異説・紅の竜騎士
「まさか、ここに連れて来られるとは思わなかったぞ。お前は時々、突拍子も無いことをしでかしてくれる」
「ここは色々なことがあった場所だから。だからこそ、私たちはここから歩き始めるべきだと思ったのよ」
「……なるほどな」
先導する冒険者に短く返事をしながら、エスティニアンはその後を追う。
階段を上った先の広間で、冒険者はその中心まで歩を進めると立ち止まり、ゆっくりと振り向いてエスティニアンを見上げると言った。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
ドラゴンズエアリーの最深部。
ニーズヘッグ・アンと称される広間に、一組の男女の姿があった。
かつて蒼の竜騎士と呼ばれたエスティニアンと、彼が相棒と認めた冒険者。
現在は紅の竜騎士と名乗り、竜と対話をし、共に歩む者たちである。
二人を引き合わせ数奇な運命を辿らせた、今は亡き帝竜の玉座で。
紅の竜騎士たちは微笑みを交わし、そして久遠の絆を誓い合った。
~ 完 ~
初出/2018年5月29日 pixiv
「ここは色々なことがあった場所だから。だからこそ、私たちはここから歩き始めるべきだと思ったのよ」
「……なるほどな」
先導する冒険者に短く返事をしながら、エスティニアンはその後を追う。
階段を上った先の広間で、冒険者はその中心まで歩を進めると立ち止まり、ゆっくりと振り向いてエスティニアンを見上げると言った。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
ドラゴンズエアリーの最深部。
ニーズヘッグ・アンと称される広間に、一組の男女の姿があった。
かつて蒼の竜騎士と呼ばれたエスティニアンと、彼が相棒と認めた冒険者。
現在は紅の竜騎士と名乗り、竜と対話をし、共に歩む者たちである。
二人を引き合わせ数奇な運命を辿らせた、今は亡き帝竜の玉座で。
紅の竜騎士たちは微笑みを交わし、そして久遠の絆を誓い合った。
~ 完 ~
初出/2018年5月29日 pixiv