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序章

「あら、ついこの前ご指摘なさったでしょう? 坊っちゃんとわたくしめは年が離れておりますから、このばあやだけでは身辺の気配りが不足だと」
 それはそうだけれども。
 いや、それにしてもだ。
 
 俺と価値観が近いことはおそらくそのとおりだが、仕事ができなければ全く持って意味がない。
 しかし眼前に、有無を言わさぬばあやの顔。
 ……なんてこった。
「がんばりますね、ご主人様!」
 むんとガッツポーズを作ってみせた少女。
 細腕に白い肌、虚弱と言わんばかりのいかにもか弱いその姿に、俺は頭を抱えた。
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