#11
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「(…ど、どうしよう…)」
狭くて揺れる箱の中、名無しは膝にのせたエモンガを両腕で抱き締めたまま、身体を硬直させて座っていた。
「(知らない人と、観覧車に乗っちゃった…)」
逃げる場所も隠れる場所もない密室に、エモンガがいるとはいえ知らない相手と2人きり。
幼い頃から『知らない人について行かない、人の目がない場所で2人きりにならない』ようにと口酸っぱく言われていたのを思い出す。
「(ごめんなさい、園長先生…!あ、でもよく考えたら、ノボリさんとクダリさんにもついて行っちゃったから、これで2回目…?で、でも3人だから2人きりじゃなかったし、園長先生だって許可してくれて…あぁ、でもごめんなさい…!)」
かつての親代わりの言い付けを破ってしまったこと、そして何よりも今の状況に動揺してしまい、冷や汗が止まらない名無しは、初めての観覧車にも関わらず、はしゃぐ余裕も景色を見る余裕もなかった。
正面に座る青年の視線は外の景色に向いており、会話はない。
観覧車の駆動音だけが静かな空間に鈍く響いている。
名無しは俯いたままで、視線だけをチラリと青年に向けた。
口元は綻んでいるが、遠くを見つめる瞳には変わらず生気がないように見えて、青年が今どんな感情を抱いているのか読み取ることは困難だった。
「(ノボリさんやクダリさんとは違う…)」
サブウェイマスターの2人も感情を顔に出すタイプではなかったが、少なくとも名無しは彼らと目の前の青年に、明らかに違う何かを感じていた。
その何かが違うから、青年相手にはこれほど気まずい思いを抱いてしまうのだろう。
「(どうしよう…観覧車が地上に着くまで、まだまだかかりそうなのに…)」
名無しが困り果てて目を伏せた、その時。
『えもっ!』
「っ…!えもんが…」
静寂を破ったのは、エモンガの声だった。
名無しが腕の中に視線を落とすと、エモンガは心配そうな表情をしながらも、両手をパタパタと振りながら何かを一生懸命アピールしている。
「(私のこと、勇気づけてくれてるのかな…?)ありがとう、エモンガ…」
「フフ…」
「…!」
安心しかけた瞬間、青年が小さく笑った声が聞こえて名無しはビクリと肩を揺らした。
恐る恐る顔をあげ、改めて青年を見る。
「エモンガも一緒に乗れてよかったね。ポケモンの場合は、一定の大きさや重さをクリアしていれば同乗できるようになったようだ」
落ち着いた雰囲気とは裏腹に、無邪気な子供のような笑顔。
まったく毒気のない青年の反応に、名無しは思わず目をぱちくりさせた。
「そ…そう、なんですね…」
ぎこちないながらも、名無しは言葉を返す。
青年は口元の笑みはそのままに、穏やかに目を細めて名無しを見つめた。
「この観覧車に乗るのは初めてかい?」
「は、はい…観覧車自体、初めて乗りました」
「なるほど、それで先程から緊張してるのか。安心したまえ。メンテナンスしたばかりでトラブルが起きたりはしないさ」
「…そ、そうですよね…」
的外れなフォローに苦笑が漏れる名無し。
先程までガチガチに強張っていた身体から力が抜けていく。
強引だったけど、悪い人じゃなさそう…?
人見知りで大人が苦手ではあるものの、名無しはやはり幼い少女である。人を疑うことに慣れていない。
緊張と警戒心は、少しずつだが確実に薄れつつあった。
そんな名無しとエモンガを交互に見つめた青年は、どこか嬉しそうに笑みをこぼすと、
「キミのエモンガは、キミのことがとてもスキなんだね」
「え…?」
『えもえも!えーも!』
「フフ…頼もしいね。まるで騎士サマだ」
『えもんっ!えも、えも!』
「うん?いいや、そんなつもりはないから安心していいよ。ボクはただ観覧車に乗りたかっただけさ。まぁ、キミ達に少しだけ興味がわいて声をかけたことは事実だけど」
「…?あの…」
名無しは不思議そうに目を丸くして首を傾げた。
このゴンドラには、自分と青年とエモンガしか乗っていない。そして、自分は何も話していない。
にも関わらず、青年は次々に言葉を紡いでいく。
まるで、エモンガと話しているかのように。
「キミは名無しというんだね」
エモンガに向けていた視線を名無しに移して、青年が言った。
「ど、どうして私の名前…」
「エモンガが教えてくれたよ。ボクにはポケモンの声が聴こえる…彼らの言葉が聴こえるんだ」
「ポケモンの、言葉が…?」
驚いて目を大きく見開く名無しに、青年はゆっくりと頷いてみせる。
ぱちぱち、と瞬いてから、名無しは唇を小さく震わせて、呟いた。
「…すごい…!」
キラキラと目を輝かせるその顔は、まるで魔法でも見たかのようだった。
