短編
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【いいひと。】
「よー、名無しさん! 飯でも食ってくか?」
「お、名無しさん~! 新作アトラクションに乗ってけよ!」
「なんか困ったことがあったらすぐ言えよ、名無しさん。あんたけっこう我慢しそうなタイプに見えるからな」
ゴーランドは会うたびに、いつも笑顔で私に話しかけてくれる。
そして、私が遊園地での生活に不便を感じていないか、楽しく過ごしているかをすごく気にしてくれるのだ。
おかげで私の遊園地ライフはなんの不自由もない。
いい家主さんに出会えたものだなぁ。
ビバルディ、ブラッド、ユリウス、ゴーランド。
それぞれいいところはあると思うけど、私としてはゴーランドが家主としては最高だと思う。
すぐに首を刎ねないし、セクハラはしないし、根暗じゃないしね。
なんだかついつい彼には色々と話をしたくなってしまう。
「ゴーランド~、こないだブラッドのお茶会に行ったらさぁ、すっごくおいしいお菓子があってね……」
「名無しさん、食いもんで釣られてるんじゃねーの? 別にどこへ行こうと止めはしねーが、そのうちあんたが帽子屋に食われやしないか心配だよ俺は」
「ゴーランド~、さっきユリウスが遊園地でうろうろしてて面白かったよー」
「お! 名無しさんも見たか! あいつ仕事で来てたんだけど、ほんっと浮きまくってるよなぁ。すげー違和感だったぜ」
「ゴーランド~、ボリスがまた部屋を改造してたよー!」
「!? あんの野郎、また勝手に……! 名無しさん、今度ボリスをおびき出しておいてくれよ」
とまぁ、くだらない話ばっかりではあったがゴーランドとの会話は楽しい。
彼のしゃべるテンポがいいのかもしれない。楽しくて困る。
小さな悩みもちょっとした出来事も全部ゴーランドについつい話してしまう。
「おい名無しさん。お前まーたあのハートの騎士にちょっかいだされてたんだって?」
「え?」
「従業員が見てたらしくてな。あいつはおっかねぇから近寄るんじゃねぇ」
「ちょっかいなんてかけられてないし、近寄りたくなくても、予想外の所で出会っちゃうんだよ、あの人」
「まぁそうかもしれねぇけどな。……あんなのがうろうろしてるなんてホント迷惑な話だぜ」
「あんなのがうろうろって……まるで猛獣か何かみたいな言い方をするのね」
「猛獣みたいなもんだろ、あれは」
「ん~、まぁ確かにそうかもしれない」
もしかしたら猛獣よりタチが悪いかもしれないな~、なんて考えていたらゴーランドが私をじっと見ていた。
「名無しさんはお人よしだからなぁ。変な奴らに上手く言いくるめられないように気をつけろよ」
「変な奴らってゴーランドみたいな?」
「そうそう俺みたいな……ってコラ! 俺じゃないだろ!」
「あははは!(ノリツッコミ!)」
大笑いする私に、ゴーランドはふかーいため息をつく。
「はぁ……俺は心配してるんだぜ? 厄介な奴らだし、あんたに何かあったら困るんだ」
「うん、心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ」
「まったくどこからその自信はどこから来るんだか」
「だって私何かあった時は、いつもすぐゴーランドに話してるもん。だから何かあったらすぐ言うよ」
私の言葉が予想外だったのか、一瞬ゴーランドは呆けたように固まった。
「ゴーランド?」
「あ、いや。うんそうか。そうだな、すぐ言えよ」
「言ってるってば」
「そうか……」
ゴーランドはそう言いつつも私を見ようとしない。
これはもしかして……
「照れてるの?」
「なっ!? 照れてるわけないだろー!」
その慌てっぷりが全てを物語っていた。
あぁ、いじりがいのある人だなぁ。ほのぼのしちゃうわ。
なんだかあの三つ編みも引っ張ってやりたくなっちゃった。
