短編2
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【手をつないだら】
手をつないでみたら、彼の手は思ったよりも大きかった。
私はどきりとして思わずつないだ手を見つめる。
すらりとしていて、柔らかくも固くもない手は、私よりも少し大きい。
おかしいな、身長はほとんど変わらないはずなのに。
これが性差というものなのかしら、と思っていたらどうやら相手も同じことを考えていたらしい。
「名無しさんの手って小さいんだね」
満足そうな響きでそう言ったディーはにこにこと私を見ていた。
「ディーは結構手が大きいんだね」
「そうかな? 普通だと思うけど」
「ふぅん」
普通なのか。
私も普通サイズだと思うけど。
手をつないだまま、てくてくと歩いて行く私達。
ディーの手は本当に、なんというか私の手にしっくりと来る。
大きすぎず、固すぎず、体温も厚みもちょうどいい。
「名無しさんの手ってすごく柔らかいね」
「え!?」
……手がぷっくりしているってことですか?(まさか!)
「名無しさんって全部がふわふわしてそう。可愛い」
「それは褒められてるのかな……」
なんだか微妙な気がする、と思ってつぶやくとディーは意外そうな顔をした。
「え? 褒めてるっていうわけじゃなくて」
……そうですか。そうですよね。
ちょっと運動しよう。そうしよう。
一人で納得しつつもがっくりとする私にディーははっきりとこういった。
「好きだなってことだよ」
「え……」
さらりとそんなことを言う彼に私は言葉が出なかった。
「このままその辺の茂みにでもひっぱりこみたいくらいにね」
ディーはそう言いながら私をちらりと見て笑った。
一瞬だったけれど、すごく妖しげな笑みを浮かべた彼。
「……」
私は思わず黙り込んだ。
そんな顔を見せられたら、ドキドキしてしょうがない。
しかし、ディーはすぐにいつもの明るい笑顔を見せると、つないでいる手にぎゅっと力を込めた。
「可愛いな、名無しさんは」
小さくつぶやいた彼の声が聞こえてしまった。
ますます黙り込む私に気づいているのか、いないのか。
彼は楽しそうに私の手を取って歩き続ける。
手をつないでみたら、彼の手は思ったよりも大きかった。
私はどきりとして思わずつないだ手を見つめる。
すらりとしていて、柔らかくも固くもない手は、私よりも少し大きい。
おかしいな、身長はほとんど変わらないはずなのに。
これが性差というものなのかしら、と思っていたらどうやら相手も同じことを考えていたらしい。
「名無しさんの手って小さいんだね」
満足そうな響きでそう言ったディーはにこにこと私を見ていた。
「ディーは結構手が大きいんだね」
「そうかな? 普通だと思うけど」
「ふぅん」
普通なのか。
私も普通サイズだと思うけど。
手をつないだまま、てくてくと歩いて行く私達。
ディーの手は本当に、なんというか私の手にしっくりと来る。
大きすぎず、固すぎず、体温も厚みもちょうどいい。
「名無しさんの手ってすごく柔らかいね」
「え!?」
……手がぷっくりしているってことですか?(まさか!)
「名無しさんって全部がふわふわしてそう。可愛い」
「それは褒められてるのかな……」
なんだか微妙な気がする、と思ってつぶやくとディーは意外そうな顔をした。
「え? 褒めてるっていうわけじゃなくて」
……そうですか。そうですよね。
ちょっと運動しよう。そうしよう。
一人で納得しつつもがっくりとする私にディーははっきりとこういった。
「好きだなってことだよ」
「え……」
さらりとそんなことを言う彼に私は言葉が出なかった。
「このままその辺の茂みにでもひっぱりこみたいくらいにね」
ディーはそう言いながら私をちらりと見て笑った。
一瞬だったけれど、すごく妖しげな笑みを浮かべた彼。
「……」
私は思わず黙り込んだ。
そんな顔を見せられたら、ドキドキしてしょうがない。
しかし、ディーはすぐにいつもの明るい笑顔を見せると、つないでいる手にぎゅっと力を込めた。
「可愛いな、名無しさんは」
小さくつぶやいた彼の声が聞こえてしまった。
ますます黙り込む私に気づいているのか、いないのか。
彼は楽しそうに私の手を取って歩き続ける。