短編2
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【匂い】
「……ユリウスと同じ匂いがする」
私を抱きしめたエースは、そうつぶやいた。
見上げると彼はむぅっと口を結んで私を見る。
「匂い?」
「名無しさんの髪の毛。ユリウスと同じだ」
「そりゃあ同じシャンプー使ってるからねぇ」
ユリウスと同じ場所に住んでいる私。
男女関係などではなく、ただの居候として住まわせてもらっている。
なので食べているものも、シャンプーも何もかも一緒だ。
彼にこだわりがないように、私にも大してこだわりはないので「別々にしようね」なんてことはない。
私とユリウスのその健全な(というかほぼ関わりのない)関係をすべてわかっている上で、珍しくエースが不満を漏らした。
「なんか嫌だな」
「え、今さら嫉妬ですか?」
思わず笑ってしまうと、エースは言った。
「うーん……嫉妬っていうよりも、ユリウスを抱いてる気がしてくるんだよ。ユリウスは友達だし好きだけど、あいつを抱きしめたいとか全然思えないもんなー。はははっ、考えただけでぞっとするぜ」
いつもの爽やかな笑顔でエースがそう言うので、なんだかむっとしてしまった。
「じゃあくっつかない方がいいんじゃない?」
私だってユリウスのことは好きだ。
でも私も一応女だし、匂いが同じというだけで彼と一緒に思われるのはちょっと微妙な気がする。
そう思ってエースから離れようとすると、逆にぎゅっと抱きしめられた。
「はははっ、怒らないでよ、名無しさん」
彼は私の髪に顔をうずめた。
「匂いがあいつと一緒でも抱き心地は全然違うに決まってるじゃないか。こんなに小さくて柔らかいのは名無しさんだけだよ」
なんだか恥ずかしいこと言ってるなぁ、私はそんなに小さくないですと言おうと思ったけれど、エースが先に口を開いた。
「それに髪の毛の匂いは同じでも、他は全然違うし、ね?」
「!」
エースの唇が私の首筋を這い、ぞくりとしてしまう。
「ねぇ、名無しさん。本当はユリウスにものすごく嫉妬してるって言ったらどうする?」
「……え?」
体の力が抜けていく私に、エースがくすくすと笑った。
「名無しさん、いい匂い」
食べちゃおうかな
囁きながら首筋にキスを落とす彼に、私はすでに半分食べられている気がする。
「……ユリウスと同じ匂いがする」
私を抱きしめたエースは、そうつぶやいた。
見上げると彼はむぅっと口を結んで私を見る。
「匂い?」
「名無しさんの髪の毛。ユリウスと同じだ」
「そりゃあ同じシャンプー使ってるからねぇ」
ユリウスと同じ場所に住んでいる私。
男女関係などではなく、ただの居候として住まわせてもらっている。
なので食べているものも、シャンプーも何もかも一緒だ。
彼にこだわりがないように、私にも大してこだわりはないので「別々にしようね」なんてことはない。
私とユリウスのその健全な(というかほぼ関わりのない)関係をすべてわかっている上で、珍しくエースが不満を漏らした。
「なんか嫌だな」
「え、今さら嫉妬ですか?」
思わず笑ってしまうと、エースは言った。
「うーん……嫉妬っていうよりも、ユリウスを抱いてる気がしてくるんだよ。ユリウスは友達だし好きだけど、あいつを抱きしめたいとか全然思えないもんなー。はははっ、考えただけでぞっとするぜ」
いつもの爽やかな笑顔でエースがそう言うので、なんだかむっとしてしまった。
「じゃあくっつかない方がいいんじゃない?」
私だってユリウスのことは好きだ。
でも私も一応女だし、匂いが同じというだけで彼と一緒に思われるのはちょっと微妙な気がする。
そう思ってエースから離れようとすると、逆にぎゅっと抱きしめられた。
「はははっ、怒らないでよ、名無しさん」
彼は私の髪に顔をうずめた。
「匂いがあいつと一緒でも抱き心地は全然違うに決まってるじゃないか。こんなに小さくて柔らかいのは名無しさんだけだよ」
なんだか恥ずかしいこと言ってるなぁ、私はそんなに小さくないですと言おうと思ったけれど、エースが先に口を開いた。
「それに髪の毛の匂いは同じでも、他は全然違うし、ね?」
「!」
エースの唇が私の首筋を這い、ぞくりとしてしまう。
「ねぇ、名無しさん。本当はユリウスにものすごく嫉妬してるって言ったらどうする?」
「……え?」
体の力が抜けていく私に、エースがくすくすと笑った。
「名無しさん、いい匂い」
食べちゃおうかな
囁きながら首筋にキスを落とす彼に、私はすでに半分食べられている気がする。