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一章

と,言う訳で。
この頼れんメイドが一週間,俺の世話を一人ですることになった。

ばあやは初めての休暇を取りEスポーツの大会に出場してくるそうだ。
あの人何歳だっけ???



******

ガシャン!

「いぎゃあああ」

朝っぱらから何かが落ちる音と,うら若い乙女の悲鳴が屋敷に響き渡る。

「どうした?!」

俺が慌てて駆け付ける。

「……」
「……」


「「……」」


ナニコレ


そこには大量の食器類がぶちまけられており。
空爆でも受けたのかというほどに粉々になっていた。

「はぁ……。
 怪我は?」

「ありまぜえええん」

ぐびぐびと鼻を啜りながらメイドが答えた。

「やっぱりお前一人じゃ無理なんじゃないのか?
 今からでも戻って来てもらうか」

「嫌です!
 私だけでも坊ちゃんの世話くらいできまず!」

その台詞,二度目。

まあ,いっか。
さすがのコイツでも一週間あれば,ばあやもたいにはなれなくとも普通のメイドくらいには仕事が出来るようになるだろう。

ばあやは,うん。
異次元。
最早ヒトの域を超えてる。
人類最強。

「わかった。
 じゃあ頼んだぞ。
 掃除は手伝うから」

俺は硝子やら陶器やらの食器の破片を取ろうとしゃがみ込む。

「あ,危ないからやらなくていいです!
 私がやりますから……」

「良いよ……」

「じゃあ箒かゴム手袋使ってください。
 指が落ちますよ?
 生活力ないですね」

くそ。
お前が言うな。
でもその通りだから何も言い返せない。


「はぁ」


先が思いやられる。
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