そんな衝動をなんとかこらえながら、今日も気のいい家主と仲良くおしゃべりです。
「よー、名無しさん! 飯でも食ってくか?」
「お、名無しさん~! 新作アトラクションに乗ってけよ!」
「なんか困ったことがあったらすぐ言えよ、名無しさん。あんたけっこう我慢しそうなタイプに見えるからな」
ゴーランドは会うたびに、いつも笑顔で私に話しかけてくれる。
そして、私が遊園地での生活に不便を感じていないか、楽しく過ごしているかをすごく気にしてくれるのだ。
おかげで私の遊園地ライフはなんの不自由もない。
いい家主さんに出会えたものだなぁ。
ビバルディ、ブラッド、ユリウス、ゴーランド。
それぞれいいところはあると思うけど、私としてはゴーランドが家主としては最高だと思う。
すぐに首を刎ねないし、セクハラはしないし、根暗じゃないしね。
なんだかついつい彼には色々と話をしたくなってしまう。
「ゴーランド~、こないだブラッドのお茶会に行ったらさぁ、すっごくおいしいお菓子があってね……」
「名無しさん、食いもんで釣られてるんじゃねーの? 別にどこへ行こうと止めはしねーが、そのうちあんたが帽子屋に食われやしないか心配だよ俺は」
「ゴーランド~、さっきユリウスが遊園地でうろうろしてて面白かったよー」
「お! 名無しさんも見たか! あいつ仕事で来てたんだけど、ほんっと浮きまくってるよなぁ。すげー違和感だったぜ」
「ゴーランド~、ボリスがまた部屋を改造してたよー!」
「!? あんの野郎、また勝手に……! 名無しさん、今度ボリスをおびき出しておいてくれよ」
とまぁ、くだらない話ばっかりではあったがゴーランドとの会話は楽しい。
彼のしゃべるテンポがいいのかもしれない。楽しくて困る。
小さな悩みもちょっとした出来事も全部ゴーランドについつい話してしまう。
「おい名無しさん。お前まーたあのハートの騎士にちょっかいだされてたんだって?」
「え?」
「従業員が見てたらしくてな。あいつはおっかねぇから近寄るんじゃねぇ」
「ちょっかいなんてかけられてないし、近寄りたくなくても、予想外の所で出会っちゃうんだよ、あの人」
「まぁそうかもしれねぇけどな。……あんなのがうろうろしてるなんてホント迷惑な話だぜ」
「あんなのがうろうろって……まるで猛獣か何かみたいな言い方をするのね」
「猛獣みたいなもんだろ、あれは」
「ん~、まぁ確かにそうかもしれない」
もしかしたら猛獣よりタチが悪いかもしれないな~、なんて考えていたらゴーランドが私をじっと見ていた。
「名無しさんはお人よしだからなぁ。変な奴らに上手く言いくるめられないように気をつけろよ」
「変な奴らってゴーランドみたいな?」
「そうそう俺みたいな……ってコラ! 俺じゃないだろ!」
「あははは!(ノリツッコミ!)」
大笑いする私に、ゴーランドはふかーいため息をつく。
「はぁ……俺は心配してるんだぜ? 厄介な奴らだし、あんたに何かあったら困るんだ」
「うん、心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ」
「まったくどこからその自信はどこから来るんだか」
「だって私何かあった時は、いつもすぐゴーランドに話してるもん。だから何かあったらすぐ言うよ」
私の言葉が予想外だったのか、一瞬ゴーランドは呆けたように固まった。
「ゴーランド?」
「あ、いや。うんそうか。そうだな、すぐ言えよ」
「言ってるってば」
「そうか……」
ゴーランドはそう言いつつも私を見ようとしない。
これはもしかして……
「照れてるの?」
「なっ!? 照れてるわけないだろー!」
その慌てっぷりが全てを物語っていた。
あぁ、いじりがいのある人だなぁ。ほのぼのしちゃうわ。
なんだかあの三つ編みも引っ張ってやりたくなっちゃった。
そんな衝動をなんとかこらえながら、今日も気のいい家主と仲良くおしゃべりです。