興奮に頬を上気させた名無しは青年を見つめ返し、先程までとは打って変わって自分から言葉を発し始めた。
「あ、あのっ…さっき、エモンガは何て言ってたんですか?」
「キミのこと、優しくてあたたかくてダイスキだと言っていたよ。それから、キミの笑顔を見た瞬間に『この子は自分が守るんだ』と誓ったんだ、って。だから、ボクがキミに何かするなら許さない、とも言っていたね」
「エモンガが、そんな風に…」
名無しが視線を落とすと、エモンガは肯定するように『えもっ!』と頷き、満面の笑みを浮かべた。
恥ずかしそうに、しかし嬉しそうにはにかんで名無しはエモンガに微笑み返す。
「昨日出会ったばかりなのに、そんなに想ってくれるなんて不思議…でも、すごく嬉しい」
「何だって?昨日?それは驚きだ。てっきり長年一緒にいるものとばかり思っていたよ」
青年は目を見張り、ますます興味深そうに名無しとエモンガを見比べた。
「見たところ、その子は野生のようだけれど…」
「はい。昨日、ポケモンセンターに迷い込んできたんです。怪我をしていたからポケモンセンターの人達に手伝ってもらって手当てをして…そうしたら何だか懐いてくれて」
『えも!えーもえも、えもえも!えもん、もんが!』
「…なるほど」
名無しに続いて鳴き声を発するエモンガに、青年はひとつ頷く。
「エモンガは近くの森で一緒に暮らしていたトモダチを探す為に、この街に来たようだ」
「お友達?」
「あぁ。トレーナーにゲットされたところを目撃して、心配になったと言っているよ。けれどポケモンセンターで見つけたトモダチは、そのトレーナーとすっかり打ち解けていたから、そのまま森へ帰るつもりだったのだけど…途中で人間に見つかってしまい、必死に逃げたその先でキミと出会ったらしい」
「そうだったんですか…じゃあ、あの時の怪我は逃げている時に…?」
『えもえも』
「怪我は、森にいた時からのものがほとんどのようだね。トレーナー達のポケモンや、他の野生のポケモン達とよくバトルしていたのかな?」
『えも!』
「フフ、強さに自信があるんだね」
「…本当にすごいですね、お兄さん」
いとも簡単にエモンガの言葉を訳してしまう青年に、名無しは感嘆したように溜め息を吐く。
そして、僅かに目を伏せたままポツリとこぼした。
「…羨ましいです。私にはエモンガの言葉はわからないから…だから、今もずっと悩んだまま、答えが出せなくて」
「答え?」
「はい…」
名無しは頷き、エモンガの頭を優しく撫でる。
「この子を、ゲットしてもいいのかどうか…決められないんです」
「どうしてだい?エモンガのキミをスキな気持ちは誰が見ても明らかだろう?」
「…私、今までずっと、ポケモンがいない場所で育ってきたんです」
思ってもいなかった名無しの告白に、青年は驚いた表情になる。
「存在は少しだけ知っていて…でもそれは、こんな風に触れ合ったりできるものとは違っていて…だから、私、まだポケモンのことをちゃんとわかっていないんです。ポケモンセンターでいろんな人やポケモンを観察したり、本を読んだりして勉強している最中で…そんな私が、懐いてくれているからって、簡単にこの子をゲットして本当にいいのかな、って…。エモンガだって、暮らしていた森に帰った方がいいのかも…待っている家族やお友達がいるかもしれないし…」
エモンガは気持ち良さそうに、自分からも名無しの手に擦り寄って目を細めている。
どう見ても、エモンガは名無しに全幅の信頼を寄せているが…
「それに今の私は、ある人達にお世話になっている身だから…ワガママを言って困らせたくないんです」
「その人達は、エモンガのゲットに反対しているのかい?」
「いえ…むしろ賛成してくれています。そうすればずっと一緒にいられるから、って」
「…キミは、とても変わっているね」
「え?」
名無しは不思議そうに目を瞬かせる。
「ポケモンのいない場所で育ったということもそうだけれど、その考え方というか…あぁ、すまない、悪い意味ではないんだ。むしろ逆さ。エモンガのことを本当に思いやれる優しさを、キミは持っているんだね」
そう言って微笑んだ青年だったが、彼は何故かふと口元に手を当てて真剣な表情になり、
「…以前のボクの考え方とほんの少しだけ似ている部分はあるが、それとは違う…純粋な、相手への思いやり…ボクが理想とする、ヒトとポケモンの関係…その実現への小さな希望が、またひとつ見えた気がした…けれど、きっと今のままでは…ならば、ボクにできることは…」
早口でブツブツと呟き始めた青年。
名無しは1人の世界に入ってしまった様子の青年に、疑問符を浮かべる。
「お、お兄さん…?」
「ねぇ、名無し。キミはモンスターボールをどう思う?」
「えっ…?」
