短編2
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【真綿のように】
ハートの城のとある場所。
私はエースと向かい合っていた。
追い詰められていた、という方が正しい。
私は目の前のエースを見つめた。
こちらを見下ろして笑っているエース。
彼は静かにこう言った。
「ねぇ名無しさん、そろそろ逃げるのはやめにしない?」
その言葉に内心ドキリとしつつ、私は平静を装った。
「……逃げるって何が?」
私の言葉に穏やかな微笑みを浮かべる彼。
穏やかだけど、ものすごく追い詰められている感じ。
「私は別に逃げたりしてないよ?」
私は細心の注意を払って、普段の自分になるよう意識した。
エースはしばらく私を見ていたけれど、ゆっくりとこう言った。
「嘘つき」
ものすごく爽やかに、ものすごく穏やかにそう言われて、一瞬言葉の意味がわからなかった。
エースを見つめていると、笑みを浮かべたまままっすぐに私を見つめて言った。
「嘘をつくなんて君には似合わないぜ、名無しさん。どうせすぐばれちゃうんだし、ね?」
彼は楽しそうにそう言うと、私の肩にポンと手を置いた。
私の肩を掴むその手が、とても重く感じる。
「俺のこと、ものすごく避けてるよね。あからさますぎて、傷つくっていうか笑っちゃうくらいだ」
はははっ、と本当に笑いながら彼は言った。
どうしていいのかわからず黙っていると、彼は笑うのをやめてそっと私を見る。
「俺のこと嫌い?」
静かにそう問われて、私はうつむいたまま首を振る。
嫌いじゃない。
「うん、そうだよね。嫌われてはいないと思ってたんだ」
くすくす笑うエースに、私はものすごく恥ずかしくなる。
私の気持ちが普段の態度からバレバレだったのかもしれない。
「じゃあ問題ないんじゃないかな」
彼はそう言いながら、私に顔を寄せる。
思わず距離を取ろうとしたけれど、がしりと肩を掴まれて動けなかった。
「俺も名無しさんのことが好きだし、そろそろ大人しく捕まえられてくれない?」
もう捕まっているのに。
そう思いながらエースを見ると、彼はゆっくりと微笑んだ。
「逃げたり嘘ついたりするのは、もうやめてくれよ。な?」
手荒い真似、されたくないだろ?
優しく笑って、エースは私を抱きしめた。
ハートの城のとある場所。
私はエースと向かい合っていた。
追い詰められていた、という方が正しい。
私は目の前のエースを見つめた。
こちらを見下ろして笑っているエース。
彼は静かにこう言った。
「ねぇ名無しさん、そろそろ逃げるのはやめにしない?」
その言葉に内心ドキリとしつつ、私は平静を装った。
「……逃げるって何が?」
私の言葉に穏やかな微笑みを浮かべる彼。
穏やかだけど、ものすごく追い詰められている感じ。
「私は別に逃げたりしてないよ?」
私は細心の注意を払って、普段の自分になるよう意識した。
エースはしばらく私を見ていたけれど、ゆっくりとこう言った。
「嘘つき」
ものすごく爽やかに、ものすごく穏やかにそう言われて、一瞬言葉の意味がわからなかった。
エースを見つめていると、笑みを浮かべたまままっすぐに私を見つめて言った。
「嘘をつくなんて君には似合わないぜ、名無しさん。どうせすぐばれちゃうんだし、ね?」
彼は楽しそうにそう言うと、私の肩にポンと手を置いた。
私の肩を掴むその手が、とても重く感じる。
「俺のこと、ものすごく避けてるよね。あからさますぎて、傷つくっていうか笑っちゃうくらいだ」
はははっ、と本当に笑いながら彼は言った。
どうしていいのかわからず黙っていると、彼は笑うのをやめてそっと私を見る。
「俺のこと嫌い?」
静かにそう問われて、私はうつむいたまま首を振る。
嫌いじゃない。
「うん、そうだよね。嫌われてはいないと思ってたんだ」
くすくす笑うエースに、私はものすごく恥ずかしくなる。
私の気持ちが普段の態度からバレバレだったのかもしれない。
「じゃあ問題ないんじゃないかな」
彼はそう言いながら、私に顔を寄せる。
思わず距離を取ろうとしたけれど、がしりと肩を掴まれて動けなかった。
「俺も名無しさんのことが好きだし、そろそろ大人しく捕まえられてくれない?」
もう捕まっているのに。
そう思いながらエースを見ると、彼はゆっくりと微笑んだ。
「逃げたり嘘ついたりするのは、もうやめてくれよ。な?」
手荒い真似、されたくないだろ?
優しく笑って、エースは私を抱きしめた。