか?」
「君はおもしろい子だね、名無しさん」
「はい?」
「名無しさんがそこまで私のことを気にかけてくれているとは思わなかった。嬉しいよ」
「!」
その言葉で、私は自分の言ったことの恥ずかしさに気づいた。
ついでに、どうしてブラッドのことばっかり気になるのかも気づいてしまった。
一気に耳まで熱くなる。
そんな私の様子を、ブラッドは相変わらず楽しそうに眺めている。
「そんなに私のことが気になるなら教えてあげようか、名無しさん?」
「いえいえ、大丈夫です、結構です、十分です!」
気まずすぎて視線を外しながらそう答えるが、ブラッドはなんとも意地悪だった。
私の頬に触れて、そのままそっと顔を持ち上げる。
「遠慮することなんてないぞ。私だって名無しさんのことをもっとよく知りたいからね」
どう答えていいのかわからなかった。
ブラッドは優しい目で、でもちょっと意地悪な笑みを口元に浮かべて私を見ている。
優しいけど、意地悪ってどういうことだろう?
ブラッドの表情を見ながらぼんやりと考える。
「互いを知るのは悪いことじゃない。そうだろう?」
わりと真面目な口調でそう言うと、彼はこちらを伺うように見ながら私の手に触れた。
どきりとする私にブラッドはさらに続ける。
「名無しさんに悪いことやいけないことを教えるのも楽しそうだがね」
ブラッドは意味深な笑みを浮かべながら、私の手に触れていた指先を、私のそれと絡めるようにつなぐ。
思わぬ彼の言動に、驚きと恥ずかしさで私は固まってしまった。
それでも、私はもっとブラッドのことが知りたい。
ブラッドの部屋で彼と一緒に紅茶を飲んでいる私。
彼は紅茶について熱く語り、エリオットのにんじん狂に毒づき、私はアリスの可愛らしさについて力説し、双子の教育方針(?)について苦言を述べた。
つまりは、他愛もない話をしていたのだ。
ブラッドとお茶を飲むのはそれなりに楽しい。
会話が一旦終わるとブラッドは紅茶を飲み、私は辺りをぐるりと見回した。
ブラッドはものすごい読書家のようだ。
部屋の本棚がそれを物語っている。
ありとあらゆる種類の本が並んでいるその本棚を見れば、どれだけだるそうにしていてもブラッドの知識量は人並み以上だということがわかる。
まともな職業についていたなら、彼はそれこそものすごーく尊敬される人物になったのかもしれない。
当の本人は全くそんなことを気にしている様子もないが。
「はぁ~。茶が美味い」
ブラッドは紅茶をすすりながらため息をつき、至福のひと時をすごしているようだった。
そういえば紅茶を飲んでいるところはしょっちゅう見るけれど、本を読んでいるところはほとんど見たことがない。
こんな膨大な本をいつ読んでいるんだろう?
じぃっとブラッドを見ていたら、ばちりと目が合った。
「なんだ、名無しさん?さっきから」
ブラッドはティーカップを置いた。
いちいち優雅。
なんでだるそうなのに優雅なんだろう?顔?見た目がいいからなの?
顔をしかめるブラッドから目を離さずに、私は答えた。
「ちょっと考察中。観察中」
「……一応聞くが、その対象はまさか私じゃないだろうね?」
「うん。ブラッドが考察対象」
きっぱりとうなずくと、彼は呆れたようにため息をついた。
「私に興味を持ってくれるのは嬉しいが、考察やら観察やらをされるのは好きじゃない」
「うん、ごめんね。でもあなたって不思議な人だから」
私の言葉に、どういう意味だ、という視線を送ってくるブラッド。
「いつ本を読んでるのかなとか、なんで紅茶ばっかり飲んでるのかなとか、なんでだるそうなのに優雅にみえるのかなとか……」
そこまで言って、彼の表情が明らかに変わっていることに気づいた。
ものすごーく楽しそうな顔をしていたのだ。
「な、なんですか?」
「君はおもしろい子だね、名無しさん」
「はい?」
「名無しさんがそこまで私のことを気にかけてくれているとは思わなかった。嬉しいよ」
「!」
その言葉で、私は自分の言ったことの恥ずかしさに気づいた。
ついでに、どうしてブラッドのことばっかり気になるのかも気づいてしまった。
一気に耳まで熱くなる。
そんな私の様子を、ブラッドは相変わらず楽しそうに眺めている。
「そんなに私のことが気になるなら教えてあげようか、名無しさん?」
「いえいえ、大丈夫です、結構です、十分です!」
気まずすぎて視線を外しながらそう答えるが、ブラッドはなんとも意地悪だった。
私の頬に触れて、そのままそっと顔を持ち上げる。
「遠慮することなんてないぞ。私だって名無しさんのことをもっとよく知りたいからね」
どう答えていいのかわからなかった。
ブラッドは優しい目で、でもちょっと意地悪な笑みを口元に浮かべて私を見ている。
優しいけど、意地悪ってどういうことだろう?
ブラッドの表情を見ながらぼんやりと考える。
「互いを知るのは悪いことじゃない。そうだろう?」
わりと真面目な口調でそう言うと、彼はこちらを伺うように見ながら私の手に触れた。
どきりとする私にブラッドはさらに続ける。
「名無しさんに悪いことやいけないことを教えるのも楽しそうだがね」
ブラッドは意味深な笑みを浮かべながら、私の手に触れていた指先を、私のそれと絡めるようにつなぐ。
思わぬ彼の言動に、驚きと恥ずかしさで私は固まってしまった。
それでも、私はもっとブラッドのことが知りたい。