それはあまりにも唐突な質問だった。
名無しは戸惑いを露にする。
「ヒトはモンスターボールでポケモンを捕まえる。ときにはポケモンの意思すらも無視して、無理やりボールの中に捕らえることだってある」
「…。」
「そんな道具を、その行為を、キミはどう思う?」
青年の瞳がまっすぐに、名無しを射抜く。
意図はまったく読めなかったが、名無しの答えを求めるその表情は真剣そのもので、
「…わ、私は…」
名無しも、真剣に彼の質問に答えなければと思った。
暫く一点を見つめたまま考え込んで、出した答えは…
「…正直、まだよくわからないです」
そう申し訳なさそうにこぼすが、「でも」とすぐに言葉を続ける。
「私が見てきた人達は…皆、ポケモンをとても大事にしていました。ポケモン達も、一緒にいられて幸せそうに見えました。お兄さんの言ったように、無理やりポケモンをボールで縛りつける悪い人もいるのかもしれません…だけど、それは、その人が悪い人だからで、モンスターボール自体が悪いわけじゃないと思います」
「道具は使う人間次第、ということかい?」
「はい。私、モンスターボールのことも本で勉強しました。まだ少しだけですけど…」
言いながら、名無しは服のポケットに手を入れて、昨日ポケモンセンターのショップ店員からもらった、小型化したモンスターボールを取り出した。
「この中は、ポケモンにとって快適に過ごせるように作られているって、本に書いてありました。だから少なくとも、作った人達はポケモンのことを思いやって作っていると思います。それに、ボールに入れてもポケモンの心や自由を縛ることにはならないって…」
「でも、キミはエモンガをボールに入れることに悩んでいる?」
「それは…エモンガの気持ちがわからないから…」
「キミの気持ちはどうなんだい?」
「…私の気持ち?」
「キミ自身はエモンガをどうしたいのか、ということだよ。一緒にいるだけなら、モンスターボールを使わなくてもいいだろう?だけどキミは、エモンガをゲットするべきかどうか悩んでいると言った。そこに固執するのはどうして?」
「…私は…」
「ボクはね、ずっとモンスターボールの存在を悪だと思っていたんだ」
「え…」
「人々は、モンスターボールでポケモンの自由を奪い、支配していると思い込んでいた。…だからかつてのボクは苦しんでいるトモダチを救いたい一心で、色々なことをしたよ。ヒトとポケモンを引き離し、ポケモンをボールの支配から、ヒトの支配から解き放ち、自由にしようと…」
青年は悲しげに目を伏せた。
しかしそれは少しの間で、次に名無しに向けた視線は穏やかな満ち足りたものになっていて、
「けれど、あるトレーナーと出会って関わっていく中で知ったんだ。ヒトとポケモンはお互いに認め合って共にいる。ボールで支配し、支配される関係ではない。素晴らしきパートナーなんだ!」
「だからね」と青年は名無しに優しく微笑みかける。
「エモンガを思うキミの気持ちはとても美しい。そんなキミなら、ボールの有無なんて些末なことさ。それよりも大切なことは、どちらかの思いを押しつけるのではなく、どちらかが我慢するのでもないということ…そう、ヒトとポケモンは、対等であるべきなんだよ。…少し、熱くなってしまったね。さぁ、名無し。まずはキミの本音を聞かせてほしい」
「…。」
名無しは、自分を見上げてくる大きくて丸い瞳と見つめ合った。
『えも…?』
名無しの曇った表情を見て、心配そうに眉を下げるエモンガ。
「…私は…」
「うん」
「私は…エモンガと、一緒にいたいです」
吐露した瞬間、エモンガは目を見開き、青年は小さく口元を綻ばせた。
「ちゃんとモンスターボールでゲットして、エモンガと一緒にいたい。そうすれば、もしエモンガに何かあった時はボールの中に入れて守ってあげられるし、もしエモンガが誰かに何かしようとしちゃった時は、それを止めることだってできる筈だから」
「それが、キミの本音?」
名無しはしっかりと頷いた。
「…そうか。エモンガ、キミの気持ちはどうだい?」
『!』
急に問われたエモンガは尻尾をピンと立てて、青年と名無しを何度も交互に見ながら、一生懸命、声をあげた。
『えもも!えもも!えもっ、えもっ!』
「うん。うん…そうか、よくわかったよ。やっぱりキミ達に声をかけてよかった」
青年は今日一番の笑顔を咲かせた。
「名無し。エモンガもキミと同じ気持ちだよ。『キミとずっと一緒にいたい。キミにゲットしてほしい』と言っている」
「…!ほ、本当ですか?」
「もちろん」
『えも!』
青年に続いて、エモンガ自身も大きく頷いた。
「…そっか。そうなんだ。ありがとう、エモンガ…!」
名無しは込み上げてきたあたたかな感情に、くしゃりと顔を歪めて微笑んで、優しくエモンガを抱き締める。
