短編
名前変換
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今日は祐介の誕生日だ。祐介の好みは斜め上をいったりするからプレゼントは一緒に選んで祐介が欲しいって思うものを買いたいと思った。ただ、恋人同士だしなにかしらサプライズもしたいなと思ったので祐介のためにケーキを作っているところだ(家にも招待した)。
料理はすごく上手とは言えないけれど人並みに作れるから下手ではないと思いたい。基本、食に飢えてる?祐介の事なので普通に食べられる物ができれば食べてくれるだろうと勝手に思っている。食べられないと言われたら泣いちゃいそうだけど。
そうこう想いを馳せている間にオーブンレンジが鳴った。スポンジが焼けたみたい。冷ましてる間に苺を切ったりホイップを作ったりしよう。祐介、喜んでくれるといいな。
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祐介から、いつものように一駅ほど歩いてるそうなので少し遅れるとチャットが来た。いつも通りすぎてすこしふふってなった。もはや恒例行事なので怒ったり呆れたりといったこともなく、ちょっと遅れるならせっかくだしめっちゃ気合いをいれてケーキをデコレーションしようと思う。もう少しで完成だ。
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ピンポン、とベルがなり祐介が到着したことをモニターで確認して部屋に上げる。
「すっ、まない」
はあはあと息を切らせている祐介。急いで来てくれたのかな?
「大丈夫?走ってきたの?」
「それは……そうだろう、遅れてしまったのだから」
「でも何時ぴったりって約束してないし、何時くらいとは言ったけどゆっくりで大丈夫だよってチャットで言ったのに」
「む……わかった。次からは遅れないように善処しよう」
「はーい!ささ、とりあえず座って!」
恋人同士になってからは何回か部屋に上げているので祐介も言われなくてもわかっているというようにテキパキと手洗いうがいを済ませる。私はお茶とか用意するから適当に座っててね、と伝えた。
「じゃ〜ん!お誕生日おめでとう、祐介!」
「これは……誕生日ケーキ……?もしかしなくても名前が作ってくれたのか?」
「うん」
「俺だけのために……?」
「そうだよ、大好きな祐介のために」
「くっ……、俺は……なんて幸せ者なんだ……!!」
「大袈裟だよ」
祐介は目の前のケーキに夢中だ。なんか凝視されると恥ずかしいなあ。
「早速だが食べてもいいだろうか?」
「いいよ」
「しかしこの見事なデコレーションを眺めていたいという気持ちも…」
「クリーム溶けちゃうよ」
「はっ……!目に焼き付けておこう。そして……いただきます!」
祐介が元気に一言。そしてそれは瞬く間に(でも上品に)祐介の胃袋に放り込まれていく。
「美味い…!生クリームがしつこすぎず、苺
が甘酸っぱくてさっぱり食べられる……!間にも苺が入っているから苺の風味が口いっぱいに広がるぞ……!!」
「わー!わー!恥ずかしいからそんなしっかり食レポしなくていいから……!!」
「なぜだっ!俺はこの感動を名前に伝えたい……っ!!」
「嬉しいけど!!祐介、もうちょっと気をつけた方が……」
「はっ!すまない…!そうだ、名前がせっかく作ってくれたのだからな、もっと味わって食べないと……」
「違くて!私がもし自分の髪の毛とか自分の血とか得体の知れない物とか混ぜてたらどうするの……!してないけど」
なんでも例えばバレンタインに送るチョコやお菓子に髪の毛を入れたり血を入れたりというのが一部で変に流行っているということをネットなどで目にするし。
祐介は女の子から結構貰うと聞いたことがあるので渡されたお菓子とかに異物が入ってたらと思うと気が気でない。
「うっ!」
「えっ、なに、大丈夫!?」
「名前の……」
「うん?」
「愛情がたくさん入っていておいしい」
「……もう!!心配した!!」
「フフ、すまないな」
それにしても本当に美味しいと笑いながらケーキを頬張る祐介を見てるとなんだか小動物みたいでかわいく見える。背は高いしとても顔も綺麗で素敵なのにね。かわいいな。好きだなと思う。ケーキもこんなに美味しそうに食べてもらえるなら本望だろうし私も作った甲斐がある。
「もう!急いで食べるからクリームついてるよ」
「む」
「わ、あまっ……!祐介、甘すぎない?これ」
「そうだろうか?俺は気にならないが……」
「そう?祐介のために作ったから、祐介がいいならいいんだけど」
「もう一度、いや、何度だって言おう。俺は世界一、いや宇宙一の幸せ者だ!」
「はーい、お粗末様でした」
ごちそうさまと言って立ち上がり、スマートに片付けを手伝ってくれる祐介はやっぱり素敵な人だな。私の大好きなひと!
「どうした?笑みを浮かべて」
「うふふ。なんでもないよー!」
「あ!その笑顔……いいぞ!着想がわいてくる…!」
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