一章
やれやれと肩をすくめて、俺は自分のお腹が空いていることに気付いた。朝ごはんがまだだったのだ。
ばあやに何か作ってもらーー。
あ、ばあやはいないんだ。代わりにいるこいつに朝食を頼むのは……やめておこう。
彼女が作った料理を食べたことはないが、朝からこの調子の彼女に任せてはきっと鍋は丸焦げ、具は爆発してしまうだろう。
俺が作った方が100倍ましだ。そう考えて、俺は自分に自炊の経験が無いことに気付いた。
いや、ある。
あるぞ。
水を混ぜて練って作る知育菓子なら…!
だがそれでお腹が膨れるとも思えない。
人生初の俺とこのメイド、どちらがましな食べ物を作れるだろう…?
ちらりと見ると、メイドは俺を小首を傾げて見返した。俺はつい、呟く。
「あのさ、朝ごはん…」
「あっ申し訳ありません! ただいま作りまーす!」
破片をそっちのけにしてメイドは厨房へと駆けていった。
彼女に任せていては次は屋敷全体が吹き飛ぶかもしれない。俺は慌てて後を追う。
朝ごはんを作るアツい戦いが幕を開けた。
ばあやに何か作ってもらーー。
あ、ばあやはいないんだ。代わりにいるこいつに朝食を頼むのは……やめておこう。
彼女が作った料理を食べたことはないが、朝からこの調子の彼女に任せてはきっと鍋は丸焦げ、具は爆発してしまうだろう。
俺が作った方が100倍ましだ。そう考えて、俺は自分に自炊の経験が無いことに気付いた。
いや、ある。
あるぞ。
水を混ぜて練って作る知育菓子なら…!
だがそれでお腹が膨れるとも思えない。
人生初の俺とこのメイド、どちらがましな食べ物を作れるだろう…?
ちらりと見ると、メイドは俺を小首を傾げて見返した。俺はつい、呟く。
「あのさ、朝ごはん…」
「あっ申し訳ありません! ただいま作りまーす!」
破片をそっちのけにしてメイドは厨房へと駆けていった。
彼女に任せていては次は屋敷全体が吹き飛ぶかもしれない。俺は慌てて後を追う。
朝ごはんを作るアツい戦いが幕を開けた。