エモンガも嬉しそうにそれに答え、名無しの身体に小さな両手と尻尾を絡めて頬を寄せた。
そんな1人と1匹を、青年は満足そうに目を細めて静かに優しく見守るのだった。
「あの…本当に色々とありがとうございました。でも、ごめんなさい。観覧車からの景色、ほとんど見れなかったですよね。私がたくさん話しちゃったから…」
程なくして名無し達の乗ったゴンドラは地上へ帰還し、観覧車から降りた名無しは青年に感謝の言葉と、楽しみを奪ってしまったことへの謝罪を申し訳なさそうに口にした。
「いや、ボクはとても満足しているよ。素晴らしい瞬間に立ち会えたこと、そしてキミ達との出会いに」
そう言って名無しとエモンガに笑いかけた青年は踵を返すと、一度だけ振り返って、
「いつかまた会えるといいね」
それだけ告げると、青年は名残惜しげもなく歩いていった。
「…何だか、とっても不思議な人だったね」
青年の背中をぼんやりと見送ってから、ポツリとこぼす名無し。
しかしすぐに、現実に引き戻されたようにハッとする。
「いけない…そろそろポケモンセンターに戻らなきゃ…!行こう、エモンガ」
『えも!』
そして名無しもまた、エモンガと一緒にポケモンセンターへ向かって走り出すのだった。
「…名無し、か。ポケモンのいない場所で育っただなんて、一体どういうことだろう?とても興味深い子だったな」
名無しと別れてライモンシティを後にした青年は、1人、晴れ渡った空を見上げる。
どこまでも清々しく澄み渡った青は、まるで今の彼の心を表しているかのようだった。
「…ボールがなくても、ヒトとポケモンが共にいられる世界。その実現こそがボクの夢。彼女達にはその可能性を感じたけれど…」
青年は観覧車で少女と交わした会話を思い返す。
ボールを必要としない世界を理想としながらも、実際に彼がしたことは、理想とは逆の結果を生むものであった。
そうなることを、彼自身よくわかっていたのに。
「後悔はないよ。ヒトとポケモン…彼女達の架け橋となることこそ、きっとあの場でボクのすべきことだった。何より、ボク自身がそうしたいと思ったんだから」
穏やかに目を細めて、青年は遥か遠くを見つめながら最後に一言、
「キミに話したいことが、またひとつ増えたよ。―――」
かつて自分にたくさんのことを気付かせてくれたトレーナーの名前を呟いて、青年は満ち足りた思いで静かに目を閉じた。
「こんばんは」
「名無しさんのお迎えに参りました」
「お2人とも、お疲れ様です」
いつものように夕方のポケモンセンターに現れたノボリとクダリを、ジョーイはニコリと笑顔で出迎える。
「あら?お2人とも今日はご機嫌ですね?」
「わ、バレちゃった?」
「何と!顔に出ていたでしょうか?お恥ずかしい…」
「顔、というよりも雰囲気でしょうか?何だかとても柔らかく感じられたので」
いつも以上にニッコリと口角の上がったクダリと、いつもよりほんの僅かに穏やかな目をしたノボリに気付き、ジョーイは小さく笑みをこぼした。
「何かいいことでもあったんですか?」
「それはまだわからない。でも、楽しみでついつい口元が緩んじゃう」
「実はわたくしども密かに話し合いまして、名無しさんにある提案をさせていただくことにしたのでございます!」
「提案?」
「はい。つきましては、次にこちらにお世話になるのは明後日になるかと。誠に勝手ではありますがご容赦くださいまし」
「(ということはお出掛けの提案なのかしら?)わかりました。ふふ、名無しちゃん、喜んでくれるといいですね」
「うん!」
「えぇ!」
息ぴったりに2人が頷いていると、
「ノボリさん、クダリさん…!」
2人に気付いた名無しが、ショップの方向からエモンガを連れてパタパタと駆けてきた。
その後ろには仲良しのショップ店員もいて、「名無しちゃん、ファイト!」と小声で呟き、ぐっと拳を握り締めている。
こくん、と名無しはショップ店員に頷きを返してから、改めて迎えに来てくれた2人に向き直った。
「お仕事お疲れ様です。あ、あの…」
「どうしたの?」
「えっと…」
もじもじと手を合わせながら俯く名無しに、疑問符を浮かべるノボリとクダリ。
しかし先を促すことはせず、静かに次の言葉を待った。
名無しは何度か口をパクパクさせた後、一度ギュッと両目を閉じる。
そして、パッと開眼した勢いのまま顔を上げると、意を決して2人を見つめた。
「お話が、あります…!」
NEXT
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R7.04
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