真夏の誘惑
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伊作が留三郎の肩を抱くと、間髪入れずに不満の声が上がる。それを無視して胸元を開き厚い胸板をぺたぺたと触る。
「ちょ、伊作」
腕を突っぱねようと手を離したせいで、留三郎の武器が床に落ちた。ゴトリと鈍い音が響いた。
勿論それは伊作にとって願ったり叶ったりで、調子に乗った伊作は、傾けた留三郎の体を正面から抱きすくめる。壁に寄りかかっていた留三郎が床に崩れると更に密着した。くっついた素肌同士が部屋の温度よりも低い温度で冷えた。床の冷たさも心地よい。
「暑い伊作、離れてくれ」
なのに留三郎はそんな事を言ってくる。
「どうしてそんなにつれないの?」
「暑いのに余計暑くなってどうするんだよ」
伊作の胸に頭のてっぺんを押し付けて「後で風呂に行くなら別だけど」と不敵な笑みで言われてしまう。下から覗き込まれたらどうしようもない。
「留さん、好き」
留三郎は当然、と言わんばかりに伊作を抱きしめる腕に力を入れた。ぺたりとさっきも汗を拭った首筋に手の甲を貼り付ける。貼り付けて皮膚が引っ張られる感覚を楽しむ。医務室にいれば度々人の肌に触れる機会はあった。しかし、伊作にとって留三郎の肌こそ別格なものだった。長期休みで尚且つ二人きりにならなければ学園内で治療以外の目的で肌に触れることなど不可能に近いからだ。
されている側の留三郎にとってみればあまり気持ちのいいものでは無いだろう。留三郎はくるりと体を回すと遺作に背中を向けてしまった。しかし、そんな柔い拒絶で諦めるほど伊作もできた男ではない。伊作は頬を膨らませると留三郎の頬をつねってやった。
「んむ、なんらよ」
「こっち向いてよ、留さん」
せっかく二人きりなんだからという言葉は留三郎の口に塞がれてしまった。沈黙が流れる。どちらも何も言わない。それを破ったのは何度目か分からない口づけだった。ここまで来たらそう簡単に引き下がれるはずも無くて、舌裏全体を舐め上げて留三郎の身体を震わせた。
「は、ァっ」
最後に音を立てて唇を離す。透明な糸がわざと繋がるように、舌を出して見せればふい、と視線を反らされた。何も言わぬまま留三郎の肩が落ち着いていくのを見て、もっとアレやコレな事をしておくべきだったかと伊作が眉を潜めた頃、今度は留三郎が妖艶な笑みを伊作に向けた。
「…伊作」
くつろげた襟元から熱い何かが入り込んでくる。留三郎の手だ、と気づく頃にはもう心を鷲掴みにされていた。瞳を伏せるように見下ろす眼差しから、熱の篭った瞳から目が離せない。
伊作を誘うように留三郎の肌をゆっくりと一筋の汗が伝わっていく。
いつの間にか溜まった唾を飲み込んだ。薄く開いた留三郎の唇から赤い舌先が覗く。とても熱い舌でたった今動いたばかりの喉仏をしつこく舐められた。
もはやなんの言葉も紡げなくなった伊作の耳元を、熱のこもったため息がいたずらに擽る。
「ーーー続きは?してくれねぇの?」
どんな猛暑だって、伊作の脳内をここまで揺らせるものでは無い。
「…まいったなぁ」
後日、二人が熱中症で数日間寝込んだ噂が忍術学園中に広まった。
「ちょ、伊作」
腕を突っぱねようと手を離したせいで、留三郎の武器が床に落ちた。ゴトリと鈍い音が響いた。
勿論それは伊作にとって願ったり叶ったりで、調子に乗った伊作は、傾けた留三郎の体を正面から抱きすくめる。壁に寄りかかっていた留三郎が床に崩れると更に密着した。くっついた素肌同士が部屋の温度よりも低い温度で冷えた。床の冷たさも心地よい。
「暑い伊作、離れてくれ」
なのに留三郎はそんな事を言ってくる。
「どうしてそんなにつれないの?」
「暑いのに余計暑くなってどうするんだよ」
伊作の胸に頭のてっぺんを押し付けて「後で風呂に行くなら別だけど」と不敵な笑みで言われてしまう。下から覗き込まれたらどうしようもない。
「留さん、好き」
留三郎は当然、と言わんばかりに伊作を抱きしめる腕に力を入れた。ぺたりとさっきも汗を拭った首筋に手の甲を貼り付ける。貼り付けて皮膚が引っ張られる感覚を楽しむ。医務室にいれば度々人の肌に触れる機会はあった。しかし、伊作にとって留三郎の肌こそ別格なものだった。長期休みで尚且つ二人きりにならなければ学園内で治療以外の目的で肌に触れることなど不可能に近いからだ。
されている側の留三郎にとってみればあまり気持ちのいいものでは無いだろう。留三郎はくるりと体を回すと遺作に背中を向けてしまった。しかし、そんな柔い拒絶で諦めるほど伊作もできた男ではない。伊作は頬を膨らませると留三郎の頬をつねってやった。
「んむ、なんらよ」
「こっち向いてよ、留さん」
せっかく二人きりなんだからという言葉は留三郎の口に塞がれてしまった。沈黙が流れる。どちらも何も言わない。それを破ったのは何度目か分からない口づけだった。ここまで来たらそう簡単に引き下がれるはずも無くて、舌裏全体を舐め上げて留三郎の身体を震わせた。
「は、ァっ」
最後に音を立てて唇を離す。透明な糸がわざと繋がるように、舌を出して見せればふい、と視線を反らされた。何も言わぬまま留三郎の肩が落ち着いていくのを見て、もっとアレやコレな事をしておくべきだったかと伊作が眉を潜めた頃、今度は留三郎が妖艶な笑みを伊作に向けた。
「…伊作」
くつろげた襟元から熱い何かが入り込んでくる。留三郎の手だ、と気づく頃にはもう心を鷲掴みにされていた。瞳を伏せるように見下ろす眼差しから、熱の篭った瞳から目が離せない。
伊作を誘うように留三郎の肌をゆっくりと一筋の汗が伝わっていく。
いつの間にか溜まった唾を飲み込んだ。薄く開いた留三郎の唇から赤い舌先が覗く。とても熱い舌でたった今動いたばかりの喉仏をしつこく舐められた。
もはやなんの言葉も紡げなくなった伊作の耳元を、熱のこもったため息がいたずらに擽る。
「ーーー続きは?してくれねぇの?」
どんな猛暑だって、伊作の脳内をここまで揺らせるものでは無い。
「…まいったなぁ」
後日、二人が熱中症で数日間寝込んだ噂が忍術学園中に広まった。
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