短編2
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【野原にて】
エースのことが好きだ。
気付けば視線は彼を追っている。
お城の廊下でのたき火や、噴水で水浴びなどの奇行を繰り返していようが
ペーターさんを笑顔でののしったり、迷子のくせに旅だと爽やかに言い張ったりしていようが好きだ。
たまにものすごく不穏な空気を身に纏っていることもある。笑顔なのに無表情。
怖いけれど、私の想いは変わらない。好きなのだ。
どうしてこんなにも好きなんだろう?
とんちんかんで、迷子で、腹黒で、いつも笑顔で、優しいのか怖いのか全然わからない。
でも、やっぱり好きだなのだ。
見た目がストライク!と言ってしまえばそれまでだけど、中身がとんでもないことを知った上で、エースのことが好きで仕方ない。
今も目の前の彼を私はぼんやりと見ている。
広い野原に座る私とエース。
見飽きない。全然見飽きないのだ。かっこよすぎる。なんなんだろう。
さらりとした髪の毛も、一見優しそうな瞳も、笑みを絶やさない口元も、ツボすぎる。
中身を知っていてもそう思えるのだからどうしようもない。
赤いコートも似合うし、それを脱いで黒服もそれなりにいい。
その服をさらに脱いでもかなりいい。(噴水で水浴びしている時の裸体を脳裏に焼き付けておきました。我ながらひくわー)
あー、もう押し倒しちゃうか?
いや、いきなり襲いかかったらこの人のことだから、反射的に斬りつけてくるかもしれない。(それは嫌だな)
せめて頭をなでなでさせてもらおうか。
うーむ。
どうしよう。
どうしたらいいかわからないから、とりあえずこのまま鑑賞することにしよう、そうしよう。
1人でそう頷いていたら、不意にエースと目が合った。
「……なんかさっきから気持ち悪いんだけど」
彼は珍しく苦笑した。
まぁ、そんな顔も悪くはない。
「名無しさん、さっきから何? 俺のことすんごいじろじろ見てるだろ?」
「あ、気づいてた? さすが騎士!」
「普通気づくよね」
爽やかだけど、どこか呆れたような表情にまたときめく。
「いや、エースがかっこよすぎてどうしようかと思ってたの。っていうか押し倒しちゃおうかなって企んでました。ごめんなさい」
「うわー、引くな~」
ぺこりと頭を下げる私に、笑顔でズバリというエース。
「俺、押し倒されるのは嫌だなぁ。どちらかと言えば押し倒す方が楽しいし」
「うん、私もできれば押し倒されたいかな」
「はははっ!すごい誘い文句だけど、この流れだと全くその気にならないや」
笑顔で思い切り拒否されてしまった。(残念だなぁ)
「名無しさんって、よくわかんないよね。真面目かと思ったら、今みたいにすごいこと言ってきたりする」
「エースによくわからないって言われるなんて、私もよっぽどだなー」
そう言って笑うと、エースも「そうだね」と笑った。
「よし!じゃあよくわからない者同士、ユリウスの所にでもいこうか」
エースはそう言いながらすっと立ち上がる。
私は彼を見上げながらうなずいた。
「いいね」
「きっとユリウスの奴引きこもりまくって退屈してるよ。遊びに行ってやろうぜ」
そう言ってエースは私にすっと手を差し出した。
思わず彼を見ると、にこにこと私を見おろしている。
私は彼の手を掴んで立ち上がった。
本当はつながれた手にものすごくドキドキしている。
「押し倒されたい」なんて本人に言っちゃったけど、実は手をつなぐだけでこんなにも動揺してしまうのだ。
でも、それを彼には気づかれたくない。
私は「手をつないだことなんて気にしてませんよ」という演技をしていたのだけれど、
すぐそばのエースが楽しそうに笑うのがちらりと見えて、顔が熱くなってしまった。
私はやっぱり彼がすごく好き。
エースのことが好きだ。
気付けば視線は彼を追っている。
お城の廊下でのたき火や、噴水で水浴びなどの奇行を繰り返していようが
ペーターさんを笑顔でののしったり、迷子のくせに旅だと爽やかに言い張ったりしていようが好きだ。
たまにものすごく不穏な空気を身に纏っていることもある。笑顔なのに無表情。
怖いけれど、私の想いは変わらない。好きなのだ。
どうしてこんなにも好きなんだろう?
とんちんかんで、迷子で、腹黒で、いつも笑顔で、優しいのか怖いのか全然わからない。
でも、やっぱり好きだなのだ。
見た目がストライク!と言ってしまえばそれまでだけど、中身がとんでもないことを知った上で、エースのことが好きで仕方ない。
今も目の前の彼を私はぼんやりと見ている。
広い野原に座る私とエース。
見飽きない。全然見飽きないのだ。かっこよすぎる。なんなんだろう。
さらりとした髪の毛も、一見優しそうな瞳も、笑みを絶やさない口元も、ツボすぎる。
中身を知っていてもそう思えるのだからどうしようもない。
赤いコートも似合うし、それを脱いで黒服もそれなりにいい。
その服をさらに脱いでもかなりいい。(噴水で水浴びしている時の裸体を脳裏に焼き付けておきました。我ながらひくわー)
あー、もう押し倒しちゃうか?
いや、いきなり襲いかかったらこの人のことだから、反射的に斬りつけてくるかもしれない。(それは嫌だな)
せめて頭をなでなでさせてもらおうか。
うーむ。
どうしよう。
どうしたらいいかわからないから、とりあえずこのまま鑑賞することにしよう、そうしよう。
1人でそう頷いていたら、不意にエースと目が合った。
「……なんかさっきから気持ち悪いんだけど」
彼は珍しく苦笑した。
まぁ、そんな顔も悪くはない。
「名無しさん、さっきから何? 俺のことすんごいじろじろ見てるだろ?」
「あ、気づいてた? さすが騎士!」
「普通気づくよね」
爽やかだけど、どこか呆れたような表情にまたときめく。
「いや、エースがかっこよすぎてどうしようかと思ってたの。っていうか押し倒しちゃおうかなって企んでました。ごめんなさい」
「うわー、引くな~」
ぺこりと頭を下げる私に、笑顔でズバリというエース。
「俺、押し倒されるのは嫌だなぁ。どちらかと言えば押し倒す方が楽しいし」
「うん、私もできれば押し倒されたいかな」
「はははっ!すごい誘い文句だけど、この流れだと全くその気にならないや」
笑顔で思い切り拒否されてしまった。(残念だなぁ)
「名無しさんって、よくわかんないよね。真面目かと思ったら、今みたいにすごいこと言ってきたりする」
「エースによくわからないって言われるなんて、私もよっぽどだなー」
そう言って笑うと、エースも「そうだね」と笑った。
「よし!じゃあよくわからない者同士、ユリウスの所にでもいこうか」
エースはそう言いながらすっと立ち上がる。
私は彼を見上げながらうなずいた。
「いいね」
「きっとユリウスの奴引きこもりまくって退屈してるよ。遊びに行ってやろうぜ」
そう言ってエースは私にすっと手を差し出した。
思わず彼を見ると、にこにこと私を見おろしている。
私は彼の手を掴んで立ち上がった。
本当はつながれた手にものすごくドキドキしている。
「押し倒されたい」なんて本人に言っちゃったけど、実は手をつなぐだけでこんなにも動揺してしまうのだ。
でも、それを彼には気づかれたくない。
私は「手をつないだことなんて気にしてませんよ」という演技をしていたのだけれど、
すぐそばのエースが楽しそうに笑うのがちらりと見えて、顔が熱くなってしまった。
私はやっぱり彼がすごく好き。